情報量の過多とはならない、事務的な定時通達。
バトルロワイアルの本選が始まり、18時間経過を合図に流れた放送は。
茅場晶彦の顔出しがあった初回、討伐クエストや運営側の一人の降格処分等が告げられた前回と比べ。
基本となる情報項のみが淡々と流れる、簡易的な内容だった。
バトルロワイアルの本選が始まり、18時間経過を合図に流れた放送は。
茅場晶彦の顔出しがあった初回、討伐クエストや運営側の一人の降格処分等が告げられた前回と比べ。
基本となる情報項のみが淡々と流れる、簡易的な内容だった。
尤も、プレイヤー達に一切の動揺を引き起こさなかったかと言うなら否。
ホットラインを睨み付ける青年、イザーク・ジュールが分かり易い例だろう。
ホットラインを睨み付ける青年、イザーク・ジュールが分かり易い例だろう。
「クルーゼ隊長……!よくもぬけぬけと……!!」
自身の憤怒も素知らぬ顔で、前置きを口にする様が非常に憎たらしい。
100名を超える大規模な殺し合いの主犯、機動兵器を用いたキヴォトスの大虐殺。
そこへ加わるは、アークエンジェル内部で見た非人道的との言葉すら生温い所業。
軍法会議の過程もすっ飛ばし、必ずや己が手でケジメを付けさせねば気が済まない。
クルーゼ本人が目の前に現れたら、有無を言わさずヴァルバラッシャーの強烈な一撃を叩き込んでやったというのに。
100名を超える大規模な殺し合いの主犯、機動兵器を用いたキヴォトスの大虐殺。
そこへ加わるは、アークエンジェル内部で見た非人道的との言葉すら生温い所業。
軍法会議の過程もすっ飛ばし、必ずや己が手でケジメを付けさせねば気が済まない。
クルーゼ本人が目の前に現れたら、有無を言わさずヴァルバラッシャーの強烈な一撃を叩き込んでやったというのに。
画面の向こう側で、参加者が何を思おうと届きやしない。
あくまで自身の仕事を果たす為に、必要事項を伝えて今回の放送は終了。
散っていった部下達に一切言及しない姿が、取るに足らないものと言われてるようで腹立たしいことこの上なし。
あくまで自身の仕事を果たす為に、必要事項を伝えて今回の放送は終了。
散っていった部下達に一切言及しない姿が、取るに足らないものと言われてるようで腹立たしいことこの上なし。
「馬鹿野郎が……お前もディアッカも、勝手に死にやがって……!」
ソウルメタル製の義手が軋む程の力が、握った拳に籠められる。
歯を食い縛り、堪え難いナニカを吐き出すように呻く。
湧き上がる怒りを抑えてる、或いは喪失の苦痛に苛まれる顔が自然と浮かぶ。
歯を食い縛り、堪え難いナニカを吐き出すように呻く。
湧き上がる怒りを抑えてる、或いは喪失の苦痛に苛まれる顔が自然と浮かぶ。
仲が良かったとは言えない、むしろ衝突が絶えない関係だった。
それでも、共に戦場を駆けた仲間なのは否定させない。
今度は自分が部下にしてやる、そう言って交わした約束は二度と果たせない。
テレビ局跡地で再会するも襲撃が重なり、会話もままならずに分断を余儀なくされ。
結果、己の与り知らぬ所でアスランは力尽きた。
更にはルルーシュの下で共に戦った仲間、タギツヒメも死んだのだと言う。
ロロやキャルに続きまたもや親しい者を喪い、沙耶香は大丈夫なのだろうか。
今や最後の一人となったジュール隊の仲間の行方を、知る事も出来ないのがもどかしい。
それでも、共に戦場を駆けた仲間なのは否定させない。
今度は自分が部下にしてやる、そう言って交わした約束は二度と果たせない。
テレビ局跡地で再会するも襲撃が重なり、会話もままならずに分断を余儀なくされ。
結果、己の与り知らぬ所でアスランは力尽きた。
更にはルルーシュの下で共に戦った仲間、タギツヒメも死んだのだと言う。
ロロやキャルに続きまたもや親しい者を喪い、沙耶香は大丈夫なのだろうか。
今や最後の一人となったジュール隊の仲間の行方を、知る事も出来ないのがもどかしい。
ザフトの同胞だった者も、この地で出会った者も。
戦友(とも)が次々自分の元を去って行き、その度に彼らの名を魂に刻み込む。
決して忘れ得ぬ為なれど、生じる痛みには到底慣れそうもない。
戦友(とも)が次々自分の元を去って行き、その度に彼らの名を魂に刻み込む。
決して忘れ得ぬ為なれど、生じる痛みには到底慣れそうもない。
「……ま、そうなるだろうよ」
墓標アプリを起動し、殺害者(ラストアタック)の欄に目を通す。
真ん中付近に記載された死亡者、綾小路清隆の隣には。
案の定と言うべきか、自分の名が載ってある。
十分予想出来た、むしろ無ければおかしい。
然して驚いた風もなく、変えられぬ現実を龍園はただ受け止める。
真ん中付近に記載された死亡者、綾小路清隆の隣には。
案の定と言うべきか、自分の名が載ってある。
十分予想出来た、むしろ無ければおかしい。
然して驚いた風もなく、変えられぬ現実を龍園はただ受け止める。
他者に一々指摘を受けるまでもなく、綾小路を手に掛けたのは己だと理解している。
何かの間違い、人を殺す事になるなど思わなかった。
そんな見苦しい言い訳に逃げる気は、最初からない。
背負ってやると決めた重みを今一度実感し、感傷とも呼べぬ雑音染みた思考を放り捨てた。
何かの間違い、人を殺す事になるなど思わなかった。
そんな見苦しい言い訳に逃げる気は、最初からない。
背負ってやると決めた重みを今一度実感し、感傷とも呼べぬ雑音染みた思考を放り捨てた。
「サッちゃん……」
横から見させてもらった画面を、見るんじゃなかったとちひろは後悔を抱く。
よろよろと後退り、体勢がフラ付くも自身の従僕(サーヴァント)が支える。
礼を告げる声にも覇気はなく、顔色の悪さは演技に非ず。
殺し合いで出会った友達、神殺しに囚われた不憫な女の子。
ほんの数分前までのイメージを、ディスプレイの文字が木っ端微塵に変えてしまった。
よろよろと後退り、体勢がフラ付くも自身の従僕(サーヴァント)が支える。
礼を告げる声にも覇気はなく、顔色の悪さは演技に非ず。
殺し合いで出会った友達、神殺しに囚われた不憫な女の子。
ほんの数分前までのイメージを、ディスプレイの文字が木っ端微塵に変えてしまった。
サチは単なる人質じゃあない、メラに加担し殺し合いに乗った。
善良な少年である花村陽介の命を奪った、殺人者に堕ちた。
笑えないジョークと言い張ろうにも、運営が今になって情報に偽りを混ぜる可能性はゼロに等しい。
第一、サチに襲われた旨を話す際のイザークの顔を思い出せば。
仲間の仇へ、怒りを燃やすのを見てしまった以上。
紛れもない現実だと、受け入れる以外に選択肢はない。
善良な少年である花村陽介の命を奪った、殺人者に堕ちた。
笑えないジョークと言い張ろうにも、運営が今になって情報に偽りを混ぜる可能性はゼロに等しい。
第一、サチに襲われた旨を話す際のイザークの顔を思い出せば。
仲間の仇へ、怒りを燃やすのを見てしまった以上。
紛れもない現実だと、受け入れる以外に選択肢はない。
三者三様の反応を見せる中、切り替えが早いのはイザークと龍園だ。
仲間の死を背負って為すべき事を為す、己の方針を今更違えはしない。
キツく目を閉じ、燻るモノを呼吸と共に吐き出すイザークの一方で。
龍園もまた、二度と恐怖に屈しないとの誓いを自身に課した男。
自分が生きて、戦わねばならない現実がこの先も待ち受けるとあらば望む所だ。
仲間の死を背負って為すべき事を為す、己の方針を今更違えはしない。
キツく目を閉じ、燻るモノを呼吸と共に吐き出すイザークの一方で。
龍園もまた、二度と恐怖に屈しないとの誓いを自身に課した男。
自分が生きて、戦わねばならない現実がこの先も待ち受けるとあらば望む所だ。
「その分じゃあ、俺の方から慰めなんてのはいらねぇみたいだな。頼まれても困るがよ」
片手に持つホットラインをナギサに見せてやる傍ら、依頼主には軽薄に笑いかける。
両目を奪った仇敵の顔を再び瞳が映し出し、強張りつつも画面越しにキッと睨み返す。
気丈な様へタフなお嬢様だと、『ガキ』に敗れた故に思う所は多少あるも面には出さない。
両目を奪った仇敵の顔を再び瞳が映し出し、強張りつつも画面越しにキッと睨み返す。
気丈な様へタフなお嬢様だと、『ガキ』に敗れた故に思う所は多少あるも面には出さない。
「ふざけろ。テメェにんなもん言われりゃ、屈辱なんて言葉じゃ済まねぇんだよ」
舌打ち交じりの返答は辛辣ながらも、ある意味彼ららしい気安さが宿っていた。
生憎、お喋り目的で話を振ったんじゃない。
クイと甚爾が親指で示す方には、先の戦闘で共闘した面々。
自分達が放送を聞き終え、頭の中で整理が済む頃合いを見計らったのか。
青髪にジャケット姿の青年が、一歩前に出る。
生憎、お喋り目的で話を振ったんじゃない。
クイと甚爾が親指で示す方には、先の戦闘で共闘した面々。
自分達が放送を聞き終え、頭の中で整理が済む頃合いを見計らったのか。
青髪にジャケット姿の青年が、一歩前に出る。
「さっきはありがとう。君達が一緒に戦ってくれたおかげで、あの巨人も倒せた。それにこの剣も……」
龍園やイザークよりも年上だろうに、態度は礼儀正しいの一言に尽きる。
律儀に頭を下げる姿から本人の気真面目さが窺え、性格で苦労する事が多そうな男と内心で思うも。
敵対の意思が互いに無いとくれば、素直に会話へ応じるのみ。
律儀に頭を下げる姿から本人の気真面目さが窺え、性格で苦労する事が多そうな男と内心で思うも。
敵対の意思が互いに無いとくれば、素直に会話へ応じるのみ。
「前坂達から聞いてた通りみたいだが、畏まる必要なんざねぇよ。癪だが俺らだけじゃ手を焼く相手だった、だからお前を当てにしたってだけの話だ」
「マエサカ……そうか、君はリュージさんと……」
「……まあ、な」
「マエサカ……そうか、君はリュージさんと……」
「……まあ、な」
何とも言えぬ顔で龍園が見やった先には、男女の判別すら不可能な黒焦げの塊。
それが意味するものは青年、トランクスにだって察しが付く。
まだしおが生きていた頃、一度会い情報開示の場を設けた程度の間柄だが。
彼なりに自分の身を案じ、警告してくれた男だった。
残念ながらアンク共々再び顔を合わせ、互いの生存に安堵する機会は訪れない。
未だに取り零し続ける己自身へ、途端に表情も曇り出す。
それが意味するものは青年、トランクスにだって察しが付く。
まだしおが生きていた頃、一度会い情報開示の場を設けた程度の間柄だが。
彼なりに自分の身を案じ、警告してくれた男だった。
残念ながらアンク共々再び顔を合わせ、互いの生存に安堵する機会は訪れない。
未だに取り零し続ける己自身へ、途端に表情も曇り出す。
「ちょっと待て。聞くのが遅れたが、お前はルルーシュが言っていたトランクスか?」
「――っ、確かに俺はトランクスだけど。そう言う君はルルーシュの……」
「ああ。王様戦隊所属のイザーク・ジュール、ということになるな」
「――っ、確かに俺はトランクスだけど。そう言う君はルルーシュの……」
「ああ。王様戦隊所属のイザーク・ジュール、ということになるな」
別段隠す理由もない為、所属を素直に教える。
余程の切羽詰まった状況でない限り、富良洲高校より発信した放送は見た筈。
共に足つきを相手取ったのもあって、争い事が起きる理由は見当たらない。
なのに何故か、トランクスの反応は予想と異なるではないか。
明らかに表情が強張った上に、こちらへ向ける視線にも険しさが宿り出す。
彼だけじゃない、数歩後ろに待機中の鎧らしき存在も苛立つ様子が確認出来た。
余程の切羽詰まった状況でない限り、富良洲高校より発信した放送は見た筈。
共に足つきを相手取ったのもあって、争い事が起きる理由は見当たらない。
なのに何故か、トランクスの反応は予想と異なるではないか。
明らかに表情が強張った上に、こちらへ向ける視線にも険しさが宿り出す。
彼だけじゃない、数歩後ろに待機中の鎧らしき存在も苛立つ様子が確認出来た。
(何だ……?この妙な胸騒ぎは……?)
殺し合いに乗っておらず、共通の敵との闘争へ臨んだ者同士。
警戒なぞ起こり得ない筈が、どうなっているのか。
嫌な予感を覚える中、思い出すのはトランクスの話をルルーシュから聞いた時のこと。
大まかな点をぽつぽつ伝えただけの、非常に簡素な内容。
四凶に並ぶ程の強者であるにも関わらず、情報量が妙に乏しい違和感は当然覚えた。
鉄華兵団の放送や、定時通達後の襲撃等が立て続けに起き聞き出すタイミングを逃したが。
トランクス本人と対面し、萎み掛けていた疑問が急激に膨れ上がる。
警戒なぞ起こり得ない筈が、どうなっているのか。
嫌な予感を覚える中、思い出すのはトランクスの話をルルーシュから聞いた時のこと。
大まかな点をぽつぽつ伝えただけの、非常に簡素な内容。
四凶に並ぶ程の強者であるにも関わらず、情報量が妙に乏しい違和感は当然覚えた。
鉄華兵団の放送や、定時通達後の襲撃等が立て続けに起き聞き出すタイミングを逃したが。
トランクス本人と対面し、萎み掛けていた疑問が急激に膨れ上がる。
「キャルちゃんと沙耶香ちゃんのこともあって、予感はしていたけど。やっぱりルルーシュは君にも話していなかったのか……」
「一体どういうことだ?何の話をしている?」
「一体どういうことだ?何の話をしている?」
苦々しい口調で吐き捨てる様子を見ては、事情を知らぬイザークも流石にただ事で無いと分かった。
薄々察しは付いたが、案の定ルルーシュが大いに関わっているらしい。
自分の知らぬ間に、あの男は何をやったのか。
紆余曲折を経て王様戦隊を結成し、クルーゼ達への反逆をいざ始めようとした矢先。
よもや同じ組織の者の手で、第一歩を挫かれるとは思いもよらず。
重い口を開くトランクスの話に、耳を傾けた。
薄々察しは付いたが、案の定ルルーシュが大いに関わっているらしい。
自分の知らぬ間に、あの男は何をやったのか。
紆余曲折を経て王様戦隊を結成し、クルーゼ達への反逆をいざ始めようとした矢先。
よもや同じ組織の者の手で、第一歩を挫かれるとは思いもよらず。
重い口を開くトランクスの話に、耳を傾けた。
「あの……大馬鹿者が……っ!!」
数分後、聞き終えたイザークの第一声は自分達のリーダーへの罵声であった。
戦闘の消耗とは異なる理由で、疲れが圧し掛かるのは気のせいではあるまい。
こめかみを押さえるも、頭痛は簡単に治まってくれない。
松阪さとうを討った件は放送で大々的に伝えたのもあって、把握している。
だが、より深い部分に関しては初耳だ。
トランクスの話を聞くに、亡き陽介やタギツヒメらを含め誰も聞かされていないのだろう。
戦闘の消耗とは異なる理由で、疲れが圧し掛かるのは気のせいではあるまい。
こめかみを押さえるも、頭痛は簡単に治まってくれない。
松阪さとうを討った件は放送で大々的に伝えたのもあって、把握している。
だが、より深い部分に関しては初耳だ。
トランクスの話を聞くに、亡き陽介やタギツヒメらを含め誰も聞かされていないのだろう。
(クロサキ・イチゴやナルミ・アリサの件をもう忘れたのか!?何を考えているんだお前は!?)
後ろ暗い真実を告げるリスクの高さは、イザークとて理解出来ないとは言わない。
かといってひた隠しにし続け、発覚した際に起きるいざこざの方が圧倒的に上だ。
二回目の定時放送直後にタギツヒメが怒り狂い、更にはデクも静かな怒りを燃やしていたのは記憶に新しい。
あの一件がむしろ、余計に隠ぺいをルルーシュに決意させたのやも知れぬが。
殺し合いに抗う者同士の間に溝を作り、しかも王様戦隊全体の信用問題にまで発展するなど。
古株のイザークと言えども、怒りを覚えるなという方が無理な話である。
かといってひた隠しにし続け、発覚した際に起きるいざこざの方が圧倒的に上だ。
二回目の定時放送直後にタギツヒメが怒り狂い、更にはデクも静かな怒りを燃やしていたのは記憶に新しい。
あの一件がむしろ、余計に隠ぺいをルルーシュに決意させたのやも知れぬが。
殺し合いに抗う者同士の間に溝を作り、しかも王様戦隊全体の信用問題にまで発展するなど。
古株のイザークと言えども、怒りを覚えるなという方が無理な話である。
「トランクス!事情は嫌と言う程に理解出来た。俺は今すぐにでも、ルルーシュに話を付けに行かねばならん!」
「えっ?……ああいや、分かった。遅かれ早かれ、ルルーシュには俺もケジメを付けさせる気だったんだ。君がそう言ってくれるなら有難い」
「えっ?……ああいや、分かった。遅かれ早かれ、ルルーシュには俺もケジメを付けさせる気だったんだ。君がそう言ってくれるなら有難い」
迷う素振りのない即決に、却ってトランクスの方が呆気に取られるも。
ルルーシュと再び会う気だったのは、自分も同じ。
むしろ、こうも義憤に燃える姿は心強さを覚える。
考えてみればキャルや沙耶香とて、ルルーシュへの信頼こそ健在だったがさとうの件で思う所が無い訳じゃない。
話せばきちんと分かってくれる相手と改めて分かり、安堵を抱くと共に。
こんな善良な仲間達をも欺くルルーシュへ、改めて許し難いと憤怒が湧き上がった。
ルルーシュと再び会う気だったのは、自分も同じ。
むしろ、こうも義憤に燃える姿は心強さを覚える。
考えてみればキャルや沙耶香とて、ルルーシュへの信頼こそ健在だったがさとうの件で思う所が無い訳じゃない。
話せばきちんと分かってくれる相手と改めて分かり、安堵を抱くと共に。
こんな善良な仲間達をも欺くルルーシュへ、改めて許し難いと憤怒が湧き上がった。
「おいイザーク、一応言っとくが松阪は――」
「話はルルーシュの件が全て片付いてからだ!王様戦隊(おれたち)の問題を放置などしていられるか!リュウエン!後はお前達でやっておけ!」
「話はルルーシュの件が全て片付いてからだ!王様戦隊(おれたち)の問題を放置などしていられるか!リュウエン!後はお前達でやっておけ!」
喋りかけた内容などまるで耳に入って来ない様子で、一方的に告げる。
話聞けよと言いた気な視線もなんのその、興奮状態のイザークは背を向けずんずんと足早に歩き出す。
よもやキャルの骸を前に膝を付き、立てた誓いを早くも果たす時が来るとは思わなかった。
最悪の事態だけは防ぎたい所だが、とにかくルルーシュ本人に会わねば始まらない
話聞けよと言いた気な視線もなんのその、興奮状態のイザークは背を向けずんずんと足早に歩き出す。
よもやキャルの骸を前に膝を付き、立てた誓いを早くも果たす時が来るとは思わなかった。
最悪の事態だけは防ぎたい所だが、とにかくルルーシュ本人に会わねば始まらない
「済まない、俺も彼と共にルルーシュの所へ行く。アストルフォ、ちひろちゃん達のことを任せても良いか?」
「勿論!マスターの事なら頼まれなくてもそのつもりだよ。……君も、後悔だけはしないようにね?」
「っ、ああ!」
「勿論!マスターの事なら頼まれなくてもそのつもりだよ。……君も、後悔だけはしないようにね?」
「っ、ああ!」
お気楽な雰囲気を醸し出すように思えて、その実広い視野でちひろ達を支える騎士。
月の出ない夜に会ってからのアストルフォを見て来ただけに、彼ならば大丈夫と後を任せる。
心強い返答を受け、律儀にも龍園達へ一礼しイザーク追い駆けて行った。
月の出ない夜に会ってからのアストルフォを見て来ただけに、彼ならば大丈夫と後を任せる。
心強い返答を受け、律儀にも龍園達へ一礼しイザーク追い駆けて行った。
「おいトランクス!肝心なとこで腑抜けんじゃねぇぞ!」
「……言われるまでもない!」
「……言われるまでもない!」
去り際、激怒戦騎に投げ付けられた言葉へ。
以前と違い即座に返せない事への、葛藤を抱えたまま。
以前と違い即座に返せない事への、葛藤を抱えたまま。
「二人共、女子はその場に放置ですか。シノアちゃん的にもマイナスですね、忌憚のない意見というやつです。そちらはどうお考えで?」
「えっ?わ、私は……トウジさんは、殿方としてどう思いますか?」
「話題振る相手間違ってんぞ、桐藤のお嬢ちゃん」
「あいつら揃って慌ただし過ぎんだろ」
「えっ?わ、私は……トウジさんは、殿方としてどう思いますか?」
「話題振る相手間違ってんぞ、桐藤のお嬢ちゃん」
「あいつら揃って慌ただし過ぎんだろ」
やけにそっくりな声同士の会話を聞き流し、面倒そうに髪を掻き上げる。
トランクスを始め、直に顔を合わせるのが初の者が複数おり。
戦闘での消耗回復も兼ね、互いの持つ情報の穴埋めを行いたかったが。
まさかトランクスが、ああもルルーシュへ激しい敵愾心を抱いてるとは驚きだ。
過去の言動や態度を思えば、恨みを買って当然と言えば当然ではある。
ただルルーシュを憎む原因となったろう、松阪さとうの殺害に関しては――
トランクスを始め、直に顔を合わせるのが初の者が複数おり。
戦闘での消耗回復も兼ね、互いの持つ情報の穴埋めを行いたかったが。
まさかトランクスが、ああもルルーシュへ激しい敵愾心を抱いてるとは驚きだ。
過去の言動や態度を思えば、恨みを買って当然と言えば当然ではある。
ただルルーシュを憎む原因となったろう、松阪さとうの殺害に関しては――
「取り敢えず、一旦中に入ろうぜ。デク達をいつまでも野晒しにしたくないしな……」
突然の展開に困惑が無いとは言わないが、外で突っ立っても仕方がない。
覚めない眠りに就いたヒーローを悲し気に見やり、パラドが場所の移動を提案。
死体を置き去りにするだけでも厄ネタと化すのは、最早周知の事実と言っても過言に非ず。
片腕が使い物にならないちひろ以外で、4人の仲間達を運び出す。
幻夢本社は損壊こそ見られるも、倒壊に至るレベルではない。
無事な階に移動し死体の安置が済み、早速話を始める。
覚めない眠りに就いたヒーローを悲し気に見やり、パラドが場所の移動を提案。
死体を置き去りにするだけでも厄ネタと化すのは、最早周知の事実と言っても過言に非ず。
片腕が使い物にならないちひろ以外で、4人の仲間達を運び出す。
幻夢本社は損壊こそ見られるも、倒壊に至るレベルではない。
無事な階に移動し死体の安置が済み、早速話を始める。
「あ、ごめん。もうちょっと待ってもらっても良いかな?」
とならない理由は、見るからに焦燥したちひろの存在。
へし折られた腕の痛みで、じわじわ意識を乱されるのに加え。
イノセンスを奪われた挙句に、サチが参加者を手に掛けた事実。
仲間の一人だった孔富の死も追い打ちを掛け、少なくないストレスに精神を蝕まれていた。
一旦落ち着く時間が必要と見たアストルフォの頼みで、暫しの休憩時間に入る。
互いに名前だけを伝え、もっと踏み込んだ話は後だ。
へし折られた腕の痛みで、じわじわ意識を乱されるのに加え。
イノセンスを奪われた挙句に、サチが参加者を手に掛けた事実。
仲間の一人だった孔富の死も追い打ちを掛け、少なくないストレスに精神を蝕まれていた。
一旦落ち着く時間が必要と見たアストルフォの頼みで、暫しの休憩時間に入る。
互いに名前だけを伝え、もっと踏み込んだ話は後だ。
例によって甚爾が社内設置の自販機を軽く蹴り、ドリンクを大量放出。
礼を言いジュースを受け取りはしたものの、口は付けずちひろは俯くばかり。
生憎と気の利いた慰めを懸けてやる程、面倒を見る気はない。
そういった類の適任は、騎士たるアストルフォの役目だろう。
片腕が使えない主に代わり蓋を開けてやる騎兵を、じっと見つめるシノアの内心は窺い知れない。
プラプラと両足を揺らしジュースを飲む姿だけなら、年相応の童女にしか見えなかった。
礼を言いジュースを受け取りはしたものの、口は付けずちひろは俯くばかり。
生憎と気の利いた慰めを懸けてやる程、面倒を見る気はない。
そういった類の適任は、騎士たるアストルフォの役目だろう。
片腕が使えない主に代わり蓋を開けてやる騎兵を、じっと見つめるシノアの内心は窺い知れない。
プラプラと両足を揺らしジュースを飲む姿だけなら、年相応の童女にしか見えなかった。
「ほらよ、お嬢様の口に合うかは知らねぇがな」
「あ、ありがとうございます」
「あ、ありがとうございます」
甚爾から差し出されたホットココアを受け取り、ちびちびと飲むナギサを尻目に。
壁に寄り掛かった龍園の視線は、長身の青年へと向かう。
直接顔を見るのは今が初めて、しかしバグスターウイルスに関係する者だと早期に気付いた相手だ。
壁に寄り掛かった龍園の視線は、長身の青年へと向かう。
直接顔を見るのは今が初めて、しかしバグスターウイルスに関係する者だと早期に気付いた相手だ。
親指で甚爾を示せば、ヒラヒラと手を振る何とも軽い反応があった。
悪辣極まるゲームが始まり、直に日付も変わるこのタイミングで。
遂に信頼を置く龍戦士の動向を知れたが、予想通りと言うべきか。
積極的に戦闘へ介入し、敵キャラクターとしての本懐を果たさんと張り切ってるらしい。
自分の知る通りのブレない様へ、どこか安堵を覚える一方で。
人間とは相容れぬ生き方を崩さない友に、今となっては複雑な心境でもある。
悪辣極まるゲームが始まり、直に日付も変わるこのタイミングで。
遂に信頼を置く龍戦士の動向を知れたが、予想通りと言うべきか。
積極的に戦闘へ介入し、敵キャラクターとしての本懐を果たさんと張り切ってるらしい。
自分の知る通りのブレない様へ、どこか安堵を覚える一方で。
人間とは相容れぬ生き方を崩さない友に、今となっては複雑な心境でもある。
(あいつらを裏切る真似なんて出来る訳がない。でも俺は、グラファイトとも……)
死の恐怖が如何なるものか、身を以て味わい。
罪悪感を自覚し、嘘偽りのない信頼を人間達と結んだ。
まふゆやユフィリア達は、喪いたくない仲間だが。
グラファイトだって、同胞であり無二の友と言っても大袈裟なんかじゃない。
互いを認め合い、協力プレイでゲームクリアを目指せるならどれ程良かっただろうか。
誰よりも龍戦士を知るだけに、あの男が今の自分とは同じ道を往かないと分かってしまう。
罪悪感を自覚し、嘘偽りのない信頼を人間達と結んだ。
まふゆやユフィリア達は、喪いたくない仲間だが。
グラファイトだって、同胞であり無二の友と言っても大袈裟なんかじゃない。
互いを認め合い、協力プレイでゲームクリアを目指せるならどれ程良かっただろうか。
誰よりも龍戦士を知るだけに、あの男が今の自分とは同じ道を往かないと分かってしまう。
歪めた顔で視線を外すパラドに、訳有りと察するまで時間は掛からない。
グラファイトは殺し合いに乗り気、反対にパラドは打倒運営の意思が固い。
友と袂を別った事を既に受け入れてる様子だった前者と異なり、後者は未だ迷いを振り切れていない様子。
そこいらの事情も、後々本人の口から語られる筈。
であれば、根掘り葉掘り聞く真似に出なくとも問題無し。
グラファイトは殺し合いに乗り気、反対にパラドは打倒運営の意思が固い。
友と袂を別った事を既に受け入れてる様子だった前者と異なり、後者は未だ迷いを振り切れていない様子。
そこいらの事情も、後々本人の口から語られる筈。
であれば、根掘り葉掘り聞く真似に出なくとも問題無し。
腰を下ろし疲労を抜いておく数十分間は、特筆すべき事は起こらず時計の針が進み続けた。
強いて言えば運良く破壊を免れた医務室を見付け、幾つかの物資を拝借。
火傷痕に市販の薬を塗る甚爾の横で、ちひろも左腕に処置を行う。
と言ってもアストルフォやナギサの手を借りながら、破いたシーツで腕を吊るす程度だが。
強いて言えば運良く破壊を免れた医務室を見付け、幾つかの物資を拝借。
火傷痕に市販の薬を塗る甚爾の横で、ちひろも左腕に処置を行う。
と言ってもアストルフォやナギサの手を借りながら、破いたシーツで腕を吊るす程度だが。
「何だ?また配信か?」
場の空気を変えたのは、ホットラインから一斉に鳴る通知音。
定時放送が終わり一時間も経たずに、運営が新たな通達を寄越すとは考えにくい。
となると、参加者が発信する類と見る方が自然。
ルルーシュか二代目ゼロか、どちらだろうと盤面に変化を齎す内容の可能性は大きい。
各々起動し映像の確認に移り、
定時放送が終わり一時間も経たずに、運営が新たな通達を寄越すとは考えにくい。
となると、参加者が発信する類と見る方が自然。
ルルーシュか二代目ゼロか、どちらだろうと盤面に変化を齎す内容の可能性は大きい。
各々起動し映像の確認に移り、
「こいつは……」
映っているのはこれまでの放送と異なり、参加者へ向けて語り掛けるのとは違う。
第三者が隠し撮りを行っているように、画面上の人物達は撮影に気付いた様子がなかった。
ほんの数十分前に別行動を取った二人の男と対峙する、殺し合いの中心的存在と言うべき皇帝。
鬱屈とした感情を隠し切れていない様子は、テレビ局跡地で力の一端を見せ付けた時と大違い。
何故こうも余裕が無いのかと、尤もな疑問は即座に氷解する。
第三者が隠し撮りを行っているように、画面上の人物達は撮影に気付いた様子がなかった。
ほんの数十分前に別行動を取った二人の男と対峙する、殺し合いの中心的存在と言うべき皇帝。
鬱屈とした感情を隠し切れていない様子は、テレビ局跡地で力の一端を見せ付けた時と大違い。
何故こうも余裕が無いのかと、尤もな疑問は即座に氷解する。
「ルルーシュお前……」
僅かに驚き片眉を上げる龍園へ、向こうが反応を返すなんて事もなく。
ありったけの嫌悪を籠めてトランクスを詰り、かと思えば鉄華兵団のリーダーが命を落とした経緯が語られる。
ルルーシュ以外には納得と程遠い、怒りを誘発し事態は悪化の一途を辿っていく。
あの場で唯一自陣営たる王様戦隊所属の、イザークとの間にすら修復困難な溝が生まれる始末。
加えて、その王様戦隊設立の真相も何でもないように本人の口から語られた。
ありったけの嫌悪を籠めてトランクスを詰り、かと思えば鉄華兵団のリーダーが命を落とした経緯が語られる。
ルルーシュ以外には納得と程遠い、怒りを誘発し事態は悪化の一途を辿っていく。
あの場で唯一自陣営たる王様戦隊所属の、イザークとの間にすら修復困難な溝が生まれる始末。
加えて、その王様戦隊設立の真相も何でもないように本人の口から語られた。
「……っ」
「本気で言ってんのかこいつ……」
「本気で言ってんのかこいつ……」
富良洲高校での組織結成の意味が、根底から覆る設立動機へ。
トリニティの代表として名を連ねたナギサも息を呑み、足元が崩れ掛かる錯覚を覚えた。
だが驚愕以上に、沸々と怒りを湧き上がらせるのはパラドだ。
恐怖に惑う自分を見限らず、“仮面”を被ることの意味を教えてくれた邪悪の王。
最後まで強き王であり続けた仲間の誇りを、キングオージャーの名を踏み躙るも同然なやり方に。
ギラ・ハスティーと共に戦った男として、怒りを覚えるなと言う方が不可能だった。
トリニティの代表として名を連ねたナギサも息を呑み、足元が崩れ掛かる錯覚を覚えた。
だが驚愕以上に、沸々と怒りを湧き上がらせるのはパラドだ。
恐怖に惑う自分を見限らず、“仮面”を被ることの意味を教えてくれた邪悪の王。
最後まで強き王であり続けた仲間の誇りを、キングオージャーの名を踏み躙るも同然なやり方に。
ギラ・ハスティーと共に戦った男として、怒りを覚えるなと言う方が不可能だった。
パラドのみならず、配信を見て憤怒に駆られる全ての者の代弁者の如く。
仮面ライダーヴァルバラドと、サイヤの戦士が反旗を翻し――
仮面ライダーヴァルバラドと、サイヤの戦士が反旗を翻し――
『ご機嫌麗しゅう、プレイヤー…いや雑魚共諸君♪』
「んなっ!?」
最悪のタイミングで割り込むのは、嘲りを隠そうともしない声。
目の前に突如画面が出現し、毒々しいカラーリングの装いの男が映し出される。
ホットラインや電子機器を通じて行われる、これまでの配信じゃあない。
予期せぬ事態に驚く中で、真っ先に顔色を変えたのはちひろだ。
目の前に突如画面が出現し、毒々しいカラーリングの装いの男が映し出される。
ホットラインや電子機器を通じて行われる、これまでの配信じゃあない。
予期せぬ事態に驚く中で、真っ先に顔色を変えたのはちひろだ。
「あ、こ、こいつ……!」
道化師を思わせるその男を、誰が忘れるものか。
狂戦士と共に現れ、勝手に失望し相方を殺害。
更には殺し“愛”などと意味の分からない理由で、サチを連れ去った張本人。
狂戦士と共に現れ、勝手に失望し相方を殺害。
更には殺し“愛”などと意味の分からない理由で、サチを連れ去った張本人。
己を最凶にして、優勝が約束された唯一のプレイヤーと信じて疑わぬ神殺し。
メラの生配信が間近で流れ、嫌でも目と耳に入り込んで来る。
メラの生配信が間近で流れ、嫌でも目と耳に入り込んで来る。
「こんの腐れエンタメ馬鹿が!タイミングくらい考えやがれってんだ!腹立たしい!」
苛立つドゴルドへ全員が内心同意し、画面を退かそうと試みるも消えやしない。
ある意味、迷惑配信者らしい方法だがともかく。
ホットラインを見ようにも、メラの配信が邪魔で内容がロクに入って来ないではないか。
空気を読めとの抗議にも聞く耳持たずで、己がペースを崩さず参加者への不満を垂れ流す。
こうなっては、アッシュフォード学園での生配信を集中して見れない。
幸いホットラインを通じて流れている為、後で観返す事も可能だ。
仕方なしにルルーシュ達の方は一旦後回しにし、メラの配信を改めて確認する。
ある意味、迷惑配信者らしい方法だがともかく。
ホットラインを見ようにも、メラの配信が邪魔で内容がロクに入って来ないではないか。
空気を読めとの抗議にも聞く耳持たずで、己がペースを崩さず参加者への不満を垂れ流す。
こうなっては、アッシュフォード学園での生配信を集中して見れない。
幸いホットラインを通じて流れている為、後で観返す事も可能だ。
仕方なしにルルーシュ達の方は一旦後回しにし、メラの配信を改めて確認する。
大仰な動作を交えての映像は、時の支配者の鎧をメラが纏い締めを迎える。
画面の消失に伴い室内にも静寂が戻るが、ちひろの内心は動揺で激しく荒れ狂っていた。
画面の消失に伴い室内にも静寂が戻るが、ちひろの内心は動揺で激しく荒れ狂っていた。
(こ、殺す……?サッちゃんを?なん、え、あ、え……)
猿轡を噛まされ、怯えを露わに震えていたのは見間違えよう筈もない。
殺し合いで最初に出会い、友情を結んだ大切な少女。
サチの姿を確認出来た喜びなぞ、到底抱ける訳がなく。
インパクトが強過ぎる余りパニック状態の脳へ、遅れてようやっと理解が追い付く。
殺し合いで最初に出会い、友情を結んだ大切な少女。
サチの姿を確認出来た喜びなぞ、到底抱ける訳がなく。
インパクトが強過ぎる余りパニック状態の脳へ、遅れてようやっと理解が追い付く。
(ふ、ふ、ふざけないでよあいつ……!勝手なことばっかり……!)
どうもメラは自分達がサチ奪還の為に、神殺しの居城へ現れなかったことが大層不満らしい。
故に明確な制限時間を設け、タイムリミットまでに来るよう尻に火を点けた。
退屈を嫌う神殺しとしては確かに、ちひろ達へ業を煮やすのも無理はない話だが。
そんな理屈、こっちからすれば余りにも身勝手と言う他ない。
当たり前だが自分達だって、この数時間を遊んで過ごした訳じゃあない。
来るメラとの戦いに備え仲間を集め、決戦前に大きな不安要素のルルーシュへの対処法を模索。
最凶のプレイヤーが相手とあっては、入念な下準備を進めるのは当然の理屈だろうに。
故に明確な制限時間を設け、タイムリミットまでに来るよう尻に火を点けた。
退屈を嫌う神殺しとしては確かに、ちひろ達へ業を煮やすのも無理はない話だが。
そんな理屈、こっちからすれば余りにも身勝手と言う他ない。
当たり前だが自分達だって、この数時間を遊んで過ごした訳じゃあない。
来るメラとの戦いに備え仲間を集め、決戦前に大きな不安要素のルルーシュへの対処法を模索。
最凶のプレイヤーが相手とあっては、入念な下準備を進めるのは当然の理屈だろうに。
などと、正論で納得する男でないのは最早誰もが知るところ。
メラはもとより、囚われのサチも同様に。
メラはもとより、囚われのサチも同様に。
即座に助けに行けない理由はあった。
無策で飛び込んだ所で、サチを助ける前に自分達が死ぬだけだと。
大半の参加者は冷静に告げ、ちひろの判断を責めやしないだろう。
無策で飛び込んだ所で、サチを助ける前に自分達が死ぬだけだと。
大半の参加者は冷静に告げ、ちひろの判断を責めやしないだろう。
されど、助けに向かわずサチをメラの手元に置き続けたのもまた否定は出来ない。
(サッちゃんは…………)
メラの怒りを買ったと分かったが故に、考えるのを止められない。
仲間達が一向に現れず、時間だけが過ぎて行き。
その間、善人を手に掛けるまでに追い詰められた。
想い人たるキリトをも喪ったサチは、果たしてちひろ達をどう思うだろうか。
自分なんかの為に傷付いて欲しくないと、身を案じる?
或いは、メラを恐れて救出を尻込みしてるのだと。
疑念と失望を膨らませている可能性が、絶対にないと言い切れるのか?
仲間達が一向に現れず、時間だけが過ぎて行き。
その間、善人を手に掛けるまでに追い詰められた。
想い人たるキリトをも喪ったサチは、果たしてちひろ達をどう思うだろうか。
自分なんかの為に傷付いて欲しくないと、身を案じる?
或いは、メラを恐れて救出を尻込みしてるのだと。
疑念と失望を膨らませている可能性が、絶対にないと言い切れるのか?
(ち、違うよ!だって……)
だって、なんだ。
必要な準備が済んでない、そう言ったとてサチに伝わりはしない。
では何時になったらその準備が終わるのかと問われても、返す言葉に詰まるばかり。
四凶の枠に括られない、ジンガやセレブロに散々翻弄された挙句。
解放の魔法という、サチがくれた強力な異能を奪われる始末。
躓いてばかりの現状を思えば、サチの救出など夢のまた夢なんじゃあないか。
必要な準備が済んでない、そう言ったとてサチに伝わりはしない。
では何時になったらその準備が終わるのかと問われても、返す言葉に詰まるばかり。
四凶の枠に括られない、ジンガやセレブロに散々翻弄された挙句。
解放の魔法という、サチがくれた強力な異能を奪われる始末。
躓いてばかりの現状を思えば、サチの救出など夢のまた夢なんじゃあないか。
(だって、それじゃあ私は……)
映像越しに向けたサチの怯えた瞳が、自分達を責めている錯覚すら抱き。
堪らず視線を泳がせると、他の面々の顔が見える。
神殺しの配信には自分と違い戦い慣れた彼らとて、緊張を抱かざるを得ず――
堪らず視線を泳がせると、他の面々の顔が見える。
神殺しの配信には自分と違い戦い慣れた彼らとて、緊張を抱かざるを得ず――
「…………え?」
ありきたりな予想は裏切られ、意識しないまま声が漏れた。
動揺らしい動揺はほとんど見られず、どことなく冷めた顔がチラホラ。
ドゴルドでさえ苛立つ雰囲気こそあるも、どちらかと言うと呆れてやいないか。
動揺らしい動揺はほとんど見られず、どことなく冷めた顔がチラホラ。
ドゴルドでさえ苛立つ雰囲気こそあるも、どちらかと言うと呆れてやいないか。
「長ったらしくほざいてたが、要はかまってちゃんの憂さ晴らしってとこか?」
「かもな。俺達が思ってる以上に、アイツは思い通りに遊べてないんだろ」
「かもな。俺達が思ってる以上に、アイツは思い通りに遊べてないんだろ」
あからさまに小馬鹿にし鼻で笑う龍園に、パラドも顰めた表情で首を縦に振る。
慌てふためき慄くどろか正反対、極めて冷静に言葉を交わす。
何故そのような反応になるのかと、脳内が疑問符で埋め尽くされるちひろを余所に。
配信への見解を次々口に出していく。
慌てふためき慄くどろか正反対、極めて冷静に言葉を交わす。
何故そのような反応になるのかと、脳内が疑問符で埋め尽くされるちひろを余所に。
配信への見解を次々口に出していく。
「皇帝坊主とお仲間を釣る為の、分かり易い餌ってことかね」
「もしルルーシュが静観を決め込もうにも、一ノ瀬や華鳥達が黙っちゃいねぇ筈だぜ。『王様戦隊』のケツを蹴り上げるのに、効果は十分だろうよ」
「もしルルーシュが静観を決め込もうにも、一ノ瀬や華鳥達が黙っちゃいねぇ筈だぜ。『王様戦隊』のケツを蹴り上げるのに、効果は十分だろうよ」
仮に指名を受けたのがルルーシュ一人だけの場合、サチの殺害をチラ付かせたとて効き目は薄い。
だが王様戦隊を指定したとあらば話は別、宝太郎を始め善性の強いメンバーが救出へ乗り気となるのはほぼ確実。
となれば必然、ルルーシュとて重い腰を上げる他ない。
この期に及んで無視されない為に、上手く突いたと言えよう。
だが王様戦隊を指定したとあらば話は別、宝太郎を始め善性の強いメンバーが救出へ乗り気となるのはほぼ確実。
となれば必然、ルルーシュとて重い腰を上げる他ない。
この期に及んで無視されない為に、上手く突いたと言えよう。
言い換えれば、今の配信はたったその程度の内容でしかない。
「シノアちゃん的にも少々意外でした。参加者のみならず運営も動向に注目せざるを得ない神殺しにしては、思ったよりスケールが小さいですね」
小さな指で緑茶の缶を開けるシノアも、肩透かしだったと率直に思う。
確かにサチの殺害を仄めかせば王様戦隊、並びにちひろ達の決断を早められはする。
しかしそれ以外、龍園達のように王様戦隊や鉄華兵団に所属しておらず。
サチとの縁も皆無な者にとっては、「だから何だ」に感想は集約。
メラ本人の口から、参加者全員との闘争を望んでるとは語られたが。
優勝候補筆頭たる神殺しが有する権能をフルに活用すれば、特定の参加者だけでなく。
全てのプレイヤーの危機感を煽り、強制的に自分との対戦マッチへ引き摺り込む事だって決して不可能ではない筈。
実際にはサチ一人を殺すと凄んだだけで、派手好きなメラにしては随分と慎ましい。
確かにサチの殺害を仄めかせば王様戦隊、並びにちひろ達の決断を早められはする。
しかしそれ以外、龍園達のように王様戦隊や鉄華兵団に所属しておらず。
サチとの縁も皆無な者にとっては、「だから何だ」に感想は集約。
メラ本人の口から、参加者全員との闘争を望んでるとは語られたが。
優勝候補筆頭たる神殺しが有する権能をフルに活用すれば、特定の参加者だけでなく。
全てのプレイヤーの危機感を煽り、強制的に自分との対戦マッチへ引き摺り込む事だって決して不可能ではない筈。
実際にはサチ一人を殺すと凄んだだけで、派手好きなメラにしては随分と慎ましい。
「ルルーシュの野郎を煽ってやがったが、馬鹿デカい声を近くで聞かせんじゃねぇよ!腹立たしい!」
「そのルルーシュが頭に血を昇らせてるかは、微妙だけどな」
「あ?まぁそもそも、エンタメ野郎の挑発なんぞ聞いてられる状況じゃなかったがよ」
「それに……似た内容を既に言われているから、ですか?」
「そのルルーシュが頭に血を昇らせてるかは、微妙だけどな」
「あ?まぁそもそも、エンタメ野郎の挑発なんぞ聞いてられる状況じゃなかったがよ」
「それに……似た内容を既に言われているから、ですか?」
思い出したようにハッと顔を上げるナギサへ、正解だと頷く。
ルルーシュを俄然やる気にさせる目的か、個人的な憂さ晴らしも含めてかはさておき。
殺し合いにおけるルルーシュの動向をつらつらと並べ、それら全てが運営の掌の上で踊らされていたに過ぎないとこき下ろす。
ロロやキャルをダシに使い、ありったけの嘲笑を配信で叩き付けられたとあらば。
プライドの高く、身内に甘い皇帝は憤慨を抑えられないだろう。
ルルーシュを俄然やる気にさせる目的か、個人的な憂さ晴らしも含めてかはさておき。
殺し合いにおけるルルーシュの動向をつらつらと並べ、それら全てが運営の掌の上で踊らされていたに過ぎないとこき下ろす。
ロロやキャルをダシに使い、ありったけの嘲笑を配信で叩き付けられたとあらば。
プライドの高く、身内に甘い皇帝は憤慨を抑えられないだろう。
そういった旨を言った先駆者がいなかったらとの、前提を無視すればだが。
「ルルーシュが殺し合いでどう動くかなんてのは、所詮全部運営の予想通り。敷かれたレールを走ってるに過ぎねぇ。……同じニュアンスに聞き覚えがあって当然だ、見事に鉄華兵団の放送と丸被りしてんだからよ」
「自信満々に中指立てたは良いが、実際はただの猿真似(パクリ)かよ。新鮮味の欠片もねぇなぁおい」
「自信満々に中指立てたは良いが、実際はただの猿真似(パクリ)かよ。新鮮味の欠片もねぇなぁおい」
細かな違いこそあれど、メラがルルーシュへの挑発で告げた内容は。
鉄華兵団の放送で、二代目ゼロによる糾弾の時と似通っている。
正しき怒りをぶつけたゼロと、身勝手の極みたるメラでは動機こそ大いに違うも。
『運営に踊らされた道化に過ぎない』との言葉は、神殺しよりも前に仮面の反逆者から言われているのだ。
更に言えば、鉄華兵団へのカウンター目的でルルーシュが放送を行った際。
「それがどうした」と、いっそ清々しい程に堂々と返してみせた。
結局の所、メラの挑発はルルーシュにとってゼロの二番煎じ以外の何ものでもない。
鉄華兵団の放送で、二代目ゼロによる糾弾の時と似通っている。
正しき怒りをぶつけたゼロと、身勝手の極みたるメラでは動機こそ大いに違うも。
『運営に踊らされた道化に過ぎない』との言葉は、神殺しよりも前に仮面の反逆者から言われているのだ。
更に言えば、鉄華兵団へのカウンター目的でルルーシュが放送を行った際。
「それがどうした」と、いっそ清々しい程に堂々と返してみせた。
結局の所、メラの挑発はルルーシュにとってゼロの二番煎じ以外の何ものでもない。
付け加えるなら、テレビ局跡地への襲撃時。
手を抜いてやったと先程の配信で口にしたそれも、ルルーシュはとっくに察してる筈だ。
ケヤキモールへ赴く前に、イザークから事のあらましは龍園達も聞いた。
神将ライダーやブラックナイツ、言葉巧みに誘導されたサチ。
上記の面々だけでも過剰な戦力だが、もし仮にメラがルルーシュの陣営を本気で潰しに掛かるなら。
メラ自身がクロスギーツに変身し、戦闘に加わっただろう。
そうしなかった時点で、あの襲撃は神殺しによる軽い洗礼に過ぎないと。
聡明なルルーシュが気付けない方が、遥かに不自然である。
手を抜いてやったと先程の配信で口にしたそれも、ルルーシュはとっくに察してる筈だ。
ケヤキモールへ赴く前に、イザークから事のあらましは龍園達も聞いた。
神将ライダーやブラックナイツ、言葉巧みに誘導されたサチ。
上記の面々だけでも過剰な戦力だが、もし仮にメラがルルーシュの陣営を本気で潰しに掛かるなら。
メラ自身がクロスギーツに変身し、戦闘に加わっただろう。
そうしなかった時点で、あの襲撃は神殺しによる軽い洗礼に過ぎないと。
聡明なルルーシュが気付けない方が、遥かに不自然である。
「多分、メラは余裕ぶってる裏で相当頭に来てる筈だ。思い通りのプレイが出来なくて、苛ついてるのがよく分かる」
望んだ形のゲームプレイを楽しめず、フラストレーションに苛まれる。
嘗ての己自身を客観的に見れるパラドだからこそ、今のメラも冷静に分析出来た。
嘗ての己自身を客観的に見れるパラドだからこそ、今のメラも冷静に分析出来た。
魔王の城を築き上げ、余裕たっぷりに玉座で挑戦者を待ち構えたまでは良いが。
そこからの展開は、悪い意味でメラの予想を裏切り続けた。
殺し愛に誘ったちひろ達はおろか、魔王に挑む気骨のある者がそもそも皆無。
人格をインストールした神将はただの一人も殺せず、ビルドもエグゼイドも撃破。
囚われのお姫様を救うべく、ノコノコ顔を出すと思っていたキリトはヒースクリフ相手に討ち死に。
挙句、殺害人数(キルスコア)ではグリオンに差を付けられたまま。
そこからの展開は、悪い意味でメラの予想を裏切り続けた。
殺し愛に誘ったちひろ達はおろか、魔王に挑む気骨のある者がそもそも皆無。
人格をインストールした神将はただの一人も殺せず、ビルドもエグゼイドも撃破。
囚われのお姫様を救うべく、ノコノコ顔を出すと思っていたキリトはヒースクリフ相手に討ち死に。
挙句、殺害人数(キルスコア)ではグリオンに差を付けられたまま。
不満ばかりが溜まり続けた所へ、配信に最適なアイテムを入手。
もう少し頭を冷やすのに時間を費やし、脳内会議(シンキングタイム)を落ち着いて行えば。
より大規模な戦争に発展する程の生配信も、行えた可能性は低くない。
しかしストレスが健在な所へ高揚感に身を委ね、その結果が実際の内容に繋がった。
もう少し頭を冷やすのに時間を費やし、脳内会議(シンキングタイム)を落ち着いて行えば。
より大規模な戦争に発展する程の生配信も、行えた可能性は低くない。
しかしストレスが健在な所へ高揚感に身を委ね、その結果が実際の内容に繋がった。
「でも……サッちゃんが、大変なことになってるのには変わらないでしょ!?」
自分で思った以上の声量が飛び出て、龍園達の話に割って入る。
長く行動を共にしていた面々ではない、威圧感のある男達の視線が集まった。
平時であれば怯むだろうけど、気にしてられる余裕もない。
長く行動を共にしていた面々ではない、威圧感のある男達の視線が集まった。
平時であれば怯むだろうけど、気にしてられる余裕もない。
「私達……私がモタモタやってたせいで、サッちゃんが……!」
分かっている、彼らにこんなことをぶち撒けたって意味がない事に。
サチと関りがあった訳でなく、危険を冒してまで助ける義理もない。
自分一人熱くなってるだけだと、自覚出来ないちひろじゃないけれど。
それでも、サチが大事な友達なのは嘘や出まかせではないのだ。
頭の中は未だに混乱が継続中、冷静な意見なぞ出せる余裕は皆無。
ただサチが絶体絶命の危機を迎えてると知り、だんまりを貫く気にだってなれず。
考えを纏める時間すら惜しいと、衝動のままに言葉を重ね、
サチと関りがあった訳でなく、危険を冒してまで助ける義理もない。
自分一人熱くなってるだけだと、自覚出来ないちひろじゃないけれど。
それでも、サチが大事な友達なのは嘘や出まかせではないのだ。
頭の中は未だに混乱が継続中、冷静な意見なぞ出せる余裕は皆無。
ただサチが絶体絶命の危機を迎えてると知り、だんまりを貫く気にだってなれず。
考えを纏める時間すら惜しいと、衝動のままに言葉を重ね、
「話の続きは後にしとけ。団体客がご到着だ」
「あぇ?」
「あぇ?」
話の腰を折られ思わず間の抜けた一言が漏れるが、甚爾の言葉に偽りはない。
常人を凌駕する聴覚が、一早くエンジンを吹かす音を拾った。
ガラス窓越しに外を見れば、アスファルトを駆ける大型車両を確認。
新たにプレイヤー達が現れた以上、会話を切り上げ対応に回る他ない。
タイミングの悪さへ鼻白むも、意地を張って無理やり話を聞かせる気など以ての外。
どうにも締まらない自分を情けなく思い、凹み気味になったまま一同と共に本社を出て行った。
常人を凌駕する聴覚が、一早くエンジンを吹かす音を拾った。
ガラス窓越しに外を見れば、アスファルトを駆ける大型車両を確認。
新たにプレイヤー達が現れた以上、会話を切り上げ対応に回る他ない。
タイミングの悪さへ鼻白むも、意地を張って無理やり話を聞かせる気など以ての外。
どうにも締まらない自分を情けなく思い、凹み気味になったまま一同と共に本社を出て行った。
正面玄関前に停車した車両が、黒の騎士団の所有物とは知らず。
顔を出すのは誰か、開く扉に視線が向かう。
顔を出すのは誰か、開く扉に視線が向かう。
「チヒロ!良かった、無事だったんですね……」
「ニ、ニコルくん!?何でこっちに……?」
「ニ、ニコルくん!?何でこっちに……?」
幼さも残した端正な顔立ちの少年は、ちひろも良く知る相手だ。
サチ共々、殺し合い開始当初から行動を共にし続けたプレイヤー。
鉄華兵団に協力を仰ぐべく博物館に向かった仲間、ニコルはちひろの無事へ顔を綻ばせる。
放送で孔富の脱落を聞かされ、一緒にいたちひろ達にも何らかの被害が及んだ可能性を危惧していた。
事実片腕に負傷こそ見られるも、重体には陥っていない。
しかし気になるのは、ちひろに同行した数が合わないことだ。
サチ共々、殺し合い開始当初から行動を共にし続けたプレイヤー。
鉄華兵団に協力を仰ぐべく博物館に向かった仲間、ニコルはちひろの無事へ顔を綻ばせる。
放送で孔富の脱落を聞かされ、一緒にいたちひろ達にも何らかの被害が及んだ可能性を危惧していた。
事実片腕に負傷こそ見られるも、重体には陥っていない。
しかし気になるのは、ちひろに同行した数が合わないことだ。
「ホシノはどちらに……?彼女もトランクスと一緒にルルーシュの元へ向かったんですか?」
「こっちが聞きてぇよ。あのチビ、いつの間にかいなくなってやがった」
「こっちが聞きてぇよ。あのチビ、いつの間にかいなくなってやがった」
銀髪の剣士ことジンガ相手に戦闘となり、気付けば他の連中共々姿が見えなくなった。
ドゴルドの方もセレブロに掛かり切りであった為、具体的な顛末は知る由もない。
運良く鉄華兵団の面々や、そうでなくとも信頼出来る者と会えていれば幸いだが。
ドゴルドの方もセレブロに掛かり切りであった為、具体的な顛末は知る由もない。
運良く鉄華兵団の面々や、そうでなくとも信頼出来る者と会えていれば幸いだが。
ニコルに続き、車両内の参加者も続々降りて来る。
内の一人の姿を瞳が映し出した時、ナギサの心臓が大きく音を立てた。
纏う衣服こそ見覚えはないが、薄桜色の長髪を靡かせた少女は。
自身の記憶と寸分違わぬ、いいや己が知る彼女以上に一皮向けた雰囲気を醸し出している。
内の一人の姿を瞳が映し出した時、ナギサの心臓が大きく音を立てた。
纏う衣服こそ見覚えはないが、薄桜色の長髪を靡かせた少女は。
自身の記憶と寸分違わぬ、いいや己が知る彼女以上に一皮向けた雰囲気を醸し出している。
「ミカ……?」
「っ!ナギちゃんもこっちに……え?もしかしてナギちゃん目が――」
「っ!ナギちゃんもこっちに……え?もしかしてナギちゃん目が――」
両目部分に巻かれていた包帯は外され、痛ましい傷痕は綺麗さっぱり消失。
歩行に用いた杖も手放し、こちらの姿を確認するや駆け出す彼女は。
光を取り戻した瞳から大粒の涙を零し、驚くミカにも構わず抱き着いた。
歩行に用いた杖も手放し、こちらの姿を確認するや駆け出す彼女は。
光を取り戻した瞳から大粒の涙を零し、驚くミカにも構わず抱き着いた。
「わわっ、ナギちゃん?」
唐突な行動へ目を白黒させるも、拒む気はなく背に手を回す。
顔を埋め嗚咽を漏らす親友に、聞きたいことは勿論あるけれど。
急かさず、子供をあやすように背を撫でる。
顔を埋め嗚咽を漏らす親友に、聞きたいことは勿論あるけれど。
急かさず、子供をあやすように背を撫でる。
「ごめんね?探すのが遅くなっちゃって……」
「ち、ちが、わた、し、あなたの顔をもう一度、見れるって思ってなく、て……!」
「ち、ちが、わた、し、あなたの顔をもう一度、見れるって思ってなく、て……!」
世界線は違えど、幼馴染と再会を果たし。
断罪を突き付けられるのでなく、生きて欲しいと願われた。
それだけでもう、十分過ぎる程救われたのに。
自身に軽蔑を投げ捨てたまま、二度と戻らなかったミカじゃないと頭で理解しても。
やんちゃな幼女だった時からずっと、隣にいた彼女の顔を見る事が叶ったのだ。
許されざる罪人の仮面は砕け散り、今ここにいるのは泣きべそを掻くただの女の子でしかない。
断罪を突き付けられるのでなく、生きて欲しいと願われた。
それだけでもう、十分過ぎる程救われたのに。
自身に軽蔑を投げ捨てたまま、二度と戻らなかったミカじゃないと頭で理解しても。
やんちゃな幼女だった時からずっと、隣にいた彼女の顔を見る事が叶ったのだ。
許されざる罪人の仮面は砕け散り、今ここにいるのは泣きべそを掻くただの女の子でしかない。
「おいおい、なーんで見覚えのあるドラゴン野郎まで一緒にいやがんだ?ドラゴンボーイ様とは、惹かれ合う運命ってか?」
「ふざけた呼び方するんじゃねぇよ。まさか、メラに恐怖(ビビ)って俺らに手を貸す気になったってんじゃねぇだろ?」
「当然だろう、俺は成り行きでここにいるに過ぎん。本音を言えば、お前達との決着を望んでいるがな」
「ふざけた呼び方するんじゃねぇよ。まさか、メラに恐怖(ビビ)って俺らに手を貸す気になったってんじゃねぇだろ?」
「当然だろう、俺は成り行きでここにいるに過ぎん。本音を言えば、お前達との決着を望んでいるがな」
再会の喜びを分かち合う一方で、因縁に火花を散らす者もいた。
民族衣装に似た装いと癖っ毛が特徴の青年に、龍園達が会うのはこれで三度目。
レベル概念すら突破した最強のバグスター、グラファイトまでもが顔を出すとは予想外。
蛮野との戦闘後、メラの件が片付くまでは優先事項を見誤らない。
そういった形で話は着いたとリュージ達に聞いており、事実今すぐに仕掛ける様子は見られない。
甚爾のみならず、自分にまで期待を籠めた目を向けるのを見るに。
遠くない内に厄介な事態になるのは、避けられないらしいが。
民族衣装に似た装いと癖っ毛が特徴の青年に、龍園達が会うのはこれで三度目。
レベル概念すら突破した最強のバグスター、グラファイトまでもが顔を出すとは予想外。
蛮野との戦闘後、メラの件が片付くまでは優先事項を見誤らない。
そういった形で話は着いたとリュージ達に聞いており、事実今すぐに仕掛ける様子は見られない。
甚爾のみならず、自分にまで期待を籠めた目を向けるのを見るに。
遠くない内に厄介な事態になるのは、避けられないらしいが。
「グラファイト……!」
「やはりお前もここにいいたか、パラド。お前の望むやり方で、ゲーム攻略を進めているようだな」
「やはりお前もここにいいたか、パラド。お前の望むやり方で、ゲーム攻略を進めているようだな」
所々に傷を負ったパラドの姿に、幾つもの死闘を経たと察する。
理不尽な難易度を押し付けて来る、ともすれば檀黎斗にも並ぶ悪辣な運営の鼻を明かし。
ゲームクリアに到達するべく、奮戦の真っ最中なのは間違いない。
それでこそ我が友と誇らし気なグラファイトと反対に、パラドは口に出すべき言葉に迷う。
再会を果たした喜びは勿論あるが、会った所でどうするかの答えはまだ決められていない。
理不尽な難易度を押し付けて来る、ともすれば檀黎斗にも並ぶ悪辣な運営の鼻を明かし。
ゲームクリアに到達するべく、奮戦の真っ最中なのは間違いない。
それでこそ我が友と誇らし気なグラファイトと反対に、パラドは口に出すべき言葉に迷う。
再会を果たした喜びは勿論あるが、会った所でどうするかの答えはまだ決められていない。
「良かったぁ、ミカちゃんはお友達と無事に会えたんだね!」
「いや、そんな良い再会だけじゃないみたいだけど……」
「いや、そんな良い再会だけじゃないみたいだけど……」
車両内の残る三人も降り、これで全員が顔を見せた事となる。
整った顔立ちで、しかし特別目立つ訳でもない同年代の少女はともかく。
後の二人は、少なからず驚きを覚える者達だ。
翠緑色の長髪と、豊満な肢体の少女は全ての参加者が知っている。
殺し合いを始めた元凶の一人、肉体を移り変え1000年以上もの時を生きて来た呪術師。
羂索がプレイヤー達の前へ直々に現れた、のではなく。
この段階に至っては流石に、羂索に肉体を利用された梔子ユメ本人と分かる。
整った顔立ちで、しかし特別目立つ訳でもない同年代の少女はともかく。
後の二人は、少なからず驚きを覚える者達だ。
翠緑色の長髪と、豊満な肢体の少女は全ての参加者が知っている。
殺し合いを始めた元凶の一人、肉体を移り変え1000年以上もの時を生きて来た呪術師。
羂索がプレイヤー達の前へ直々に現れた、のではなく。
この段階に至っては流石に、羂索に肉体を利用された梔子ユメ本人と分かる。
しかし、彼女に続き姿を見せた異形。
人ならざる貌を貼り付け、六本腕を垂らす特徴的な外見の存在を。
若き錬金術師から既に、龍園達は聞いてあった。
人ならざる貌を貼り付け、六本腕を垂らす特徴的な外見の存在を。
若き錬金術師から既に、龍園達は聞いてあった。
「冥黒王だかってのは、女のお守役も引き受けるくらいに暇なのか?」
「ほう?その言い草、既に我の話は聞き及んだらしいな」
「ほう?その言い草、既に我の話は聞き及んだらしいな」
皮肉をサラリと受け流し、ギギストも一同と対峙。
基本的にお人好しな宝太郎が、強い警戒心を向ける内の一人だ。
相棒のホッパー1を含め、ケミー達をマルガムに変えた相容れぬ敵と言っていたのを思い出す。
グリオン同様、殺し合いに乗った可能性が非常に高いとのことだが。
どういう訳か、ニコル達と共に現れた。
基本的にお人好しな宝太郎が、強い警戒心を向ける内の一人だ。
相棒のホッパー1を含め、ケミー達をマルガムに変えた相容れぬ敵と言っていたのを思い出す。
グリオン同様、殺し合いに乗った可能性が非常に高いとのことだが。
どういう訳か、ニコル達と共に現れた。
「あ、待って待って!ギギストくんが悪いことして来たのは本当だけど、でも今は私達と一緒に戦ってくれる仲間なの!」
一触即発になる前に、ばたばたと慌ててユメが割って入る。
肉体を乗っ取った羂索と外見はほぼ同じでも、雰囲気は全く別人。
10代後半だろう見た目にも関わらず、天真爛漫な子供のような仕草がやけにマッチするのは気のせいか。
肉体を乗っ取った羂索と外見はほぼ同じでも、雰囲気は全く別人。
10代後半だろう見た目にも関わらず、天真爛漫な子供のような仕草がやけにマッチするのは気のせいか。
「もう!迷惑掛けちゃったなら、ちゃんと謝らないと駄目だよ!」
「知らん。第一こ奴らと我に直接の面識がなかったのは、お前も知っているだろう」
「知らん。第一こ奴らと我に直接の面識がなかったのは、お前も知っているだろう」
人間を超越した冥黒王への、畏怖を籠めた態度ではなく。
悪ぶった友人を窘めるとしか思えないやり取りへ、見ているだけで毒気が抜かれる。
チラと見ればミカもナギサを撫でたまま、曖昧な笑みで首を小さく縦に振った。
どのような経緯を経たかは知らないが、一応敵ではないらしい。
ギギストすら押され気味になる梔子ユメという女へ、少々呆気に取られるも。
真剣な眼差しで近付くニコルに、意識を引き戻す。
悪ぶった友人を窘めるとしか思えないやり取りへ、見ているだけで毒気が抜かれる。
チラと見ればミカもナギサを撫でたまま、曖昧な笑みで首を小さく縦に振った。
どのような経緯を経たかは知らないが、一応敵ではないらしい。
ギギストすら押され気味になる梔子ユメという女へ、少々呆気に取られるも。
真剣な眼差しで近付くニコルに、意識を引き戻す。
「挨拶が遅れてすみません、こちらは鉄華兵団です。僕はニコル・アマルフィ。リュウエン・カケル、で宜しいですか?」
「誰が漏らしやがった、ってのは聞くまでもねぇわな」
「はい、グラファイトの口からある程度は。それと、あなたの学友であるスズネからも……」
「クク、ならさぞ愉快な紹介を聞かされたんだろうよ」
「誰が漏らしやがった、ってのは聞くまでもねぇわな」
「はい、グラファイトの口からある程度は。それと、あなたの学友であるスズネからも……」
「クク、ならさぞ愉快な紹介を聞かされたんだろうよ」
今や唯一、元の世界での知り合いとなったDクラスのリーダー。
綾小路の実力を知って以降は、とんと興味も失せた女だが。
現段階まで脱落を免れてるのを考えるに、堀北なりに足掻いてるのは間違いない。
ついでに言うと、自分に関するどういった話をニコル達に聞かせたかも想像は付く。
負けん気の強い女を鼻で笑い飛ばし、「マジの不良(ワル)じゃん……」とゆうが呟くのも聞き流す。
堀北の話では善人とは言い難く、実際の言動や態度も品行方正に当て嵌まらないが。
殺し合いに乗っておらず、尚且つこちらの話に耳を傾けるなら問題無しだ。
綾小路の実力を知って以降は、とんと興味も失せた女だが。
現段階まで脱落を免れてるのを考えるに、堀北なりに足掻いてるのは間違いない。
ついでに言うと、自分に関するどういった話をニコル達に聞かせたかも想像は付く。
負けん気の強い女を鼻で笑い飛ばし、「マジの不良(ワル)じゃん……」とゆうが呟くのも聞き流す。
堀北の話では善人とは言い難く、実際の言動や態度も品行方正に当て嵌まらないが。
殺し合いに乗っておらず、尚且つこちらの話に耳を傾けるなら問題無しだ。
「ここに来たって事は、お前らも“足つき”を見て介入でも考えたか?」
「当初の目的とは違ったのですが、流石にアレを無視は出来ませんので。間に合いませんでしたけど……」
「ま、その目的ってのも含めてキリキリ吐いてもらうぜ。と言いてぇところだが……」
「分かっています、例の配信のことですね?」
「当初の目的とは違ったのですが、流石にアレを無視は出来ませんので。間に合いませんでしたけど……」
「ま、その目的ってのも含めてキリキリ吐いてもらうぜ。と言いてぇところだが……」
「分かっています、例の配信のことですね?」
アッシュフォード学園での配信は、移動中にニコル達も確認した。
トランクス達とルルーシュの激突が起きた瞬間、神殺しの配信で思わぬ妨害を受けるのもセットでだ。
二つの映像を同時に観て、混同せずに脳内処理可能なオーバースペックを持つ者はおらず。
龍園達と同じく、非常に不本意ながらホットラインの視聴は一旦中断。
メラの配信が終わるのを待ち、そうこうしてる内に目的地へ着いたのだった。
トランクス達とルルーシュの激突が起きた瞬間、神殺しの配信で思わぬ妨害を受けるのもセットでだ。
二つの映像を同時に観て、混同せずに脳内処理可能なオーバースペックを持つ者はおらず。
龍園達と同じく、非常に不本意ながらホットラインの視聴は一旦中断。
メラの配信が終わるのを待ち、そうこうしてる内に目的地へ着いたのだった。
「突っ立ったままも何ですし、中に入って配信を最後まで確認するのをおすすめします。積もる話もあるのでしょう?」
「いやお前が仕切んのかよ……」
「何です?私が音頭を取ったらいけないルールでもあるんですか?年功序列なんて今時流行りませんよ?」
「いやお前が仕切んのかよ……」
「何です?私が音頭を取ったらいけないルールでもあるんですか?年功序列なんて今時流行りませんよ?」
うっかり呟けば、数倍にして返されパラドも困惑。
幼い少女でもまふゆと違い、妙にこましゃくれている。
されどシノアの提案に反対も飛ばず、グラファイトも今は矛を収め情報整理に異論はない。
幼い少女でもまふゆと違い、妙にこましゃくれている。
されどシノアの提案に反対も飛ばず、グラファイトも今は矛を収め情報整理に異論はない。
「ま、待ってよ皆……!メラの配信を見たなら分かるでしょ!?急がないとサッちゃんが……!」
「だからこそですよ、チヒロ。確かにサチには余り時間が残されていません。けど焦ってメラの元へ突入を試みても、サチの救出もままならず返り討ちに遭うだけだ。そう分かっていたから、入念な準備を行った筈です」
「それは……」
「だからこそですよ、チヒロ。確かにサチには余り時間が残されていません。けど焦ってメラの元へ突入を試みても、サチの救出もままならず返り討ちに遭うだけだ。そう分かっていたから、入念な準備を行った筈です」
「それは……」
この場で最も付き合いの長く、サチとも友好的な仲を築いたニコルに論され。
焦燥感を宿らせた言葉も、喉奥で虚しく霧散。
けどとか、だってとか。
思い付くのは反論ですらない、子供染みたゴネる内容ばかり。
言い争に発展したら、余計に時間をドブに捨てるも同じ。
振り上げた拳を力無く下ろし、小さく頷くのが精一杯だった。
焦燥感を宿らせた言葉も、喉奥で虚しく霧散。
けどとか、だってとか。
思い付くのは反論ですらない、子供染みたゴネる内容ばかり。
言い争に発展したら、余計に時間をドブに捨てるも同じ。
振り上げた拳を力無く下ろし、小さく頷くのが精一杯だった。
わざわざ屋外で立ち話を続ける理由もなく、揃って幻夢本社へと移動。
だだっ広い会議室へそれぞれ腰を下ろし、ホットラインを起動。
リアルタイムの配信は既に終わり、録画映像での確認となる。
シークバーを中断した部分まで動かして、今度こそ決着まで見届けた。
だだっ広い会議室へそれぞれ腰を下ろし、ホットラインを起動。
リアルタイムの配信は既に終わり、録画映像での確認となる。
シークバーを中断した部分まで動かして、今度こそ決着まで見届けた。
「ざけんじゃねぇぞボケ野郎がァッ!!!!!」
映像が終わるや、真っ先に反応を見せた激怒戦騎が拳を振るう。
裏拳に叩かれた壁には亀裂が走り、やがてボロボロと破片が散らばった。
怒髪天を突くとの言葉は正に、現在のドゴルドにこそ最も相応しい。
無機物への八つ当たり程度では、到底気が治まらず。
怒りの余り放電し、迂闊に近寄らば焼き潰さん迫力を見せ付ける。
裏拳に叩かれた壁には亀裂が走り、やがてボロボロと破片が散らばった。
怒髪天を突くとの言葉は正に、現在のドゴルドにこそ最も相応しい。
無機物への八つ当たり程度では、到底気が治まらず。
怒りの余り放電し、迂闊に近寄らば焼き潰さん迫力を見せ付ける。
「あの馬鹿が!肝心な所で腑抜けやがって……!!」
ルルーシュとの死闘は、トランクスの勝利で幕を閉じた。
悪意で以て打倒運営を果たさんとした皇帝は、その悪意が原因による迷走の末に。
青き希望の戦士に打ち倒され、決着が付いた。
それは良い、勝敗の結果そのものに文句はない。
しかし、トランクスがルルーシュを殺さずに事を収めた一点が全く以て許し難い。
必ずやあの皇帝を殺すと息巻いて、結局はこの始末か。
悪意で以て打倒運営を果たさんとした皇帝は、その悪意が原因による迷走の末に。
青き希望の戦士に打ち倒され、決着が付いた。
それは良い、勝敗の結果そのものに文句はない。
しかし、トランクスがルルーシュを殺さずに事を収めた一点が全く以て許し難い。
必ずやあの皇帝を殺すと息巻いて、結局はこの始末か。
「うーん、腑抜けたってのはちょっと違うんじゃないかな?」
「あ゛ぁ゛!?」
「あ゛ぁ゛!?」
会議室中に吹き荒れる怒りに怯え、縮こまるちひろを庇いつつ。
殺意の籠った視線もどこ吹く風で、マイペースに異議を唱えるは騎兵(ライダー)のサーヴァント。
画面に映る戦士を見やるアストルフォの顔は、ドゴルドと反対に嬉し気だった。
殺意の籠った視線もどこ吹く風で、マイペースに異議を唱えるは騎兵(ライダー)のサーヴァント。
画面に映る戦士を見やるアストルフォの顔は、ドゴルドと反対に嬉し気だった。
「僕も彼のことは一から十まで全部知ってる訳じゃないよ。でも今のトランクスは、僕が見て来た中で一番晴れ晴れしてるんだ」
正しさとはかけ離れた、一種の悪と自覚の上で決意を固めた時とは違う。
これしかない、仕方のない事だと無理やり己に言い聞かせるのとは違う。
憎悪に身を委ね、ルルーシュを討つんじゃあない。
自分以外の誰かを想い、与えられてきた多くの信頼に応えたいから。
自分以外の為に怒りを燃やし、倒すべき敵に本当の意味で向き合う姿は。
トランクスが自分のやりたい事を、後悔しない道を見付けたのだと画面越しに伝わった。
これしかない、仕方のない事だと無理やり己に言い聞かせるのとは違う。
憎悪に身を委ね、ルルーシュを討つんじゃあない。
自分以外の誰かを想い、与えられてきた多くの信頼に応えたいから。
自分以外の為に怒りを燃やし、倒すべき敵に本当の意味で向き合う姿は。
トランクスが自分のやりたい事を、後悔しない道を見付けたのだと画面越しに伝わった。
(でも君は、最後の最後で自由を奪われたんだね……)
嬉しさが一転、笑みを消し表情に翳りが生まれる。
死する瞬間こそ見ていないが、嘗て勇者だった男はもういない。
鉄華兵団のメンバーが死んだ事を憂う、元々殺し合いに乗った奴が消えて安堵する。
そういった反応とは異なり、アストルフォが思うのは。
自由に生きる難しさに直面し、じゃあそこからどうするかを自分なりに考えた彼が。
皇帝の思惑通りに動かされ、ルルーシュにとって絶好の悲劇を作り上げた末に死んだ事への。
どうしようもない、やるせなさだった。
死する瞬間こそ見ていないが、嘗て勇者だった男はもういない。
鉄華兵団のメンバーが死んだ事を憂う、元々殺し合いに乗った奴が消えて安堵する。
そういった反応とは異なり、アストルフォが思うのは。
自由に生きる難しさに直面し、じゃあそこからどうするかを自分なりに考えた彼が。
皇帝の思惑通りに動かされ、ルルーシュにとって絶好の悲劇を作り上げた末に死んだ事への。
どうしようもない、やるせなさだった。
アストルフォとて争いを知る者だ、望み通りの死を誰も彼もが迎えられないとは分かっている。
だけど戦場の掟なんかより、理屈で計れない情が時には大きく顔を出す。
二大組織の会談を台無しにし、仮面の英雄を手に掛けた狂犬なんかじゃあない。
迷いながらも、後悔の無い道を進み続けて来た男に想いを馳せる。
だけど戦場の掟なんかより、理屈で計れない情が時には大きく顔を出す。
二大組織の会談を台無しにし、仮面の英雄を手に掛けた狂犬なんかじゃあない。
迷いながらも、後悔の無い道を進み続けて来た男に想いを馳せる。
「知るかんなもん!いらねぇ甘さなんぞを見せやがって!腹立たしい!」
尤も、ドゴルドにとっては知った事じゃない。
仮にも仲間を背後から撃ち本人は素知らぬ顔で、殺し合いに抗う……対主催と呼称されるプレイヤーの代表を気取る。
そんなブレイブの欠片も無い皇帝を、生かしておける訳がないだろうに。
ルルーシュを殺すと豪語し、追い詰めておきながら日和る奴には最早任せておけない。
協力関係を結んだ時、トランクスが殺せないのであれば自分が殺すと言った。
なればあの時の言葉を実現させるべく――
仮にも仲間を背後から撃ち本人は素知らぬ顔で、殺し合いに抗う……対主催と呼称されるプレイヤーの代表を気取る。
そんなブレイブの欠片も無い皇帝を、生かしておける訳がないだろうに。
ルルーシュを殺すと豪語し、追い詰めておきながら日和る奴には最早任せておけない。
協力関係を結んだ時、トランクスが殺せないのであれば自分が殺すと言った。
なればあの時の言葉を実現させるべく――
「吠えるな鬱陶しい。戦場にいなかった貴様に、口を挟む資格なぞありはしない」
「あ゛!?」
「あ゛!?」
怒り心頭のドゴルドもなんのその、視線も寄越さずグラファイトが言葉の矢を突き刺す。
殺意混じりに睨み付けられるも、相手の目は依然画面に固定されたまま。
迷いと言う名の枷を踏み砕いたサイヤの戦士が、皇帝へ引導を渡す様はしかと見せてもらった。
力の差も関係無しに反逆の牙を突き立てた、イザーク・ジュール共々。
神聖なる戦場で雌雄を決するに相応しい、強き者達だ。
殺意混じりに睨み付けられるも、相手の目は依然画面に固定されたまま。
迷いと言う名の枷を踏み砕いたサイヤの戦士が、皇帝へ引導を渡す様はしかと見せてもらった。
力の差も関係無しに反逆の牙を突き立てた、イザーク・ジュール共々。
神聖なる戦場で雌雄を決するに相応しい、強き者達だ。
「生かすか殺すか、それを決められるのは勝者であるトランクスただ一人。そんなことも理解せず野次を飛ばすのなら、貴様は戦士ですらない野良犬に過ぎん」
「……言ってくれるじゃねぇか、兄ちゃんよ」
「……言ってくれるじゃねぇか、兄ちゃんよ」
怒声を引っ込め、小さく笑いが零れるも。
当然の如く、焼け付く激情は未だドゴルドに渦巻いたまま。
こうもあからさまに、涼しい顔で挑発されすごすご引き下がってやれるようなら。
“激怒戦騎”の名は永久返上確定だ。
当然の如く、焼け付く激情は未だドゴルドに渦巻いたまま。
こうもあからさまに、涼しい顔で挑発されすごすご引き下がってやれるようなら。
“激怒戦騎”の名は永久返上確定だ。
ずいと詰め寄るドゴルドへ、グラファイトも立ち上がり視線が交差。
熱風にも等しい殺意を間近で浴びるも、龍戦士に怯む様子は微塵も無し。
熱風にも等しい殺意を間近で浴びるも、龍戦士に怯む様子は微塵も無し。
「“凶星病理”とは矛を交える機会を得られぬままだったが、貴様はどうだ?」
「ケッ!真っ先ににくたばりやがった雑魚と、一緒くたにしてんじゃねぇよ!腹立たしい!」
「確かにな。運営肝入りのNPC、その実力が如何程かをここで知るのも悪くない」
「ケッ!真っ先ににくたばりやがった雑魚と、一緒くたにしてんじゃねぇよ!腹立たしい!」
「確かにな。運営肝入りのNPC、その実力が如何程かをここで知るのも悪くない」
バグヴァイザーを取り出せば、望む所と喧嘩上刀へ電気が迸る。
屈指の実力を誇る戦士同士が殺気をぶつけ合い、生じる威圧感は並大抵に非ず。
同じ部屋にいるだけで、尋常ならざる息苦しさが発生。
元々争い事と一切縁の無いちひろとゆうは、青褪めた顔で凍り付いている。
屈指の実力を誇る戦士同士が殺気をぶつけ合い、生じる威圧感は並大抵に非ず。
同じ部屋にいるだけで、尋常ならざる息苦しさが発生。
元々争い事と一切縁の無いちひろとゆうは、青褪めた顔で凍り付いている。
「止めてください!ドゴルド!今ここで争うのは……!」
「グラファイトも落ち着けって!お前がそうする奴だってのは知ってるけどよ……!」
「ふ、二人共喧嘩はだめだよ!」
「羂索の偽物女は黙ってやがれ!!」
「ひぃん、私の方が本物なのに……」
「グラファイトも落ち着けって!お前がそうする奴だってのは知ってるけどよ……!」
「ふ、二人共喧嘩はだめだよ!」
「羂索の偽物女は黙ってやがれ!!」
「ひぃん、私の方が本物なのに……」
制止に入ったニコルとパラドの言葉を受けても、揃って敵意は緩めない。
窘めるユメも怒鳴り返され、取り付く島もなかった。
最早いつ戦闘が勃発したとておかしくなく、緊張感も上昇しっ放しだ。
力づくでの介入も止む無しかと、そう思えた時、
窘めるユメも怒鳴り返され、取り付く島もなかった。
最早いつ戦闘が勃発したとておかしくなく、緊張感も上昇しっ放しだ。
力づくでの介入も止む無しかと、そう思えた時、
「理解したぞ、トランクス。お前が取った手は、鉄華兵団にとって間違いなく最善と言えよう」
「…………あ?」
「…………あ?」
傍らで火花を散らすドゴルド達へ、冷や水を浴びせるは冥黒王の訳知り声。
ホットラインを眺め、納得がいったと頷く仕草を取られれば。
一体何が分かったのかと、説明を求める視線がチラホラ。
目をぱちくりさせたユメが至近距離で覗き込むのを、鬱陶しいと片手で引き剥がす。
ホットラインを眺め、納得がいったと頷く仕草を取られれば。
一体何が分かったのかと、説明を求める視線がチラホラ。
目をぱちくりさせたユメが至近距離で覗き込むのを、鬱陶しいと片手で引き剥がす。
「確かにルルーシュの息の根を止める事も、奴なら十分可能だったろう。しかしその場合、メラは何をしでかすだろうな?」
「……サチを殺す、でしょうね」
「……サチを殺す、でしょうね」
殺し合いで最も顔の知れた参加者であり、四凶たるノワルの魔法をも我が物とした皇帝。
ルルーシュが現状における、メラの最大の標的(ターゲット)なのは言うに及ばず。
配信で直々に指名し、更にはルルーシュを討った者は殺すとまで脅しを掛けた。
アッシュフォード学園で起きた戦闘がホットラインを通じ流れた以上、当たり前だがメラの目にも届く。
仮にトランクスがルルーシュへ確実なトドメを刺した場合、神殺しの警告は破られた事になる。
映像に映ったトランクスや、創世の力の元の使い手の浮世英寿等々。
遊び甲斐のある者達へ機嫌を良くするだろうが、それとこれとは別。
サチの処刑が実行されるのは、ほぼ確定だろう。
ルルーシュが現状における、メラの最大の標的(ターゲット)なのは言うに及ばず。
配信で直々に指名し、更にはルルーシュを討った者は殺すとまで脅しを掛けた。
アッシュフォード学園で起きた戦闘がホットラインを通じ流れた以上、当たり前だがメラの目にも届く。
仮にトランクスがルルーシュへ確実なトドメを刺した場合、神殺しの警告は破られた事になる。
映像に映ったトランクスや、創世の力の元の使い手の浮世英寿等々。
遊び甲斐のある者達へ機嫌を良くするだろうが、それとこれとは別。
サチの処刑が実行されるのは、ほぼ確定だろう。
されど実際には、ルルーシュを殺さず倒すだけに留めた。
映像を見る限り、アークドライバーも破壊は免れた様子。
白煙が上がり即座の変身こそ不可能であるも、この地は数多の世界の異能や技術が集まるデスゲーム。
修復の当てがあることくらい、メラとて考える筈。
つまり、『ノワルの力を持ったルルーシュ』をメラ相手の矢面に立たせるのは不可能じゃあない。
時間的な問題もある故、無理やり形式を整えるのが精一杯の可能性も低くないが。
映像を見る限り、アークドライバーも破壊は免れた様子。
白煙が上がり即座の変身こそ不可能であるも、この地は数多の世界の異能や技術が集まるデスゲーム。
修復の当てがあることくらい、メラとて考える筈。
つまり、『ノワルの力を持ったルルーシュ』をメラ相手の矢面に立たせるのは不可能じゃあない。
時間的な問題もある故、無理やり形式を整えるのが精一杯の可能性も低くないが。
「で、でも!あんなに思いっ切りルルーシュが負けた所を見せられて、腹いせにサッちゃんを……」
「絶対にないと断言は出来ないけど、その可能性は低いんじゃないか?」
「絶対にないと断言は出来ないけど、その可能性は低いんじゃないか?」
先程から悪い想像ばかりが浮かぶちひろへ、否定を飛ばすのはパラドだ。
事前に聞いていた人物像と、今回の配信を合わせて見るにメラは相当な目立ちたがり屋。
ホットラインに映像が再度流れる前に、誰の目も届かぬ己が居城でサチを殺しても。
神殺しが満足するとは思えず、もし殺すにしろ配信が再び可能となる数時間後と考えられる。
事前に聞いていた人物像と、今回の配信を合わせて見るにメラは相当な目立ちたがり屋。
ホットラインに映像が再度流れる前に、誰の目も届かぬ己が居城でサチを殺しても。
神殺しが満足するとは思えず、もし殺すにしろ配信が再び可能となる数時間後と考えられる。
「何より、トランクスはルルーシュを己の判断のみで殺さなかった。その事実こそが重要だ」
「鉄華兵団として、王様戦隊に最大限の誠意を見せたってことか?」
「鉄華兵団として、王様戦隊に最大限の誠意を見せたってことか?」
腕組し答えに辿り着いた龍園へ、然りと頷く。
ルルーシュが被害を与えたのは鉄華兵団だけじゃない、自陣営たる王様戦隊もだ。
松阪さとうの一件のスキャンダルに加え、組織設立の真意。
やみのせんしや二代目ゼロの死すら、己が目的を果たす為に利用し尽くされた。
上記全てを王様戦隊の代表が行って来たとあらば、組織の信用は絶望的と言っても決して大袈裟ではない。
つまりルルーシュの被害者と言う点で、王様戦隊の面々も制裁を与える権利はある。
ルルーシュが被害を与えたのは鉄華兵団だけじゃない、自陣営たる王様戦隊もだ。
松阪さとうの一件のスキャンダルに加え、組織設立の真意。
やみのせんしや二代目ゼロの死すら、己が目的を果たす為に利用し尽くされた。
上記全てを王様戦隊の代表が行って来たとあらば、組織の信用は絶望的と言っても決して大袈裟ではない。
つまりルルーシュの被害者と言う点で、王様戦隊の面々も制裁を与える権利はある。
ルルーシュの処遇は、トランクスの独断で決めるんじゃあない。
鉄華兵団は勿論、王様戦隊のメンバーの意見も取り入れた上で決定を下す。
トランクス本人はあくまで、己が後悔しない願いを選び取ったに過ぎず。
メラの配信自体、開始数秒が視界に飛び込んだ程度しか見ていなかったが。
結果としてルルーシュを殺さず決着を付けた事が、鉄華兵団側からあの場で出来る最大限の誠意へと実を結び。
王様戦隊との協定をスムーズに行える、橋渡しになったと言えよう。
鉄華兵団は勿論、王様戦隊のメンバーの意見も取り入れた上で決定を下す。
トランクス本人はあくまで、己が後悔しない願いを選び取ったに過ぎず。
メラの配信自体、開始数秒が視界に飛び込んだ程度しか見ていなかったが。
結果としてルルーシュを殺さず決着を付けた事が、鉄華兵団側からあの場で出来る最大限の誠意へと実を結び。
王様戦隊との協定をスムーズに行える、橋渡しになったと言えよう。
「ドゴルド、お前がルルーシュを是が非でも殺すと言うのなら好きにしろ。だがそれは、鉄華兵団の決定に弓を引くということ。メラの件も片付かぬ内にトランクスとも敵対するのはさて、賢いと思うか?」
「~~~~~~~っ!!!クソッタレが!!!腹立たしい!!」
「~~~~~~~っ!!!クソッタレが!!!腹立たしい!!」
非常に癪だが、自分だけではメラに勝てない。
神将ライダーにすら梃子摺った己が単独で挑んでも、神殺しへの到達を待たず磨り潰される。
だから四凶に並ぶ最強格のプレイヤー、トランクスと手を組んだ。
なれどルルーシュの殺害に拘り、協力関係も白紙に戻されれば全てが水の泡。
目に付く一切合財を焼き払いたい程のストレスに苛まれるが、ギギストの言葉を否定も出来ない。
よって心底忌々しいと怒声を放ち、どっかり座り込む以外に選択肢はなかった。
神将ライダーにすら梃子摺った己が単独で挑んでも、神殺しへの到達を待たず磨り潰される。
だから四凶に並ぶ最強格のプレイヤー、トランクスと手を組んだ。
なれどルルーシュの殺害に拘り、協力関係も白紙に戻されれば全てが水の泡。
目に付く一切合財を焼き払いたい程のストレスに苛まれるが、ギギストの言葉を否定も出来ない。
よって心底忌々しいと怒声を放ち、どっかり座り込む以外に選択肢はなかった。
不本意ながらもドゴルドが戦意を引っ込めたとあらば、突っ掛かる気も失せる。
グラファイトも無言で着席し、張り詰めた空気は霧散。
安堵の吐息が聞こえるが、一件落着と言うにはまだ早い。
グラファイトも無言で着席し、張り詰めた空気は霧散。
安堵の吐息が聞こえるが、一件落着と言うにはまだ早い。
「……ですが制裁も止む無しの所業を、彼がして来たのも事実。なのですね…………」
麗し気な美貌を曇らせ、今にも消え入りそうな声を呟く。
震えが走る身を押さえ付けるように、二の腕に回した手に力が籠る。
隣で自分を案じるミカへ、一度弱々しく微笑み。
意を決し席を立つナギサに視線が集中、一人一人に目を合わせ口を開く。
震えが走る身を押さえ付けるように、二の腕に回した手に力が籠る。
隣で自分を案じるミカへ、一度弱々しく微笑み。
意を決し席を立つナギサに視線が集中、一人一人に目を合わせ口を開く。
「今ここにはいないルルーシュ・ヴィ・ブリタニアに代わり、王様戦隊の者として私から鉄華兵団の方々……羂索達に抗う参加者の皆様へ謝罪させてください……!」
「え、ちょ、ナギちゃん!?」
「謝って取り返しが付く問題でないことは分かっています……!ですが……っ、申し訳ありません……!」
「え、ちょ、ナギちゃん!?」
「謝って取り返しが付く問題でないことは分かっています……!ですが……っ、申し訳ありません……!」
悲痛な声を絞り出し頭を下げる親友へ、ミカも驚かずにはいられない。
大なり小なり差は有れど、突然の謝罪へ会議室は困惑する者と冷静を保つ者とで二分される。
大なり小なり差は有れど、突然の謝罪へ会議室は困惑する者と冷静を保つ者とで二分される。
最早あり得ないIFの話となるが、もし先の王様戦隊と鉄華兵団の会談で。
二大組織が手を取り合う寸前、やみのせんしが独断でルルーシュ殺害を目論み。
巻き添えで二代目ゼロ改めシャーリーが死亡、身を守る為に止むを得ずルルーシュがやみのせんしを始末した。
そういった顛末であれば、責任はやみのせんしという危険人物の手綱を手放した鉄華兵団へ向かったろう。
二大組織が手を取り合う寸前、やみのせんしが独断でルルーシュ殺害を目論み。
巻き添えで二代目ゼロ改めシャーリーが死亡、身を守る為に止むを得ずルルーシュがやみのせんしを始末した。
そういった顛末であれば、責任はやみのせんしという危険人物の手綱を手放した鉄華兵団へ向かったろう。
しかし、だ。
トランクス達に激しく問い質されるルルーシュを見れば、真実は全く異なると誰しもが気付く。
鉄華兵団側が先制攻撃に出ざるを得なくなるよう、水面下で策を弄し。
助ける手段を複数持ちながら、シャーリーの延命には終ぞ出ず。
元々殺し合いに乗った側とはいえ、鉄華兵団の一員だったやみのせんしを殺害。
組織の頭(リーダー)と団員の二名を、筋が通らぬやり方で王様戦隊の代表が手に掛けた。
映像越しに突き付けられた真相へ無関係を貫ける程、ナギサは薄情になれない。
トランクス達に激しく問い質されるルルーシュを見れば、真実は全く異なると誰しもが気付く。
鉄華兵団側が先制攻撃に出ざるを得なくなるよう、水面下で策を弄し。
助ける手段を複数持ちながら、シャーリーの延命には終ぞ出ず。
元々殺し合いに乗った側とはいえ、鉄華兵団の一員だったやみのせんしを殺害。
組織の頭(リーダー)と団員の二名を、筋が通らぬやり方で王様戦隊の代表が手に掛けた。
映像越しに突き付けられた真相へ無関係を貫ける程、ナギサは薄情になれない。
「頭を上げてください。僕としても王様戦隊、いいえ、ルルーシュには怒りがある。だけどあなた個人へ、その感情をぶつけるつもりはありません」
「……」
「それに、謝るべきは僕の方です。クルーゼ隊長があなた方にした事を思えば、なんと詫びれば良いのか……っ」
「……っ」
「……」
「それに、謝るべきは僕の方です。クルーゼ隊長があなた方にした事を思えば、なんと詫びれば良いのか……っ」
「……っ」
色こそ違うも、キヴォトス侵攻を指揮した男と同じデザインの軍服。
薄々察しは付いていたが案の定、クルーゼと同じザフトの人間。
顔を強張らせるナギサを当然の反応だと思いつつ、今度はニコルの方が深々と頭を下げた。
まさかクルーゼが非道に手を汚すとは思わなかっただの、弁明を重ねても被害を受けた当人には見苦しい言い訳に過ぎない。
嘗ての上官が犯した大虐殺の犠牲者が、謝罪一つで帰って来る筈が無い。
そんな事は百も承知で、まるで己が罪同然に罪悪感が湧き上がった。
薄々察しは付いていたが案の定、クルーゼと同じザフトの人間。
顔を強張らせるナギサを当然の反応だと思いつつ、今度はニコルの方が深々と頭を下げた。
まさかクルーゼが非道に手を汚すとは思わなかっただの、弁明を重ねても被害を受けた当人には見苦しい言い訳に過ぎない。
嘗ての上官が犯した大虐殺の犠牲者が、謝罪一つで帰って来る筈が無い。
そんな事は百も承知で、まるで己が罪同然に罪悪感が湧き上がった。
「……確かにキヴォトスは、クルーゼの手によって滅びを迎えました。しかしあなた方もまた真実を知らされず、殺し合いに巻き込まれた身。責めることなんて私には…………」
クルーゼの部下だったのは本当でも、ニコル達がキヴォトス壊滅の原因かと言うと否。
彼を詰る気は毛頭なく、血を吐くような謝罪の言葉へいたたまれなさを覚える。
痛々しい数秒の沈黙を挟み、先に口を開いたのはナギサ。
ギギストの言葉通りなら、今後ルルーシュはメラとの決戦に駆り出される。
神殺しの討伐後、もし生き残っていた場合。
鉄華兵団と王様戦隊の協議により、皇帝だった少年の処遇が決まるのだろう。
彼を詰る気は毛頭なく、血を吐くような謝罪の言葉へいたたまれなさを覚える。
痛々しい数秒の沈黙を挟み、先に口を開いたのはナギサ。
ギギストの言葉通りなら、今後ルルーシュはメラとの決戦に駆り出される。
神殺しの討伐後、もし生き残っていた場合。
鉄華兵団と王様戦隊の協議により、皇帝だった少年の処遇が決まるのだろう。
(私に、彼を罰する資格はありませんけれど……)
配信で暴露されたルルーシュの多くの過ちへ、思う所は当然あるも。
イザーク達のように、激しい怒りをぶつける気にはなれない。
今現在がどうあれ、贖罪の機会を与えてもらった恩はある。
王様戦隊の件だって無理やりカメラの前に立たされたんじゃあない、自分の意思で参加を決めた。
何より、目的の為に他者へ犠牲を強いたのは己も同じだ。
軽蔑を吐き捨てた幼馴染が『悪いおもちゃ箱』と揶揄した牢獄へ、何人を閉じ込めたと思っている。
挙句の果てに全てを放り逃げようとし、仮面の侵略者(インベーダー)に永劫光を奪われた。
そんな自分を棚に上げルルーシュを断罪しようなど、烏滸がましいと言わず何と言う。
イザーク達のように、激しい怒りをぶつける気にはなれない。
今現在がどうあれ、贖罪の機会を与えてもらった恩はある。
王様戦隊の件だって無理やりカメラの前に立たされたんじゃあない、自分の意思で参加を決めた。
何より、目的の為に他者へ犠牲を強いたのは己も同じだ。
軽蔑を吐き捨てた幼馴染が『悪いおもちゃ箱』と揶揄した牢獄へ、何人を閉じ込めたと思っている。
挙句の果てに全てを放り逃げようとし、仮面の侵略者(インベーダー)に永劫光を奪われた。
そんな自分を棚に上げルルーシュを断罪しようなど、烏滸がましいと言わず何と言う。
「予想外の結果となったが、図らずも我らの目的は果たされたと言うべきだな。この期に及んでもルルーシュを王様戦隊の席に据える程、あやつらも能天気ではあるまい」
「目的……ってのは言い方からして、ルルーシュを引き摺り下ろす算段でも立ててたのか?」
「目的……ってのは言い方からして、ルルーシュを引き摺り下ろす算段でも立ててたのか?」
重苦しさが増す空気をやや強引に引き戻し、鉄華兵団にとっての朗報をギギストは今一度噛み締める。
リーダーの喪失と団員の死亡、しかも後者は自身が冥黒の炎を授けた元勇者。
誅殺の犠牲になったと知り、スパナの骸を見た時とはまた異なる形容し難いざわめきが胸中を襲ったが。
素直に身は委ねず、合理的な思考で頭を切り替えた。
疑問符を浮かべる龍園に然りと頷き、遅くなったが互いの持つ情報開示の流れに移る。
リーダーの喪失と団員の死亡、しかも後者は自身が冥黒の炎を授けた元勇者。
誅殺の犠牲になったと知り、スパナの骸を見た時とはまた異なる形容し難いざわめきが胸中を襲ったが。
素直に身は委ねず、合理的な思考で頭を切り替えた。
疑問符を浮かべる龍園に然りと頷き、遅くなったが互いの持つ情報開示の流れに移る。
トレーラーでの移動中、グラファイトが先んじて伝えた部分は省き。
ちひろ達やユメ達の動向に加え、鉄華兵団の方針。
富良洲高校や、幻夢本社前での死闘。
そして、パラドが今は亡き黒の剣士らと共に挑んだヒースクリフ討伐戦。
ちひろ達やユメ達の動向に加え、鉄華兵団の方針。
富良洲高校や、幻夢本社前での死闘。
そして、パラドが今は亡き黒の剣士らと共に挑んだヒースクリフ討伐戦。
「流石だなパラド、このゲームの攻略をそこまで進めていたか」
「……俺だけで出来た事じゃない。あいつらが誰か一人でも欠けてたら、きっとゲームオーバーだった」
「……俺だけで出来た事じゃない。あいつらが誰か一人でも欠けてたら、きっとゲームオーバーだった」
元運営に勝利を収めた友を誇らしく思うグラファイトだが、当のパラドは素直に喜べない。
最後まで邪悪の王らしく、反逆の剣を突き刺したギラを始め。
浮遊城(アインクラッド)に集まった面々や、贋作の四凶を相手取った者達。
全員が闘志に薪をくべ戦い、命を賭し道を切り開いたからこそ掴んだ勝利に他ならない。
最後まで邪悪の王らしく、反逆の剣を突き刺したギラを始め。
浮遊城(アインクラッド)に集まった面々や、贋作の四凶を相手取った者達。
全員が闘志に薪をくべ戦い、命を賭し道を切り開いたからこそ掴んだ勝利に他ならない。
「その時にアスランも……」
「デクが言ってたよ、アスランって奴のおかげで勝てたって。あいつが自分を信じてくれたから、今の自分がここにいるってな」
「……っ」
「デクが言ってたよ、アスランって奴のおかげで勝てたって。あいつが自分を信じてくれたから、今の自分がここにいるってな」
「……っ」
最後まで自分以外の誰かの為に戦ったヒーローを想い、二度と会えない現実に自然と寂し気な笑みが浮かぶ。
会えず終いだった友の奮戦と、彼が遺したものが確かにあったと知り。
瞳を潤ませたニコルは、堪え切れないように両目をキツく閉じた。
込み上げる想いに身を委ね、人目も憚らず泣きたい衝動が湧き上がるも。
今やるべきはそれじゃないと蓋をし、目先の問題へ思考を傾ける。
会えず終いだった友の奮戦と、彼が遺したものが確かにあったと知り。
瞳を潤ませたニコルは、堪え切れないように両目をキツく閉じた。
込み上げる想いに身を委ね、人目も憚らず泣きたい衝動が湧き上がるも。
今やるべきはそれじゃないと蓋をし、目先の問題へ思考を傾ける。
「ルルーシュの件はともかく、依然として状況は悪いままです。メラが次の配信を行うまでに、サチを救出しなくてはなりません」
仕方がなかったとはいえ、先の6時間でサチ救出へ赴かなかった事に神殺しは大層不満とのこと。
タイムリミットに間に合わなければ、有言実行あるのみ。
処刑寸前で躊躇や罪悪感が生じる展開なぞ、期待する方が馬鹿げている。
今頃マクギリス達もメラの居城へ乗り込む方針を固めてる筈だ、なればこちらも来る決戦に向け手を尽くさねばなるまい。
タイムリミットに間に合わなければ、有言実行あるのみ。
処刑寸前で躊躇や罪悪感が生じる展開なぞ、期待する方が馬鹿げている。
今頃マクギリス達もメラの居城へ乗り込む方針を固めてる筈だ、なればこちらも来る決戦に向け手を尽くさねばなるまい。
「メラの脅威は今や、ほとんどの参加者にとって周知の事実と言ってもいい。リュウエン、君と君の仲間達に改めて頼みがあります。どうか鉄華兵団に、協力して頂けないでしょうか?」
王様戦隊には所属しておらず、鉄華兵団との接触も無かった一団。
別行動中の面々も含め殺し合いに否定的であり、持ち得る戦力も決して低くない。
一番の懸念点だったルルーシュが、戦力と王様戦隊代表の権限を剥ぎ取られたこの機を逃す手はない。
対主催とも称されるプレイヤー同士、協力体制を敷いておく。
別行動中の面々も含め殺し合いに否定的であり、持ち得る戦力も決して低くない。
一番の懸念点だったルルーシュが、戦力と王様戦隊代表の権限を剥ぎ取られたこの機を逃す手はない。
対主催とも称されるプレイヤー同士、協力体制を敷いておく。
「勧誘して頂き光栄と言いたいところだが、お前らが欲しいのは俺じゃなくブイレックスじゃねぇのか?顔にデカデカと書いてあんぜ?」
「否定は出来んな。個々に優れた力は有すれど、あれ程の巨大兵器を持つ者は相当に限られてくる」
「否定は出来んな。個々に優れた力は有すれど、あれ程の巨大兵器を持つ者は相当に限られてくる」
MSを始め、機動兵器が起動鍵によって人間大にまで縮小された殺し合いで。
原寸大の巨大戦力を持つ者は、現状ほんの一握り。
コルファウスメットが望まぬ形で呼び出した内、二体は乗り手不在で行方を晦まし久しい。
アークエンジェルこそ破壊されたが、天使の霊廟の掌握は済んだセレブロ。
複数の偶然が重なった末、ブイレックスの操縦へ漕ぎ付けた龍園。
今後待ち受ける戦いを思えば、ユニバースロボを操れる本人を組織の手元に置きたい考えは別に間違いでもない。
脱出派の最強格たるトランクスも含め、盤石の布陣を取って損はあるまい。
原寸大の巨大戦力を持つ者は、現状ほんの一握り。
コルファウスメットが望まぬ形で呼び出した内、二体は乗り手不在で行方を晦まし久しい。
アークエンジェルこそ破壊されたが、天使の霊廟の掌握は済んだセレブロ。
複数の偶然が重なった末、ブイレックスの操縦へ漕ぎ付けた龍園。
今後待ち受ける戦いを思えば、ユニバースロボを操れる本人を組織の手元に置きたい考えは別に間違いでもない。
脱出派の最強格たるトランクスも含め、盤石の布陣を取って損はあるまい。
「えっ!?リュウエンくんも、ギギストくんの表情が変わったりだとか分かるの!?そっかぁ……!ギギストくん!やっぱりちゃんと皆とお話すれば、分かってくれるんだね!」
「おい、この女どうにかならねぇのかよ」
「諦めろ、言って黙るなら我もとっくにそうしている」
「おい、この女どうにかならねぇのかよ」
「諦めろ、言って黙るなら我もとっくにそうしている」
嫌味や皮肉の意図はなく、邪気の無い子供の用にぽわぽわとした空気を纏う。
ブレないユメを見ていると、斜めに構えた態度を取るのも馬鹿らしくなる。
この様子では、冥黒王もさぞや振り回されたに違いない。
直前までの真面目さが途端に薄れるも、わざとらしく咳払いし話を戻す。
ブレないユメを見ていると、斜めに構えた態度を取るのも馬鹿らしくなる。
この様子では、冥黒王もさぞや振り回されたに違いない。
直前までの真面目さが途端に薄れるも、わざとらしく咳払いし話を戻す。
「手を貸せって話なら、別に断る理由はないな。俺一人の力で生きて帰れるなんざ、自惚れるつもりもねぇ」
「では……!」
「だが生憎、顎で使われるのも性に合わねぇんだよ。それにデカい陣営の庇護下に入るのが、必ずしも正解とは限らないだろ?」
「では……!」
「だが生憎、顎で使われるのも性に合わねぇんだよ。それにデカい陣営の庇護下に入るのが、必ずしも正解とは限らないだろ?」
そう言われると、ニコル達も強くは否定出来ない。
王様戦隊に所属していれば、ルルーシュの巻き添えで信用を落としており。
鉄華兵団に所属していれば、先の会談で何らかの被害を受けた可能性も十分ある。
二大組織から一定の距離を置き、独自に動いたことで。
結果的に内紛と関わらず、蛮野討伐やシェフィ達との接触が叶ったと言えよう。
王様戦隊に所属していれば、ルルーシュの巻き添えで信用を落としており。
鉄華兵団に所属していれば、先の会談で何らかの被害を受けた可能性も十分ある。
二大組織から一定の距離を置き、独自に動いたことで。
結果的に内紛と関わらず、蛮野討伐やシェフィ達との接触が叶ったと言えよう。
「いや、けどさ……!龍園、くん、も、メラがヤバいってことはもう知ってるんだよね?だ、だったら……!」
言いたい事は理解出来るも、あっさり納得せずちひろが食い下がる。
サチを助ける為に、一人でも多くの助力が必要だ。
鉄華兵団の者達やトランクスが、頼りないと言う気は毛頭ない。
しかしサチの処刑まで一刻の猶予も無い現状、手を貸してくれる仲間が一人で多いと助かるのも事実。
ちひろなりに切実に訴えるが、向こうは首を横に振る。
サチを助ける為に、一人でも多くの助力が必要だ。
鉄華兵団の者達やトランクスが、頼りないと言う気は毛頭ない。
しかしサチの処刑まで一刻の猶予も無い現状、手を貸してくれる仲間が一人で多いと助かるのも事実。
ちひろなりに切実に訴えるが、向こうは首を横に振る。
「メラだけを倒せば何もかも円満解決になるんだったらともかく、実際はそうじゃねぇ。足つきを動かしたセレブロって奴が、似たようなデカブツをまた引っ張り出して来ない保障がどこにある?」
「待ってくださいリュウエン。あなたは、戦艦やMSを使った襲撃が再び起きるとでも?」
「確証はないが、かといって絶対にないと言い切れねぇだろうよ。足つき以外にもお前らの知ってる兵器を、ご丁寧に用意した可能性は俺らには否定出来ないしな」
「待ってくださいリュウエン。あなたは、戦艦やMSを使った襲撃が再び起きるとでも?」
「確証はないが、かといって絶対にないと言い切れねぇだろうよ。足つき以外にもお前らの知ってる兵器を、ご丁寧に用意した可能性は俺らには否定出来ないしな」
アークエンジェルと、投入されたジンハイマニューバは壊滅に追い込んだ。
なれど会場のどこかに眠る巨大兵器が、数時間前の戦艦一機のみとは限らない。
アビドスに隠された天使の霊廟を、この場に集まった者は未だ知る由も無く。
他にも複数、クルーゼが『玩具』を用意してると考えても大袈裟じゃあない。
なれど会場のどこかに眠る巨大兵器が、数時間前の戦艦一機のみとは限らない。
アビドスに隠された天使の霊廟を、この場に集まった者は未だ知る由も無く。
他にも複数、クルーゼが『玩具』を用意してると考えても大袈裟じゃあない。
「……フム、お前の危惧は理解するぞ。既に足つきや鋼鉄の恐竜といった前例がある以上、同じ事態が続かないとも限らん」
「このクソゲーをぶっ潰すつもりの奴が、手に入れるだけなら良いんだけどな……」
「このクソゲーをぶっ潰すつもりの奴が、手に入れるだけなら良いんだけどな……」
残念ながら、パラドとてそう都合良く事が運ぶとは思っていない。
龍園は本人が意図しないまま、一種の抜け道に等しい方法でブイレックスの操縦が可能になった。
であれば、殺し合いに乗った側の参加者が同じ真似に出ないと誰が言えようか。
最悪の場合グリオンやジンガまでもが、ユニバースロボを手中に収める未来もあり得るのだ。
龍園は本人が意図しないまま、一種の抜け道に等しい方法でブイレックスの操縦が可能になった。
であれば、殺し合いに乗った側の参加者が同じ真似に出ないと誰が言えようか。
最悪の場合グリオンやジンガまでもが、ユニバースロボを手中に収める未来もあり得るのだ。
「確かにメラが相手じゃ、生半可な戦力をぶつけても返り討ちが関の山だ。だが人員を割き過ぎるのが、賢いって言えんのか?」
「それ、は……」
「先の闘争で力尽きた前坂隆二やキャルを含め、7人もの参加者を相手にあの悪食は互角以上に渡り合った。メラに及ばぬだけで、ジンガ達もまた決して油断ならぬ強敵であるのは疑いようがない」
「デク達を殺した奴も、あそこまでやって倒し切れなかったからな……」
「それ、は……」
「先の闘争で力尽きた前坂隆二やキャルを含め、7人もの参加者を相手にあの悪食は互角以上に渡り合った。メラに及ばぬだけで、ジンガ達もまた決して油断ならぬ強敵であるのは疑いようがない」
「デク達を殺した奴も、あそこまでやって倒し切れなかったからな……」
殺害数一位(キルスコアトップ)のグリオンを筆頭に、四凶に括られない者達ですら絶大な脅威として君臨する。
更にザラサリキエルとエケラレンキスという、運営の手先たる五道化も健在。
メラばかりにかまけたせいで、そういった連中に付け入る隙を与え。
結果、大損害を被っては目も当てられない。
神の牙との交戦経験があるギギストや、セレブロ相手に苦戦を強いられたパラドの言葉には説得力が籠っている。
自分達の置かれた環境が如何に地獄かは、ちひろも身を以て味わっただけに何も言えない。
更にザラサリキエルとエケラレンキスという、運営の手先たる五道化も健在。
メラばかりにかまけたせいで、そういった連中に付け入る隙を与え。
結果、大損害を被っては目も当てられない。
神の牙との交戦経験があるギギストや、セレブロ相手に苦戦を強いられたパラドの言葉には説得力が籠っている。
自分達の置かれた環境が如何に地獄かは、ちひろも身を以て味わっただけに何も言えない。
「ケッ、カッコ付けた物言いの割りに、やってる事はコウモリ野郎だろうがよ」
「元は運営連中お手製のテメェに言われた所で、痛くも痒くもねぇな」
「んだと?」
「落ち着いてくださいドゴルド。……分かりました。僕達としても、無理強いは出来ません」
「元は運営連中お手製のテメェに言われた所で、痛くも痒くもねぇな」
「んだと?」
「落ち着いてくださいドゴルド。……分かりました。僕達としても、無理強いは出来ません」
鉄華兵団への正式加入を断れたのは、残念であるも。
龍園の話に、納得出来ないという訳でもない。
協力自体を突っ撥ねられておらず、共闘の意思があるならそれで良しとする。
龍園の話に、納得出来ないという訳でもない。
協力自体を突っ撥ねられておらず、共闘の意思があるならそれで良しとする。
「そういえばさ、リュウエンくん達ってルルーシュの隠し事を聞いても別に驚いたりしてなかったよね?」
ふと思い出したようにミカが首を傾げた疑問へ、他の者も内心同意する。
アッシュフォード学園の配信に加え、ニコル達から改めて伝えたのは。
王様戦隊の信用を落とす理由の一つ、ルルーシュによる松阪さとうの謀殺。
これまで事の経緯を聞かされた者達は、大半が険しい表情を露わにしたが。
龍園と甚爾の二名は顔色も変えず、平然と耳に入れていたのがついさっきのこと。
強い善性の持ち主でないのは察するが、微塵も驚かなかったのは少々意外に思わないでもない。
アッシュフォード学園の配信に加え、ニコル達から改めて伝えたのは。
王様戦隊の信用を落とす理由の一つ、ルルーシュによる松阪さとうの謀殺。
これまで事の経緯を聞かされた者達は、大半が険しい表情を露わにしたが。
龍園と甚爾の二名は顔色も変えず、平然と耳に入れていたのがついさっきのこと。
強い善性の持ち主でないのは察するが、微塵も驚かなかったのは少々意外に思わないでもない。
「ルルーシュが松坂を最初から使い潰す気だったとしても、俺には納得しかねぇよ」
「どういう意味、ですか……?」
「どういう意味、ですか……?」
サラリと返され、疑問は余計に膨らむ。
危うい面はあれど殺し合いに乗っていない少女を、表向きは仲間に引き入れ。
騙し討ちの形で、大道克己共々葬った。
真実を知り、強い怒りや警戒等々の反応を見て来ただけに。
特別重要視もしないかの態度には、困惑が生じる。
危うい面はあれど殺し合いに乗っていない少女を、表向きは仲間に引き入れ。
騙し討ちの形で、大道克己共々葬った。
真実を知り、強い怒りや警戒等々の反応を見て来ただけに。
特別重要視もしないかの態度には、困惑が生じる。
「一応聞いとくが、お前らの中で松坂に直接会った奴はいるか?」
「ううん、ここにはいないよ。ドラちゃんは博物館に残ってるし……」
「ううん、ここにはいないよ。ドラちゃんは博物館に残ってるし……」
鉄華兵団の団員で、生前のさとうと面識があるのはドラえもんのみ。
堕ちた勇者に襲われ、闇檻の魔女には陵辱を受け。
挙句の果てに、あわや黒き神の兵へ変えられる寸前に陥るなど。
殺し合いに乗った者達に、振り回された印象が強かったとのこと。
堕ちた勇者に襲われ、闇檻の魔女には陵辱を受け。
挙句の果てに、あわや黒き神の兵へ変えられる寸前に陥るなど。
殺し合いに乗った者達に、振り回された印象が強かったとのこと。
「ってことはアレか、あのお嬢ちゃんの“やんちゃ”は誰も知らねぇのな」
「トウジさん?それは一体……」
「ま、詳しい説明はウチの大将がやってくれるだろ」
「トウジさん?それは一体……」
「ま、詳しい説明はウチの大将がやってくれるだろ」
説明役を放られ、小さく鼻を鳴らす。
尤も、甚爾に言われるまでもなく自分が話すつもりだった。
イザーク達は出発を急いだ為、聞く機会に恵まれずアッシュフォード学園へ辿り着いたが。
幻夢本社に集まった面々に向け、口を開く。
尤も、甚爾に言われるまでもなく自分が話すつもりだった。
イザーク達は出発を急いだ為、聞く機会に恵まれずアッシュフォード学園へ辿り着いたが。
幻夢本社に集まった面々に向け、口を開く。
レン達と別れ、テレビ局方面の探索を行っていた頃。
黒き最後の神が猛威を振るい、嫉妬のホムンクルスが絆の戦士を罠に嵌めたあの戦場で。
松阪さとうが、何をやったかを。
黒き最後の神が猛威を振るい、嫉妬のホムンクルスが絆の戦士を罠に嵌めたあの戦場で。
松阪さとうが、何をやったかを。
| 213:アビドス廃校対策委員会:ライジングオリジン | 投下順 | 214:Rの告発/未完成のGuilty! |
| 212:黒を纏う | 時系列順 | |
| 205:大天使戦役・終章 -一切を存分に喰らい尽くして- | 龍園翔 | |
| 伏黒甚爾 | ||
| 桐藤ナギサ | ||
| パラド | ||
| 鳩野ちひろ | ||
| アストルフォ | ||
| 柊シノア | ||
| 柊真昼 | ||
| 激怒戦騎のドゴルド | ||
| 209:Last Moment | 梔子ユメ | |
| 冥黒王ギギスト | ||
| 東ゆう | ||
| ニコル・アマルフィ | ||
| 聖園ミカ | ||
| グラファイト |