死を招く者
ぱららららららっ… ぱらららららっっ…
男、チェスターは、疲労を抑えながら、森林にまで轟くその音を耳に抑え込んだ。
これは? …チェスターは聞いた事すら無い、この不自然で、甲高い音の正体を脳裏で探る。
だが、答は出ない。チェスターは重い瞼を開き、静かに弓を手に立ち上がる。
唯一つだけ、分かった事はある。敵が居る。――それも、この近くに。
チェスターは両目を隼の如く尖らせながら、気配を殺す。そして、音の在り処を探る為に、耳を済ませる。
そして、万全の体勢で、何れ訪れる"獲物"を待ち続けた。
これは? …チェスターは聞いた事すら無い、この不自然で、甲高い音の正体を脳裏で探る。
だが、答は出ない。チェスターは重い瞼を開き、静かに弓を手に立ち上がる。
唯一つだけ、分かった事はある。敵が居る。――それも、この近くに。
チェスターは両目を隼の如く尖らせながら、気配を殺す。そして、音の在り処を探る為に、耳を済ませる。
そして、万全の体勢で、何れ訪れる"獲物"を待ち続けた。
まるで、獣が咆哮を繰り返すかの様に、ウージーがヒアデスの手で踊る。その度に、ぱらぱらと溢れんばかりの薬莢が零れる。
そしてヒアデスは、甲高い銃声音と同時に高笑いを繰り返し、そして時折「メルディ」の名をぶつぶつと呟いている。
「めるでぃぃ ぃぃ メルディィィィ めるでぃめるでぃめるでぃめるでぃぃぃ」
最早ヒアデスに、"正気"と呼ばれる物は、一片も無かった。が、当の本人はそれを気にする事無く、マシンガンの引き金を絞った。
そしてヒアデスは、甲高い銃声音と同時に高笑いを繰り返し、そして時折「メルディ」の名をぶつぶつと呟いている。
「めるでぃぃ ぃぃ メルディィィィ めるでぃめるでぃめるでぃめるでぃぃぃ」
最早ヒアデスに、"正気"と呼ばれる物は、一片も無かった。が、当の本人はそれを気にする事無く、マシンガンの引き金を絞った。
ぱららららららッ……!!
「近いな…。そろそろ、様子見程度に打つか。」
チェスターは、大木の陰に隠れつつ、毒塗られた矢を取り出し、弓にセットする。そうしている間にも、音は轟く。
ヒアデスと、チェスターの距離は、縮まる一方だ。チェスターの頬を冷たい汗が走る。
(もう、時間は無い!)
息を呑み、チェスターは手に握り締めた弓を放とうとした。
―――瞬間!
「近いな…。そろそろ、様子見程度に打つか。」
チェスターは、大木の陰に隠れつつ、毒塗られた矢を取り出し、弓にセットする。そうしている間にも、音は轟く。
ヒアデスと、チェスターの距離は、縮まる一方だ。チェスターの頬を冷たい汗が走る。
(もう、時間は無い!)
息を呑み、チェスターは手に握り締めた弓を放とうとした。
―――瞬間!
「ヒィャッハハハハハ!」
ウージーサブマシンガンの銃声音が止まり、同時に「笑い声」が響いた。……アミィを殺した張本人、ヒアデスの。
ウージーサブマシンガンの銃声音が止まり、同時に「笑い声」が響いた。……アミィを殺した張本人、ヒアデスの。
チェスターは再び息を呑んだ。足音を立てながら、ゆっくりと男が姿を現す。
手には筒状の、黒金で加工された何かが握られている。
筒の先端からは、チャコールグレイの煙が放たれ、次第に空気と同化していく。
(正体が掴めないか… ならば、やられる前に、やるしかない!)
その煙が完全に見えなくなった瞬間、虎視淡々と佇んでいたチェスターの手が弓が絞り、標的を狙う。
「紅蓮!!」
そして弓を放つ。
と、同時に、矢に異変が起こる。何の変化もない矢に炎が纏われ、ゴォッ、と火の粉を散らした。
炎を纏った矢は空気を切り裂き、ヒアデスに迫る。だが、チェスターが弓を絞ると同時に、ヒアデスは既に行動に移っていた。
ヒアデスの指が、引き金を引いたと同時に、銃声音は発せられた。
マズルフラッシュが眩く放たれ、火薬の破裂音が鼓膜を叩く。銃口から放たれた無数の銃弾が、矢に迫り行く。
およそ三個の銃弾が、起動に乗って矢と衝突する。
…その刹那 炎を纏った矢は曲げられた様に火の粉をそこら中に散らしながら、地面に墜落した。
チェスターは目を疑った。 …矢が、撃ち落とされただと!?
銃弾は矢を落としただけでは飽き足らず、そのまま直進し着弾を待つ。その内の何発かは、チェスターに着弾しようとしていた。
「くそっ!」
舌打ちし、チェスターは弓を手放し地面に転げ出す。銃弾は大木を掠り、闇の中に吸い込まれ行く。
チェスターはそのまま脅える事無く、弓を拾い上げて再び弓をセットする。
しかし、その隙が命取りになった。
ヒアデスが、ヒャハハハハハ、と高笑いした瞬間、再びウージーは火を噴いた。
ぱらららら…
薬莢を吐き出しながら、ウージーが銃弾を高速で放つ。反動が銃身を包み、揺れる。
チェスターが弓を引く前に、一発の銃弾はチェスターの脇腹に着弾する。
同時に、二発の弾丸が右胸部と、右足を掠り、その精密な先端と凄まじいスピードで肉を削り落とす。
「ぐあぁぁっ!!」
鮮血の溢れる脇腹を押さえながら、チェスターが悲鳴を発する。そして、うつ伏せに倒れこんだ。
それを見て、再びヒアデスが引き金を引こうと指を曲げる。ウージーが禍々しく、きらり、と閃いた。
カチリッ カチリッッ
だが、銃弾が発せられる事は無かった。
マガジンの弾が切れたのだ。チェスターにもこの時、反撃のチャンスは与えられたのだが―――とても、そのチャンスを掴める状態ではなかった。
「メルディ――」
ヒアデスが寂しげに呟き、ウージーからマガジンを放出する。そして予め、支給されたマガジンを取り出し、装着した。
30個もの銃弾がウージー・サブマシンガンに込められ、ヒアデスはそれをチェスターに向けた。
「めるでぃ… めるでぃ めるでぃ めるでぃ めるでぃめるでぃめるでぃめるでぃめるでぃ……」
手には筒状の、黒金で加工された何かが握られている。
筒の先端からは、チャコールグレイの煙が放たれ、次第に空気と同化していく。
(正体が掴めないか… ならば、やられる前に、やるしかない!)
その煙が完全に見えなくなった瞬間、虎視淡々と佇んでいたチェスターの手が弓が絞り、標的を狙う。
「紅蓮!!」
そして弓を放つ。
と、同時に、矢に異変が起こる。何の変化もない矢に炎が纏われ、ゴォッ、と火の粉を散らした。
炎を纏った矢は空気を切り裂き、ヒアデスに迫る。だが、チェスターが弓を絞ると同時に、ヒアデスは既に行動に移っていた。
ヒアデスの指が、引き金を引いたと同時に、銃声音は発せられた。
マズルフラッシュが眩く放たれ、火薬の破裂音が鼓膜を叩く。銃口から放たれた無数の銃弾が、矢に迫り行く。
およそ三個の銃弾が、起動に乗って矢と衝突する。
…その刹那 炎を纏った矢は曲げられた様に火の粉をそこら中に散らしながら、地面に墜落した。
チェスターは目を疑った。 …矢が、撃ち落とされただと!?
銃弾は矢を落としただけでは飽き足らず、そのまま直進し着弾を待つ。その内の何発かは、チェスターに着弾しようとしていた。
「くそっ!」
舌打ちし、チェスターは弓を手放し地面に転げ出す。銃弾は大木を掠り、闇の中に吸い込まれ行く。
チェスターはそのまま脅える事無く、弓を拾い上げて再び弓をセットする。
しかし、その隙が命取りになった。
ヒアデスが、ヒャハハハハハ、と高笑いした瞬間、再びウージーは火を噴いた。
ぱらららら…
薬莢を吐き出しながら、ウージーが銃弾を高速で放つ。反動が銃身を包み、揺れる。
チェスターが弓を引く前に、一発の銃弾はチェスターの脇腹に着弾する。
同時に、二発の弾丸が右胸部と、右足を掠り、その精密な先端と凄まじいスピードで肉を削り落とす。
「ぐあぁぁっ!!」
鮮血の溢れる脇腹を押さえながら、チェスターが悲鳴を発する。そして、うつ伏せに倒れこんだ。
それを見て、再びヒアデスが引き金を引こうと指を曲げる。ウージーが禍々しく、きらり、と閃いた。
カチリッ カチリッッ
だが、銃弾が発せられる事は無かった。
マガジンの弾が切れたのだ。チェスターにもこの時、反撃のチャンスは与えられたのだが―――とても、そのチャンスを掴める状態ではなかった。
「メルディ――」
ヒアデスが寂しげに呟き、ウージーからマガジンを放出する。そして予め、支給されたマガジンを取り出し、装着した。
30個もの銃弾がウージー・サブマシンガンに込められ、ヒアデスはそれをチェスターに向けた。
「めるでぃ… めるでぃ めるでぃ めるでぃ めるでぃめるでぃめるでぃめるでぃめるでぃ……」
「…俺は…まだ、死ねない…。」
チェスターは、重くなった拳を握り締め視線をヒアデスに向ける。被弾した際にこぼれ落ちた鮮血は、地面に茂る雑草を変色させている。
眩暈が起こり、頭痛が重く圧し掛かり、視界がくらくらと揺れる。
弓をそのまま取ろうとしたが、激痛で足が動かない。しかし、まだ自分に「手」は残されている。
チェスターは弓の代わりに、一回り長めのスピアを取り出す。そして、その剣の如く精鋭な先端を、ヒアデスに向ける。
殺さなければならない、こいつを殺さなければ、アミィと、仲間達は助からない!
チェスターは頭の中で何度もそう呟きながら、スピアを手に体を無理に体を動かす。駆け巡る激痛が、体を侵食する。
だがその痛みも、次第に和らいで行く気がした。スピアを天に掲げ、それをヒアデスの心臓目掛けて一直線に投げつけた。
ヒアデスは驚き、咄嗟にウージーの引き金を絞ろうとする。しかし、ヒアデスの指が引き金に向かうよりも数秒早く、スピアはヒアデスの――
…左肩を掠めた。
スピアの先端は心臓ではなく、左肩掠っただけだった。スピアは空しく空気を切り、地に突き刺さる。
だが、ヒアデスはその突然のダメージに驚き、ウージーを手放してしまった。ウージーは薙ぎ払われた様に、森の中に転げ落ちる。
明らかに火力が落ちた。
(しめた、ここで止め――ッッ!)
そう思った次の瞬間、チェスターの体を衝撃が走った。ぐらん、と体が揺れ、強い衝動で体が弾き飛ばされる。
ヒアデスが瞬時に詠唱したサンダーブレードが、チェスターを直撃したのだ。
「違う チガウ コイツハ メルディ デハナイ デハナイ ダカラコロスダカラコロスダカラコロス」
…それと同時に、チェスターを「敵」と判断したヒアデスの目に、殺気が強く漲った。
チェスターは、重くなった拳を握り締め視線をヒアデスに向ける。被弾した際にこぼれ落ちた鮮血は、地面に茂る雑草を変色させている。
眩暈が起こり、頭痛が重く圧し掛かり、視界がくらくらと揺れる。
弓をそのまま取ろうとしたが、激痛で足が動かない。しかし、まだ自分に「手」は残されている。
チェスターは弓の代わりに、一回り長めのスピアを取り出す。そして、その剣の如く精鋭な先端を、ヒアデスに向ける。
殺さなければならない、こいつを殺さなければ、アミィと、仲間達は助からない!
チェスターは頭の中で何度もそう呟きながら、スピアを手に体を無理に体を動かす。駆け巡る激痛が、体を侵食する。
だがその痛みも、次第に和らいで行く気がした。スピアを天に掲げ、それをヒアデスの心臓目掛けて一直線に投げつけた。
ヒアデスは驚き、咄嗟にウージーの引き金を絞ろうとする。しかし、ヒアデスの指が引き金に向かうよりも数秒早く、スピアはヒアデスの――
…左肩を掠めた。
スピアの先端は心臓ではなく、左肩掠っただけだった。スピアは空しく空気を切り、地に突き刺さる。
だが、ヒアデスはその突然のダメージに驚き、ウージーを手放してしまった。ウージーは薙ぎ払われた様に、森の中に転げ落ちる。
明らかに火力が落ちた。
(しめた、ここで止め――ッッ!)
そう思った次の瞬間、チェスターの体を衝撃が走った。ぐらん、と体が揺れ、強い衝動で体が弾き飛ばされる。
ヒアデスが瞬時に詠唱したサンダーブレードが、チェスターを直撃したのだ。
「違う チガウ コイツハ メルディ デハナイ デハナイ ダカラコロスダカラコロスダカラコロス」
…それと同時に、チェスターを「敵」と判断したヒアデスの目に、殺気が強く漲った。
【チェスター 生存確認】
所持品:サバイバルナイフ 木の弓 木の矢 毒(液体)
行動方針:ヒアデスとの戦いに勝つ/ゲームに優勝し、アミィ(+仲間達)を蘇らせる
現在地:C5の橋付近
状態:全身に少々の火傷。右胸、右足に軽傷。脇腹を強く負傷。めまい・頭痛
所持品:サバイバルナイフ 木の弓 木の矢 毒(液体)
行動方針:ヒアデスとの戦いに勝つ/ゲームに優勝し、アミィ(+仲間達)を蘇らせる
現在地:C5の橋付近
状態:全身に少々の火傷。右胸、右足に軽傷。脇腹を強く負傷。めまい・頭痛
【ヒアデス 生存確認】
所持品:UZI SMG(30連マガジン5つ付き 現在は森の中へ弾き飛ばされた)他は不明
行動方針:チェスターとの戦いに勝つ/メルディ以外の人間(ミクトラン含む)を皆殺しにする。
現在地:C5の橋付近
状態:発狂(幻覚が見える) 左肩負傷)
所持品:UZI SMG(30連マガジン5つ付き 現在は森の中へ弾き飛ばされた)他は不明
行動方針:チェスターとの戦いに勝つ/メルディ以外の人間(ミクトラン含む)を皆殺しにする。
現在地:C5の橋付近
状態:発狂(幻覚が見える) 左肩負傷)