ここはG-3の洞窟前、一人の少年が身を震わせて立ちすくんでいた
 勘違いしてはいけないが彼は恐怖に身を震わせていたわけではない。
 彼は魔王ラハール、魔界に君臨する王であり、その地位にふさわしき力を持つこのバトルロワイヤル屈指の実力者である。
 そんな経歴を持つ彼がこんな状況に放り出されたからといって恐怖に身を支配されるわけが無い。
 では何故身を震わせているのか?
 それは『屈辱』、その二文字が自身に対する怒りとなり震えが止まらない原因であった。

 思い出すのは『屈辱』の要因となった二つの出来事であった。

 一つ目はバールが一瞬で死んだとき、自分は間違いなく恐怖に臆し呆然としていた
 二つ目は自分も含めその場にいる者たちが主催者に恐怖を抱いたとき、逸早く恐怖から脱し奴に再度牙を剥いた者がいたこと
 この二つだった


「ゆるさん……ゆるさんぞヴォルなんとか、それに金髪!」
 自分に無様な姿を晒させた主催者ヴォルマルフ、そして無様な自分に当てつけるかのごとく先んじて主催者に挑んだ金髪に対する怒りは爆発寸前であった
 もはや怒りに目が眩み全員抹殺してでも主催者を殺す気満々である。参加者の中にはフロンエトナといった自分にとっての重要人物がいることも忘れて。
「要は全員殺せばヴォルなんとかの所に行けるのだろう。どれ、支給品がどうとか言っていたな」
 と、ごそごそと袋を漁るラハ―ル、当面の生活用品は揃っている様だ。
 後は武器が一本でもあれば十分、魔王だけあって剣、槍、斧、拳、弓と使える得物も多く魔法も苦手というわけではない。
 袋から出てきた支給品は…
「なんだこれは宝石か?」
 でてきたのは握り拳大もある妙な形の宝石だった。中央になにやら文字が掘り込まれているが、ただの宝石だった。
「ふん!俺への貢物のつもりか?ヴォルなんとか、いまさら遅いわ!」
 たしかもう一つあったはず。そう思って袋の中を漁ると小さな袋がでてきた。中を見ると小さな石が五つ入ってるだけ、袋に文字が書いてあるそれを読むと
「……サモナイト石詰め合わせセットだあ!?他には無いのか!」
 だがいくら漁っても塵一つ出てこない
「ふざけてるのか?この俺様には石ころだけだと?」
 だんだん声が震えてくる。どす黒く禍々しいオーラが目でも見えかねないほど辺りに漂う。

「  ふ  ざ  け  る  な  ぁ ー――――!!!!!!どこまでも、どこまでも俺様をコケにしおってぇー―――――!!!!!」

 そしてとうとう先程まで燻っていた怒りが大爆発した。その怒りで触覚のような髪も怒髪天を衝くと言わんばかりにビーンと立っている。
「こんなくだらん催し、一撃で島ごと消し飛ばしてくれる!」
 とそんな時突如、自身の最高等呪文であるテラファイアの発動体勢に入るためか、はたまた鬱憤晴らしのためか手に持つ宝石をブン投げた!
 それが、ゴキィンというやたら痛そうな効果音がしたり「ぐはぁ!」という悲鳴を上げさせラハ―ルの近くに‘潜伏‘していた金髪もといラムザ・ベオルブが姿をあらわす原因だった。

(くそ!ヴォルマルフめ!寄りにもよって魔王を名乗る少年とほぼ同じ場所へ飛ばすなんて)
 ラムザは今、周囲の気配と同調しあたかも透明になったかのような状態ではあるがそれは何かしらの行動を起こすとすぐ見破られてしまうものだ。
 迂闊に移動すらできない状態のラムザではあるが、彼はこんな窮地に置かれても諦めることは無く、むしろ好機と考えていた。
(落ち着いて考えろ……彼は僕に気がついてはいない。)
 これはチャンスだ。と、ラムザは考える。
 危険人物の動向や装備を間近で確認できるまたとない機会だ。
 しかしこの広い場所でこうまでピンポイントに危険人物と同じ場所に飛ばされるということはおかしい。
 十中八九ヴォルマルフの策略と見るべきだ。自分のことをよく知る目障りな参加者を早期に離脱させようとする魂胆が見え見えだ。
(だがヴォルマルフ、僕は生きている。詰めが甘かっ…………いや、まてよ僕を邪魔に思うのなら最初から参加させなきゃいいじゃないか。)
 だが自分はこの通りバトルロワイヤルとやらに参加してしまっている。
 そもそもあの広場で気を失っているときにでも始末することは容易だったはず……。
 そう考えると様々な可能性が見えてきた。
(つまりこの催しは奴が行おうとしている何らかの儀式で、それには僕もなんらかの要因で含まれているということ。
そして主催者側が参加者に干渉することには限界が見えることから、僕らが‘参加者のルール‘に縛られているとしたら、奴らも奴らで‘主催者のルール‘に縛られている!)
 だがこの仮説は対主催者を考える者には一つの希望を見せると同時にある種の絶望も見える。
 ヴォルマルフを……伝説の悪魔‘ルカヴィ‘をも従えるほどの力を持つ存在がいる事を意味する。
(さしあたって思い至るのは奴が言っていた“ディエルゴ”なる存在だ)
 これについてはまったくの未知数、唯一の手がかりといえば広間で見た白い帽子の女性が“ディエルゴを倒した”と言っていたことだ。
(なんとか彼女に接触しなければ……とにもかくにもこの状況を打破しなければ!)

 そう自分に言い聞かせ魔王を名乗った少年の動向を窺うと口走る言葉から察するにやはりこの儀式に完全に乗っている。
 そして彼はこちらには一向に気付く素振りを見せず袋を漁り始めていた。おそらく支給品の確認だろう。そして袋からはとんでもないものが出てきた。
(間違いない……あれはゾディアックストーン。それもサーペンタリウス!)
 袋から出てきたのはラムザの出身世界イヴァリースに伝わる伝説の聖石であった。
 その力は紛れも無く本物であり、その聖石が幾多の奇跡を起こしてきたのをラムザは目撃してきた。

(くそっ!よりにもよって“聖石“を”支給品”だと?ヴォルマルフはいったい何をか――なんだこれは宝石か?――……えっ?)
 ラムザはラハ―ルの言葉に耳を疑う。
(まさか、聖石の力に気付いていない?)
 その後の言動を見るに間違いなく聖石をただの宝石だと思っている。
 よくよく考えてみればイヴァリースでは聖石は伝説の秘宝として語り継がれているが、本当に奇跡を起こすところを見た者などはほんの一握り、なにも知らない者からすればただのでかい宝石である。
(ならば彼からはなんとしても聖石を奪わねばならない!)
 あの石は確かに奇跡を起こしうる物だがもうひとつの効果もある。
 魔王と言われる存在にその力が発動すれば、もはや何が起こるか見当も付かない。

 ラムザがそう決心した時だった。少年の周りに漂っていた殺気や怒気がとてつもない勢いででかくなったのは。
(い、いったいなにが?)
 何が起こったのかと少年を見るともう一つの支給品を見て怒っている様だ。
(サモナイト石詰め合わせセット?よくわからないが武器ではなさそうだが……ってまさか!?)
 ラムザの推論は次の少年の発言で当たっていると確信することになる。
(やはり!こいつ、武器が来なかったからってキレたー―――――――!!!???)

「こんなくだらん催し、一撃で島ごと消し飛ばしてくれる!」
(な……、島ごとだと?本気か!?)
 普段なら冗談として流すような言葉だが、回りに渦巻く超弩級のオーラがその言葉を本気だと確信させる。
 どうにかして止めなければならないが、力ずくで止めるのは少年の実力を推測した限り不可能に近い。
 ならば説得しかないが至近距離に潜伏している男がいきなり現れ止めようとしても怪しまれて戦闘になるのがのが関の山。
(何か……きっかけがあれば、こちらに興味を持ち僕のことをどんな形にでも知ろうとする”きっかけが”!)
 そんなことを考えている間にも少年は更なる行動を取る。苛立たしげに手に持つ聖石を見た後、思い切り振りかぶって――――
(投げぇ―――――――!)
ゴ キ ィ ン
「 ぐ は ぁ ! 」
(なッ!……今のは……しまっ……潜伏が……解けっ……)

(なんだ?この男は。)
 目の前に現れた男に対する最初の感想だった。
 島を消し飛ばそうとテラファイアの魔力を貯めていたのだが、どうも集中がうまくいかずメガファイア止まりで魔力が霧散してしまう。
 そんな状況にイライラして、つい手に持つ石を投げたのだが、それがなんと近くに身を潜めていた男に直撃したらしい。
 流石俺様。
 目の前の男は俺様の一撃が余程効いたのか無様にゴロゴロ転がりながら呻いていた。
(ハッハッハ!俺様を甘く見たようだな!暗殺を企もうなどとは一億跳んで六十三年早……ん?こいつの顔どこかで……!そうだ、こいつは!)
「きっ貴様は、あの時の金髪!」
「いきなり俺様の前に現れるとは全く持っていい度胸だ!即刻手打ちにしてく「 待 て ! 」
と金髪はいきなり立ち直り俺様を止めようとしてきた。
「おのれ!貴様、俺様の発言を遮るとは何事だ!よって不敬罪で死け「君の話はだいだい聞かせてもらった!僕に何かしらの因縁があるようだがそれはひとまず置いておいてくれ。僕は見習い戦士のラムザ・べオルブだ。
君の話から察する所、ヴォルマルフに恥をかかされたので奴を殺したい!だが奴の居場所がわからないので手が出せない!そこで君はこう考えた。
ならここにいる参加者を皆殺しにすれば奴の所へいける。ここまででまちがいはないですか!?」
「と、特には……」
 いきなりラムザにまくし立てられペースを奪われたラハ―ルはそう答えるしかなかった。
 そしてラムザは決定的な言葉を口にした。
「断言する!今の君とその方法では奴に勝つことはできない!」
 その瞬間あたりの空気が一変する。
 ラハ―ルの怒気が最高潮に達し、その魔力はもはや物理的攻撃力を持つほどに荒れ狂う。
 ラハールは常人ではショック死するほどの殺気のこもった眼を向ける。だが、ラムザはそれに臆することはなく視線を逸らさず真直ぐな目でラハールの目を見ている。
(こいつ、いったい何を考えている。ただの自殺志願者かと思ったがこいつの目は死人のそれではない。すると何か?人間の分際でこの俺様を試そうとでも言うのか?……俺様が激昂しかけた時、奴は何と言っていた?今の俺様では勝てんと……今の?)
「おい、貴様!今の俺では勝てんとはどういう意味だ!」
 無論、返答次第ではただでは済まさん、というニュアンスを込めて
「まず確認しておきたいことがある。さっき君は魔術で島を消し飛ばすといっていたね。確かにすごい魔力だった。
だがある一定以上からは魔力の高まりを感じることができなかった。
おそらくあの時の魔力が君の扱える最大の魔力だったのだろう。
しかし君はそれでも尚、魔力を貯めようとしていた。
なぜか?答えは一つ、あの魔力では島ごとはおろか周辺一帯焼き払うことすらできなかったからだ。ここまでで間違っていることはないですか?」
 ラハールは苛立たしげにそっぽを向く、ラムザに指摘されたこと。そのことごとくが図星だったからである。
「だが!それが俺様が奴を倒すことが出来んと言う理由にどう繋がるというのだ!」
 ラハールの疑問をラムザは間髪いれずに答えてゆく。
「ずばり言おう。僕たちは主催者の連中に弱体化の呪いと思わしきものをかけられている!」
 ラムザの言葉にさすがのラハールにも動揺が走る。ラムザは続けて言い放つ。
「僕も魔法に関しては習得している。黒魔術、白魔術、陰陽術、召喚術と色々習ったが、その中に確かに覚えたはずの術をうまく思い出せないものがある。主に広域殲滅系の召還術や回復系の白魔術を中心にして」
「貴様ら人間風情にかけられる呪いはともかく俺様に通じるような呪いをかけるとなると、どうしても基点とでも言えるものが体のどこかにあるはずだ!そのようなものは俺様の体にはそのようなものはどこにも……」
 ただ本調子ではないだけなのでは?という考えがまだ頭の中にありラムザの推測を否定しようとするラハールだがラムザは返答を口には出さずトントンと首についている首輪を指し示す。
 そこでラハールはようやく気づいた。気づいてしまった。自らの首に巻きつけられた虜囚の証を。
屈辱のあまり反射的に外そうと首に手を回したが「やめろ!最初の奴のように首が飛ぶぞ!」というラムザの声に手を止めていた。
 そして自分ではどうにもならないことがわかり顔を歪めつつあった。

 ラムザは賭けに勝ったと確信しつつあった。
 姿を現してしまったのは予期していなかったことだったが、その時オーバーに痛がり(実際かなり痛かった)相手の鬱憤を晴らさせることで相手との会話の機会を作り出すことに成功していた。
 なんとかして”話術”で”説得”し魔王ラハールを”勧誘”しなければならなかったが、それもどうにか成功しつつある。
(後は参加者の中に首輪をどうにかできる技術者がいるかもしれないことを指摘してこの争いに乗ることは愚かなことだと認識させれば!)
 なんとかなる。とラムザが思ったときだった。ラハールの反撃が始まったのは
「それで?貴様は俺を利用して何をするつもりだ?」
 ラハールの静かな問いにラムザの脳裏にヤバイという直感が走った。
(拙い!”利用”という言葉が出た!この手のタイプは自分が利用されると思うと後先考えずに反発するものが多い!)
 ラハールの反撃は続く
「どうやら貴様は他の愚図共と手を組まねば首輪をはずすことができず勝つことはできないという方向に話を持っていこうとしているな?どうだ、ちがうか。」
 ラハールの問いにラムザは答えることができない。図星だったからだ。
「確かにそういう技術者は便利だ。俺様も有益な能力を持つものには寛大だ。俺様の下僕にしてやらんでもない。」
 ラハールは言葉を続ける。
「だが、所詮人間は人間だ!先ほどの広間の光景を思い出してみろ!確かにそこそこの力を持つものはいたがそれはほんの一握り、大多数は及第点以下!足手まといにしかならんわ!」
 ラムザは反論できない。納得はできないが、ラハールのいっていることは確かに真実ではあるからだ。
「そうだなぁ?技術者を見つけてはずさせた後、戯れにこの島にいるものどもを皆殺しにでもしてやるとするか。ハァーッハッハッハッハ!!!」
 辺りに魔王の烈笑が響く。
 小賢しくも自分に意見した人間を嘲笑うかのごとく

 思う存分高らかに笑ったラハールは当てが外れて絶望でもしているはずも金髪を見てやろうとした。
 だが金髪の顔から読み取れる感情は絶望ではなく怒りだった。
「なんだ?その面は、いいたいことがあるなら言ってみるがいいわ!」
 ラハールの言葉にラムザは流れを変える言葉を口にする。
「君は、馬鹿だ。」
 その言葉に辺りの空気が凍る。ラハールは見下していた者に逆に見下されている。という事実に呆然としている。ラムザの言葉は続く
「技術者を見つけて解除させると言っていたけど、まずその技術者を君はどうやってみつけるつもりなんだい?」
 思考停止状態だったラハールが我に帰って怒り出そうとしたときに放たれたラムザの何気ないように放たれた質問にラハールは答えることができない。
「技術者を見つけるためには、まず君の言うところの弱者と接触し交渉なければならない。
だが君のように殺気丸出しの存在に自分の手の内を明かすものなどまずいない。
よしんば外せる技術者を見つけたとしよう、だが君の尊大な態度に好感触を抱くものもまずいない!
残るは脅してでも無理やらせるぐらいしかないが首輪をいじらせる、つまり脅した相手にどうしても自分の命を握らせざる終えない!
いいかげん頭を冷やせ!この舞台で真の意味で勝つためには強者の理論だけでは勝ち残ることも生き残ることもできない!」
ラムザの暴挙ともいえる苛烈な糾弾、いかなプライドの高い魔王ラハールといえどもどうしようもない現実の前には納得することしかできない。
「貴様の意見は認めたくはないが確かに正論だ。だが一つだけ納得できんことがある。」
「なんのことだ」
「この魔王たるこの俺様が生き残ることができんとはどういうことだ!俺様が人間ごときに負ける要素が1%でもあるわけがなかろう!なぜそうまで断言できる!」
 確かにラハールの意見ももっともだ。いかに弱体化の呪いでもかけられていようがその強さはこの舞台でもトップクラスであることは変わりない。しかしラムザにはそれを証明できる物があった。
「その質問の前にこの石がなんだかわかるか。」
 ラムザが取り出したのはラハールの支給品の宝石だった。
「俺様が貴様にぶつけたただの石だろう。それがどうかしたのか?」
「これは僕の世界でゾディアックストーンと言われる伝説の秘宝だ。今まで幾多の奇跡を起こしてきた力を持つ物だ。」
「奇跡?そんなものでこの俺様を倒せるとでもいうのか?」
「ええ、この石がヴォルマルフたち悪魔ルカヴィの力の源泉ですから」
 ラムザの発言に息を呑むラハール
 ラムザの話は続く。
 この石がルカヴィとの契約に使われることでとてつもない力を引き出すことや。
 この石が支給品として渡されるということは、他にどのような強者にも通用するかもしれない一発逆転のアイテムが渡されているかもしれないということをラハールに伝えた

 さすがのラハールもこの悪すぎる情勢を認識した今、もはやラムザと組むしかなくなっていた。
 交渉は苦手、頼みの己が強さもこの状況ではどう転ぶかわからない。意地を張るどころではなくなっていた。
「ラムザといったな、いいだろう。組んでやることを光栄に思え。だが条件が二つある。聖石だかなんだかしらんが俺様には用のないものだ。この石ころはくれてやるから。なにかしら武器を持っているのなら俺様によこせ。」
「わかりました。その条件ならこちらからお願いしたいところです。で、もう一つの条件とはなんですか?」
 ラムザは交渉が成立したことでようやく怒りを収め、安堵の表情をみせていた。
「貴様たしか自分のことを見習いと呼んでいたな。戯れ言を言うな!貴様の交渉術、時折みせた威圧感、どれを見てもどこぞの騎士団の頭としか思えんぞ。本当の事をいえ!」
 ラハールの言葉からラムザの脳裏にこれまでのことが思い出される。そして苦笑しながら答えた。
「僕は”見習い”なんですよ。いままでも、これからも……」
 ラムザのはぐらかすような答えに、フン!とそっぽを向くも追求をしないラハール。
 こうして紆余曲折の末、見習い戦士は魔王を引き入れたのだった。

 その後、先ほどラハールから出された条件の一つである<武器があれば交換する>を行った。
「で、武器はあったのか武器は」
「鞘が抜けない剣と変な着ぐるみが入ってましたけど……」
 ラムザの支給品は妙な着ぐるみと造りは見事だが鞘から抜けない剣があった。
「また変な物が入っているな……なんだ、プリニーの着ぐるみではないか。それはいらん、剣だけよこせ。あとそれの着ぐるみは貴様が着ろ。」
 剣を渡し、渋々着ぐるみを着るラムザ。こんなのを着ては動きが鈍らないかと心配だったラムザだが、着てみると結構動きやすい。外見はアレだがなかなかいい防具なのかもしれない。
 ラハールの方を見ると思い切り歯を食いしばって鞘を取ろうとしているようだが一向に外れる気配がないようだ。
 ラムザはそんな様子をみて安堵のため息をつく。最初はどうなるかと思ったがとりあえずは落ち着いた。
 だが安心はできない。ラハールは外見相応のわかりやすい性格だったから何とか勧誘できたが、今後もこのような都合のいい交渉ができるとは限らない。場合によっては戦闘にもなるだろう。
 だが、幾多の苦難が待ち構えていようと乗り越えヴォルマルフやディエルゴなる存在の企みを叩き潰す。と己が心に改めて誓った。
「何をぼやぼやとしている見習い!とっとと準備を終わらせんか!」
そうしているうちにラハールも出発の準備が整ったようだ。剣の方は鞘を外すのは諦めたようだ。
「わかった!いこうかラハール君」
「”君”と呼ぶな!せめて”さん”だ」
「はい、ラハールさん」

【G-3/洞窟前/1日目・朝】
【ラムザ@FFT】
[状態]: 健康、後頭部にたんこぶ 
[装備]: プリニースーツ@ディスガイア
[道具]: 支給品一式、ゾディアックストーン・サーペンタリウス@FFT、サモナイト石詰め合わせセット@サモンナイト3
[思考]1:ヴォルマルフ、ディエルゴの打倒
    2:白い帽子の女性(アティ)と接触しディエルゴについての情報を得る
    3:ゲームに乗った相手に容赦はしない
    4:ラハールの暴走を抑える
    5:そういえば名簿を見てなかった
[備考]:原作終了時からの参加
    現在プリニースーツを身に付けているため外見からではラムザだとわかりません。
    ジョブは見習い戦士、アビリティには現在、話術・格闘・潜伏をセットしています。
    ジョブチェンジやアビリティの付け替えは十分ほど集中しなければなりません
    自分の魔法に関することに空白のようなものを感じている。(主に白魔術)
    名簿を見ていません

【ラハール@ディスガイア】
[状態]: 健康
[装備]: フォイアルディア@サモンナイト3(鞘つき)
[道具]: 支給品一式
[思考]: 1:自分を虚仮にした主催者どもを叩き潰す
     2:そのためなら手段は選ばない
     3:何とかして首輪をはずしたい
     4:鬱憤がたまっているので思い切り暴れたい
     5:とりあえず今の状態を打開するまではラムザに同行
[備考]:原作終了時からの参加、ただしバールなどには勝ってはいません
    名簿を見ていません
    フォイアルディアはサモンナイト3番外編に出てきた魔剣、アティ・ベルフラウ・イスラしか鞘から抜くことはできません

015 紅の剣士 投下順 017 レッツゴー!召喚師
015 紅の剣士 時事系順 017 レッツゴー!召喚師
000 オープニング ラムザ 034 適切適当
000 オープニング ラハール 034 適切適当
最終更新:2009年04月17日 01:20