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テイルズオブバトルロワイアル@wiki

The Battle Royal

最終更新:2019年10月12日 02:10

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だれでも歓迎! 編集
……闇。
ひたすらに闇が広がっている。
床に力なく横たわる者達。その身なりはさまざまだった。
男もいれば、女もいる。
年端も行かぬ子供もいれば、生きた年数を感じさせる壮年もいる。
体に密着する服をまとった者、ゆったりしたローブをまとった魔術師風の者も。
まさしく偉人といった雰囲気を漂わせる者もいれば、粗野な雰囲気を漂わせる者もいる。
筋肉の鎧に覆われた屈強な肉体をした者も、折れてしまいそうなほど華奢な体をした者も、みな等しく倒れている。
しかしながらみな、死者のような土気色の顔ではない。みな生きているようだ。
「くくくく…」
闇の中にあり、ただ1人身を起こし、倒れた者達を睥睨するものが1人。男の声だ。
「さて、今のうちに貴様らに『あれ』を贈る事としようか…。貴様らの命、このミクトランが預かり受けよう」
自らのことををミクトランと呼んだ男は、奇怪な文様のマントを翻し、自らの腕を掲げた。
いつの間にか赤い炎を宿した、部屋の中の松明。それがぱちぱちと弾ける音以外は無音のこの空間に、もう一つだけ乾いた音が
生まれた。
ミクトランなる男が、その指をぱちんと弾いたのだ。

松明から生まれ、床に横たわる者達の顔をわずかに照らす真紅の光。鼓動するように揺らめいていたその光は、この空間に生まれたどろりとした闇に、再びその身の一部を食われる。
闇もまた、生きているかのようにどろどろと蠢いている。その中から「それ」が飛び出したのは、まもなくのことだった。
コウモリ。よほど根気強いものでなければ、数えるのをあきらめたくなるほど多くのコウモリの群れが、鳴き声一つ立てずに、
生まれた闇の中から溶け出すようにして放たれたのだ。
生まれ出でたコウモリは、しかしミクトランにのみはその頭数を知られていた。
55匹。「ここ」に招かれた…ミクトランが招いた者達の人数、55人とぴったり一致している。
本来生物にあるべき柔らかな動きではなく、ある種の機械じみた正確さでもって、55匹のコウモリは倒れた者達に飛びかかる 。
まるで事前に示し合わせていたかのような、無駄のない動き。1匹が1人の人間に向かい、2匹が同時に1人の人間に向かうようなことは、決して起こらなかった。
コウモリが飛びついた先は、首筋。ここに伏せった者の首筋を、過たずに狙っている。
55匹のコウモリは、けれども牙を繰り出しそれを獲物に突き立てるような雰囲気は微塵もない。彼らの狙いは、肉や血などで
はないのだ。
コウモリ達は、まるで飛びついたものの首筋を抱擁するようにして、その翼を広げ包み込む。しかしそれは恋人同士の愛情表現
には程遠い、危険な雰囲気を漂わせていた。
首の向こう側で、コウモリは両の翼を重ね合う。刹那、コウモリの体に異変が起こった。
それまではたどたどしいながらも、一応の生き物らしさを帯びていたコウモリは、たちまちのうちに皮膚が、体毛が、口腔が、
そしてその体内もが、金属のような光沢に覆われたのだ。
もう一瞬未来には、すでに倒れた者達の首筋にコウモリは存在していなかった。そこには、ただのコウモリの金属製の細工物が
…コウモリの首輪があっただけなのだ。
重ね合わさった両の翼は、もう離れることはない。無骨な金属の塊と化したそれらは、互いに一体となっていたからだ。
無論、このコウモリの首輪は、ただの悪趣味な首輪などではない。まさしく、彼らの生殺与奪を握る鍵なのだ。

「くくくく…ふははははは!!」
55人に例外なくはまった首輪。ミクトランは彼らの命を掌中に収めた優越感、そして嗜虐心に酔い、思わず口元から笑いを漏らす。地獄の悪鬼でさえ凍りつきそうな、邪悪な笑い声。
それに耳を叩かれたのがきっかけか、倒れた者達の幾名かが、無意識の海から呼び戻される。さまざまな色を宿す、さまざまな瞳が見開かれ、揺らめく松明の赤を反射する。
「…ここは…?」
「一体俺は、どうしてここに?」
「怪我はないか…そうだ、みんなは!?」
たちまちのうちに、この部屋は喧騒で満たされた。自らの仲間を求める者、周囲を一瞥し状況を確認しようと試みる者、ためしに隣の者に話しかけ一緒に混乱に陥る者…十人十色の反応が返ってくる。
その喧騒に促され、いまだ意識を失っていた者も目を覚まし、喧騒の輪に加わる。更に広がった喧騒はまた他の者を起こし…そして喧騒がここに集った者達全員に行き渡ったのと、ほとんど同時にミクトランは言葉を放つ。
「ようこそ諸君、我が『バトル・ロワイアル』の会場へ。全員お目覚めのようだな」

ミクトランの唐突かつ不可解な言動。この部屋全体に、一気に不穏な空気が走る。
「貴様…何者だ!?」
明らかに敵意を帯びた声で怒鳴りつけたのは、倒れていた者達の輪の後方に控えていた金髪の男だった。
周囲に放つ気迫は、まさに偉人のそれ。その怒声に、一同の輪が開き、また一同にその男の注目が集まる。
「ふん、人に名を聞くときには、自ら名乗りを上げるべきではないか?」
ミクトランはことに、金髪の男の怒りを面白がるように言い返す。瞬間、金髪の偉人の怒りが静謐な炸裂を起こした。
「私はダオス…貴様がこの世で最後に目にする者の名だ! 分かったならば息絶えろ!」
ダオスと名乗りを上げた金髪の偉人は、次の息継ぎから一気に四重の呪文を口にする。
とてつもない勢いでまとめて四つ紡がれる呪文に、誰もが驚愕を隠し切れない。
ダオスなる男は、桁外れの力量を持つ魔術の使い手だと、誰もが感覚的に理解したのだ。
「冥土の土産だ! テトラスペル!!」
ダオスが呪文を一気に紡ぎ上げると、間断なく練り上げた魔力をミクトランに叩き付けた。
火球が、氷柱が、稲妻が、土の槍が、一気に襲い掛かる!
「無駄だ」
だが、ミクトランの体は完成した呪文の前に小揺るぎもしなかった。
それもそのはず。ダオスが紡ぎ上げた呪文は、あろう事かダオス自身を直撃していたのだ!
「がはっ!!?」
火球がダオスの胸板を前に弾け、氷柱は金の刺繍のマントを貫く。
稲妻はダオスの全身に不快な衝撃をもたらし、土の槍はふくらはぎを切り裂いていた。
自らの放った四つの攻撃呪文をその身に受け、ダオスはたまらず体を折る。
呪文は過たずダオスの身に、火傷と裂傷を刻み込んでいた。
「貴様…何をした!?」
それはダオスのみならず、みなの疑問でもあった。ミクトランは呪文に対して防壁を張ったわけでもない。ただ、ミクトランに狙いを定めたはずの呪文が、ダオス自身に発動していたのだ。
ミクトランは、明らかにダオスをあざける様な光を目に、答える。「言ったはずだ、無駄だと」と言外に呟いたようだった。
「簡単なことだ。私は今や、ここの場のマナの位相を完全に支配している。
今のマナの位相では、呪文が命じた対象に魔法はかからん。逆に魔法は、全て術者自身に跳ね返ってくるぞ?」
その言葉に、この場にいた魔術師の多くは凍りついた。
魔法を無効化された魔術師は、羽をもがれた鳥も同然。後はただ、野の獣に食われるだけの、悲惨な末路が待っている。
「更に言うなら、闘気を用いた攻撃もまた無駄だ。
このマナの位相下では、魔法と同じで闘気もまた私を傷付ける事は出来ぬ。
魔法と違って、さすがに逆流はしないだろうが、マナが激しく抗うからな」
水の中の魚に、直接炎を浴びせようとするのと大差はない…ミクトランは言った。
「そもそも、貴様らの大事な腰の得物はどうした?」
今度青ざめたのは、魔術師ではなく戦士だった。
全ての武装を、奪われている。愛用の剣が、槍が、斧が、弓が、跡形もなく消え去っている!

戦士達はおののいた。彼ら彼女らにとって、己の愛用の武具とは命の次に大事なもの。
そして、己の力を引き出し切るための大切な相棒なのだ。それを奪われることが彼らにとってどれほど衝撃的か、想像に難くない。
「さて、諸君らが鎮まってくれたところで、私の話を聞く体勢は出来たかね?」
ミクトランの神経を逆なでするような声に、ここにいたものは一斉に怒りを…さもなくば恐怖を覚えた。
ある者達は、この不愉快な事態を打開できない己の不甲斐なさに、この不愉快な事態を強要したミクトランなる目の前の存在に、怒りを煮やす。
またある者は、この不愉快な事態そのものに怯え、またミクトランに怯えている。
まさしく綱渡り。限界ギリギリのところで切れずに済んでいる緊張の糸で、場は静寂に満ちている。
ミクトランは、咳払いを一つしてからその話を切り出す。
「さて、本日諸君らにここに集まって頂いたのは他でもない。私の開催する『バトル・ロワイアル』に参加して頂くためだ」
慇懃なその言葉の響きをさえぎるのは、松明の爆ぜる音だけだった。
「単刀直入に言おう。諸君らには、これからお互いに殺し合いをして頂くのだ」
殺し合い。その言葉に、この場は蜂の巣でもつついたような喧騒に満たされた。
巨大な槌で脳天を殴られたように、その言葉が各人に重くのしかかってくる。殺し合い。その四文字の言葉が。
「最も、今すぐ諸君らにこの場で殺し合いを始めて頂こうというわけではない。
諸君らにはこれから『バトル・ロワイアル』の会場に移って頂くのだ。
武装解除を勝手に行った詫びといっては何だが、1人に一つだけ、これを持たせてやろう」
ミクトランは、一抱えほどある皮袋を持ち上げた。
「この中身は、これから諸君らに殺し合いをして頂くのに必要な最低限の品物が詰まっている。
この袋は中の空間に少し細工をしてあってな、見た目以上に多くの、また大きな荷物を入れることが出来る。
その具体的な中身は食料に水、会場の地図、それからこの『バトル・ロワイアル』の規則を記したルール・ブックなどだ。
それから中には、私からの餞別代わりとして、『支給品』を入れておいた。
『支給品』の具体的な中身、そしてその数は各人ごとに違う。一応は、殺し合いに役立つ物だとは言っておこう。
ただし、運のない者はろくな物をつかめないかも知れないが、それは私の責任ではない。
ひょっとすれば、その中には私が奪った諸君らの武器もあるかも知れんな」
ふと、ミクトランに呼ばれた55人は、自分の目の前の床を眺めた。
ミクトランの掲げた皮袋と同じものが、いつの間にか目の前に転がっている。袋の数も55人分ちょうど。過不足はない。

「さて、時間もないことだから、このゲーム…『バトル・ロワイアル』のルールの概要を説明させて頂こう。
この『バトル・ロワイアル』は、諸君らのために特設した会場に移って頂いて始める。
『禁止エリア』のルールの関係上、諸君らに与えられた時間は192時間…すなわち8日ちょうどだ。
そこに移って頂いたのちは、ひたすら自分以外の参加者を殺せ。
正々堂々と一騎打ちを申し込むもよし、卑劣な策で相手を陥れるもよし。
参加者同士好きに同盟を結んでもいいし、好きなときに相手を裏切ることも出来る。漁夫の利を狙うのもありだ。
積極的に他の参加者を狩りに出ても良いし、脱兎のごとく会場内を逃げ回るのもいいだろう。
最後の1人まで人数が減ったならば、ゲームは終了。生き残った者が勝者だ。
ただし、以下のような行為は禁止だ」
語勢が、途端に凄みを帯び始めた。
「一つ。参加者全員で馴れ合って、殺し合いを放棄すること。
ゲーム開始から、もしくは最後に死者が出てから24時間、誰も死ななかったなら、私は諸君らが馴れ合ったと判断する。
一つ、会場から何らかの手段での脱出を試みる。諸君らには、脱出という選択肢はないのだ。
一つ。先ほども話した『禁止エリア』に侵入すること。これは全員が身を守ることに徹して、ゲーム進行を阻害させないための措置だ。
『禁止エリア』は、ゲームの進行とともに拡大していく。会場全体が『禁止エリア』に覆われるまでにかかる時間が、ちょうど8日なのだ。
『禁止エリア』が拡大するにつれ、諸君は一箇所に集まって行く。すなわち、否が応でも殺し合いになるのだ。
もしこれらの禁止事項を破ったなら…」
ミクトランはおもむろに、首筋をとんとんと叩いた。
「諸君らのそこを見るがいい。首輪がはまっているはずだ…コウモリの形のな。これが爆発を起こす。
首筋という急所が、爆発の直撃にさらされたら…諸君らの首から上がどうなるか、想像に難くあるまい?
もちろん、首輪の爆発力は、きっちり諸君らの息の根を止められる威力に設定してある。
おっと、無理やりもぎ取ることはお勧めしない。その場合も、即座に首輪はドカン、だ。
それから、首輪は私が望んだ瞬間に爆発させられる。死にたくなければ、私の機嫌を損ねるような真似は止めておけ」
すなわち、この場にいる者はみな、ミクトランに命を握られている。その事実に、彼ら彼女らの間に衝撃が駆け巡った。
いつの間にかはめられた首を恨めしげにさする者、更なる恐怖にすくみ上がるもの、やはり反応はさまざまだ。
空気が最果ての地の永久凍土のように、冷たく乾く。「だが」、とミクトランはその空気を己の声で震わせる。
「景気のいい話もある。もちろん、このゲームの勝者はもといた世界に帰還出来る。それだけではない。その際に願い事を一つ、叶えてやろう。
願い事の数を増やしたりすることは出来ないし、無論私の命をくれてやることは出来ん。だが、それ以外の願いなら、どんなことでも叶えてやれる。
望むなら死者でさえ蘇らせてやろう。何なら、このゲームで死んだ者全てを蘇生させた後で、各人の故郷に送り返してやることも出来る。
もちろん、私利私欲を満たすための願い事も一向に構わん。勝者はその権利を、いかなることにも使えるのだ。
こればかりは、私も確約してやろう。繰り返すが、このゲームの勝者は、願い事を一つだけ叶えてやる」
三度、喧騒が巻き起こった。
先ほどの二度とは、喧騒の質も異なる。今回の喧騒には、若干の希望が見え隠れしている…この八方塞がりの現状にも、たった一つだけの突破口があるのだ。
問題は、誰がその「突破口」をくぐるか。その一点に収斂するのだ。
「簡単なルールの解説は以上だ。これ以外の細かいルールは、その皮袋の中のルール・ブックで確かめて頂きたい。何か質問は…」
「ふざけないでくれ!」
その時、悲鳴のような抗議の声が上がった。

この場の全員の視線が「彼」に集中する。
「彼」はこの場にいる多数派の者達とは違い、旅装束や鎧をまとっていない。ありていに言えば、どこにでもいそうな一市民、といったなりだった。
「どうして俺達がこんなふざけたゲームなんてやらなきゃならないんだ!? 何が『バトル・ロワイアル』だ!!?」
彼は叫びながら、ミクトランの目前まで勇み足で向かう。この理不尽な状況に対して、とうとう我慢が限界に来たらしい。
「故郷のパルマコスタからここに飛ばされて、わけもわからないうちに殺し合いに参加しろ、なんてどうかしてると思わないのか!?
お前には俺達に殺し合いを強制する権利なんてないはずだ!!」
彼の激しい抗議に、後ろの者達の一部からも「そうだそうだ」の声が上がる。改めて、ミクトランに対し忘れかけていた怒りが、鎌首をもたげたのだ。
しかし、彼の抗議は唐突に、終焉を告げることとなる。
「ガタガタ文句をぬかしてんじゃねぇぞ腰抜けが」
野太い声とともに、人の輪から抜け出てきたのは、赤いドレッドヘアーの男。全身の筋肉の発達も、たくましい。
声同様に粗野で剣呑な顔つきを、目元に刻まれた傷が更に危険な雰囲気を増幅している。
その声に振り向いた男は、驚愕に目を丸くした。彼は、ドレッドヘアーの男の正体を知っている。
「お…お前は…東の牧場のマグニス!?」
マグニス、と男に呼ばれたドレッドヘアーの男は、踏み込みながら岩のような手のひらをその男の首元に食い込ませる。
不思議と、首輪は首筋をつかみ上げる邪魔にはならなかった。男はひいっ、と声を漏らす。
「マグニスさま、だ。豚が…」
次の瞬間、マグニスの右手の筋肉が一気に膨れ上がった。5本の指が、男の首を万力のように締め上げる。
コキャッ。
男の首は、妙に乾いた音を立ててへし折られた。白目をひん剥いた首は、生きている人間には決してありえない方向に、だらんと力なく垂れている。
マグニスは、男の体をまるで、紙くずをゴミ箱に捨てるような無造作な動作でもって、軽々と投げ捨てる。
最後に、打ち捨てられた男の体に、ぺっと下品な動作で唾を吐きかけた。
誤解のしようなどない。男の命の灯は、ここに吹き消されたのだ。マグニスと呼ばれた、あの男の手によって。
マグニスは振り向きざま、今度は残る53人に向け一歩踏み込む。人の輪が、きっかり一歩分後退した。
「てめえらの中で、このゲームに参加する気のねえヘタレ豚どもがいやがったら前に出やがれ。
この俺さまが、全員まとめてブチ殺してやるぜ。そんな奴らは、このゲームには必要ねえ」
びっ、とマグニスは親指で首をかき切る動作を行う。希望の光に溶けかかっていた一同の心は、再び驚愕と恐怖で凍りついた。
「そこまでにして頂こうか、マグニスとやら」
マグニスはミクトランの声に、もう一度振り向く。
「そこの男を始末して頂いて、私の手間も省けた。お前が手を下さなければ、私が殺していたところだったがな」
「…ところで、そこの豚の持っていた荷物は、俺さまの物か?」
マグニスの気の早さに、ミクトランは肩をすくめた。まだゲームは、始まってすらいないのに、だ。
「一応殺された者の持っていた荷物は、殺した者に持っていく権利はある。
ただ、ゲームはまだ始まっていないから、他の参加者と公平を期するため、荷物の持ち出しは許可致しかねるな」
「…ちっ、つまらねえな」
マグニスは床に唾を吐き捨てながら、ふて腐れた物言いだった。
「だが安心しろ。その男の持っていた『支給品』は、諸君らに還元する。諸君らの内の数名に、『支給品』が追加されるはずだ」
「…まあ、そいつを引き当てるか奪い取るかすればいいわけか。どの道、その豚の持ち物は俺さまの物だな」
マグニスの顔に、ぞっとするような笑みが浮かんだ。純粋に殺戮の喜びを知った者でなければ浮かべられない、獣の笑みだ。
「では諸君。改めて質問は?」
声を放つ者は、今度こそ誰一人として存在しなかった。

「…分かった。それでは諸君は、今から会場に向かって頂こう」
ぱちん。ミクトランは指を弾き、それを出現させた。ミクトランと参加者の間に、六茫星の光が迸る。
中央の六茫星が輝くと同時に、その周囲にも金色に輝く方陣が展開される。それはさながら、不可視の筆が光を含み、床の上を乱舞するようにも見える。
全ての文様が輝きに満たされたとき、その方陣は一つ、鼓動するように光を放った。魔法陣が起動し、力を持ち始めたのだ。
「この魔法陣こそ、会場に通じるゲート。ここをくぐった諸君は、会場の各地に無作為に飛ばされるの。
どこに出るか、誰と鉢合わせするか、それはこの魔法陣だけの知ることだ。心の準備の出来たものから、その魔法陣に踏み入るがいい。
最後になるが、諸君らの健闘を祈らせてもらおうか」
その「健闘」の過程が、どれほど困難を極めるのか。その結果が、どれほど血塗られたものになるのか。運命のみが知っている。
魔法陣に入る者達は、これまた各者各様。仲間達にのちほどの再開を約束し合う者、胸を躍らせ心なしか微笑む者、怯えたような表情を浮かべる者。
大多数の者は、緊張に顔を強張らせていた。このゲームの…「バトル・ロワイアル」の性質を考えれば当然のことである。
自分以外の参加者は、全て敵。たとえ血よりも濃い絆を結んだもの同士であっても、最終的には情け容赦なく殺し合わねばならない。
愛する者との命を賭け合った戦いに、喜んで赴く者の方こそ、少数派なのだ。
首輪の爆破を恫喝の種としながらも、ミクトランが最後の1人を会場に送り込んだ瞬間、魔法陣は金色の光を失う。
ゲートは閉じられた。このゲートは、まさに地獄への片道通路。帰還を許されるのは、残された54人のうち、たった1人。
ほぼ九分九厘勝ち目のない、無謀な賭け。
けれども、知と力を駆使してその賭けに勝たねば、大切な己の命を守りきることは出来ないのだ。
最難関かつ最悪の戦い、「バトル・ロワイアル」。その火蓋は今や、切って落とされた。落とされてしまったのだ。


【パルマコスタの首コキャ男性 死亡】
【残り人数54人】


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