キング・ピン(Kingpin) /ウィルソン・フィスク(Wilson Fisk)
初出:The Amazing Spider-Man #50 (1967年7月)
種族:人間
妻:ヴァネッサ・フィスク
息子:
リチャード・フィスク
概要
ニューヨークの裏社会を取り仕切る暗黒街の王。
巨漢だがただのデブではなく、一見脂肪の塊に見えるその身体は、実は規格外の筋肉の塊。そのため普通の人間としては高水準の腕力を誇る。
主に
スパイダーマンや
デアデビルなど、ニューヨークのクライムファイターと敵対することが多く、古参であり宿敵の一人。
デアデビルを精神的、肉体的、社会的にとことん追い込んだり(「ボーン・アゲイン」)、獄中にいるにもかかわらず殺し屋を雇ってスパイダーマンの叔母メイを殺害したりしている (「シヴィルウォー」〜「
ワン・モア・デイ」)。
最近はニューヨーク市長に当選し、名実ともにニューヨークを支配している。
冷酷な犯罪者であるが同時に身内に対しては深い情愛を持っている。特に妻
ヴァネッサ・フィスクを深く愛しており、妻の病気を治すためにいろいろ手を使った。
ヴァネッサ・フィスクとの間に
リチャード・フィスクという息子がいた。
またヴァネッサと「きょう一杯で犯罪から手を引く」約束したときには、キングピンが最後の仕事としてスパイダーマンを殺そうとし、レーザービームの引き金を引けば終わりというところまで追い詰めたが時計が0時を打ち妻との約束の時間が来たと知ったため殺害をあきらめたこともある。
生い立ち
生まれは貧困家庭であった。
フルネームはウィルソン・グラント・フィスクで、ファーストネームとミドルネームは母がアメリカの大統領の名にちなんで名付けたが実はともに紙幣に描かれている人物である。ちなみにウィルソンは10万ドル金貨証券、グラントは50ドル紙幣。ウィルソン・フィスク自身も飼っていたネズミにベンジャミン・フランクリン(大統領ではないが100ドル紙幣や50セント硬貨の肖像になった)と名付けていた。
貧困故に両親は仲が悪く、母は父に対してしばしば怒鳴り散らし、父はウィルソンに対しても暴力をふるった。
そのような生活の中で、ウィルソン少年は金に対する執着を強くしていった。
一方で肥満体だったために学校ではいじめの対象になっていたのだが、ある日ブチ切れていじめっ子をぶちのめしたことから立場が変わり、彼の巨体は畏怖の対象となり、また守護の代金として子供たちからお金をもらえるようになっていった。
いじめの経験から孤独を好んで図書館に入り浸るようになり、読書からリーダーシップの根本を学んでいく。
近所でシラミが流行したときスキンヘッドにしたら印象的な感じになったからそのままにしている。
能力
スーパーパワーはないが、人間としては最高峰の腕力を持ち、格闘技の達人。時にスーパーヒーローと素手で互角に戦えるほど。
本人も鍛錬を怠らず、自分のアジトに武術・武器術の達人たちを雇い入れ、『本気でかかってくるように』命令し、それらを一人で返り討ちにする…という訓練を暇があれば毎日行っている。
それでいて脳筋というわけではなく、頭脳も天才的な策略家。身につけているネクタイピンや指輪、ステッキなどは特注の細工品であり、眠りガスや破壊光線を発射できる機構が備わっている。これらによって不測の事態に対応するための装備も怠らない。
相撲を護身術として身につけているなど、日本文化とも縁がある。
財力と裏社会に対する影響力を駆使し、敵を肉体的にも社会的にも滅ぼそうとする。敵が多い一方で、「悪の秩序を作り上げて悪人を纏める」カリスマ性を認めている者もまた多く、その手腕は
ヴィランは愚か、ヒーローでさえ時に感心して認めるほど。
表の顔は実業家「ウィルソン・フィスク」であり、社会には裏の顔を出さないように気をつけている。本人も「表の顔で犯罪を犯してはならない」と強く戒めている。
トリビア
アルティメット・バージョン
アルティメット・ユニバースでも立場は同様で、ニューヨークの犯罪組織を取り仕切る暗黒街の王。
妻が不治の病のため植物人間となっている。
私腹を肥やすためにはあらゆる犯罪行為を躊躇わないが、反面、妻を溺愛しており、そこが唯一の弱点となっている。
妻の治療のため、オカルトなどにも手を出す。
実写映画
実写映画では2003年の『
デアデビル』に登場。
マイケル・クラーク・ダンカンが演じ、黒人のキングピンとなった。
マーベル・シネマティック・ユニバース
シーズン1の大ボスとして登場となるが、準主役と言っても良いほどそのキャラクターが丁寧に描かれた。
その中ではウィルソン・フィスクなりにヘルズ・キッチンの町を良くしようと理想を描く姿、幼い頃の
トラウマ、画廊を経営する女性ヴァネッサとの恋などが描かれる。
最終更新:2024年06月19日 14:53