【初出】
短編『クイディティ』
初めに『啖牙の種』を指先大の種として新世界各地にばら撒いて、条件付けに引っ掛かった
フレイムヘイズや“
紅世の徒“たちの“存在の力”の一部を
炎ごと無理矢理に本体の
バロメッツの元に転移させる。
更にもう一つの
自在法『
隠羽織』も使用して、『啖牙の種』で奪い取った“
存在の力”を吸収せずに保存した状態のまま自他の存在に根付かせることで、“
存在の力”の統御限界を継ぎ足す。
この状態の『隠羽織』を、安易に力を欲する“徒”たちに施術する必要条件である「相手の同意」を得た上で施術して、力を分け与えることで寄生させる。
これにより、本人たちに気付かせないまま、被施術者の“徒”たちを自分の分身にして支配し、
バロメッツは支配と勢力拡大を続けていた。
【由来・元ネタ】
ローマ神話の農耕と戦争の神マールス(Mārs)ではないかと思われる。
おそらく「種」の部分にかかっているのであろう。
「啖」とは、「貪り喰らう、噛む」の他に「騙す、欺く」という意味がある。「牙」は、「啖」の前者の意味を補強しているように思えるが、おそらく「欺く」という意味を隠すための文字だと思われる。
「種」は言うまでもなく、植物の始まりの状態であり、ここから大きく育っていくものである。全体で、「欺いて噛み付く、大きく育つ種」のような意味かと思われる。
最終更新:2025年02月14日 07:41