★★「第一志望ではありません」が絶対にダメな理由

さて、比較的有名なことですが、

選考が終盤にさしかかったタイミングで、面接官に「第一志望ですか?」と聞かれた場合は、

どんなことがあっても「第一志望です」と答えてください。

違う答えを返した場合、一般的には内定は出ません。(例外もありますが、ほとんどの会社でNGです)

これには色々と理由があるのですが、中でも大きなものが、

採用担当者は、「優秀な学生をとること(質的目標)」以外に、「指示された人数を確保すること(量的目標)」を課せられている

というものがあります。

一人の学生がぐだぐだ言った時は、見切って次の学生に行かないと、仕事が果たせないわけです。

そして、実際のところ、「第一志望ではない」と言っている学生には、いくらでも代えはいます。

新卒学生なんて、五十歩百歩だからです。

その一方で、「第一志望ではありません」と正直に言ってしまう学生というのは、お人好しというのもあるのかもしれませんが、

むしろ、

「自分はオンリーワンの存在と評価されたから、選ばれた」

という、誇大妄想や勘違いが大いにあるように思います(全員がそうだというわけではありませんが)。

繰り返しますが、企業は、学生のことを、タイミングや、あたった面接官との相性などで、ある意味、偶然高評価になっているとしか考えていません。

入ってからハズレだったケースなど、いくらでもあるんです。それでもベストを尽くすだけです。

そして、人数が確保できた場合は、そこで選考を終了します。







(余談1)

就職活動マニアになってしまう学生というのは多いですが、そうした学生はたいていの場合、

自分がどう思うか、どうしたいかよりも、実は採用担当者の気持ち を理解するほうがはるかに重要ということがわかっていません。

煮詰まっていると、内定はなかなか出ません。少し視点を変えて、もう一度頑張ってみませんか。



(余談2)

もし、優秀そうだが、話の流れから、イマイチ第一志望じゃなさそうな学生がいたら、どうするのでしょうか。

これは、「学生本人が”第一志望です”と言ったのでよし」とする企業がほとんどです。

具体的には、その学生が、「第一志望です」と言っていることを複数の担当者が確認し、担当者全員が「本当だと思う」と判断することで、内定を出します。

ビジネスの世界では、「不確定な要素」というものは数え切れないほど多くあり、その中で意思決定をしないと前に進めないわけですが、

意思決定を行う際は、
  • できる限りの情報を集め
  • 妥当な判断プロセスを経て
  • 経験豊富な最終責任者が決断を下す(一般に「決裁する」「ハンコをつく」と言われます)
という過程を必ずふみます。

これをきちんとやった結果、それでも予想外のこと(内定辞退)が起きた場合、企業は「適切な意思決定を行った結果なので、責任は不問」とするわけです。

これが企業です。

こうした過程をふんでいるからこそ、何十億、何百億円という損失を出しても、従業員個人が責任に問われることはないのです。

(ちなみに、過程を怠った場合は、刑事罰に課せられます)

話を戻しますが、

結局のところ、他人(学生)の内心など分かりません。

また、一定の辞退者が出ることは織り込み済みです。

むしろ、内定拘束などをこまめにやることで対処するほうが、よほど建設的です。

ですから、迷うことはありません。

笑顔で「第一志望です」と言って置けばいいんです。



(余談3)

「本当に第一志望?」と聞かれることもよくあります。

この場合は、「はい」「面談でお会いした人に魅かれました」「他の会社はもう受けません」あたりにフレーズを無限リピートしましょう。

これをやられると、面接官は(普通は)もうそれ以上追及してきません。

これで引き下がらない会社は・・・そんな異常な会社は辞退したほうがいいと思いますよ(笑)

(余談)ちなみに、「@@証券(**銀行のときもあります)を辞退するとコーヒー(カレー)をかけられた」という都市伝説がよくありますが、採用担当者の懇親会で「コーヒーをかけることで有名なあの証券会社(笑)」の担当者色々と話したところ、全く根も葉もない噂(都市伝説 ?)ですので、ご安心を・・・(笑)


(余談4)

こうした本音と建前の使い分けが、社会では非常に重要になります。

特に会社でのそのあたりのニュアンスを余すことなく解説した本が、下の『外資系キャリアの出世術』です。

「外資ブーム」の頃に書かれた本ですので、タイトルはいささかアレですが、内容はベタな日本企業を含む「企業人全般向け」となっています。

若手社会人にオススメしたい本ナンバーワンです。





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最終更新:2010年03月22日 20:41