眠れる乙女の後日談
ここは万屋パッショーネの食卓。一人の男がフォークを片手に熱弁している。
「みんなみんな!!聞けって、チョコラータの髪の毛ってよォー、もし食ったら「まずい」のかそれとも「うまい」のか?」
どうもどこかで見たような会話をしているようだ。
「やめろよメローネッ!そんな話。もう「美味い」って結論この前でただろーがーッ!!」
任務の帰りにお土産で貰いスデに食べていたのであった・・・勇気あるなぁ、オイ。
「いやいや、髪の毛にも色んな調理法があるじゃあないか、茹でる、焼く、蒸すとかよォ。どの調理法が一番味を引き出せるのか・・・スゴく気にならないか?」
「ならねーなッ!!どう調理しようがアレは「美味い」!その事実はかわらねーッ!!」
などとくだらない話をしているうちに、彼らのリーダーが帰ってきた。
「お・・・リゾット」
「予定より早かったな。先に飯食ってるぜ」
食べ物を前にして『待て』をするようなヤツらではない暗殺チームであった。
「ちょっとぐらい待てよお前ら。・・・ところでホルマジオ・・・」
居間で待っている人物に気付いたリゾットが問う。
「ああ、依頼者だ。さっき来たばかりだぜ。永遠亭で働いてる・・・ちっこいほうの兎だ。素性は調べたが・・ここ最近外出が多くなったらしい」
ホルマジオに支えられ、てゐが応接間にやってきた。
「リゾットさん。今日はあなたに頼みごとがあってきたのです」
らしくない口調でてゐは話し出した。いつになく重い雰囲気なのだがリゾットは「(ここに来る客はなんでみんなこう似たような口調になるんだ?)」と一人思っていた。
「それでだ?てゐ?永遠亭でまた何かあったのか?もう鈴仙のこともみんな思い出したんだろ?結局あの姫さんだけが覚えてたとかいうオチだったっけか?」はやく飯が食べたかったのでさっさと本題に入ることにした。
「鈴・・・麺・・・?」てゐが誰だかわかっていないように言った。・・・あいつまた忘れられたのか・・・。リゾットは心の中で冷麺に同情した・・・あ、鈴仙?だったっけか?
「今日ここに来たのは・・・ある人間について相談があるからです。その人間も外の世界からやって来たので、あなたがたに依頼したほうがいいと思って・・・」
それを聞いたリゾットはふと感じた疑問を口にした。
「外の世界からまた誰か来たのか?だったらそっちにはチョコラータがいるじゃあないか?」
『チョコラータ』
その名を聞いて、てゐは泣き出し、ゆっくりと話をはじめた。
「う・・うう・・・今から1週間前のことです。チョコラータが森で拾った外来人を永遠亭に連れてきました。それはいいんだけど、そいつが新入りなのにチョコラータとずっと一緒にいるのがわたしの癇にさわりました」
怒りからだろう、彼女はいつの間にか手を握り締めていた。
「(そんな森でキノコ拾うみたいに人間拾ってくるなよ・・・)」
「それから間もなく・・チョコラータはわたしよりもそいつと一緒にいる時間のほうが長くなってしまいました・・・うっ・・うううっ・・うあおおおお・あああああ、うああぁぁ・・・おおお」
何かを思い出したのか彼女は泣き出したが、リゾットは「(だからなんでこうも似たような展開になるんだッ!?)」と心の中でつっこんでいた。あ、編集長、使いまわしなんでここまでの原稿料ただでいいです。はい。
「す、すみません取り乱して。でも・・なぜ涙が流れるのでしょうか・・あの人間がチョコラータを・・・あの男がチョコラータを・・・うう」
「(知らねぇよ。そもそもチョコラータのどこがいいんだ?イルーゾォのほうがいいぞ?最近失恋したって言ってたな・・・紹介してやろうか)」
彼女は持ってきた鞄を開け、金を取り出して言った
「あなたに、仇を討ってもらいたいのです。あの男にしかるべき報いを・・・!」
それを聞いてリゾットが言う
「『しかるべき報い』?一体なんのことだ?何に対する『報い』かわからないが・・・まさか俺たちにそいつの『暗殺』をしろと言いたいのか?」
彼女が考えているかもしれないことに気付き眉をひそめて尋ねてみたが
「そうだよッ!!!」
てゐはすがすがしいほどキッパリと言い切った。
「「「「「「・・・・・・・」」」」」」
気まずい沈黙のあと、リゾットが言った
「あー・・・スマンが俺たちはもう暗殺はしていなんだよ。わかるか?ほら?玄関に書いてあったろ?『訪問販売お断り』の下の『猛ギアッチョ注意』の下に『暗殺依頼もお断り』ってな?」リゾットが子どもを諭すかのように言う。
「・・・で、でもそいつのせいで!今までずっと一緒に居たのに、今はちょっとしか構ってくれなくなったんだよ!!」
「どれだけ一緒にいたとかはこの際どうでもいい。どうしても暗殺してほしいっていうなら他所に行ってくれ。紅魔館と博麗神社にも外からの世界の人間がいる。そいつらも腕に覚えのあるスタンド使いだ。(まぁまず引き受けないと思うが)そいつらに頼んでみろ」リゾットはそう言うとささと食卓に行こうとした。
「うう・・・これがいわゆる『たらい回し』なのね・・・」(「『たらい回し』って言葉あるよなぁあ?・・・・ああ?別になんともねぇな・・・クソッ!クソッ!クソッ!クソッ!!なんともねぇんならわざわざ『』つけんじゃねーよ!ムカつくぜ!この『』!!いらねえ恥をかいちまったじゃあねぇかよ!クソ!てゆーか『猛ギアッチョ注意』ってなんだよ!昨日までなかったじゃねえか!誰だ!書いた奴!!ペッシ!おめーか!」)
どこかでぶつぶつ言っているのが聞こえるが気にしてはいけない。
精神的に疲れそうな仕事はなるべく引き受けたくないのだ。将来ハゲるのはイヤだからな。
「どうしてもダメなの?」
上目遣いで(しかも涙目)頼んでくるが、オレはロリコンじゃあない。・・・が、考えてみればこんな見た目だが年齢はオレより遥かに上なのだ。それに気付いた時、無意識のうちに「わかった。引き受けよう」と、言ってしまったリゾットであった」
「おいこら。ナレーション風に話したところで引き受けないからな」
「はーい!大人として任務の差別はいけないと思いまーす」
「差別じゃない『区別』だ」
「・・・・・」
「『区別』だ」
「・・・・」
「『万屋』ってくらいなんだから別にいいでしょ?」
「あぁ?今『区別』から『分別』に変わったわ」
「ひどッ!それゴミってこと!?てゆーか鈴仙の時と話の流れおんなじなんだから別にいいでしょ?!」
「(無視)」
「・・・・・・」
そのまま時計の秒針が3週ほど回った。
「セッコ!!!」
沈黙のあとに突然てゐが叫んだ。
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・で?」
「いや、だから!その外来人は『セッコ』って名前で!こう、話の流れて気に任務を引き受けて次の話に進む、みたいな?」てゐが短い手足をばたつかせながら何かを訴えている。駄々っ子か!おのれは!
「残念だがこの話はこれで終わりだ、もういい加減飯を食わせてくれよ。じゃあな」
「いや!でも!そのッ!チョコラータがッ!!○×△!」
「(諦めの悪いウサギだ。何を言ってるかわからんが、大方ノロケ話だろう・・・・ん?ノロケ話・・・)」
「あ」
食卓で黙って聞いていたイルーゾォが突然ぶち切れた
「ノロケ話は許可しないィイイイイ!!!」
そう叫び、イルーゾォの渾身の一撃が放たれた。
「ィヤッダバァアアアアアァァァァ・・・・・」
「おーよく飛んだなぁオイ。・・・・・で、イルーゾォ、ドアの修理費、お前の給料から引いとくぞ」
「はいリーダー・・・」
「それからイルーゾォ、ギアッチョに『猛ギアッチョ注意』って書いたのお前だって、言ってこいよ?」
「はいリーダー・・・」
ここは万屋パッショーネの食卓。一人の男がフォークを片手に熱弁している。
「みんなみんな!!聞けって、チョコラータの髪の毛ってよォー、もし食ったら「まずい」のかそれとも「うまい」のか?」
どうもどこかで見たような会話をしているようだ。
「やめろよメローネッ!そんな話。もう「美味い」って結論この前でただろーがーッ!!」
任務の帰りにお土産で貰いスデに食べていたのであった・・・勇気あるなぁ、オイ。
「いやいや、髪の毛にも色んな調理法があるじゃあないか、茹でる、焼く、蒸すとかよォ。どの調理法が一番味を引き出せるのか・・・スゴく気にならないか?」
「ならねーなッ!!どう調理しようがアレは「美味い」!その事実はかわらねーッ!!」
などとくだらない話をしているうちに、彼らのリーダーが帰ってきた。
「お・・・リゾット」
「予定より早かったな。先に飯食ってるぜ」
食べ物を前にして『待て』をするようなヤツらではない暗殺チームであった。
「ちょっとぐらい待てよお前ら。・・・ところでホルマジオ・・・」
居間で待っている人物に気付いたリゾットが問う。
「ああ、依頼者だ。さっき来たばかりだぜ。永遠亭で働いてる・・・ちっこいほうの兎だ。素性は調べたが・・ここ最近外出が多くなったらしい」
ホルマジオに支えられ、てゐが応接間にやってきた。
「リゾットさん。今日はあなたに頼みごとがあってきたのです」
らしくない口調でてゐは話し出した。いつになく重い雰囲気なのだがリゾットは「(ここに来る客はなんでみんなこう似たような口調になるんだ?)」と一人思っていた。
「それでだ?てゐ?永遠亭でまた何かあったのか?もう鈴仙のこともみんな思い出したんだろ?結局あの姫さんだけが覚えてたとかいうオチだったっけか?」はやく飯が食べたかったのでさっさと本題に入ることにした。
「鈴・・・麺・・・?」てゐが誰だかわかっていないように言った。・・・あいつまた忘れられたのか・・・。リゾットは心の中で冷麺に同情した・・・あ、鈴仙?だったっけか?
「今日ここに来たのは・・・ある人間について相談があるからです。その人間も外の世界からやって来たので、あなたがたに依頼したほうがいいと思って・・・」
それを聞いたリゾットはふと感じた疑問を口にした。
「外の世界からまた誰か来たのか?だったらそっちにはチョコラータがいるじゃあないか?」
『チョコラータ』
その名を聞いて、てゐは泣き出し、ゆっくりと話をはじめた。
「う・・うう・・・今から1週間前のことです。チョコラータが森で拾った外来人を永遠亭に連れてきました。それはいいんだけど、そいつが新入りなのにチョコラータとずっと一緒にいるのがわたしの癇にさわりました」
怒りからだろう、彼女はいつの間にか手を握り締めていた。
「(そんな森でキノコ拾うみたいに人間拾ってくるなよ・・・)」
「それから間もなく・・チョコラータはわたしよりもそいつと一緒にいる時間のほうが長くなってしまいました・・・うっ・・うううっ・・うあおおおお・あああああ、うああぁぁ・・・おおお」
何かを思い出したのか彼女は泣き出したが、リゾットは「(だからなんでこうも似たような展開になるんだッ!?)」と心の中でつっこんでいた。あ、編集長、使いまわしなんでここまでの原稿料ただでいいです。はい。
「す、すみません取り乱して。でも・・なぜ涙が流れるのでしょうか・・あの人間がチョコラータを・・・あの男がチョコラータを・・・うう」
「(知らねぇよ。そもそもチョコラータのどこがいいんだ?イルーゾォのほうがいいぞ?最近失恋したって言ってたな・・・紹介してやろうか)」
彼女は持ってきた鞄を開け、金を取り出して言った
「あなたに、仇を討ってもらいたいのです。あの男にしかるべき報いを・・・!」
それを聞いてリゾットが言う
「『しかるべき報い』?一体なんのことだ?何に対する『報い』かわからないが・・・まさか俺たちにそいつの『暗殺』をしろと言いたいのか?」
彼女が考えているかもしれないことに気付き眉をひそめて尋ねてみたが
「そうだよッ!!!」
てゐはすがすがしいほどキッパリと言い切った。
「「「「「「・・・・・・・」」」」」」
気まずい沈黙のあと、リゾットが言った
「あー・・・スマンが俺たちはもう暗殺はしていなんだよ。わかるか?ほら?玄関に書いてあったろ?『訪問販売お断り』の下の『猛ギアッチョ注意』の下に『暗殺依頼もお断り』ってな?」リゾットが子どもを諭すかのように言う。
「・・・で、でもそいつのせいで!今までずっと一緒に居たのに、今はちょっとしか構ってくれなくなったんだよ!!」
「どれだけ一緒にいたとかはこの際どうでもいい。どうしても暗殺してほしいっていうなら他所に行ってくれ。紅魔館と博麗神社にも外からの世界の人間がいる。そいつらも腕に覚えのあるスタンド使いだ。(まぁまず引き受けないと思うが)そいつらに頼んでみろ」リゾットはそう言うとささと食卓に行こうとした。
「うう・・・これがいわゆる『たらい回し』なのね・・・」(「『たらい回し』って言葉あるよなぁあ?・・・・ああ?別になんともねぇな・・・クソッ!クソッ!クソッ!クソッ!!なんともねぇんならわざわざ『』つけんじゃねーよ!ムカつくぜ!この『』!!いらねえ恥をかいちまったじゃあねぇかよ!クソ!てゆーか『猛ギアッチョ注意』ってなんだよ!昨日までなかったじゃねえか!誰だ!書いた奴!!ペッシ!おめーか!」)
どこかでぶつぶつ言っているのが聞こえるが気にしてはいけない。
精神的に疲れそうな仕事はなるべく引き受けたくないのだ。将来ハゲるのはイヤだからな。
「どうしてもダメなの?」
上目遣いで(しかも涙目)頼んでくるが、オレはロリコンじゃあない。・・・が、考えてみればこんな見た目だが年齢はオレより遥かに上なのだ。それに気付いた時、無意識のうちに「わかった。引き受けよう」と、言ってしまったリゾットであった」
「おいこら。ナレーション風に話したところで引き受けないからな」
「はーい!大人として任務の差別はいけないと思いまーす」
「差別じゃない『区別』だ」
「・・・・・」
「『区別』だ」
「・・・・」
「『万屋』ってくらいなんだから別にいいでしょ?」
「あぁ?今『区別』から『分別』に変わったわ」
「ひどッ!それゴミってこと!?てゆーか鈴仙の時と話の流れおんなじなんだから別にいいでしょ?!」
「(無視)」
「・・・・・・」
そのまま時計の秒針が3週ほど回った。
「セッコ!!!」
沈黙のあとに突然てゐが叫んだ。
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・で?」
「いや、だから!その外来人は『セッコ』って名前で!こう、話の流れて気に任務を引き受けて次の話に進む、みたいな?」てゐが短い手足をばたつかせながら何かを訴えている。駄々っ子か!おのれは!
「残念だがこの話はこれで終わりだ、もういい加減飯を食わせてくれよ。じゃあな」
「いや!でも!そのッ!チョコラータがッ!!○×△!」
「(諦めの悪いウサギだ。何を言ってるかわからんが、大方ノロケ話だろう・・・・ん?ノロケ話・・・)」
「あ」
食卓で黙って聞いていたイルーゾォが突然ぶち切れた
「ノロケ話は許可しないィイイイイ!!!」
そう叫び、イルーゾォの渾身の一撃が放たれた。
「ィヤッダバァアアアアアァァァァ・・・・・」
「おーよく飛んだなぁオイ。・・・・・で、イルーゾォ、ドアの修理費、お前の給料から引いとくぞ」
「はいリーダー・・・」
「それからイルーゾォ、ギアッチョに『猛ギアッチョ注意』って書いたのお前だって、言ってこいよ?」
「はいリーダー・・・」