ここは、会場の最南端。
潮風が吹き、波の音が聞こえる。
雰囲気を作るためか、ヤシの木まで生えている。
上を見上げれば、雲一つない青空と、眩しく輝く太陽。
潮風が吹き、波の音が聞こえる。
雰囲気を作るためか、ヤシの木まで生えている。
上を見上げれば、雲一つない青空と、眩しく輝く太陽。
輝く青と緑に覆われたこの地にいれば、高揚した気分になれるはずだが、そんなわけにもいかなかった。
事実、この地に降り立つことになった、市松模様の服を着た少年も、表情に憤りを見せていた。
事実、この地に降り立つことになった、市松模様の服を着た少年も、表情に憤りを見せていた。
(絶対に許さない……。)
少年の名は竈門炭治郎。
人に仇名す鬼を殺す、「鬼殺隊」の一員である。
少年の名は竈門炭治郎。
人に仇名す鬼を殺す、「鬼殺隊」の一員である。
(ふらうぃ……とか言ってたな。あいつも鬼なのか?それとも別の生き物なのか?)
このような醜悪な催しを開き、そして平然と人を殺す。
やっていることは卑劣な鬼と変わらないような気もするが、花の姿をしたフラウィーは、炭治郎から見ても異質な存在だった。
このような醜悪な催しを開き、そして平然と人を殺す。
やっていることは卑劣な鬼と変わらないような気もするが、花の姿をしたフラウィーは、炭治郎から見ても異質な存在だった。
(そうだ…。)
炭治郎はフラウィーに言われた言葉を思い出し、いつの間にか肩にかかっていた鞄をひっくり返す。
様々な物が出てくるが、彼は真っ先に手に取ったのは名簿だった。
炭治郎はフラウィーに言われた言葉を思い出し、いつの間にか肩にかかっていた鞄をひっくり返す。
様々な物が出てくるが、彼は真っ先に手に取ったのは名簿だった。
(禰豆子!?善逸!?伊之助!?義勇さん!?)
本をめくってみると、最初のページに妹、同期の鬼殺隊、そして自分を鬼殺隊に導いてくれた人物の名前が一度に載っていたことに驚く。
だが、それ以上に炭治郎が驚くことがあった。
本をめくってみると、最初のページに妹、同期の鬼殺隊、そして自分を鬼殺隊に導いてくれた人物の名前が一度に載っていたことに驚く。
だが、それ以上に炭治郎が驚くことがあった。
(煉獄さん!?それに……累だって?)
名簿の下の方には頸を斬られて、灰に帰したはずの下弦の鬼、累の名があった。
さらに、かつて共に任務へ向かい、上弦の鬼との戦いで命を落とした炎柱、煉獄杏寿郎。
何の因果か、その煉獄杏寿郎を殺した鬼にして、絶対に殺さなければならない猗窩座までも。
名簿の下の方には頸を斬られて、灰に帰したはずの下弦の鬼、累の名があった。
さらに、かつて共に任務へ向かい、上弦の鬼との戦いで命を落とした炎柱、煉獄杏寿郎。
何の因果か、その煉獄杏寿郎を殺した鬼にして、絶対に殺さなければならない猗窩座までも。
(どういうことだ!?まさか、死んだ人や鬼を生き返らせたのか!?)
そんなことは鬼の首魁、鬼舞辻無惨でさえ不可能なはずだ。
花の怪物のしでかした恐ろしさに、死線を潜り抜けてきた炭治郎の背筋も寒くなる。
そんなことは鬼の首魁、鬼舞辻無惨でさえ不可能なはずだ。
花の怪物のしでかした恐ろしさに、死線を潜り抜けてきた炭治郎の背筋も寒くなる。
とりあえず、鬼である累、猗窩座に注意を払いながら、善逸達を見つけ、ともにこの不気味な世界から脱出しようと決めることにした。
幸いなことに、自分や他者を守るための武器は見つかった。
幸いなことに、自分や他者を守るための武器は見つかった。
(日輪刀とは違うみたいだな……。)
鬼殺隊が使い慣れている刀とは異なる、両刃のデザインに違和感を覚える。
(いや、武器だけじゃない。何か、違う。)
鬼殺隊が使い慣れている刀とは異なる、両刃のデザインに違和感を覚える。
(いや、武器だけじゃない。何か、違う。)
この世界から、いつもの野山とは全く異なる臭いを感じ取った。
ありふれた嗅覚の持ち主ならそうしたものは感じないはずだが、人の怒りまでも臭いで嗅ぎ取れる炭治郎は違っていた。
ありふれた嗅覚の持ち主ならそうしたものは感じないはずだが、人の怒りまでも臭いで嗅ぎ取れる炭治郎は違っていた。
そこら中から、薄っすらとだが血のような臭いが漂ってきた。
「おーーーーい。」
嗅ぎ慣れぬ空気の臭いに困惑していたところで、近くから人の声が聞こえて、炭治郎はその場所に走っていく。
嗅ぎ慣れぬ空気の臭いに困惑していたところで、近くから人の声が聞こえて、炭治郎はその場所に走っていく。
そこにいたのは、草原に不似合いな雪だるまだった。
かつて雪がよく降った自分の故郷、雲取山で今は亡き弟達と、雪だるまを作った記憶が蘇る。
しかし、その雪の塊は溶けかけていた。
冬になると毎年雪が積もる雲取山と違って、むしろ暑いくらいなこの辺りでは、逆に溶けていた方が当たり前かもしれないが。
かつて雪がよく降った自分の故郷、雲取山で今は亡き弟達と、雪だるまを作った記憶が蘇る。
しかし、その雪の塊は溶けかけていた。
冬になると毎年雪が積もる雲取山と違って、むしろ暑いくらいなこの辺りでは、逆に溶けていた方が当たり前かもしれないが。
声の主を探して、雪の塊に近い形状になっていたそれの近くを見回す炭治郎。
「違う違う。キミを呼んだのは、ボクです。」
「え!?」
「違う違う。キミを呼んだのは、ボクです。」
「え!?」
一瞬驚くが、雪だるまを見つめる。
「俺は鬼殺隊の、竈門炭治郎。君は?」
「ボクは、ゆきだるまです。気が付いたら、こんな暑いところにいました。せかいじゅうを旅したいからって、こんなの、あんまりです。」
「俺は鬼殺隊の、竈門炭治郎。君は?」
「ボクは、ゆきだるまです。気が付いたら、こんな暑いところにいました。せかいじゅうを旅したいからって、こんなの、あんまりです。」
こんな所で溶けかけて、大丈夫なのか、と思っていたらその心配は当たっていたようだ。
「し、しっかりしろ!俺が……どうにかするから……。」
どうにかする、と言っても、解決策は見当たらない。
死と隣り合わせな鬼殺隊である以上、最低限の応急処置の技術は身に着けているが、それはあくまで人間のためのものだ。
どうにかする、と言っても、解決策は見当たらない。
死と隣り合わせな鬼殺隊である以上、最低限の応急処置の技術は身に着けているが、それはあくまで人間のためのものだ。
「キサツタイさん。ボクのからだから、雪をとってください。」
今もなお溶けつつある雪だるまは、自分をバラバラにしてほしいかのような言葉を発した。
今もなお溶けつつある雪だるまは、自分をバラバラにしてほしいかのような言葉を発した。
「でも……それって……。」
雪ダルマごと入るほど大きな鞄ではないが、欠片なら入る。
だが、それでいいのだろうか。
雪ダルマごと入るほど大きな鞄ではないが、欠片なら入る。
だが、それでいいのだろうか。
「いいんです。ボクのかけらを、スノーフルって雪山に返してくれれば。」
「……。」
最早雪の塊になるのも時間の問題な彼から、何も言わずに一掴み体を取る。
「……。」
最早雪の塊になるのも時間の問題な彼から、何も言わずに一掴み体を取る。
「ありがとう。それはきっと、溶けません。
そうだ。きっと彼もこの世界に呼ばれているかもしれないです。」
そうだ。きっと彼もこの世界に呼ばれているかもしれないです。」
「彼?」
「紫と青のシャツの男の子です。彼と、友達になれると思いますよ。名前は……。」
最後に、かつて同じように自分のカケラを渡した少年、フリスクの名を告げようとする。
最後に、かつて同じように自分のカケラを渡した少年、フリスクの名を告げようとする。
名前を言おうとした瞬間、形が崩れて雪の塊になってしまった。
それもそう長くないうちに溶け切ってしまうはず。
それもそう長くないうちに溶け切ってしまうはず。
「ありがとうございます。この欠片、大事にします。」
白い塊に祈りを捧げ、心優しい少年は歩き出した。
白い塊に祈りを捧げ、心優しい少年は歩き出した。
しかし、忘れてはならない。
噂の相手と、実際の相手が似て非なる存在である可能性も。
噂の相手と、実際の相手が似て非なる存在である可能性も。
【G-8/草原/1日目/深夜】
【竈門炭治郎@鬼滅の刃】
[状態]:健康 フラウィーへの怒り
[道具]:基本支給品一式、兵士の剣@DQ8 雪だるまのカケラ@Undertaleランダム支給品0〜2
[状態]:健康 フラウィーへの怒り
[道具]:基本支給品一式、兵士の剣@DQ8 雪だるまのカケラ@Undertaleランダム支給品0〜2
[思考・状況]
基本方針:禰豆子・善逸・伊之助・義勇さん・煉獄さんを見つけ、フラウィーを倒す
1:雪だるまが言っていた少年(フリスク@Undertale)も探す
[備考]
参戦時期は半天狗撃破後、無惨襲撃前の間です。
基本方針:禰豆子・善逸・伊之助・義勇さん・煉獄さんを見つけ、フラウィーを倒す
1:雪だるまが言っていた少年(フリスク@Undertale)も探す
[備考]
参戦時期は半天狗撃破後、無惨襲撃前の間です。
【支給品紹介】
【兵士の剣@ドラゴンクエストVIII 空と大地と呪われし姫君】
竈門炭治郎に支給された剣。
トロデーン城の兵士が城を守るために渡される武器である。
あまり強いとは言えないが、使い方次第で強力な技を使うことができる。
【兵士の剣@ドラゴンクエストVIII 空と大地と呪われし姫君】
竈門炭治郎に支給された剣。
トロデーン城の兵士が城を守るために渡される武器である。
あまり強いとは言えないが、使い方次第で強力な技を使うことができる。
【雪だるまのカケラ@Undertale】
炭治郎に託されたSnowman/雪だるまの一部
食べると体力が大きく回復する。現実の雪と違い、時間経過だけでは溶けない
炭治郎に託されたSnowman/雪だるまの一部
食べると体力が大きく回復する。現実の雪と違い、時間経過だけでは溶けない
【NPC紹介】
【雪だるま@Undertale】
G-8に一体だけいた、その名の通りの雪だるま。既に溶けてしまっている。
原作でも、雪だるまのカケラをフリスクに託してくる。
食べるか、ずっと持ち続けるか、さらにカケラを取るかはプレイヤー次第。
【雪だるま@Undertale】
G-8に一体だけいた、その名の通りの雪だるま。既に溶けてしまっている。
原作でも、雪だるまのカケラをフリスクに託してくる。
食べるか、ずっと持ち続けるか、さらにカケラを取るかはプレイヤー次第。
PREV | 012 | NEXT |
本物のヒーローの戦い | 投下順 | |
時系列順 | ||
GAME START | 竈門炭治郎 |