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  • YOU GOTTA RUN

真贋バトルロワイヤル

YOU GOTTA RUN

最終更新:2025年03月26日 10:58

sinjitsurowa

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だれでも歓迎! 編集
改めて説明するまでも無いが、伏黒甚爾は呪力を持たない。
呪術師との関りを持たない一般人程度の量だけ、ということではなく。
事実として、生まれつき一切の呪力が存在しないのである。

呪術師の家系に生まれながら、呪力を持たない人間。
そんな者が家からどのような扱いを受けるか、想像に難くない。
特に甚爾の生まれの禪院家は、「禪院家に非ずんば呪術師に非ず、呪術師に非ずんば人に非ず」を掲げる筋金入りの選民思想。
術式どころか呪力自体を、産声を上げた瞬間より天に取り上げられた忌み子。
蔑まれ、見下され、嘲笑われ、嫌われ。
それ以上に、恐れられた。

呪力の完全喪失という縛りと引き換えに、甚爾は天与の恩恵に授かった。
フィジカルギフテッド。
放つ拳は砲弾に等しく、一度走れば最高速度のスポーツカーすら追い抜き、機銃の掃射など綿毛が舞うより簡単に目視可能。
果ては呪いの感知及び耐性を兼ね備え、魔人の領域へ鎮座する男。
ある者には恐怖(トラウマ)を刻み付け、またある者には憧憬を焼き付けた。

若き日の最強相手に敗れ、何の因果か異界の者を集めた蟲毒へと強制参加。
持ち得る力はこの地においても遺憾なく発揮されている。
NPC複数体を軽く蹴散らし、バグスターの中でも上位個体であるグラファイトと渡り合った。
多少の縛りを加えられてはいるも、その強さに翳りは無し。

だからこそ、瞬時に判断を下せたのだ。
「これは無理だ」と。

「口閉じとけ。舌噛んでも責任取らねえからな」

雇い主の少年と、協力関係を結んだ少女。
有無を言わせず二人を片腕ずつで担ぎ、背後を見ぬまま駆け出す。
米俵のような扱いには当然文句が飛ぶも、すぐに言葉は引っ込んだ。
まともに喋れない速度を甚爾が出したから、それも理由の一つ。
だが何より、エリア内に生じた急激な異変を目の当たりにし、あれやこれやと口を出す場合でないと理解。
付近の建造物が爆撃を受けたように崩壊、一つ二つではなく数十纏めてだ。

(敵襲…!?)

担がれた内の一人、姫和が緊張の面持ちで周囲を見回す。
少し遅れてもう一人、龍園も攻撃を行った者を視界に収めんとする。
絶叫マシンに乗っているに等しい景色の中で、彼らの瞳は捉えた。
光と闇。
目視不可能な程離れているにも関わらず、力の衝突がハッキリと。
地上から空中へと舞台を移し、無数の輝きが現れては消える。

「……っ」

ギリ、と。
奥歯をキツく噛み締めた音は誰の耳にも聞こえない。
音を発した龍園自身にもだ。
抱くのは己への苛立ちと、正体不明のナニカへの戦慄。
どんな奴が具体的に何をやっているかは分からない。
しかしエリアの破壊を引き起こしているのが、化け物という言葉ですら足りない存在なのは理解せざるを得ない。
自身に初めて恐怖を覚えさせた、無機質な拳の雨とは違う。
人の領域ではどう足掻いても辿り着けない絶対的な力。
普通とは言い難い学校生活を送っていても、生涯出会う事の無かったろうモノ。
人であれば恐れて当然である、しかし龍園は心に震えを走らせた己への憤りを隠せない。
例えこの地に集められた者が綾小路清隆ですら及ばない、正真正銘の怪物だとしても。
恐怖へ屈することだけは、己のプライドに懸けて認められなかった。

心がへし折れたとしても誰も文句を言わないだろうが、意地で跳ね除けてみせた。
と言ってもそれを褒める者はおらず、龍園自身も称賛は求めていない。
崩壊の音が小さくなり、周りの家々も無事な物が多くなる。
絶大な存在感がようやく消えたのを確認し、甚爾も徐々に速度を落とす。
頃合いを見計らって二人を下ろし、僅かながら緊張感を解いた。

「お疲れさん。吐きたいなら向こうで頼むぜ、生憎エチケット袋なんざ持ってないからな」
「余計な気遣い回してんじゃねぇよ」
「さっきのは一体……」

軽口へ龍園が舌打ちを返す横で、逃げて来た方を姫和が見つめる。
参加者同士の衝突、とだけは辛うじて分かった。
異常なのは件の何者かが放つ力と、大きく距離があるにも関わらず感じたプレッシャー。
祭殿で初めて大荒魂(タギツヒメ)と対峙した時を思い出す。
タギツヒメが参加している以上、匹敵する存在がいても不思議ではない。
現に甚爾などは御刀があり可奈美達との協力込みでも、確実に勝てるとは言えない力の持ち主。
とはいえ、流石にここまで桁外れだとは姫和にも予想外だ。

「おっかない半裸のにいちゃんと、面だけは良いねえちゃんが仲良く殺り合ってやがった」
「…なに?伏黒、奴らの姿を捉えたのか?」
「まぁな」

事も無げに頷く甚爾だが、内心では激突した二名への警戒を強めていた。
姿は見えたが常にハッキリと捉えられたのではない。
術師殺しの伏黒甚爾をして時折見失う程に、黒い男と女は速かった。
この時点で甚爾にとっては現状ぶつかるべきではないと、即決を下すのに十分な理由だ。
スピード、破壊の規模、馬鹿げてるとしか言えない秘めた力。
以上を加味すれば連中は間違いなく術師・呪霊双方の観点で特級クラス。
それも上澄み中の上澄みというおまけが付く。
グラファイトも大概だったが、先の二人は文字通りの規格外。
特に男の方は、ハッキリ言ってあんなモノまで参加させる羂索の正気を疑う。
装備が万全では無く、足手纏いを抱えた状態で仕掛けるのは自殺行為に他ならない。
幸い連中の意識は互いに割かれており、余計なちょっかいを出さず逃げに徹すれば生き延びられた。

「アイツらはテメェでも無理か?」
「少なくとも今殺り合った所で、猿の死体が一つ出来上がるだけだろうよ。後一応言っとくが、俺を使って連中を消したいならどうすりゃ良いか分かんだろ?」

百万で護衛を引き受けてはやった。
だが黒い男と女を殺すには、とてもじゃないが金額が足りない。
最低でも三桁は吊り上げて貰わねばお断り、百万程度ガキの小遣いと何ら変わらないだろう。
一番良いのは自分の知らぬ所で化け物同士仲良く共倒れ、といった展開なのだが。

「言われるまでもねぇ。一旦アイツらのことは置いて、こっちは協力できる奴らを探しに行くぞ」

現状、黒い男と女をどうこうできる術を自分達は持っていない。
三人の中で最強格の甚爾が難しいと言うなら、龍園と姫和にだって無理だ。
よって当初の予定通り仲間を増やし、尚且つ甚爾を他者に引き抜かれないよう報酬の確保へ動く。
並行しグラファイトの友とやらも捜索して、バグスターウイルスの情報を得る。
努力嫌いを公言する反面、その実勝利の為には手間を惜しまない。
負けると分かり切った博打に打って出る程自暴自棄ではなく、ここは堅実な方法で地盤を固める。

「十条、お前の方も文句は無いか?」
「…ああ。今はそれが最善だろうな」

復讐優先で動いていた頃と違い精神的な余裕も幾らかあってか、危険な参加者を放置した場合の被害に思う所はある。
けれど戦力不足は姫和自身も痛感しており、このまま立ち向かったとて無駄死が関の山。
御刀を手に入れるか、式神のレパートリーを増やすか。
いずれにしろ今すぐに叶う内容では無い、調伏にしたって黒い男と女からもっと離れたエリアでやらねば危険。
ならやはり、龍園の言うように協力可能な者を探すべきだろう。

(会ってすぐに手を組めそうなのは十条の仲間と、後は一ノ瀬くらいか…)

三人共に意見が一致し、この先協力が可能な面々を龍園は思い浮かべる。
衛藤可奈美を始め刀使の少女達なら、殺し合いに乗っておらず尚且つ共闘も難しくない。
姫和同様、屈服は難しいだろうが手を組めるのであれば取り敢えず良しとしておく。

一方で龍園自身の知り合いについては、少々雲行きが怪しい。
ルルーシュの飼い犬に成り下がった綾小路は論外として。
堀北は殺し合いに乗るような人間性でないとはいえ、友好的な関係とは言い難い。
主に龍園の挑発的な態度が原因であるが、向こうも積極的に探そうとはしないだろう。
軽井沢についても同様。
以前黒幕が誰かを聞き出す為に散々嬲ったのもあってか、彼女から龍園への印象は最悪。
加えてルルーシュの放送を見ていた場合、綾小路の変貌に錯乱している可能性は大いにある。
こちらも積極的に探すつもりは無し。

Dクラス以外の面々なら、唯一マシなのが一ノ瀬か。
強い善性の持ち主で自分とは相容れない、しかしBクラスを纏める手腕は認めている。
案外既に複数人の仲間を引き入れ、グループを作り上げているのかもしれない。
ルルーシュの説得に動くという、お人好しにも程がある行動に出ている可能性も無いとは言い切れないが。
1年度最終特別試験で負かされたからといって、彼女なら協力を拒みはしない筈。

後は元Cクラスの真鍋。
軽井沢に集団で陰湿なイジメを行い、龍園には一転し下手に出る典型的な小物。
退学が確定した際の取り乱しぶりは中々のインパクトであったが、逆に言うとそれ以外で言及すべき箇所はない。
何故こいつを参加させたのか分からない、というのが正直な感想である。
まだ櫛田や阪柳の方が参加者として相応しいのではなかろうか。

Aクラスの者だけ綺麗に外されている等、主催者の人選に少々謎を覚えるが深々と考える程でもない。
切り替え出発、と行きたい所だがそれはまだ早いらしい。

「ちょっと待て、俺ら以外で逃げて来た奴がいる」

何かに気付いた素振りで甚爾が視線を動かす。
素で常人以上の五感を持つ故に、龍園達よりもいち早く察知可能だった。
グラファイトに襲われた時と同じだ、今更甚爾の能力を疑いはせず二人も警戒に移る。
逃げて来たとの言い方からして、租界を破壊した怪物とは別の参加者。
但しその者が殺し合いに乗っていない保障は無い。

同じ方を見つめる彼らの前に現れたのは一台のバイク。
ようやく龍園達にも見える距離まで近付き、ドライバーの姿も確認出来た。

「ガキか…?」

龍園が訝し気に呟くのも無理はない。
自身の腰に届くかも怪しい小さな体躯。
良くも悪くも目立つことこの上ないピンク一色を着込んだ少女。
乗り回してるとはお世辞にも言えず、振り落とされないようしがみついていると言うべきか。
徐々に速度を落とし停車、幾度も背後を振り返る顔色は悪い。
あのような破壊に巻き込まれかけたのを思えば、至って当然の反応ではあった。

「おい、グロッキーになってるとこ悪いが良いか?」
「ひっ……!」

ともかく、他の参加者を見付けて無視を決め込むのは無しだ。
ある程度落ち着いたタイミングを見計らって声を掛ける。
が、少女は龍園を見るやあからさまに震え出す。
殺し合いで見知らぬ男に話し掛けられたら無理もない反応だが、少々過剰な怯え方ではないか。

「龍園、相手はまだ子供だぞ。恐がらせてどうする」
「こいつが勝手にビビり始めたんだよ」

姫和に窘められ面倒そうに後頭部を掻く様は、クラス委員長に注意を受ける不良生徒のよう。
高育では他クラスに舐められないよう高圧的な態度を取っていたとはいえ、殺し合いで学生生活のセオリーが通じるとは龍園も思っていない。
下手に出るに気は微塵も無いが、かといって協調性皆無の姿勢を無意味に取るのは悪手。
だから龍園なりに気を遣って話しかけたが結果はご覧の通りだ。
流石にここまでの年下に怯えられては、龍園と言えども扱いに困った。

「十条、お前ガキの相手出来るか?」
「い、いや私も子供と接する機会はほとんど……」

急に振られ答えに詰まる。
少し前まで同年代の女子にも壁を作っていたのだ。
舞衣や可奈美なら優しく話し掛け心を開かせられるも、自分には難しい。
却って余計に恐がらせてしまうのではと、そんな危惧を抱く。

「伏黒……やっぱなんでもねぇ」
「おう、期待されても困るわ」

他人事のように手をヒラヒラ振り、そっちに任せるとアピール。
仮にも自分達3人の中で年長者だろと、呆れを姫和が視線に乗せるも効果は無い。
さてどうするかと顔を顰める龍園へ、助け舟が意外な所から出された。

『君達は殺し合いに乗っていない、そう判断して良いのかな?』

聞こえたのは男の声。
周囲を見回すも姿は無く、まさかピンクの少女が発したのではあるまい。
だが龍園達と違い彼女は声の主を知っているようだった。
少し慌てたように自身が乗っていたバイクへと話し掛ける。

「あ、ば、蛮野さん……」
『勝手なことをしてすまない。しかし彼らはいきなり襲う真似はせず、むしろ我々との対話を求めているように見えた。
 協力し合える仲間となってくれるかもしれないなら、きっと君にとっても悪い話では無いと思ったのだが』

謎の声の説得には思う所もあるらしく、少女から反論は飛ばない。
それを承諾の証と取ったのか、独りでにバイクが動く。
本来ならば装着されていないタブレット、その画面に顔らしき物が映っている。
己へ視線が集まるのを画面の向こうからでも確認し、一同へ告げた。

『彼女を責めないであげて欲しい。君達と会うまでに色々あったんだ。お互い殺し合いに乗る気が無いなら、まずは移動してから話をしようじゃないか』

少女を気遣いつつも情報交換の場を設ける提案。
奇妙な存在から齎されるとは予想外であるも、断る理由は無かった。


◆◆◆


小比類巻香蓮にとっての人生を変えた日とはいつか。
本音をぶつけ合える数少ない友人、篠原美優と出会った日。
地元の北海道を出て東京の大学に進学した日。
そして何より、GGO(ガンゲイルオンライン)にログインした日。
コンプレックスであった長身と、せめてVR内でおさらばするべく数々のゲームを巡り続けた果てに、理想のアバターを手に入れた。
現実の香蓮を高く見上げる程の小柄さ。
大学生の香蓮ではない、GGOプレイヤーのレンとして登録した日から彼女の日常は変わり始めた。
と言っても、SAO事件のように命懸けの戦いに身を投じるだとかではない。
ゲーム内での交友が現実の世界にも広がり、内向的だった自分を変えられた。
色々な意味で濃い人達が多く、頭を抱える場面も少なくは無いけれど。
GGOを始めて良かったと、そう心から思える。

しかし不運は常に思いもよらぬところからやって来る。
何の前触れもなく巻き込まれた殺し合い。
GGOの新イベントが始まったのではない、かのソードアート・オンライン同様の悪夢染みた遊戯。
香蓮ではなくアバターのレンとして強制参加させられた挙句、最初に出会った参加者はよりにもよって“乗った”側の人間。
恐怖を抑え付け立ち向かう心をへし折るのに、十分過ぎる暴力の洗礼を受けた。
間一髪の所で不思議な支給品に助けられたものの、絶大なトラウマは短時間で消し去れない。
仮面ライダー龍騎から命辛々逃げ、一旦どこかで休もうと移動。
だがそう時間を置かずに起こったのは、龍園達も巻き込まれた租界エリアの破壊。
一難去ってまた一難との言葉が現実のものとなり、立て続けに起こる大ピンチにただでさえ疲弊していた精神はパンク寸前。
彼女を助けた支給品が落ち着かせ、バイクを猛発進してくれたおかげでどうにか何は逃れた。

「で、その赤い仮面ライダーからもっと離れた場所に移動しようとして――」
『大破壊に巻き込まれかけた、という訳だよ』

現在、レン達は場所を変えてここに至るまでの互いの経緯を明かしていた。
車庫付きの民家を見付け、シャッターを開け中へと侵入。
バイクがある為そこいらのリビングよりはこちらの方が良い。
痛め付けられた際の恐怖に時折言葉を詰まれせれば、彼女を助けた支給品…蛮野が補足を入れる形で話は進行。
聞き終えた三人は何故レンがああも怯えていたのかに納得する。

「そう、だったのか…すまない、もう少し気遣うべきだった……」
「い、いえそんな!十条さんが謝ることじゃないですよ。私の方こそ、龍園さんを恐がったりしちゃって……」
「別に気にしてねぇよ」

龍騎に変身した男と龍園では全くの別人だが、どこか威圧感のある雰囲気は似ている。
話しかけられた際につい警戒を剥き出しにしてしまったのは、今思えば良くなかったとレンは反省。
当の龍園は特に気を悪くせず、素っ気なく返す。
一方で姫和は龍騎へ警戒と怒りを同時に抱く。
正義に熱いタイプでなくとも、レンをここまで恐怖させる程暴行を加えた相手へ良い感情を向けよう筈もない。

(年上なのに気を遣わせちゃったな……)

口には出さず、内心でレンも姫和達へ申し訳なさを感じていた。
相手はまだ十代の学生、本来なら大学生の自分がしっかりしなければならないだろうに。
尤も年齢不相応な彼らの落ち着きを見れば、平時であっても場を纏められたかは自信が無いが。
話を聞くにSAO事件のことは知らず、反対に刀使だの高度育成高校だの聞き覚えの無い単語を返される始末。
ただでさえ精神的な傷の大きいレンには理解が追い付かない。

『ふうむ…つまりあの大破壊は目的があったのではなく、あくまで戦闘の余波だと?』
「エリア共々ぶっ壊してスコア獲得、なんて様子じゃ無かった。ありゃお互いを殺す事しか頭にねぇ。俺らは傍迷惑な痴話喧嘩に巻き込まれたんだろうよ」

蛮野達の会話が聞こえ、レンは軽く眩暈を覚えた。
冗談めかして言う甚爾だが全く笑えない内容だ。
ぶつかり合っただけでエリアの破壊を引き起こす参加者、それがなんと二人もいるらしい。
分かり易い直接的な暴力の龍騎以上の、最早災害と言って良いレベル。
ピトさんと呼ぶ、(ゲームで)殺し合った仲の彼女でも流石に引くんじゃなかろうか。
タトゥーが特徴の凶悪な笑みをつい思い浮かべる。

また件の怪物達程では無いが、甚爾が戦った参加者にも警戒が必要。
聞くに甚爾も相当な手練れだそうで、そんな彼でも少々梃子摺る異形に襲われたとのこと。
乱入して来た別の危険人物との戦闘がどうなったかは不明。
どちらも殺し合いに積極的、但し異形の方は無差別に殺して回っているのではない。
トラウマを刻み付けられた今のレンなら、興味も抱かれないだろう。
残念ながら乱入者の方は武人肌とは言い難く、会ってしまえば問答無用で殺しに来る可能性が高い。

危険人物の情報についてはレン達から、龍騎以外にもう一人提供出来る。
と言っても、直接姿を見たのは蛮野の方。
彼の元々の所持者ともう一人の参加者を殺した少女、松阪さとうだ。

「その者は必死の抵抗に出た末に殺めたんじゃないのか?故人に言うのは何だが、殺された二人と言うのは……」
『姫和くんの言いたいことは分かる。だが私の見た限り、彼女は余りにも殺しへの躊躇が薄かった』

強姦の被害に遭い抵抗した結果、意図せず相手の命を奪ってしまった。
有り得なくはない可能性も蛮野の証言で否定される。
二人の男を殺す手際の良さや、躊躇が全く見られなかったことからも恐らく殺人行為が初めてではない。
幾ら相手が唾棄すべき性根の持ち主だとて、そこまで簡単に殺しを実行するのは普通とは言い難い。

「最悪の場合としてじゃなく、普段から殺しを手段の一つに数えてやがるって訳かよ……」

腕組みし険しい表情で呟く龍園。
必要とあらば暴力も辞さない姿勢でCクラスを纏め上げた彼でも、流石に殺しは簡単に超えるべきではない一線と見ている。
本当に、他にどうしようもなくなった時の最終手段。
その禁忌をあっさりと破るさとうには、黒い男と女やグラファイトとは別種の警戒心を抱く。
超常的な存在とは違う、ブレーキの壊れた人間という身近な脅威だ。
一応、蛮野の話ではあくまで強姦されそうになったから殺したのであり、最初は言葉であしらおうとしていた。
なので殺し合いに乗っていると決め付けられないが、警戒はしておくべきだろう。

互いに友好的・殺し合いには乗っていないだろう者と、警戒する者の情報を共有。
一通りの話が終わり、これからどうするかに内容が移る。
龍園達は当初の予定通りテレビ局周辺に向かい、レンがこっちに協力するつもりなら同行しても構わない。

「私、は…………ごめんなさい、まだ……」
「だろうな。無理強いはしねぇよ」

同行を断られたのに驚きは無い。
もう少し休む時間が必要なだけではなく、レンは仮面ライダーに対し強いトラウマを植え付けられたからだ。
無論、ガッチャードのような善人もいると分からない訳ではない。
しかし龍騎から受けた暴行と殺され掛かった際の恐怖は、非常に大きい。
加えて松阪さとうも龍騎と同じような小箱を持ち、テレビ局に陣取るルルーシュと綾小路は言わずもがな。
レンの中で、仮面ライダーに対する印象が悪い方へ寄るのも無理はなかった。
そして彼女が残る以上、当然蛮野も龍園達には付いて行かない。
市販のバイクをハイスペックに改造する技術力は惜しいが、強引に持ち去る気も無い。
そのような真似に出れば姫和が黙っていないだろう。

「あ、あと、その…厚かましいお願いだけど……」

おずおずと気まずそうに口を開き、レンが頼んだのは銃があったら譲ってもらえないかというもの。
支給品のP90は龍騎との戦闘で落としてしまい、今は手元に無い。
まず間違いなく龍騎に拾われており、取り返しに行くにはリスクが高い。
GGOなら永久ログアウト確定のチートアイテムも、肝心の銃が無ければ只の装飾品。
幾ら何でも図々しいとは自覚しているが、心情的にも武器が無いのは大きく不安だった。

「…これで良いか?」

幸い、特に機嫌を悪くはせず姫和から武器の譲渡があった。
レンが最も得意とする短機関銃は、刀使である姫和にとっては無用の代物。
刀剣類ならまだしも銃を使った経験など無く、NPC相手にいらぬ苦戦を強いられたのは記憶に新しい。
調伏という手間こそ掛かるが用途多様な術式があれば、銃は無くても困らない。

「ありがとうございます…!あの、貰ってばっかりなのも悪いので…」

お返しとして治療キットを差し出す。
御刀が無く写シを使えない現状、ダメージの肩代わりは不可能。
傷を癒せる道具の存在は有難く、礼を言って受け取る。

『暫く休んだら私達も移動するよ。君達と同じ方向へ向かうかはまだ未定だがね』
「そうかい。ま、精々死なねぇようにしとけ」

やる事が全て済んだ以上、龍園達が留まり続ける理由は無い。
一人と一台を残し、皇帝の城と化したテレビ局方面へと移動を再開した。


◆◆◆


本当に良かったのだろうか。
民家を後にしてからも、姫和は心にどこかしこりが残る思いだった。

「本人が無理だつってんだ、お前が気に病んだってどうしようもねえだろ」
「……まだ何も言ってないが」
「顔見りゃ俺じゃ無くても分かる」

レンをあのまま残して大丈夫なのかと思うも、龍園が言ったように彼女自身がテレビ局方面には行けないと告げた。
仮面ライダーに大きなトラウマを持っている彼女へ無理強いはさせられない。
かといって、レンが落ち着くまで付き添う程の時間的なの余裕も無い。
エリアを崩壊させるレベルの参加者が二人確認されており、他にも同程度の力を持った者がいないとも限らない。
人員、情報、武器を掻き集めるのに悠長に事を構えていれば、敵は欠伸交じりに全てを壊す。
焦り過ぎは禁物だとて、のんびりしてられるような状況でも無かった。
幸いレンの傍には蛮野がおり、心身のサポートを任せられる。
先の情報交換の際にも度々気遣っており、レンからも信頼を得ているのが見て取れた。

(まあ、蛮野の奴も本当に信用できるかは微妙だけどな)

内心で独り言ちる龍園はレンと違い、どうにも蛮野を信用する気が起きない。
別に民家での会話で不審な点があったとかじゃあない。
支給品とはいえ言動を聞けば、落ち着いた雰囲気の善寄りの者と印象を抱くだろう。
出会って短時間しか経っていない相手を気に掛けるお人好し。
一ノ瀬や、或いはDクラスの平田を知っているだけにそういう輩が現れたとて驚きは無し。
自分とは噛み合わない人間性なれど、不快感を抱く程でも無かった。

だが学生生活で見たお優しい面々と比べ、蛮野の言動や態度は妙に鼻につく。
具体的な根拠がある訳ではない。
しかし裏切りや駆け引き、騙し合いが日常茶飯事の高育に在学しているのもあってか、龍園は他者の感情の変化には敏感だ。
人間では無いデータ上の存在なのを考慮しても、善意の類を感じ取れなかった。
だからといってそれを追求するつもりはない。
自分でも根拠が弱いとは分かっているし、仮に蛮野が悪党だったとしてもあの場でそれを明かすメリットは薄い。

(蛮野がロクでもねぇ本性だろうと、損得で動ける奴ならまだ利用する手はある。だがそうなりゃ、レンがネックになるな)

恐怖で屈服させ支配するのはCクラスでの常套手段であるも、度が過ぎれば駒どころか単なるお荷物。
レンは情報交換程度は問題無いが、この先共に手を組む相手としては及第点も与えられなかった。
今の所龍園は殺し合いに乗っていない、なれど誰彼構わず手を差し伸べるヒーローになった覚えもない。
自力で恐怖に打ち勝つのであれば良し、そうなれないなら面倒を見てやる義理も無い。
最低限の自分の面倒も見れない者にかまけていられる程、殺し合いは温い環境でないのだから。
真意不明でもレンのサポートを買って出る蛮野を邪魔し、こっちがいらぬ手間を掛けられるのはお断りだ。

「にしても茅場ねぇ…まさかあんなお嬢ちゃんが運営連中の情報を持ってるとは思わなかったな」
「ソードアート・オンライン、だったか?レンが言ったような事件を起こしたなら、私達がいる島もゲームの中なのか…?」
「どうだかな。ゲームの中に放り込まなくても、やりたい放題出来るだろうよ」

刀使、呪術師、仮面ライダー、バグスターウイルス、個性。
コミックブックから飛び出たようなものが腐る程あるなら、わざわざVRゲーム内での殺し合いに拘る必要も無い。
あくまでSAO事件は一つのエッセンスであり、参加者がいるのは紛れもない現実と考えても不思議は無かった。
それにレンが知っていた茅場の情報は、ニュース番組などで世間一般に広まったものだけ。
より深く突っ込んだ内容までは得られなかった。

「とにかくレンの方は蛮野に任せるとして、だ。運が良けりゃテレビ局に行く途中で、アイツを襲った男か松阪さとうが見付かるかもしれねぇ」

どちらも危険な参加者で、仮面ライダーの変身道具を持っている。
さとうの方は交渉が可能かもしれないが、レンを襲った男は不可能に等しい。
であればそれはそれで好都合、倒して変身に使った小箱を奪う。
甚爾への報酬の上乗せや、若しくは龍園か姫和の戦力強化など用途は多々ある。
何より、小箱を使って変身する仮面ライダーは鏡の中を移動する力を持つとのこと。
ならその力を使えば、テレビ局の防壁を無視し直接ルルーシュや綾小路の元へ辿り着くのも難しくないんじゃあないか。
ルルーシュ達が小箱を使うライダーの存在を、把握していないという前提付きだが。

「テメェの方もそれで良いか?」
「俺はクライアントの指示に従うだけだ。報酬上乗せの算段が付いたってんなら、文句言う筋合いもないわな」

小箱を手に入れるとなれば十中八九戦闘は避けられない。
少なからず緊張感のある龍園と姫和と違い、甚爾の反応は実に軽い。
今に始まったことでも無いので、一々指摘する気も起きないが。

寄り道はしたが得られた情報は有益。
二人のライダーを標的に付け加え、三人は改めてテレビ局周辺へと進んで行った。



【エリアG-3/租界/9月2日午前8時】

【十条姫和@刀使ノ巫女】
状態:疲労(小)
服装:平城学園の制服
装備:十種影法術@呪術廻戦
令呪:残り三画
道具:治療キット@ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン、ランダムアイテム×0~1、ホットライン
思考
基本:殺し合いには乗らない、元の世界に帰る。
01:業腹だが、この男(龍園)の誘いに乗る。あくまで監視のため。
02:可奈美や皆のことが心配。
03:殺すという手段は選びたくないが、もしもの時は……
04:テレビ局、その周辺へ向かう。
05:レンのことが気掛かり。残して良かったのだろうか。
参戦時期:最終回、隠世から柊篝と別れて可奈美と共に現世へと戻る最中
備考
※十種影法術は現在玉犬、鵺が調伏済みです。

【龍園翔@ようこそ実力至上主義の教室へ】
状態:ダメージ(大)、綾小路への怒り
服装:高度育成高校の制服(男)
装備:個性『スティール』@僕のヒーローアカデミア
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~1、ホットライン
思考
基本:元の世界に戻る。恐怖に屈するつもりはない。
01:まずは仲間集め。一先ずはこの女を引き入れれたのは上出来か。
02:テレビ局周辺で参加者を探していく。敵でも味方でも構わねえ。
03:綾小路の野郎、何をやってやがる。
04:他の同じ学園の連中は……まあ、合流する必要もねえか。
05:グラファイトの言う友を探してみる。
06:蛇柄の服の男(浅倉)か松阪さとうを探し、仮面ライダーに変身する小箱を手に入れる。
07:蛮野はイマイチ信用出来ないが、レンのお守をする気も無い。
参戦時期:11巻、Bクラスに勝利後
備考
※個性『スティール』により肉体を鉄のコーティングが可能になりました。

【伏黒甚爾@呪術廻戦】
状態:健康
服装:仕事用の私服
装備:片太刀バサミ@キルラキル
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2、ホットライン、100万が入ったトランクケース@現実
思考
基本:生存優先。
01:支払われた報酬分はきっちり働くが、まあ上乗せは欲しいところ。
02:加茂憲倫、と来たか。
03:まさかこんなところで禪院家の術式が見れるとはな。
04:あんな化け物まで参加させたのか?イカレてんな。
参戦時期:死亡後
備考


◆◆◆


三人が去り、一人と一台が残された車庫内。
粗末なパイプ椅子に腰を下ろし、どっとレンは息を吐き出す。
殺し合いに乗っていない人達は自分以外にもちゃんといた。
もし彼らと先に会えていればこんなに恐怖しなくても良かったのかと、有りもしない事を思い浮かべる。
戦闘、逃走、情報交換と続き、ようやっと休める時間が来た。
気が抜けたからか、眠気にも襲われる。

『少し眠るといい。その間見張りは任せてくれ、もし危険な人物がやって来た時には、すぐに逃げられるよう準備もしておこう』
「あ……すみません、お願いします……」

蛮野にばかり負担を強いて申し訳ないとは思うも、心は休息を求めている。
暫し迷ったが甘えてさせてもらう。

『…済まないね。本当はもっと気の利いたことを言ったり、或いは君を守れる程の力があれば良かったんだが……。我が身の無力さが恨めしいよ』
「そんな…蛮野さんは私をずっと助けてくれたじゃないですか。自分のことを責めないでください」

声色に悔しさを滲ませる蛮野を責める気などレンにはない。
龍騎から助けてくれて、度々心身を気遣い、今だってロクに動けない自分の傍にいてくれる。
正規の参加者でなくとも、蛮野の存在は僅か数時間でレンの支えになっていた。

「蛮野さんがいなかったら、私は本当に……っ」
『無理に思い出さない方が良い。とにかく今は休むんだ』

嬲られた際の光景がフラッシュバックし震え上がるレンを宥め、睡眠を取るよう促す。
弱々しく頷き、ゆっくりと目を閉じた。
これまでの全部が悪い夢で、起きたら自室のベッドにいた。
なんて都合の良い展開が起きないとは分かっている。

(私、この先どうなるんだろ……)

なけなしの闘争心をへし折られ、拭い切れない恐怖を刻み込まれ。
本当に生きて帰ることが出来るのだろうか。
SAOから生還が叶わなかったプレイヤーのように、自分もアバターのレンのまま命を落とすのではないか。

(帰りたいよ……)

ピトさん、エムさん、美優、家族、SHINCのメンバー。
自身の日常を彩る大切な人達。
いるのが当たり前のように感じていた彼女達が、今は酷く遠くに感じる。
永遠に失うかもしれない日々を想い、一筋の涙が零れた。


○


『眠ったか』

レンが夢の世界へ旅立つのを見届け、誰に向けるでもなく呟いた。
生身の肉体を持たない、データとしての意識だけの自分とは違う。
傷を負えば血が流れるし、治療をしなくては悪化し最悪死に至る。
体力を失ったままでは動くのもままならない、生きた人間の体。
合間合間で休まねば壊れてしまう。
だから少しの間だけでも、睡眠により心身の疲労を取り除いて欲しいものだ。
その為なら寝ている間の護衛くらい引き受けよう。

何故なら彼女には――





『まだまだ働いてもらわねば困るのだからなぁ』





画面越しに放たれた言葉は、これまでレンを気遣っていたのとは全く異なる悪意に満ちた声色。
映し出された顔に変化は無い。
しかし仮に人間であれば、見るに堪えない醜悪な笑みを浮かべていただろう。

そもそもレンは蛮野天十郎という存在への認識を根本から誤っている。
渋井丸拓男に支給されたこと、松阪さとうの凶行など語った内容に嘘はない。
タブレットの所有者に危害を加えられない制約も、本当のこと。
但し、龍騎に立ち向かうレンの勇姿に心を打たれたのは真っ赤な嘘。
では何故蛮野はレンを助け、彼女を新たな所有者にしたのか。

(同じ馬鹿でもあのシブタクとか抜かす知性の欠片も無い猿と違って、こいつはまだ使い道のある馬鹿だ)

半端に正義感があり、尚且つ精神の不安定な者。
出来損ないの息子と同じ、利用するのに打って付けだ。
助けてやって気遣う素振りを見せれば案の定、笑ってしまう程に容易く信頼を勝ち取れた。
特状課の連中もこれくらい単純だったらと思うも、とうに過ぎ去った過去の話。
終わったものよりこれからの事を考えねばなるまい。

『にしても羂索め…私を復活させた功績は認めてやっても良いが、いらぬ枷を付けるとは万死に値するぞ…!』

消滅した自分を再び現世に連れ戻した、それは良い。
だが参加者どころか支給品、しかもゴルドドライブのドライバーからロイミュード共に囚われていた時のタブレットへ逆戻り。
不親切すぎる境遇に苛立ちを募らせるも、聞き入れる相手でないとは流石に分かる。
参加者でない以上、優勝して願いを叶え完全復活という手段は使えない。
故に他の参加者を利用し、どうにか生き延びるしかなかった。
よりにもよって性欲だけで構成された猿に支給された時は、存在しない筈の頭痛を覚えた。
自身の代わりに片付けたさとうは、蛮野目線では警戒どころかむしろファインプレー。
お陰でレンという、より扱いやすい道具に出会えたのだから。

(しかし龍園達に同行出来なかったのは、少し惜しかったか……)

レンはルルーシュへ近付くのを恐れていたが、蛮野としては接触は悪い手では無いと考えている。
ドライブシステムとは違う仮面ライダーのベルトを持ち、テレビ局を要塞化出来るだろう手段を有し、尚且つ洗脳能力も扱う。
危険度は高い反面、利用出来た際に得られる旨みも大きい。
下手にテレビ局周辺への移動を強行し、レンからの信頼をゼロにする訳にも行かなかったので断念したが。
尤も、ルルーシュの元へ行く機会が完全に失われたのではない。

(まぁ、まずはこいつからの信頼を確たるものにしておくか。プロトゼロと会った時、余計な抵抗を封じられるかもしれんからな)

参加者の中で蛮野の知る者は一体だけ。
プロトゼロことチェイス、自分を巻き込み自爆を図ったロイミュード。
直接トドメを刺した剛程ではなくとも、敗北の原因を作った忌々しい男だ。
もし自分の存在を知ればいらぬ話を他の参加者に広めるのだろうが、そうなる前にこっちはレンからの信頼をより深めておく。
剛を騙していた時と同じだ。
あの時もクリムだけが異様な怒りを見せた一方で、父を信じたい剛は蛮野の肩を持っていた。
守るべき人間であるレンが蛮野の味方に付けば、チェイスも強硬手段は取れまい。

(何にしても、ここには未知の研究材料が溢れている、私への非礼は許さんが、この状況も何か何まで悪い訳ではない)

自身の知らない仮面ライダーを始め、研究者としての欲を刺激する存在が多々ある。
中には、超進化態のロイミュードを超える力を持つ参加者だっているのだから驚きだ。
そういった道具の数々は自分が存分に使ってやろうではないか。

『その為にも、最後まで役に立ってくれることを期待するよ。レンくん?』

ロイミュードの王からは、ここまで最低の人間を知らないと吐き捨てられ。
果てに実の息子からも、人ですら無いと言わしめる。
一度滅んで尚も狂気と悪意は決して消えない。
世界を支配下に置く野望を叶えるべく、黄金の体を失った悪魔は策謀を張り巡らせていた。


【レン@ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン】
状態:疲労(中)、ダメージ(微小)、精神疲労(大)、戦いへの恐怖心(極大)、睡眠中
服装:デザートピンクの迷彩服
装備:無限バンダナ@メタルギアソリッドシリーズ、Vz.83@メタルギアソリッドシリーズ、ブレンのタブレット@仮面ライダードライブ+渋井丸拓男のバイク@@DEATH NOTE
令呪:残り三画
道具:治療キット×2@ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン、予備マガジン×30、ホットライン
思考
基本:生き残ることを優先
00:……
01:殺し合いに乗っていない参加者と合流したい
02:蛮野さんと共に行動する
03:松坂さとうと出会ったら警戒する
04:怖い……怖いよ……
05:私本当に生きて帰れるのかな……
参戦時期:第一回スクワットジャム終了以降
備考
※GGOのシステム(バレット・サークル、バレット・ライン)は制限なく使用できます。
※仮面ライダーとの戦いで強いトラウマを植え付けられました。
※松坂さとうを危険人物として認識しました。また仮面ライダーへの変身能力を持っている可能性があると判断しています。
※ブレンのタブレットの所有者になりました。ブレンのタブレットはレンに危害を加えることはありません。

【Vz.83@メタルギアソリッドシリーズ】
38口径のチェコ製小型サブマシンガン。レーザーサイト付き。
内蔵されたレートリデューサーにより連射速度は落ちるが反動が軽減され、また軽量な為携帯性にも優れる。
メタルギアソリッド4に登場。
リキッドの私兵部隊とのバイクチェイスの際、ビッグ・ママことEVAから渡された物。

036:白のキングはまだ見えない 投下順 038:セカイ ノ ハンブン
035:■を為す女ー救いがないほど深く 時系列順 044:命の冒涜者
017:バトラーズ・プライド 龍園翔 058:ファントムパレード(前編)
十条姫和
伏黒甚爾
014:テラー レン 064:sideA Puppets Can't Control You

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