鮮血のマグニス
(何だこれは、俺様はどうなってる?)
目の前にあるのは歪んだ唇、愉悦の瞳
(俺様はどうなる?)数寸先の刃、数秒先の絶対的な死。
元々彼は考えるのは得意ではない。しかし戦士としての嗅覚が全肯定する。
(俺様は死ぬのか…)血を大分失ったせいか彼は一瞬昔を思い出す、所謂走馬灯だ。
(そういや俺様も結構負けたことがあったか)思い出したのは他の五聖刃との模擬戦。
千年を軽くに生きるハーフエルフにとってこの手合いの暇潰しは珍しい話ではない。
人間牧場の管理の合間を縫って実力を確認したことがあった。
結果は五聖刃の内四位。しかし五位は戦闘能力が皆無に等しいロディル。
実質の最下位。彼は戦術にあまりに疎く、思考で戦うフォシテスやプロネーマたちに
分が悪すぎたのだ。彼の戦闘スタイルは後衛がいてこそ生きる物だった。
人間牧場の管理の合間を縫って実力を確認したことがあった。
結果は五聖刃の内四位。しかし五位は戦闘能力が皆無に等しいロディル。
実質の最下位。彼は戦術にあまりに疎く、思考で戦うフォシテスやプロネーマたちに
分が悪すぎたのだ。彼の戦闘スタイルは後衛がいてこそ生きる物だった。
「茶番とはいえそれなりに傷ついちゃったよ」
一瞬の走馬灯が終わる。彼は目の前の優男を見据える。
成程、風の術といいきっちり戦闘を組み立てる戦い方といい
考え方は兎も角戦い方がフォシテスそっくりだ。勝てないのも仕方ない。(違う)
「殺す前に君の名を聞いておこう。あとで確認するのが楽になるからねぇ」
心底嬉しそうな目をしている。最初にパフォーマンスをした彼を知らないはずは無いのに。
よく知っている、刈る寸前の家畜を見る目。(違う)
「五聖刃・マグニス様だ。」
はき捨てるように言う。優男はさらに嬉しそうに
「ほう、肩書きなら僕も持ってるよ。」
と口を歪ませ、剣を微かに引く。剣を走らせる為に、殺す速さを得る為に。
「四聖のサレだ、さようなら、豚のマグニス。」
一瞬の走馬灯が終わる。彼は目の前の優男を見据える。
成程、風の術といいきっちり戦闘を組み立てる戦い方といい
考え方は兎も角戦い方がフォシテスそっくりだ。勝てないのも仕方ない。(違う)
「殺す前に君の名を聞いておこう。あとで確認するのが楽になるからねぇ」
心底嬉しそうな目をしている。最初にパフォーマンスをした彼を知らないはずは無いのに。
よく知っている、刈る寸前の家畜を見る目。(違う)
「五聖刃・マグニス様だ。」
はき捨てるように言う。優男はさらに嬉しそうに
「ほう、肩書きなら僕も持ってるよ。」
と口を歪ませ、剣を微かに引く。剣を走らせる為に、殺す速さを得る為に。
「四聖のサレだ、さようなら、豚のマグニス。」
剣は彼を切った、彼は死ななかった。彼は皮膚を切られただけだった。
剣はそこで止まっている。明らかな異変に優男、サレは驚愕をもらしかけた。
「中々面白い手品じゃないか。でも見苦しいだけだよッ」
表面を取り繕い、剣を構え、放つ。神速の突き、「散沙雨!!」
剣は彼を突き、彼は死なず、彼の皮膚を切り、最後の突きは彼の手につかまった。
サレの目が見開く。剣を掴まれたことに、掴んだ男の眼光に。
剣はそこで止まっている。明らかな異変に優男、サレは驚愕をもらしかけた。
「中々面白い手品じゃないか。でも見苦しいだけだよッ」
表面を取り繕い、剣を構え、放つ。神速の突き、「散沙雨!!」
剣は彼を突き、彼は死なず、彼の皮膚を切り、最後の突きは彼の手につかまった。
サレの目が見開く。剣を掴まれたことに、掴んだ男の眼光に。
「………だ、…が。」
深遠より這い寄るような声。ようやく分かった、何故今になってあんな走馬灯を見たのか。
これはあの時と同じではない。あいつはフォシテスではない、あいつはニンゲンだ。
あいつは劣悪種だ。家畜だ。エクスフィアの養分だ。ゴミだ。屑だ。
(俺様はハーフエルフの中では最強じゃねぇ)戦士の血が全肯定する。
(だが、劣悪種なんぞに負けるなんて許されねえ!!)ハーフエルフの血が全否定する。
そしてなにより彼、マグニスが己を豚と罵るこの劣悪種の存在を完全否定した。
深遠より這い寄るような声。ようやく分かった、何故今になってあんな走馬灯を見たのか。
これはあの時と同じではない。あいつはフォシテスではない、あいつはニンゲンだ。
あいつは劣悪種だ。家畜だ。エクスフィアの養分だ。ゴミだ。屑だ。
(俺様はハーフエルフの中では最強じゃねぇ)戦士の血が全肯定する。
(だが、劣悪種なんぞに負けるなんて許されねえ!!)ハーフエルフの血が全否定する。
そしてなにより彼、マグニスが己を豚と罵るこの劣悪種の存在を完全否定した。
「マグニス様だッ!!!この劣悪種があァ!!!」鬼によって剣は粉々に握りつぶされた。
鬼は今黒い闘気を纏っている。空間すら歪める絶対の領域。
彼らの世界では「OVER LIMITS」と呼ばれていた。
サレはそれを知らない。知らないが故考えてしまった、アレは何かと。
その一拍、たった一拍で鬼を家に、懐に入れてしまった。鬼はサレ肩を当て再度同じ技を繰り出す。
「獅子戦吼ォォォォ!!」
トン、と音がなった気がした。とても微か、本来なら音と一緒に霧散するはずのエネルギー
すら相手に叩き付けたその技は最早先ほどの比ではなかった。
風によって皮膚をなます切りにされたその体は(すでに興奮時の凝結作用で止血していたが)
血に濡れて、紛うこと無き赤鬼と化していた。接近戦ならば鬼は五聖刃最強だったのだ。
彼らの世界では「OVER LIMITS」と呼ばれていた。
サレはそれを知らない。知らないが故考えてしまった、アレは何かと。
その一拍、たった一拍で鬼を家に、懐に入れてしまった。鬼はサレ肩を当て再度同じ技を繰り出す。
「獅子戦吼ォォォォ!!」
トン、と音がなった気がした。とても微か、本来なら音と一緒に霧散するはずのエネルギー
すら相手に叩き付けたその技は最早先ほどの比ではなかった。
風によって皮膚をなます切りにされたその体は(すでに興奮時の凝結作用で止血していたが)
血に濡れて、紛うこと無き赤鬼と化していた。接近戦ならば鬼は五聖刃最強だったのだ。
弾丸のように吹き飛ぶサレの体、城の壁に頭があわや激突、という所で姿勢を制御、
城壁に足から激突し受身を取る。そんなことさえ出来るサレには外傷は特に無い様に見える。
しかし無事というようには見えない。力を収束された獅子戦吼はサレの鳩尾を貫いていた。
これが意味するのは限定的な肺の機能不全、すなわち呼吸ができなくなるということ。
精悍な顔つきからは想像も付かないような苦悶の表情。まるで丘に打ち上げられた魚のよう。
城壁に足から激突し受身を取る。そんなことさえ出来るサレには外傷は特に無い様に見える。
しかし無事というようには見えない。力を収束された獅子戦吼はサレの鳩尾を貫いていた。
これが意味するのは限定的な肺の機能不全、すなわち呼吸ができなくなるということ。
精悍な顔つきからは想像も付かないような苦悶の表情。まるで丘に打ち上げられた魚のよう。
これにて形勢は大局的に見て振り出しに。しかし数分前とは確実に違う。
サレをして「崩落させてくれと言わんばかり」と言わしめた城壁は、城は皮肉にもサレの
足によって静かに、しかし確実に滅びへの道を刻み始めた。三人の少年少女を残して。
サレをして「崩落させてくれと言わんばかり」と言わしめた城壁は、城は皮肉にもサレの
足によって静かに、しかし確実に滅びへの道を刻み始めた。三人の少年少女を残して。
【サレ 生存確認】
状態:あばら一本損傷 呼吸不全(一時的)
所持品:出刃包丁
第一行動方針:呼吸を整える
第一行動方針:マグニスの始末
第二行動方針:コレット、クレス、リアラを利用する
第三行動方針:ティトレイの始末
現在位置:E2の城の前
状態:あばら一本損傷 呼吸不全(一時的)
所持品:出刃包丁
第一行動方針:呼吸を整える
第一行動方針:マグニスの始末
第二行動方針:コレット、クレス、リアラを利用する
第三行動方針:ティトレイの始末
現在位置:E2の城の前
【マグニス 生存確認】
状態:首筋に痛み 風の導術による裂傷 バルバトスが興味深い
顔に切り傷(共に出血は停止。処置済み) 上半身に軽い火傷 オーバーリミット
所持品:オーガアクス ピヨチェック
第一行動方針:サレの抹殺
第二行動方針:バルバトスと同盟を組み、残る参加者を全員抹殺する
第三行動方針:バルバトスと作戦会議、そして連係プレーの練習を行う。可能ならば「ユニゾン・アタック」を習得する。
現在位置:E2平原(城の前)
状態:首筋に痛み 風の導術による裂傷 バルバトスが興味深い
顔に切り傷(共に出血は停止。処置済み) 上半身に軽い火傷 オーバーリミット
所持品:オーガアクス ピヨチェック
第一行動方針:サレの抹殺
第二行動方針:バルバトスと同盟を組み、残る参加者を全員抹殺する
第三行動方針:バルバトスと作戦会議、そして連係プレーの練習を行う。可能ならば「ユニゾン・アタック」を習得する。
現在位置:E2平原(城の前)