ゾンビ Zombie
(アメコミ一般用語)
概要
ゾンビとは、広く言うと「動く死体」のこと。ただし、「死から蘇ったもの」だが自らの意思を持ち人の生き血を吸う
吸血鬼とは異なり、他者の命令で動く、あるいはほとんど知性を持たないという点で異なる。
古典的ゾンビ
元々、ヴードゥーの術の一つとして、死体を動かし、術者の命令に従わせるというものがあり、主に死者とその親族を冒涜するために行われた。この場合、いわゆるゾンビをつくる魔法の粉「ゾンビ・パウダー」を使うなど比較的複雑な術が必要であり、つくれるゾンビも一体程度である。
古典的ゾンビを扱った映画や小説もあるが、今の視点から言うと非情に地味である。
ロメロ型ゾンビ
現在、ゾンビの型を決めているのが、ジョージ・A・ロメロ監督で、
- 「Night Of The Living Dead(ナイト・オブ・リビングデッド)」(1967年)
- 「Dawn Of The Dead(ドーン・オブ・ザ・デッド)」(1978年、2004年にリメイク)
- 「Day Of The Dead(デイ・オブ・ザ・デッド)」(1985年)
という映画で、従来のゾンビ観を覆した。
特徴は、
①(特に意味がないが)ある天変地異が起こり(流れ星と思ったら危険な人工衛星だったとか)、突然死体が起き上がり動き出す
②動く死体(=ゾンビ)は、腐敗し、痛覚がなく(そのため物理的に破壊する必要があり)、遅いが確実に生きている人間を襲う
③襲われてゾンビに喰われた人間はゾンビになる(
吸血鬼の特徴の一つ)
というもので、映画は「襲うゾンビの恐怖」よりも「襲われる人間のドラマ(醜い争いなど)」を描く。
この手の映画が大ヒットしたうえ、「安いエキストラに、適当な化粧をして腐った手などの道具を与えて、ノロマな歩き方をさせれば一本映画ができる」という安直さも相まって、世界的にロメロ型ゾンビ映画が広まり、さまざまなゾンビが生まれた。
アメコミにおけるゾンビ
アメコミは、古典的ゾンビとロメロ型ゾンビ両方を描いている。
古典的ゾンビ
ほか
ロメロ型ゾンビ
ほか
ロメロ型ゾンビ+既存のコミックス・ワールド
ウォーキング・デッドの大成功をみて、既存のコミックスの世界でゾンビ化が起こるコミックスが搭乗した。
- マーベル・ゾンビーズ(マーベルコミックス)
- Afterlife with Archie(アーチー・コミックス)
- アーチーの住む町、リバーデイルでゾンビ化が起こる。
- DCeaseed(DCコミックス)
- Die!namite(概要(DE))
- その他
- My little Pony(IDW)やソニック・ザ・ヘッジホッグ(IDW)でゾンビ化ネタが使われた。
トリビア
「ゾンビ」という単語は、1970年代は
コミックス・コードで使うことが禁じられていたため、「ズベンビー(Zubembie)」という言葉が使われたことがある。
※
ロバート・E・ハワードの怪奇小説「鳩は地獄より来る」で使われた言葉。
最終更新:2024年10月23日 21:44