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冥府にて澱む

最終更新:2019年10月13日 18:07

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冥府にて澱む



黒地の布を十重二十重と重ね折って積み上げたような暗がりの中で、灯が揺らいでいた。
カンテラの内の灯は独立的に形を変え、洞窟の壁面は従順にその明るさを拡散させた。
一つの灯に道を照らし二人の男、まだ少年と呼ぶべきだが、は沈黙を守りつつ更に奥へ向かっていた。
それでも険悪以上の状況に進展しないのは、ディムロスが双方のことを双方に現在進行形で伝えているからだろうか。
2人ともただ黙してディムロスの話を聞き流しながら歩いている。
会話は少し長引く、そう判断したリオンが入り口の二人の介入を嫌った故の誘導にカイルが乗った形だ。

ディムロスの説明が終わる頃には洞窟の中心、中継点にたどり着いていた。
灯りの向こうで鋼のような巨石に亀裂がかかっている。その向こう側に突き刺さった銃剣に依る物だった。

「グリッドと云う男は此処には向かわずE2に向かった、という事だな」
リオンは右腕を掻きながらそう言った。
カイルがディムロスを持った手を壁に叩き付けた。
「そんな事はどうでも良い!ジューダスはどうなったんです!?」
「それは僕が訊きたい位だ」
リオンは震える右手を隠すように左半身を前面に出してカイルに向き直った。
訥々と抑揚無くヴェイグが離れた後のあの時の戦いを語る。
「どう思う?」
語り終えてリオンは威圧するようにカイルに訊いた。
カイルは質問の意図が掴めずに口籠もった。
「奴の剣が心臓に刺さり、僕が先に死んだはずだ。しかし僕は何故か生きている…まるで結果が捩れてしまった様だ」
「何が言いたい!?ハッキリ言え!!」
自嘲気味に手を広げるリオンに苛立ちながらカイルは唸った。
『……お前がジューダス、本人だ。そう言いたいのか?』
ディムロスの発言にカイルは驚愕し、リオンは口元を歪ませた。
『落ち着けカイル。ヴェイグの話に依ればジューダスはエリクシールを持っていたらしい。
 目の前の男が語った事が事実なら生きてエリクシールを使った方はジューダスでなくては説明が付かない』
「そんな馬鹿な話があるか!現に此奴はリオンって名乗っているじゃ」
「……例えば失血のショックで軽度の記憶障害にかかった、というのはどうだ?」
震えの収まった仮面の罅をなぞりながら、リオンはカイルを挑発した。
知っているようで知らない、不可思議な存在であるカイルを見極めるためである。
『ショックでジューダスとしての記憶を失い自分とリオンを錯乱している。
 放送はどうやら主催側が間違えたらしい…言い張られたら反証は出ないな』
「……僕はどっちだろうな?」
次の句を言う前にカイルが掴みかかった。ディムロスとカンテラが落ちて金属音が2つ鳴った。
『落ち着かんか、カイル!!リオン、要点はさっさと述べろ。今のマスターは気が短い』
「お前の問いに明確な回答は用意できない。リオンだと言う証拠すらもう残っていないからな」
まず重点として置くべきはこれが主観的な錯誤に依るものだ、ということだ。
リオンは負けて、心臓を刺されて死んだ。これがリオンの気絶する前の認識である。
しかし目が覚めれば死んでいるのはジューダスだった。焼けた頭蓋片と首の無い死体がその証拠だ。
気絶する前と後で矛盾が起きている。
戦いという過程と、生死という結果の矛盾。
リオンが負けたという過程を正しいとするなら結果生きているのはジューダスであるべきだ。
リオンが生きているという結果が正しいとするならジューダスが勝ったという過程が間違っている。
どちらも正しく、どちらも間違っている。


カイルは眉を小刻みに動かしながら何かを喋ろうとしている。言葉が出ないのだろう。
「要するに僕にもよく分からん。だから訊くな」
そう、彼にもよく分からない。
リオンが知る事実を全て信じれば
「僕は負けたけど生きていました」「奴は勝ったけど死にました」
と言うことになり意味が分からない。
ジューダスが勝った、という物語とリオンが勝った、という物語が明確な処理を得ずして1つに収斂してしまったように。
箱の中の猫の生死が分からないように、真実は封じられてしまった。
全ては闇の、否、箱の中だ。
最も、ミクトランという客体を引き合いに出せばこの不可思議は一瞬で消滅するのだが。

下らない。
「まあ放送など関係なしに、現実として僕はリオンだ。それは信じて貰ってもいい」
襟を掴むカイルの手を払い、右手を向いた。水の流れはその方向に向いている。
「が、そんなことはどうでも良い。マーダーでない奴に会えたなら僕の役目は終わりだ」
リオンは地図を抜き取って自分のサックを置いた。
「僕の連れが、洞窟の入り口で待機している。連中を連れてグリッドとやらと合流してやって欲しい」
リオンは二刀に手をかけようとして、悪いがこれは貰って行くと云って止めた。
「ジュ…貴方はどうするんですか?」
「素人と怪我人…足手纏いを二人も抱える余裕は無い」
実際早いうちにこうした方がいいと、リオンは最初から考えていた。
『マーダーに戻る…シャルティエも持たずにか?』
ディムロスの牽制をリオンは嘲った。目は笑っていない。
「シャルの半分はここに居るし、もう精力的に殺しに走る程気力が残っている訳でもない。
残らず奴に奪われたからな、リオンの声は少し震えていた。
「カイル、と云ったか。何だったらお前に殺されても良いさ」
思わぬ一言にカイルの口が少々間の抜けた開きになった。
幾らか考えていたが、これが総合的に見て一番ベストな選択ではあると思う。
全く訳の分からない状況で生きながらえて、取り敢えずの拠り所としていたスタンを探そうとしていた。
しかし彼が死んでしまった以上、特に当てが有るわけでもない。
正直放送の後すぐに死んでも良かったが、自分の一存で生かしてしまった以上は
せめてプリムラの面倒位は見てやろうという安っぽい甲斐性だけで動いていたのだ。
何といっても今更お人好しの馬鹿共の中で安穏を享受するには、血に汚れ過ぎている。
このままではトーマは兎も角プリムラに類が及ぶだろう。
仮に三人が受け入れられたとしても確実に何らかの疑心が生まれるだろうし、
この極限の状況下では、それは組織の空中分解に直結する。
早い話、五人も殺してしまったリオンは存在自体が組織を破綻させる毒に他ならない。
例え単独でマーダーキラーとして動いたところで、行為自体が場を乱すだろう。
変な綾が付く前に縁か命を絶ってしまえば、二人の安全はカイルに任せることが出来る。
結果が捩れてしまった不確定な存在など居ても邪魔なだけ。
納得はしていないが、これが最良である。最後の仲間を失った本人はそう結論付けていた。
あまりにもよく似ているこの少年とであったのは、なんとも過ぎたる奇貨だ。



「貴方は…命をなんだと思っているんですか…」
歩こうとしたリオンの背中にカイルの声が打ち付けられた。
「俺には良く分からないけど…ジューダスは、貴方を助けたんでしょ?」
「それが一番論理的で、一番非論理的な回答だ。奴が僕を助ける理由は皆無だが、それしか有り得ない」
「俺には貴方の気持ちは分からない。でもジューダスが何をしたかったかは、何となく分かる」
リオンはもう一度カイルを正面から見据えた。具体的に何処、とは言えないが矢張り似ている。
「ジューダスは、貴方を許したかったんだと思う。でもジューダスは不器用だから、それしかできなかった。
 リオンとして貴方の罪を代わりに負うしか出来なかったんじゃ無いですか?
 貴方はそれを分かっているから…ジューダスの代わりに…ん…なんて言うか…その…」
リオンは言葉尻の締まりのないカイルの言いたいことを何となく理解した。
リオンはもう一度カイルに向き直った。カイルの容貌をもう一度確認する。
「俺は貴方を許せないけど。ジューダスが許したなら俺は何も言わないよ。
 それに、ジューダスならその2人を他人に任すなんて無責任なことはしない」
カイルはそういってリオンと向き合った。落ちたランタンの光を受けて力強い光彩が瞳を満たしていた。
スタンによく似ている、リオンは素直にそう思った。

「取り敢えず、入口まで戻ろう」
カイルが手を差し出す。
「ああ…その前に、前々から思っていたんだがお前達は何故僕を知っているんだ?
 ハロルドも、お前も、彼奴も、何故一方的に僕も知っている?」
ハロルドはジューダスのことを何も語らなかった上、
分かっているのはジューダスとは別のリオンであるという推測のみ。
いい加減ハッキリさせねば唯でさえ、不明瞭な自身の存在が更に胡乱になる。

しかし、カイルの返答は疑問として戻された。
「彼奴…って、誰?」
リオンは何とも無しに答えてしまった。
「褐色肌で短髪の男だ。確か、名簿で見た名前は――――――」
力強かったその目の輝きは、一瞬で反転した。

――――――――――――――――――――――――――――――



ヴェイグはランタンを片手に闇の中を走っていた。地面はテラテラと汚く光り、
明瞭と地面に付着した水分の存在を理解させた。ランタンに視界の確保を頼っているため錬術を含めて
速度上昇の手は打っていない。対象を見過ごすのも足を滑らせて死ぬのも下らなさすぎる。
回廊の細さと、急に暗がりに入った故の目の不慣れが距離感を希薄させる。まるで無限に続く様な。
「死ななかったのか、ヒューマの癖に生意気な」
気が付けばそこにはトーマがいた。灯りを持ってはいないが歩調は軽い。
ジェットブーツを履いているため、ヴェイグに追いつくのは至極簡単だったが彼は速度をヴェイグに合わせた。
洞窟の中にはリオンが居るのだし、グリッドの性格を知らぬ訳ではない。
リオンの性格を考えれば、もし何らかの敵意を持った強力な第三者が居れば素直に戻ってくるだろう。
一番面倒なヴェイグの行動さえ抑えておけば大事には至らない。そういう判断だった。
無論、後ろから来る警戒を厳に要する存在への打ち合わせも兼ねている。
「色々云いたいことはあるが、個人的な話は後だ」
ヴェイグは一瞥もせずに云った。争うほどの余剰戦力は無い。
「後ろから蝶が一匹、心当たりは?」
「シャーリィのフォルスだ」
必要最低限の言葉で情報を交換する。カレギアの住人として能力はフォルスで括った方が早い。
トーマは舌打ちをした。ヒューマを一括りにした苛立ちだった。
「俺とハロルドもアレに捕まった。アレに触れると居場所が露見する」
「此処の場所を向こうに教えて此方に惹き付けるというのはどうだ?」
「最悪砲撃が来るぞ。生き埋めで良いなら俺は構わん」
「じゃあどうする」
「情報を与えなければ行動は鈍る。避けの一手だ」
ヴェイグは舌打ちをした。敵を一括りにした苛立ちだった。



テルクェスは一体何に惹かれて動いている?ほぼ直線とはいえ壁にぶつかる気配はない。
明らかに何かがナビゲートしている。
フォルスか?それならば先ほどの森で捕まっている。
生命反応か?それならテルクェスが人に触れられるのを待っているのがおかしい。
「なら…六大元素、マナか?」
それなら魔術の使えないグリッドとマナをフォルスに変換するヴェイグに蝶は大して反応しなかったことの説明が付く。
「お前達三人の中で導術使いは居るのか?」
「リオンとプリムラだな。但し、媒介がいる。それに2人とも生粋の術士ではない」
「媒介?」
「リオンはレンズとやらが要る。プリムラは…何とか…クリスタルケイジだったか何かが」
「クレーメルケイジか!!」
ヴェイグは己の過失に腹を立てた。メルディの説明通りなら内部の鉱石に晶霊、つまりマナを蓄えた媒介。
成程、漆黒の翼が短時間で居場所を突き止められたのはそれだ。
「ハロルドはその時何か術を準備していたと云うことは?」
「チャージはしていた。が、それがどうした?」
一応の筋道を立てたヴェイグは言葉にならない唸りを上げた。
大まかな移動の指定はシャーリィの指示だろうが細かい捜索はテルクェス本体がマナを探って行っている。
だから、漆黒の翼は早い段階で蝶と接触したのか。
そしてハロルドの連携発動待機が狙われた。
「糞ッ、サックだけで油断した俺のミスだ。プリムラは何を装備している!?」
「ソーサラーリングと、それだ」
トーマはさも当然とばかりに返答した。ヴェイグは武器の確認を欲しており、トーマはそれに応えた。
装備中のアクセサリは両者の意識の外であったのは否定できない。しかも2つとも小物だ。
現在テルクェスはケイジの軌跡、つまりプリムラの移動の軌跡を追って洞窟を縫うように移動している。
ヴェイグはそう結論づけた。ヴェイグはプリムラのサックをトーマに投げ渡した。
荷が軽くなれば安定したまま速度は上がる。ガジュマの体力を持て余す気はない。

距離感が掴めないから移動した距離が分からない。ヴェイグは速度を上げようとして足を若干滑らせた。
減少した摩擦係数に見合ったよろけ方だったが、発生した力場に支えられて速度を落とさずに体勢を戻した。
「奴らは白だ」
トーマは徐にそう言った。フォルスを使ってヴェイグを支えた事は既にどうでも良いことになっていた。
「確証はない。ハロルドはお前に奴らの監視を命じたんじゃないか?」
感謝を述べる機を逸したヴェイグはもごもごと口を動かす。
「プリムラは兎も角リオンは既に五人殺していると告白した。
 だからこそ、このタイミングで敵意を以て取り入るのは考えにくい」
しかも取り入ろうとした相手はハロルドだ、と注釈する必要はなかった。
トーマの言い分は理解できる。しかしヴェイグは過度の警戒をしていた。
この場所は良くない、そう思っているからだった。
朝の時点でマーダーと警戒されていた人間が2人、しかも
1人はジューダスを殺したであろう人物。もう1人は自分を刺した人物。
そしてどういう変遷が合ったかは知らないが、自分の知っている限りにおいては
ヒューマの命なぞ蚊ほどにも思っていなかったガジュマ。
目下最大級の敵とされるシャーリィの使い魔。
更に、ヴェイグの氷使いとしての才覚が、更なる恐怖を呼ぶ。
悦楽と狂躁と殺意が綯い交ぜになったような、それでいて妙に稚拙なこの冷気は何とも気味が悪い。



ヴェイグは何かの冗談かと思いたかった。
マーダーと疑わしき三人の集団。獲物を狙う青の蝶。そしてこの厭な空気。
この洞窟は、死が満ち溢れ過ぎている。死者でも現れそうな程の死。
まるでこの状況そのものが、死ねと命じているような違和感。
そこにグリッドは飛び込んでしまった。真っ先に死ぬような予感。
ヴェイグはこの異常空間からグリッドの命を死守することに意識を集中した。
誰も死なせない。
一時的とはいえ、ヴェイグはその他の可能性を排除してしまった。
リオン、プリムラ、トーマが繋がっているならば死ぬ可能性が有るのはグリッドだけだ、と断定してしまった。

死に囚われ過ぎた彼は、この場に第三者の存在する可能性を失念していた。

奥の方に微かな灯りとそれにかかる陰影が写る。どうやら直線の終点のようだ。
「憶測はいい。俺は誰も死なせる気は無いそれだけだ」
影の塊が割れた。1つが横に吹き飛ぶ。

黒い砂の様な影が飛び散った。
近づくに連れて、影達の正体が分かった。
グリッドが飛んだ影に飛びかかるように近づいた。
存在するはずの無いジューダスが慌てて影の手首を掴んだ。血糊がベッタリと付いた剣が落ちる。
死人に掴まれた影は、ヴェイグが探していたカイル=デュナミスは、
ただ己が行ったことに対する恐怖を理解し切れていない顔だった。


吹き飛んだ影は、プリムラ=ロッソだった。

――――――――――――――――――――――――――――――


カイルは剣を持ったまま、地面に両手両膝を付いた。
「貴方が、あなたが」
カイルの眼球は忙しなく振動している。頭の中で固い音響が唸っている。
目の前にいるのは誰だ?ジューダスがロニを斬るわけが無いじゃないか。お前は誰だ?
でもリオンはジューダスが守った。反射音が煩い。
ジューダス?リオン?
リオンがロニを斬った。目の前にいるのはジューダスだろ?
今が戦うべき時なのか?
心拍が後ろから響く音と共振する。

浅い呼吸を数度繰り返し、単語にすらならない疑問の集合を押さえ込んだ。
先ほどリアラの前で立てた決意を忘れるほどカイルは逸っていない。

カイルは白地が失せるほど充血した目で縋るようにリオンを見上げた。
カイルは真実を聞きたかった。本人の口から聞ければ、どんな真実だろうと受け入れられる気がした。
しかし、カイルの目に映ったリオンはカイルの方を向いていない。
地面とリオンの目線は平行を保っている。
来た道を見ている。後ろの音は大きくなっていく。
リオンの口が動いた。これは走っている音だ。‘誰かが後ろにいる’。
「何をしている?待っていろと云ったはずだ」
移ろうジューダスの影、兄を殺した男、後ろから近づく足音。思考が揺れる。
後ろの足音はロニを殺したリオンの仲間だ。近い。
仲間は入り口ではなく此処にいる。リオンは嘘を付いていた。
嵌められた。そう考えるに十分な程、その瞬間、カイルの混乱は絶頂にあった。
ディムロスをしっかりと握る。脳に直接響く剣の声は聞こえない。
振り向き様に、思い切り剣を振り上げる。
確かな手応えがカイルの腕に伝わる。

等量の確かな過失の認識は、その数秒後に訪れた。
彼女は何も武器を手にしていない。
加速度的に血色を失っていく彼女は、ただリオンを見つけて助けを求めようとしていただけだ。
地面に落ちたカンテラしか寄る辺のない暗がりの中、蹲ったカイルを認識することなど彼女には出来なかったのだから。

――――――――――――――――――――――――――――――


リオンに手首を押さえられたカイルの手から握力が失せて、ディムロスが落ちた。
ディムロスの見地では未だプリムラは生粋のマーダーだったことが、少女の武器の有無に気付くのを遅らせた。
カイルの表情は無い。唯、締まりのない口か微かに戦慄いていた。

リオンにも、何が起こったのか殆ど理解が出来ていない。
漸く気付いた、「デュナミス」という単語の意味を処理するので精一杯だった彼の限界だった。

ヴェイグは現象を受け入れることすら困難だった。
甦る死人。血に倒れたのはグリッドではなくプリムラ、そして奪ったのは自分が懺悔をするべき少年。
一瞬で展開された悪夢は、彼に暴走させるだけの余裕すら簒奪した。

トーマは状況を静観することを決めた。これは自分の手には余るという自覚があった。
この状況で一番外にいるのは自分だ。ならば見極めて最善を打たなければならない。
トーマは、グリッドの状態を確認した。一言も発さずプリムラの傍にいた。


時間が経てばヴェイグの暴走も懸念される。リオンも身の危険が有れば剣を抜くだろう。
テルクェスもプリムラのケイジを狙って近くまで来ている。
存在し得ないジューダス、生き写しのようなスタン。
死を呼ぶ蝶。磔になった女神。悪意で出来た冷気。正に、死が統べる冥府。
冥府に集った5人は最高に無駄な殺し合いの一歩手前に立っていた。



【トーマ 生存確認】
状態:TP75% 右腕使用不可能 軽い火傷 やや貧血気味 プリムラのサック所持
所持品:イクストリーム マジカルポーチ ハロルドのサック(分解中のレーダーあり) パイングミ
    ジェットブーツ 実験サンプル(燃える草微量以外詳細不明) 首輪 スティレット ミラクルグミ
    ミスティブルーム、ロープ数本 ウィングパック(食料が色々入っている)  金のフライパン
基本行動方針:ミミーのくれた優しさに従う
第一行動方針:テルクェスとヴェイグの暴走に警戒しつつ状況を静観
第二行動方針:漆黒を生かす
第三行動方針:キールを探し、ハロルドメモの解読を行う
現在位置:G3洞窟・中央中継点

【プリムラ・ロッソ 生存確認】
状態:意識混乱 臨死 左下から右上にかけて前面に大規模裂傷
   右ふくらはぎに銃創・出血(止血処置済み)切り傷多数(応急処置済み) 
所持品:C・ケイジ@I ソーサラーリング ナイトメアブーツ
基本行動方針:???
第一行動方針:???
第二行動方針:キールを探し、ハロルドメモの解読を行う
第三行動方針:グリッドとヴェイグに謝る?
現在地:G3洞窟・中央中継点

【ヴェイグ=リュングベル 生存確認】
状態:HP40% TP55% 状況への理解不能 他人の死への拒絶
所持品:チンクエディア ミトスの手紙
基本行動方針:今まで犯した罪を償う(特にカイルへ)
第一行動方針:カイルが殺した?何故ジューダスが此処にいる?何がどうなっている?
第二行動方針:E3に残存していれば、魔杖ケイオスハートを回収する
第三行動方針:キールとのコンビネーションプレイの練習を行う
第四行動方針:もしティトレイと再接触したなら、聖獣の力でティトレイを正気に戻せるか試みる
現在位置:G3洞窟・中央中継点

【グリッド 生存確認】
状態:不明
所持品:マジックミスト 占いの本 ハロルドメモ ペルシャブーツ
基本行動方針:生き延びる。 漆黒の翼のリーダーとして行動
第一行動方針:???
第二行動方針:E3に残存していれば、魔杖ケイオスハートを回収する
第三行動方針:マーダー排除に協力する
現在位置:G3洞窟・中央中継点

【リオン=マグナス 生存確認】
状態:HP70% TP90% 右腕はまだ微妙に違和感がある コスチューム称号「ジューダス」 若干の混乱
所持品:アイスコフィン 忍刀桔梗 首輪  45ACP弾7発マガジン×3 ウグイスブエ(故障)
    レンズ片(晶術使用可能) ハロルドメモ2(現状のレーダー解析結果+α)
基本行動方針:ミクトランを倒しゲームを終わらせる 可能なら誰も殺さない
第一行動方針:カイルの動きを見守りつつ状況を静観
第二行動方針:キールを探し、ハロルドメモの解読を行う
第三行動方針:協力してくれる者を集める
現在地:G3洞窟・中央中継点

【カイル=デュナミス 生存確認】
状態:HP45% TP75% 悲しみ 静かな反発 過失に対するショック 状況に対する混乱
所持品:鍋の蓋 フォースリング ウィス 忍刀血桜 クラトスの輝石 料理大全 要の紋 S・D
    蝙蝠の首輪 レアガントレット(左手甲に穴)セレスティマント ロリポップ ミントの帽子
基本行動方針:生きる
第一行動方針:???
現在位置:G3洞窟・中央中継点

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