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  • The last battle -心は剣と共に-

テイルズオブバトルロワイアル@wiki

The last battle -心は剣と共に-

最終更新:2019年10月13日 19:53

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だれでも歓迎! 編集

The last battle -心は剣と共に-


目の前が赤い。馬鹿でも出来る簡単過ぎる表現だが、生憎俺の頭はそれ以外の表現で構成された感想を持ち合わせて居ないようだ。
そういえばピピスタのサボテンがこんな色をしていた気がする。あの時食材屋の熊のガジュマに騙されて真っ赤なスス塗れにされたのは誰だったか。
……まぁ、もうそんな過去はどうでもいい。
視界の全てが猛る炎だ。熱い。苦しい。
仕方が無いスピードだ。後一呼吸もせず俺の全身は触手に貫かれ灰燼と帰すだろう。
俺は……此所で死ぬのか?
やっと此所まで辿り着いたと言うのに。
あと、あと一歩。
グリッドとロイド、カイルとメルディ、ティトレイにクレス……そしてキールが脱落した今、残るは障害物はたったの四つ。
いや…今頃ミトスはミントを殺しているだろうから三つか。いずれにせよ、もう片手の指で数えるに足る個数。
三人殺す。七回口を動かすだけで言えてしまう、こんなにも単純な事。
優勝する確率は四分の一。もといパーセンテージにして25%。
武具の覚醒率と比べれば一目瞭然。高過ぎるとすら感じる数字だ。
なのに俺は、俺はこんな処で脱落してしまうのか……?
ああ、駄目、だ。もうこの距離では避けられない。
……くそ、くそォッ……!
死ぬ?
勝てない?
負ける?
終わる?
脱落?
俺が?
こんな処で?
こんな奴に?
諦める?
――――――否ッ!!
今はまだ死ぬ時に非ずッ!
ミクトランをこの手で滅するまでは何があっても脱落出来ないッ!
避けられないならば、受けてやるッ!
絶対的な力など、存在しないのだから!
強さというものは形とか、力とか、種族とか、正義とか悪とかそんなモノでは無い!
真の強さとは、心の強さ!
ならば俺の心は……決意は、どんなに小さくとも、何よりも汚くともッ!
何よりも重く、何よりも固く、そして―――何よりも強いッ!
勝てないと思えば勝てる訳が無い!
生き残れないと諦めたら生き残れる訳が無い!
ならばその逆は何だ、ヴェイグ=リュングベルッ!
立て、動け、諦めるな立ち向かえ命のある限りッ!! さあ全身の筋肉よ躍動しろッ! こんな処で死んでたまるかッ!!
そうさこのゲームの勝者は只一人……それはッ!
「俺だあああああぁぁぁぁぁッ!」
一瞬、世界が凍り付いた。その後コマ送りにされる風景の中でヴェイグは神に感謝した。
力の限り叫ぶ。フォルスを開放、展開される目標は目の前全て。


猛る炎と迫り来る死者の手へと青年ヴェイグは両手を掲げた。
「GROOOOOOWWWWW!」
化け物の漆黒の狂気に染められた声が紅の空を汚す。
しかしその声はヴェイグを倒した歓喜の声に非ず。
何が起きたか分からない、という声であった。
その正体はカレギア首都バルカの出身者ならば誰もが見慣れた白煙、即ち霧。
ヴェイグはあの刹那、フォルスを強く込めず発動した。敢えて炎に氷を喰らわせたのだ。
勿論精神力節約の意味も込めてだが、真の目的はこの濃霧にあった。
この濃霧を生み出した青年、ヴェイグはこの化け物と戦うには荷が勝ち過ぎると判断し、一時の撤退を選んだ。
「はあッ!」
一瞬の隙を突かれた化け物が狼狽している間、ヴェイグは素早くその背後へと滑り込み、化け物の足――人間で言うアキレス腱のあたり――を斬り付けた。
しかし化け物も予想外の展開に長時間捕われる程愚かでは無かった。
いくら中身がシャーリィとは言え、その正体は幾つもの修羅場を潜り抜けてきた戦士である事に相違無い。
「WROOOOOOYYYY!!」
それ故に“彼女”は濃霧の発生という不測の自体に即座に対処が出来たのである。
……化け物は自らの足元に剣がある事を知っていた。
しかしそれがミスになる。剣士の戦いの手段は言わずもがな剣での攻撃。
即ち今ヴェイグがディムロスを手放している為に相手に攻撃手段が無いと思い込んでしまったのだ。
しかしそれは見た目である。実際にはヴェイグはエターナルソードを持っており、それ故に化け物の足を斬る行為へのロスを限り無く短くしたのだ。
だが化け物はあろう事かサックの存在を失念していた。
シャーリィの反撃の前提はこうである。
“このガキが攻撃するにはこの剣を拾う行為が必然である。そしてそれは僅かな隙を生む。


 しかし何より相手もそれに気付いているし、私がそう思っていると気付いている可能性が高い。故にロスを少なくするには私の正面に攻撃する以外に無い”
しかしこの前提はエターナルソードの存在により砕かれる事になった。
結果、シャーリィは焦燥に駆られる事になる。
背後からの攻撃は全くの想定外。前方に腕を振り下ろそうとしていた為にそこに生じるのはコンマ一秒の僅かなタイムラグ。
ヴェイグはそれすらも読んでいた。
そして読まれていた事実をこの瞬間にシャーリィも悟る。
だがそれが本当のヴェイグの狙いである。
怒り狂う少女の行動パターンを読むのは、容易い事だからだ。
故に青年は少女の想定外を突き敢えて怒らせるッ!
全ては秘奥義の鍵となるディムロスから意識を自分に向けさせる為ッ!
「WROOYAAAAAAWW!」
一瞬遅れて化け物が咆哮し後ろへ腕を振り下ろす。
しかしそこに手応えは無い事をシャーリィが理解した時には既にヴェイグの気配が消えていた。
それによりシャーリィは三度困惑する事になる。
探したくとも気配は無し、視界は濃霧に遮られ、もれなく自分の目茶苦茶な攻撃による土煙がおまけに付いて更に最悪。
“しくじった!”
最早シャーリィの脳内には獲物を逃した事への怒りに身を委ねる以外の選択肢は残ってはいなかった。
シャーリィが自分の足に紫の剣が刺さっている事に気付くのはもう少し未来の話である。

―――――――――――――

「ふう……此所まで来れば大丈夫か」
青年―――ヴェイグは路地に立ち止まると呟いた。その手に握られていたのはエターナルソードでは無く……
『よくやったぞヴェイグ、一時はもう駄目かと思ったぞ。……一応、言わせて貰うがあの場でシャーリィと戦っていればこちらに勝ち目は無かった。
 一撃の火力、体力、精神力、手数。これら全てにおいて明らかに奴が上だった』
……炎の大剣、ディムロスであった。


シャーリィの背後に斬激を与えたのは、単なる攻撃では無い。シャーリィの意識を背後に向ける為。
何故わざわざその様な事をしたか? 答えは簡単。シャーリィの性格をヴェイグは理解していたからだ。
一度キレると冷静な判断が出来なくなり、自分の言う通りにならなければ力にものを言わせて喚き散らす質の悪い子供のような性格。
実に作戦に嵌め易い性格だ。
「ああ……。想像以上にうまく嵌まってくれた」
濃霧を生み出した瞬間にヴェイグは絶・瞬影迅を発動。気配を絶ちシャーリィの背後に回り込んだ。
そこで浴びせたのは単なる斬激に非ず。
その正体は幻龍斬。
シャーリィが反撃に回った時には既にヴェイグはディムロスを回収、地面へと風神剣を発動していたのだ。
それからの展開が今の状況である。
『だがまだまだこれからだぞ、ヴェイグ。我々の目指す場所までの旅路は果てしなく遠く険しいのだからな。さて、これからどうする?
 夜は五感が発達したミトスに分がある。出来れば決着は早い方が良い』
「分かっている。だからこそエターナルソードを奴に刺してきた」
『何? エターナルソードをシャーリィに?』
「ああ。ミトスはエターナルソードが欲しいらしいからな。利用させて貰う。
 それにディムロスも気付いているだろう? ミトスは恐らくエターナルソードの場所を知る術を持っている」
家の中に入り、使えそうな物が無いか探しながらヴェイグは淡々と答えた。
『成程そういう事か。だがそうすると我々はミトスやシャーリィの場所を把握しなければならない。
 現在位置も分からない現状をどう打破する?』
ディムロスがそう切り出した時ヴェイグは棚の中から包帯を取り出していた途中だったが、その行為を止めず呟く。
「……窓の外を見てみろ、ディムロス」
ああ、成程。
ディムロスはその黒い建物を見て納得した。
「……現在位置はあの鐘楼台が知らせてくれる。そしてミトスやシャーリィの位置も俺なら把握出来る」
ヴェイグは包帯を新しいものに換えながらそう呟き、ベッドに腰を落とした。
『それは……どういう事なのだ?』
「雪、さ」
『……雪?』
「ああ。この村の湿度は現在高いようだ。濃霧の影響だろう。俺のフォルスを使うには恰好の状況だ」
ディムロスは理解した。
どうやら雪を使って感知するつもりらしい。
ティトレイの二番煎じであるが、有効な手段だった。
雪は相手の体力も奪い動きも鈍らせる。一石二鳥である。


『だがこの村を生め尽くす雪となると……』
「“お前の精神力が保たないだろう”、か? 心配は無用だ。ディムロスも分かるだろう? 氷と雪では密度が違う」
『成程、沢山の雪を降らせてもそれは小さな氷を生み出す事と変わらないと言う事だな?』
「その通り。俺の精神力の消費も実際はかなり少ない。消費量はMAX時の一割と言ったところだ。エメラルドリングの加護があるからな」
『一割か……少ない様で気になる消費だな……』
それを最後に、俺達は口を閉ざした。
早く動かなければならないのは分かってはいたが、何故か少し時間が必要に感じた。
ディムロスもそう思って居るのだろうか、先程から口を紡いだままだ。
四角く四つに分かれた窓から赤い光が俺達を照らしていた。この黴臭い暗闇の中、俺達だけが存在を許されているようだった。
片足を動かしてみる。
腐りかけの床が軋む音がして、俺の足が暗闇へと誘われた。
床はこの世のものとは思えない程冷たかった。氷よりもずっと。
不意に吐き気を覚えたが、耐える。この冷たさがきっと、死の温度なんだろうと思った。
目を火傷した手へと移す。その手に包帯が握られていた。
俺はその包帯をサックに入れる。負傷した際の為だ。
『ヴェイグ……そろそろ作戦を開始しなければ』
ヴェイグは体をびくんと震わせディムロスへ視線を落とした。
「ああ……すまない、行こう」
作戦を決行してから先ず行かなければなかない場所は決まっていた。この村周辺を十分確認出来、かつ不意打ちが可能なのはどんな場所か?
この複雑な村を地上から把握するのは不可能。
答えはある程度上の場所。不意打ちも暗くなれば空中からが好ましい。
そしてそれに適した場所をヴェイグとディムロスは良く知っていた。
鐘楼台。
無論鐘楼台は相手からも見つかり易い場所だが、うまい具合に鐘のある場所に身を屈めれば外からは見えない。
それに雪が降り始めれば視界はかなり悪くなる。
キープするには絶妙過ぎる場所だった。
「……いくぞ」
ドアノブがヴェイグの手により回された。彼等は家の外に出る。
ヴェイグは目を閉じる。
真紅の世界の中、全身から蒼の光を昇らせる青年をディムロスは見つめていた。
(神に頼るのは好きではないが……願わくば……神よ、我々に勝利を!)
ヴェイグの精神統一が終わる。
開かれた目には蒼の炎が宿り、彼が踏み締めた草花が一瞬にして凍り、弾ける。


異様な光景だがディムロスはそれを綺麗だと感じた。
ゆっくりとヴェイグが両手を空へ掲げる。
少なくともディムロスには世界が彼を中心にして回っているように見えた。
蒼の炎は両手へ集う。
大気を揺るがし、世界が冷気に沈む。
「氷のフォルスよ……この世界に吹雪を呼べ!」
彼の両手から発せられた一閃の光は空高く飛翔する。
やがてそれは見えなくなり、二、三秒間が空く。
『…!』
ディムロスはその景色に言葉を失った。見えなくなったそれは上空にて弾け、消えた場所を中心に蒼く輝く輪となり広がった。
セイファートリングを彷彿とさせたそれはこの世界にとって禁忌とされる程の美しさであり、存在してはいけないとすら思える色彩で輝く。
バトルロワイヤルという死の世界で、唯一許された芸術作品のようだった。
描かれた輪は各方角の地平線へと沈んで行く。同時に七色の波が紅の空に輝く。
その極光の光を見慣れた今は亡き極光術士がこの景色を見たとしても、問答無用で彼の言葉を奪って行ったであろう。
それ程までの美しさをこの極光は秘めていた。
それだけにこの死の世界が余計に映えて見えるのだが。
極光術士では無いがしかしそれを発生させた主、ヴェイグですら無言で空を仰ぐ事しか出来なかった。かつてノルゼン地方で極光は見たが、これ程までの美しいものは初めてだった。
そして数秒の後、今度は幾何学模様の氷の結晶が彼等へと降り注ぐ。
ゆっくりと、しかしそれは魔力の類でなければ溶ける事の無い、ミクロの世界で造られた絶対の芸術が降り注ぐ。
真っ赤な世界にその汚れ無き純白の雪は良く映えた。
「……成功だ。じきに雪が地面を覆うだろう」
『…ああ』
二人は空を仰いだまま言葉を交わす。
もう二度とその目に収める事は無いであろう美しい景色を、網膜に焼き付ける様に。
「ここまで綺麗な景色を見た事があるか?」
『いや、無い』ディムロスは即答し、続ける。『……最高の景色だ』
「同感だ……殺し合いである事を忘れる程に綺麗だ」
『……見とれ過ぎて本当に忘れないでくれよ、ヴェイグ』
ディムロスが冗談混じりに呟く。
「ふふ……あんたでも冗談は言えるんだな。出来れば忘れたいよ」
ヴェイグはそれに皮肉混じりに返した。
彼の笑顔を見たのは初めてかもしれん、とディムロスは思った。


『失礼な奴だ。ヴェイグ、お前は年長者への口の利き方を勉強した方が良いな』
「ふ…生憎だがディムロス、俺は今呑気に勉強している暇を持ち合わせていない」
くすりと笑い、ヴェイグは手を広げて見せた。
不自然に眼球の上に負かれた包帯が痛々しく感じた。
『それもそうだな。……では全てが終わった後にゆっくりと講釈してやろう』
馬鹿、全てが終わったら俺とあんたの命も終わるんだぞ、なんて言葉は言わない。
まぁ、なんとなくそれも悪くは無いと思うから。
俺と同じで不器用なあんたと一緒に居るのも。
……出来れば人間だった頃のあんたに、会いたかった。
「……楽しみにしている」
『……ああ』
この時だけは、殺し合いである事を忘れたかった。
ヴェイグはディムロスを握りゆっくりと一歩踏み出す。
うっすらと積もった雪に生きた証を刻みながら、ヴェイグは口を開く。
それは再び命に誓うと共に、忘れかけていた殺し合いへと出向く合図。
「……だから、」俺と一緒に行こう、ディムロス。「絶対に、」そして俺に口の聞き方を教えてくれ。「生き残るぞ」
―――約束だ。
勿論だ、という声が剣から聞こえた。
青年はもう、笑う事はしなかった。

―――――――――――――

『これは……』
アトワイトは唾を飲んだ。
ようやく、あの化け物に吹き飛ばされ死んでもいないというのに――いや、厳密には死んでいるが――廃墟の中に埋没されたという事象から脱出した途端に網膜に映された異様な景色。
輝く蒼い輪が消え、浮かぶは極光。
アトワイトですらその残酷なまでの美しさに言葉を盗まれたのだ。
ローバーアイテムで言葉は盗めるのかしら、などという馬鹿な事をアトワイトは考えた。
天使はただ茫然と空を仰いで立ち尽くす。全身に打撲とあらゆる細かい傷を負っている事すら失念して。
脳裏に過ぎるは地上軍拠点での夜。
あの極寒の地ではしばしば極光を望む事も可能であったが、赤い空へ浮かぶ極光は初めてであった。
本来吐き気を催す程奇妙な光景。しかし何故だろうか。アトワイトには嫌悪感を覚えなかった。
と、同時に感じる違和感。
『……気温が変わった……?』
それは急激な変化であった。アトワイトは辺りを見渡す。自分が埋没された瓦礫の山があるだけで特に変わった様子は無い。
自然現象では有り得ない変化。まるでこれから雪でも降るかのような……。
……ヴェイグ=リュングベルが何かしたのかしら?
『……雪?』


アトワイト――もといコレットの紅の眼球は同じく紅の空から舞い降りる一粒の結晶を認めた。
と、同時に疑問が浮かぶ。
『雪なんか降らせて何をするつもりなのかしら。この雪によりヴェイグ=リュングベルに齎される利益は……
 1、私達の体力消耗
 2、視界を奪う
 3、動きを鈍らせる
 ……ってとこよね? ……何か引っ掛かるわね』
アトワイトは片手で顎を擦った。何かが、おかしい。
見落としている?
何を?
いや、利益はこの三つ以外にありはしない筈だ。
しかしこの蟠りは何だ? 胸の奥にディープミストでも掛けられたかのような……。
……待て。よく考えるのよアトワイト=エックス。
この降雪行為は、明らかに割に合わないぞ?
『雪がどんどん激しくなって行く……』
アトワイトは舌打ちをした。
これでは天使の目や耳も役に立たない。そして相手の目的がさっぱり分からない。
これだけの雪は精神力をかなり使う筈。
なのに利益がたった三つとは思えない。
何か一つ……見落としが……。
アトワイトは雪がしんしんと降る中ただそれを考えながら歩き回っていた。
自分の現在地をヴェイグに掌握されているとも知らずに。

―――――――――――――

『どうだ、ヴェイグ?』
無人の家の中、机の上に置かれた剣が片目を失った青年、ヴェイグに問い掛ける。
対するヴェイグは椅子に座り込んだまま腕を組み、眉間に皺を寄せ目を閉じていた。
「……コレットはここからかなり近い。こちらからは遠ざかっているようだが。
 ミントは、死んだ……らしい。何故ならミトスが今鐘楼台では無く建造物が無い場所……恐らく中央広場に居るからな。
 シャーリィはミトスの方向へ進んでいるようだ……激突は免れないだろう。
 漁夫の利を得るにはチャンスだな」
残る人物が男と少女、化け物である事はヴェイグを安心させた。
個人が簡単に特定出来るためだ。
「あと、ミトスの方向から考えて、こちらは東地区のようだ。
 ……さて、どうするディムロス?」
腕組みを解き、両手を広げながらヴェイグは呟いた。
『……アトワイトとの接触は避ける。我々はミトスとシャーリィが出会うであろう場所へ向かう。
 ミトスはエターナルソードを持つのは我々だと思い込んでいるから、奴等は確実にぶつかるだろう。好都合だ。
 アトワイトの話が真実ならばレイズデッドを使えないミトスはシャーリィに苦戦を強いられる筈だ。


 だが恐らくミトスが勝つだとう。御互いに瀕死寸前の勝負にはなるだろうがな。
 まず我々はそれを静観し戦力と弱点を分析する。可能ならば不意打ちで瀕死の双方を仕留めてしまう』
それに頷くと、ヴェイグは再び腕を組んだ。
「やはりそれが最善か……しかし」
『そう。アトワイトの行動だけが不安要素。
 漁夫の利を狙うには邪魔な存在だ』
「……殺るか?」
『いや、苦戦は必須だ。奴の馬鹿力は半端では無いからな。出来れば交戦は避けたい』
「だが!」
『焦るな、ヴェイグ。この期を逃せば折角の雪とチャンスが台無しになるぞ。
 それにアトワイトの行動は我々に筒抜けだ。大きな問題は無い
 更にシャーリィを確実に倒せるレイズデッド使いはアトワイトだけだ。殺さずにキープしておけば役に立つかもしれない』
ヴェイグはディムロスの言葉に納得したようであり、俯いて黙した。
『……無いとは思うが、シャーリィがミトスを倒した場合は一時撤退。その後アトワイトに接触しシャーリィとミトスが交戦している、とブラフを告げる。
 アトワイトはミトスを優先するからまず確認しに行くだろう。
 我々はその後アトワイトとシャーリィの交戦を静観し、どちらかが倒れる瞬間に不意打ちを喰らわせる』
「分かった。鐘楼台には……行かないんだな」
コアクリスタルを輝かせながら、ディムロスは答えた。
『ああ。中央広場からは遠過ぎるからな。ミトスは余程急いだらしい』
ふと窓を見た。いつの間にか結露が始まっていて外の様子は伺えなかった。
「そろそろ行こう」
俺はそう呟くと、ディムロスを握った。
ふと窓に触れたくなり、硝子に指を這わせる。
その指による一本の線から外の様子を伺えるようになった。
何の事は無い、ただそれだけでそれ以上も以下も無かった。
窓から離れゆっくりとドアノブを握り、捻る。腐りかけの扉が軋みながら開いた。
冷たい空気と粉雪が皮膚を襲う。
『共に歩もう、ヴェイグ。この世界の……我々の―――果てまで』
辿り着く先がどんなに汚くてもいい。そこが間違いであってもいい。
生か死か、0か1か。その二択しか存在し無いのならば。生へと、1へと足掻け。
俺が、俺の心が此所に在る限り。
「……ああ」
そうさ。
迷う事なんて、何も無い。
それは0から1への一本道なのだから。





【ヴェイグ=リュングベル 生存確認】
状態:HP45%(ホーリィリングによる治癒) TP30% リオンのサック所持 左腕重度火傷 絶望 深い怒り 極めて冷静
   両腕内出血 背中に3箇所裂傷 中度疲労 左眼失明 胸甲無し 半暴走 迷いを克服
   エクスフィギュアの正体を誤解 キールの惨たらしい死に動揺
所持品:ミトスの手紙 メンタルバングル
    45ACP弾7発マガジン×3 ナイトメアブーツ ホーリィリング
エメラルドリング クローナシンボル フィートシンボル
基本行動方針:優勝してミクトランを殺す
第一行動方針:コレットを警戒しつつ中央広場へ
第二行動方針:漁夫の利を狙う
現在位置:C3村東地区某所・路地裏→C3村中央広場
備考:フォルスによる雪は自然には溶けません

【SD】
状態:自分への激しい失望及び憤慨 後悔 ヴェイグの感情に同調 感情希薄? エクスフィギュアの正体を誤解
基本行動方針:優勝してミクトランを殺す
第一行動方針:ヴェイグをサポートする
第二行動方針:シャーリィやミトスの戦力を見て分析する
第三行動方針:アトワイトが気になる
現在位置:C3村東地区某所・路地裏→C3村中央広場

【アトワイト=エックス@コレット 生存確認】
状態:HP30% TP20% コレットの精神への介入 ミトスへの羨望と同情 エクスフィア侵食 “コレット”消失
   思考を放棄したい 胸部に大裂傷(処置済) エクスフィギュアの正体を誤解 
   全身打撲 全身に擦り傷や切り傷
所持品:苦無(残り1)
ピヨチェック ホーリィスタッフ エクスフィア強化S・A(エクスフィア侵食中)
基本行動方針:積極的にミトスに従う
第一行動方針:取り敢えずミトスと合流したい
第二行動方針:エターナルソードを回収する
第三行動方針:可能であればヴェイグを懐柔する
現在位置:C3村東地区某所・路地裏→?
特記事項:エクスフィア強化S・Aを装備解除した時点でコレット死亡


【シャーリィ・フェンネス@グリッド 生存確認】
状態:HP及びTP全快
   エクスフィギュア化 決心? シャーリィの干渉 ネルフェス・エクスフィア寄生により感情希薄?
   力こそ正義?
所持品:マジックミスト 占いの本 ロープ6本 ハロルドレシピ プリムラ・ユアンのサック
    ネルフェス・エクスフィア リーダー用漆黒の翼バッジ メルディの漆黒の翼バッジ
    ダブルセイバー エターナルソード
    魔杖ケイオスハート ソーサラーリング(魔杖ケイオスハートと組み合わせて、火炎放射器として使用)
    ベレット セイファートキー ジェイのメモ ダオスの遺書 首輪×3
    凍らせたロイドの左腕 邪剣ファフニール
    C・ケイジ@I(水・雷・闇・氷・火) マジカルポーチ 分解中のレーダー
    実験サンプル(燃える草微量以外詳細不明) ハロルドメモ1・2 フェアリィリング(hiding)
    ハロルドの首輪 スティレット 金のフライパン ウィングパック(メガグランチャーとUZISMG入り)
基本行動方針(グリッド):???
第一行動方針(グリッド):ロイドの仇を取る
第ニ行動方針(グリッド):裏切りは許さない
基本行動方針(シャーリィ):全員殺してお兄ちゃんと会う
第一行動方針(シャーリィ):ヴェイグとカイル(特に前者)を殺す
第二行動方針(シャーリィ):生存者を見つければ殺す
第三行動方針(シャーリィ):グリッドを完全に乗っ取る
現在位置:C3村中央広場付近
備考:持ち物は全て体内に取り込んでいます
   グリッドの意識は現在ほぼありませんが、
   ショック等あればアリシアやアンナの時のように正気を取り戻すかもしれません
   正気に戻った場合支配権はグリッドに移ります


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