因果応報―終わりの始まり―(後編) ◆KKid85tGwY
「ここなら、とりあえず大丈夫だろう…………翠星石が」
上田は翠星石を降ろし、床に横たえる。
無事を確認した。と言っても、あくまでそれは命に別状が無いことを確認しただけに過ぎない。
上田は医者では無いし、ましてや相手は人形。
異常があっても、上田には察知しようが無い。
無事を確認した。と言っても、あくまでそれは命に別状が無いことを確認しただけに過ぎない。
上田は医者では無いし、ましてや相手は人形。
異常があっても、上田には察知しようが無い。
「…………うぅ」
翠星石は意識が有るのか無いのかも定かにならない様子で呻いている。
そしてその手を伸ばし始めた。
最初はただうなされているだけと、気にも止めなかった上田だが、
やがて何かを求めての行動だと感付く。
翠星石は必死に上田の方へ手を伸ばす。
そしてその手を伸ばし始めた。
最初はただうなされているだけと、気にも止めなかった上田だが、
やがて何かを求めての行動だと感付く。
翠星石は必死に上田の方へ手を伸ばす。
「……どうした? 何か欲しいのか? 握手か? サインか? それとも私と一緒に写真が撮りたいのか!?」
自分に何かを求められていると矢継ぎ早に質問する上田。
しかし翠星石の手は、上田自身ではなくその上着のポケットに伸びていた。
淡い光が漏れるポケットに。
しかし翠星石の手は、上田自身ではなくその上着のポケットに伸びていた。
淡い光が漏れるポケットに。
「これは、石が自分で発光している……君はこれが欲しいのか?」
淡い光はポケットの中に入れていた石から放たれていた。
取り出したそれに翠星石が触れると、若干表情が和らいぐ。
取り出したそれに翠星石が触れると、若干表情が和らいぐ。
「これはLさんからの餞別だが……女の子である君が持った方が似合うかもしれないな」
僅かに名残惜しそうにした上田だったが、やがて観念して石を翠星石に手渡す。
それを抱きしめるようにうずくまった翠星石は、静かな寝息を上げ始めた。
それを抱きしめるようにうずくまった翠星石は、静かな寝息を上げ始めた。
翠星石の様子を見て安心した上田は、龍騎とシャドームーンの様子を伺いに向かった。
(…………あったけーですぅ)
残された翠星石は、混濁する意識の中で愛おしそうに石を抱き続ける。
石から伝わるぬ温もりは、陽光のような安堵感を翠星石に与えている。
そしてその温もりが、少しづつだが翠星石の体内に取り込まれて行く。
まるでローザミスティカのごとく。
石から伝わるぬ温もりは、陽光のような安堵感を翠星石に与えている。
そしてその温もりが、少しづつだが翠星石の体内に取り込まれて行く。
まるでローザミスティカのごとく。
(…………力が……力が溢れてくるです…………)
石を取り込み、自身の内側に経験したことも無いような力が漲る翠星石。
翠星石の中に在った四個のローザミスティカも、その力に呼応する。
まるで共鳴するように呼応する五つの輝石。
翠星石の中に在った四個のローザミスティカも、その力に呼応する。
まるで共鳴するように呼応する五つの輝石。
世界を異として出会うはずの無かった二種の賢者の石がここに邂逅する。
◇
『SWORD VENT』
電子音声と共に龍騎の右手に光の粒子が流れ込む。
原子構造から形成されるは白刃の長剣。
対するシャドームーンも紅刃を構える。
シャドームーンの白銀の装甲には無数の傷が付いており、中から生々しい焼け跡まで見える。
戦いは終始、能力で勝る龍騎の優勢で進んでいた。
それでも、龍騎には次第に焦りが募っていた。
どれほどのダメージを与えても、未だシャドームーンの動きに衰えが見えない。
そのため決定打を打てないのだ。
凄まじいまでの耐久力と持久力。
対する今の龍騎は、自分にも変身時間に制限が有るのかどうかすら定かでは無い。
そして変身が解ければ、今度こそ最後だ。
負ける気がしないはずの戦いに、再び暗雲が立ち込めていた。
原子構造から形成されるは白刃の長剣。
対するシャドームーンも紅刃を構える。
シャドームーンの白銀の装甲には無数の傷が付いており、中から生々しい焼け跡まで見える。
戦いは終始、能力で勝る龍騎の優勢で進んでいた。
それでも、龍騎には次第に焦りが募っていた。
どれほどのダメージを与えても、未だシャドームーンの動きに衰えが見えない。
そのため決定打を打てないのだ。
凄まじいまでの耐久力と持久力。
対する今の龍騎は、自分にも変身時間に制限が有るのかどうかすら定かでは無い。
そして変身が解ければ、今度こそ最後だ。
負ける気がしないはずの戦いに、再び暗雲が立ち込めていた。
亜音速で一足飛びに間合いを詰める龍騎。
そして超音速の白刃を振り下ろす。
しかしシャドームーンの紅刃に受け止められた。
いかに超音速でも龍騎の戦闘は既に何度もマイティアイで解析している。
その太刀筋は予測可能。
しかし次の変化には、予測が追いついても身体は追いつかない。
跳ね上げる白刃は一閃の元、シルバーガードを通り抜ける。
その威力を受けて仰け反るシャドームーン。
一拍を置いて、シルバーガードが火花を上げて切り裂かれた。
そして超音速の白刃を振り下ろす。
しかしシャドームーンの紅刃に受け止められた。
いかに超音速でも龍騎の戦闘は既に何度もマイティアイで解析している。
その太刀筋は予測可能。
しかし次の変化には、予測が追いついても身体は追いつかない。
跳ね上げる白刃は一閃の元、シルバーガードを通り抜ける。
その威力を受けて仰け反るシャドームーン。
一拍を置いて、シルバーガードが火花を上げて切り裂かれた。
『まだだ!! もっと深く切り裂け!!!』
龍騎は更に白刃を振り下ろす。
そして停止する。
白刃を振る龍騎の身体ごと、その運動が停止した。
シャドームーンの手から伸びるシャドービーム。
無数に枝分かれするそれが、龍騎の全身を捕捉。
その動きを止めていた。
シャドームーンの構える紅刃に対し、防御も回避も術が無い。
そして停止する。
白刃を振る龍騎の身体ごと、その運動が停止した。
シャドームーンの手から伸びるシャドービーム。
無数に枝分かれするそれが、龍騎の全身を捕捉。
その動きを止めていた。
シャドームーンの構える紅刃に対し、防御も回避も術が無い。
『STRIKE VENT』
しかし今の龍騎は両手を使わなくとも、アドベントカードを使用可能。
ベントインと共、龍騎の右腕にドラグクローが装着される。
同時に右腕を捕捉していたシャドービームからも解き放たれた。
龍騎は自由になった右腕を前方に繰り出す。
そして龍騎の背後に現出したドラグレッダーも、その動きに沿って飛翔。
口中から火炎放射を放つ。
ベントインと共、龍騎の右腕にドラグクローが装着される。
同時に右腕を捕捉していたシャドービームからも解き放たれた。
龍騎は自由になった右腕を前方に繰り出す。
そして龍騎の背後に現出したドラグレッダーも、その動きに沿って飛翔。
口中から火炎放射を放つ。
仮面ライダー龍騎 正義武装・ストライクベント<真・昇竜突破>
再び火炎にその全身が呑み込まれるシャドームーン。
その火炎から光を纏った両足が飛び出した。
両足を揃えて放つその技こそ、シャドームーン最大最強の攻撃・シャドーキック。
キングストーンのエネルギーに二つのレッグトリガーに拠る超振動を加えた威力は、
火炎の濁流を突き破り、ドラグレッダーを襲う。
シャドーキックはドラグレッダーの肩にあたる装甲を破壊。
一瞬にして装甲を破壊されたドラグレッダーは、
ちょうどオフセット衝突を起こした乗用車のごとく、錐揉み回転を起こして横転。
意識を失うドラグレッダー。しかし命はある。
シャドーキックを受けて命があったのは、その打点がずれていたため。
シャドーキックの照準は別に在る。
火炎放射もドラグレッダーも突き抜け、シャドーキックは龍騎本体に襲い掛かった。
その火炎から光を纏った両足が飛び出した。
両足を揃えて放つその技こそ、シャドームーン最大最強の攻撃・シャドーキック。
キングストーンのエネルギーに二つのレッグトリガーに拠る超振動を加えた威力は、
火炎の濁流を突き破り、ドラグレッダーを襲う。
シャドーキックはドラグレッダーの肩にあたる装甲を破壊。
一瞬にして装甲を破壊されたドラグレッダーは、
ちょうどオフセット衝突を起こした乗用車のごとく、錐揉み回転を起こして横転。
意識を失うドラグレッダー。しかし命はある。
シャドーキックを受けて命があったのは、その打点がずれていたため。
シャドーキックの照準は別に在る。
火炎放射もドラグレッダーも突き抜け、シャドーキックは龍騎本体に襲い掛かった。
今度こそ真っ向からぶつかり合う、ドラグクローとシャドーキック。
耳を劈くような破裂音が轟く。
シャドーキックの直撃を受けたドラグクローは粉々に砕け散る。
そしてシャドーキックの威力は龍騎自身にも到達。
踏ん張ることもできず背中からアスファルトを滑る龍騎。
耳を劈くような破裂音が轟く。
シャドーキックの直撃を受けたドラグクローは粉々に砕け散る。
そしてシャドーキックの威力は龍騎自身にも到達。
踏ん張ることもできず背中からアスファルトを滑る龍騎。
衝撃と痛みが全身を駆け巡る。
意識を保つのにも、苦痛が伴う。
それでも全身から湧き出る力が、再び龍騎を立ち上がらせた。
まるで劉鳳に支えられているかのように。
しかし龍騎には、僅かにも安堵に浸る時間は与えられない。
シャドームーンが指先を向けている。
意識を保つのにも、苦痛が伴う。
それでも全身から湧き出る力が、再び龍騎を立ち上がらせた。
まるで劉鳳に支えられているかのように。
しかし龍騎には、僅かにも安堵に浸る時間は与えられない。
シャドームーンが指先を向けている。
『避けろ!!』
シャドービームが掠めながら、横に転がる龍騎。
シャドービームの被弾は回避できた。
はずの龍騎が、呻くような声を上げて右手を押さえる。
シャドービームの被弾は回避できた。
はずの龍騎が、呻くような声を上げて右手を押さえる。
「フッ、なるほど。変身はしても、所詮は人間と言うことか」
今度はシャドームーンが一足飛びに龍騎との間合いを詰めて来る。
それを見据えながら反応が遅れる龍騎。
サタンサーベルが翻り、幾筋も紅い閃きが走る。
それらを紙一重で避けていく龍騎。
今の龍騎は動体視力に反応速度まで強化されている。
しかし龍騎は回避に専念。と言うより回避することがやっとと言った状態だ。
まるで衰えを見せないシャドームーンの攻勢に押される龍騎。
背中がぶつかる。
ぶつかったのは民家の壁。
龍騎は気づかぬ内に地理的に追い詰められていた。
それを見据えながら反応が遅れる龍騎。
サタンサーベルが翻り、幾筋も紅い閃きが走る。
それらを紙一重で避けていく龍騎。
今の龍騎は動体視力に反応速度まで強化されている。
しかし龍騎は回避に専念。と言うより回避することがやっとと言った状態だ。
まるで衰えを見せないシャドームーンの攻勢に押される龍騎。
背中がぶつかる。
ぶつかったのは民家の壁。
龍騎は気づかぬ内に地理的に追い詰められていた。
シャドームーンが斜めからサタンサーベルを切り下ろす。
龍騎が遅れて左腕に在る手甲、ドラグバイザーを打ち出した。
しかしサタンサーベルは曲線軌道を描き、ドラグバイザーは直線軌道を取る。
後れを取ることなく、ドラグバイザーがサタンサーベルの鍔を受け止めた。
即座に左脚で回し蹴りを放つシャドームーン。
龍騎が遅れて左腕に在る手甲、ドラグバイザーを打ち出した。
しかしサタンサーベルは曲線軌道を描き、ドラグバイザーは直線軌道を取る。
後れを取ることなく、ドラグバイザーがサタンサーベルの鍔を受け止めた。
即座に左脚で回し蹴りを放つシャドームーン。
「ぐわああああぁぁっ!!!」
龍騎の苦悶の叫びが木霊する。
蹴りを右腕に受けた龍騎は、アスファルトを滑っていった。
それでも荒い息を吐き、右腕を押さえながら立ち上がる。
命の限りに戦うだけの覚悟は有る。
しかし覚悟で、痛みその物を打ち消すことができる訳ではない。
そして折れた骨も。
蹴りを右腕に受けた龍騎は、アスファルトを滑っていった。
それでも荒い息を吐き、右腕を押さえながら立ち上がる。
命の限りに戦うだけの覚悟は有る。
しかし覚悟で、痛みその物を打ち消すことができる訳ではない。
そして折れた骨も。
「やはり右腕を骨折しているな」
どこまでも冷徹に響くシャドームーンの声。
吐息にも苦悶の色が混じる龍騎。
龍騎の進化はシャドームーンをも上回る物だった。
しかし真司自身はどこまでも生身の人間なのだ。
吐息にも苦悶の色が混じる龍騎。
龍騎の進化はシャドームーンをも上回る物だった。
しかし真司自身はどこまでも生身の人間なのだ。
自らに残った最後の力を振り絞る龍騎。
傲然と見下ろすのは、その心身までも世紀王と化したシャドームーン。
それでも立ち向かうことができるのは、今の龍騎に二人の力と意思が込められているからだ。
傲然と見下ろすのは、その心身までも世紀王と化したシャドームーン。
それでも立ち向かうことができるのは、今の龍騎に二人の力と意思が込められているからだ。
『まだ戦えるな、真司』
「……ああ。まだ戦えるぜ、劉鳳」
『悪は処断しなくてはならない』
「みんなを、守らないとな」
『「そう思うだろう!? お前も!!!』」
命を搾り出すような雄叫びを上げる龍騎。
命の温度すら感じさせぬ佇まいで屹立するシャドームーン。
命の温度すら感じさせぬ佇まいで屹立するシャドームーン。
同時に地を蹴る龍騎とシャドームーン。
交差する龍騎の拳足とシャドームーンのサタンサーベル。
龍騎の蹴りが、シャドームーンのシルバーガードを抉る。
怯むことなく攻め立てるシャドームーン。
シャドームーンのサタンサーベルが、龍騎の胸の装甲を切り裂く。
臆することなく攻め立てる龍騎。
交差する龍騎の拳足とシャドームーンのサタンサーベル。
龍騎の蹴りが、シャドームーンのシルバーガードを抉る。
怯むことなく攻め立てるシャドームーン。
シャドームーンのサタンサーベルが、龍騎の胸の装甲を切り裂く。
臆することなく攻め立てる龍騎。
痛みも恐れも超え、傷付き消耗しながらも、幾度となく続く攻防。
変化は何の前触れもなく訪れた。
シャドームーンがシャドーチャージャーから直接シャドービームを放つ。
もっともその攻撃は龍騎の予想範囲内。
シャドーチャージャーから光が漏れた時点で、龍騎は運動能力の優位を駆使して、
シャドームーンの正面から回避して側面に回りこんでいた。
しかしシャドービームの標的は、龍騎ではない。
シャドービームは地面に龍騎が立っていた地面に着弾。
キングストーンから生成したエネルギーが地面に炸裂して、爆発を起こす。
空気が全方位へ急激に膨張して衝撃波と化す。
アスファルトが一瞬にして原形も留めず破壊。破片が炸裂弾と化して周囲に撒き散らされた。
龍騎の全身に衝撃波とアスファルトが叩きつけられる。
衝撃波によってシャドームーンの身体が浮き上がる。
変化は何の前触れもなく訪れた。
シャドームーンがシャドーチャージャーから直接シャドービームを放つ。
もっともその攻撃は龍騎の予想範囲内。
シャドーチャージャーから光が漏れた時点で、龍騎は運動能力の優位を駆使して、
シャドームーンの正面から回避して側面に回りこんでいた。
しかしシャドービームの標的は、龍騎ではない。
シャドービームは地面に龍騎が立っていた地面に着弾。
キングストーンから生成したエネルギーが地面に炸裂して、爆発を起こす。
空気が全方位へ急激に膨張して衝撃波と化す。
アスファルトが一瞬にして原形も留めず破壊。破片が炸裂弾と化して周囲に撒き散らされた。
龍騎の全身に衝撃波とアスファルトが叩きつけられる。
衝撃波によってシャドームーンの身体が浮き上がる。
(……違う! シャドームーンは自分で飛んでいるんだ!!)
空中で旋回して龍騎の頭上まで飛び上がるシャドームーン。
その挙動からシャドームーンは衝撃波を受ける前に跳躍していると悟った。
しかしそれを悟った時には、既に龍騎の体勢は衝撃波とアスファルトによって崩れていた。
反応が間に合わない。
レッグトリガーの超振動が込められたシャドームーンの蹴りが、龍騎の頭部に直撃する。
揺れる龍騎の頭部。
酩酊する視界。
龍騎は自分の状態も判らない蒙昧状態に陥った。
その挙動からシャドームーンは衝撃波を受ける前に跳躍していると悟った。
しかしそれを悟った時には、既に龍騎の体勢は衝撃波とアスファルトによって崩れていた。
反応が間に合わない。
レッグトリガーの超振動が込められたシャドームーンの蹴りが、龍騎の頭部に直撃する。
揺れる龍騎の頭部。
酩酊する視界。
龍騎は自分の状態も判らない蒙昧状態に陥った。
膝から崩れ両手を地面につくこともできず倒れこむ龍騎を見下ろすシャドームーン。
先ほどの蹴りはキングストーンのエネルギーをチャージすることが間に合わなかったが、
それでも龍騎に充分なダメージを与えることができた。
そしてキングストーンのエネルギーのチャージが完了する。
今の龍騎ならば確実に殺すことができるエネルギーが。
先ほどの蹴りはキングストーンのエネルギーをチャージすることが間に合わなかったが、
それでも龍騎に充分なダメージを与えることができた。
そしてキングストーンのエネルギーのチャージが完了する。
今の龍騎ならば確実に殺すことができるエネルギーが。
『立て、真司!!!』
劉鳳の叱咤が飛ぶが、龍騎は立ち上がることができない。
見下ろすシャドームーンはサタンサーベルを振り上げる。
ラプラスを殺した時のようにエネルギーをサタンサーベルに送り込まれたのだ。
世紀王に歯向かった愚者を処断するために。
サタンサーベルの紅い刀身にキングストーンの光が宿る。
閃光が走った。
振り返るシャドームーン。
そこにはドラグレッダーが居た。
ドラグレッダーの肩の装甲から伸びる触手。
それを閃光のごとく飛ばし、サタンサーベルを握るシャドームーンの腕に巻き付いていた。
見下ろすシャドームーンはサタンサーベルを振り上げる。
ラプラスを殺した時のようにエネルギーをサタンサーベルに送り込まれたのだ。
世紀王に歯向かった愚者を処断するために。
サタンサーベルの紅い刀身にキングストーンの光が宿る。
閃光が走った。
振り返るシャドームーン。
そこにはドラグレッダーが居た。
ドラグレッダーの肩の装甲から伸びる触手。
それを閃光のごとく飛ばし、サタンサーベルを握るシャドームーンの腕に巻き付いていた。
ドラグレッダーは絶影と融合を果たした。
それは劉鳳のアルターとなったことと同義である。
アルターなのだから、それは劉鳳の意思に拠っても動くことが可能。
それは劉鳳のアルターとなったことと同義である。
アルターなのだから、それは劉鳳の意思に拠っても動くことが可能。
ドラグレッダーはもう一本の触手も伸ばす。
シャドームーンの両腕、両脚、胴体と全身のあらゆる部位を巻き込んで拘束していった。
シャドームーンの両腕、両脚、胴体と全身のあらゆる部位を巻き込んで拘束していった。
『今だ真司!! 立て!!!』
「…………う、うぅ……」
『お前にはまだ残っているはずだ!! 切り札が!!!』
「……う、うおおおおおおおおおおおお!!!」
劉鳳の叱咤が龍騎の意識に届く。
そして龍騎はアドベントカードをベントインした。
最強にして、おそらく最後の切り札を。
そして龍騎はアドベントカードをベントインした。
最強にして、おそらく最後の切り札を。
『FINAL VENT』
龍騎の背中から双翼のごとき炎が上がる。
炎に押された龍騎は天高く舞い上がった。
そして龍騎に向かい周囲の道路、建物を問わずあらゆる雑物が光の粒子に還元されて集まっていく。
光の粒子は超高密度の紅焔と化し、龍騎の周囲に旋回。
紅焔は、龍騎の足先に収束される流れを形作っていく。
そして双翼のごとき炎を背後に噴射。
伸ばした足先から目標へ向けて突貫して行く。
それこそ仮面ライダー龍騎が、そしてかの仮面ライダーブラックが、
最も多くの敵を打倒した必殺技・ライダーキック。
炎に押された龍騎は天高く舞い上がった。
そして龍騎に向かい周囲の道路、建物を問わずあらゆる雑物が光の粒子に還元されて集まっていく。
光の粒子は超高密度の紅焔と化し、龍騎の周囲に旋回。
紅焔は、龍騎の足先に収束される流れを形作っていく。
そして双翼のごとき炎を背後に噴射。
伸ばした足先から目標へ向けて突貫して行く。
それこそ仮面ライダー龍騎が、そしてかの仮面ライダーブラックが、
最も多くの敵を打倒した必殺技・ライダーキック。
『ドラゴン!!!』
「ライダー!!!」
『「キイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィッッック!!!!!!』」
仮面ライダー龍騎 正義武装・ファイナルベント<真・ドラゴンライダーキック>
ライダーキックの目標はシャドームーン。
シャドームーンは全身を余す所無く触手によって拘束されている。
ライダーキックから逃れる術は無い。
シャドームーンは全身を余す所無く触手によって拘束されている。
ライダーキックから逃れる術は無い。
「世紀王を……舐めるな!」
シャドームーンに残った右肘のエルボートリガー。
そこから超振動を発生させる。
超振動は右腕を覆っていた触手を瞬時に破砕。
自由を取り戻す右腕。
そこにチャージしていたキングストーンのエネルギーを送り込む。
キングストーンのエネルギーによって翠色の輝きを放つ右拳を打ち出した。
キングストーンのエネルギーとエルボートリガーの超振動の威力を加えた拳撃・シャドーパンチ。
目標は仮面ライダー龍騎。
そこから超振動を発生させる。
超振動は右腕を覆っていた触手を瞬時に破砕。
自由を取り戻す右腕。
そこにチャージしていたキングストーンのエネルギーを送り込む。
キングストーンのエネルギーによって翠色の輝きを放つ右拳を打ち出した。
キングストーンのエネルギーとエルボートリガーの超振動の威力を加えた拳撃・シャドーパンチ。
目標は仮面ライダー龍騎。
仮面ライダー龍騎 正義武装の最大出力とキングストーンのエネルギーが衝突。
した瞬間、光が世界を覆う。
衝突に拠って発生した光が天を、地を、掛け値なく景色の全てを埋め尽くしたのだ。
遅れて発生する轟音。
どころではなく、大気全体が止め処なく震える。
した瞬間、光が世界を覆う。
衝突に拠って発生した光が天を、地を、掛け値なく景色の全てを埋め尽くしたのだ。
遅れて発生する轟音。
どころではなく、大気全体が止め処なく震える。
世界の終末か、開闢の光景。
遠巻きに戦いを眺めていたヴァンも、C.C.も、上田も揃って、
そんな突飛も無い連想をする。
余りにも異常な状況だった。
それでも自分たちに直接の被害が来ないことには、すぐに気付く。
問題はこの状況の発生源に居たシャドームーンと龍騎である。
遠巻きに戦いを眺めていたヴァンも、C.C.も、上田も揃って、
そんな突飛も無い連想をする。
余りにも異常な状況だった。
それでも自分たちに直接の被害が来ないことには、すぐに気付く。
問題はこの状況の発生源に居たシャドームーンと龍騎である。
大気は震撼することを止まない。
それは事態が収束していないことを物語っていた。
ヴァンとC.C.と上田は開けない光の中で、ただ事態の収束を待つ。
それは事態が収束していないことを物語っていた。
ヴァンとC.C.と上田は開けない光の中で、ただ事態の収束を待つ。
「『「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」』」
異常の発生点。
ライダーキックとシャドーパンチの衝突点に、
大気の震えを越える、三つの雄叫びが木霊する。
龍騎と劉鳳、そしてシャドームーンまでもが咆哮を上げる。
三つの気迫に押されながら、ライダーキックとシャドーパンチは拮抗していた。
自身の膨大なエネルギーが、そのまま反動となって二人に返って行く。
反動が衝撃となって、龍騎の全身を絶え間なく襲う。
ライダーキックとシャドーパンチの衝突点に、
大気の震えを越える、三つの雄叫びが木霊する。
龍騎と劉鳳、そしてシャドームーンまでもが咆哮を上げる。
三つの気迫に押されながら、ライダーキックとシャドーパンチは拮抗していた。
自身の膨大なエネルギーが、そのまま反動となって二人に返って行く。
反動が衝撃となって、龍騎の全身を絶え間なく襲う。
「うおおおおおおっ!!!!」
耐え難い苦痛が叫びとなって龍騎の口から漏れる。
それでも揺らぎそうな身体を周囲の炎と装甲が支える。
劉鳳の力が支えていた。
その龍騎の装甲も、軋みを上げ続ける。
それでも揺らぎそうな身体を周囲の炎と装甲が支える。
劉鳳の力が支えていた。
その龍騎の装甲も、軋みを上げ続ける。
「!!!?」
音として存在した軋みは、やがて実体としての傷となって現れた。
そして小さな傷は亀裂として広がり始めた。
如何に仮面ライダーの装甲でも、実体としての金属物質であることに変わりは無い。
一度傷を負えば、この衝撃にはそう長くは耐えられない。
そして小さな傷は亀裂として広がり始めた。
如何に仮面ライダーの装甲でも、実体としての金属物質であることに変わりは無い。
一度傷を負えば、この衝撃にはそう長くは耐えられない。
『ダメージは俺が全て引き受ける。だからお前は防御の心配をするな!』
「…………劉鳳、お前だってこのままじゃ……」
『敵を倒すことだけを考えろ!! 後少しで、奴を貫ける!!!』
定まらない視界の中、眼を凝らしてシャドームーンの様子を見る。
白銀の装甲に覆われた世紀王の姿を。
その装甲にも、亀裂が入っていた。
白銀の装甲に覆われた世紀王の姿を。
その装甲にも、亀裂が入っていた。
世界を変貌させるような異常の只中にあっても、
シャドームーンはあくまでも世紀王として、絶対の闘志を以って臨む。
シルバーガードが軋みを上げて亀裂が入ろうと揺るがない。
世紀王は人工的に改造された筋肉と骨格、そして王者の輝石・キングストーンが有る。
対する仮面ライダーは外部装甲を破壊すれば、中身はただの人間。
ゴルゴムの技術の粋を集めて改造され、数万年以上を生きることができる世紀王とは歴然とした差異が存在する。
シャドーパンチは傷を負いながらも、確実にライダーキックを押し始めた。
シャドームーンはあくまでも世紀王として、絶対の闘志を以って臨む。
シルバーガードが軋みを上げて亀裂が入ろうと揺るがない。
世紀王は人工的に改造された筋肉と骨格、そして王者の輝石・キングストーンが有る。
対する仮面ライダーは外部装甲を破壊すれば、中身はただの人間。
ゴルゴムの技術の粋を集めて改造され、数万年以上を生きることができる世紀王とは歴然とした差異が存在する。
シャドーパンチは傷を負いながらも、確実にライダーキックを押し始めた。
龍騎の亀裂は徐々に、しかし確実に広がって行く。
足先だけだった物が脚部を上っていき、そして下腹部に到達する。
仮面ライダーの根幹たるカードデッキへと。
足先だけだった物が脚部を上っていき、そして下腹部に到達する。
仮面ライダーの根幹たるカードデッキへと。
「デッキが!!!」
『気を取られるな!!』
ミラーモンスターとの契約から成る仮面ライダーは、カードデッキが破壊されれば変身が不可能となる。
そしてそれはドラグレッダーも、そして劉鳳の終わりも意味する。
しかし劉鳳の声に微塵の惑いも存在しない。
そしてそれはドラグレッダーも、そして劉鳳の終わりも意味する。
しかし劉鳳の声に微塵の惑いも存在しない。
『翠星石を守るのなら! 誰も死なせたくないのなら!! それがお前の正義なら!!!
最後の最後まで貫き通せ!!!! 背負った命を無駄な物にしたくないのなら、お前の信念を貫き通せ!!!!』
最後の最後まで貫き通せ!!!! 背負った命を無駄な物にしたくないのなら、お前の信念を貫き通せ!!!!』
遂に亀裂がカードデッキを侵す。
表面を覆う金属の一部が欠けて落ちる。
そしてアドベントカードの一枚が、震撼する大気に呑まれ飛び去って行った。
真司は悟る。
ここに来ては、もう龍騎のカードデッキは助からない。
それは劉鳳も判っているのだろう。
それでも劉鳳は真司を激励する。
自らの最後を知りながら。
表面を覆う金属の一部が欠けて落ちる。
そしてアドベントカードの一枚が、震撼する大気に呑まれ飛び去って行った。
真司は悟る。
ここに来ては、もう龍騎のカードデッキは助からない。
それは劉鳳も判っているのだろう。
それでも劉鳳は真司を激励する。
自らの最後を知りながら。
ならばその意思から、逃げるわけには行かない。
「……劉鳳、貫くのは俺の信念じゃない…………俺とお前の信念だ!!!」
『ならば行くぞ!! 真司!!!』
「ああ、行くぜ劉鳳!!!」
『「貫けええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!』」
龍騎の装甲が音を立てて砕けていく。
しかし、それをマイティアイで見据えるシャドームーンを驚愕が襲う。
崩れる装甲と反比例するように、龍騎が纏う紅焔が勢いを増して行った。
しかし、それをマイティアイで見据えるシャドームーンを驚愕が襲う。
崩れる装甲と反比例するように、龍騎が纏う紅焔が勢いを増して行った。
龍騎が纏う紅焔はアルター能力によって形成された物。
そのアルターはドラグレッダーと融合を果たした劉鳳の魂が持つ能力。
そしてカードデッキで変身する仮面ライダーとは、契約者に契約したモンスターの力が付加されることによって成立する。
云わば契約者とミラーモンスターが、半ば融合を果たしている。それが仮面ライダーの能力の所以。
今、劉鳳と真司の魂が完全に重なったことにより、
その魂の力も二人分の物となった。
二つの魂が生み出す紅蓮の炎を纏った龍騎のライダーキック。
その威力はキングストーンのエネルギーを乗り越える。
そのアルターはドラグレッダーと融合を果たした劉鳳の魂が持つ能力。
そしてカードデッキで変身する仮面ライダーとは、契約者に契約したモンスターの力が付加されることによって成立する。
云わば契約者とミラーモンスターが、半ば融合を果たしている。それが仮面ライダーの能力の所以。
今、劉鳳と真司の魂が完全に重なったことにより、
その魂の力も二人分の物となった。
二つの魂が生み出す紅蓮の炎を纏った龍騎のライダーキック。
その威力はキングストーンのエネルギーを乗り越える。
シャドームーンの拳が拉げるように破砕。
右腕を覆うシルバーガードが砕け散っていく。
更に露出した人工筋肉が弾け飛び、人工骨格が粉砕する。
そしてライダーキックはシャドームーンの胴体に到達。
シャドームーンの胴体装甲が遂に粉砕して、そして内部の人工筋肉が紅蓮の炎に焼かれる。
右腕を覆うシルバーガードが砕け散っていく。
更に露出した人工筋肉が弾け飛び、人工骨格が粉砕する。
そしてライダーキックはシャドームーンの胴体に到達。
シャドームーンの胴体装甲が遂に粉砕して、そして内部の人工筋肉が紅蓮の炎に焼かれる。
龍騎のライダーキックはシャドーパンチにも、シャドームーンの耐久力にも遂に打ち勝った。
常に冷徹な威厳に満ちていたシャドームーンの、断末魔のごとき叫びが上がる。
それは世紀王の敗北を意味していた。
常に冷徹な威厳に満ちていたシャドームーンの、断末魔のごとき叫びが上がる。
それは世紀王の敗北を意味していた。
紅蓮の炎に巻かれながら、魔王は姿は消えて行った。
(勝ったな……)
『よくやったな真司。お前と最後に戦えたことを誇りに思う』
最早しゃべる力も残っていない真司。
龍騎の装甲は粉々に砕け散った。
そしてカードデッキも。
劉鳳も、空中に投げ出された真司も、もう助からないだろう。
全てを出し切って、そして劉鳳と共に戦いシャドームーンに打ち勝った。
真司は満足げな笑みを浮かべる。
龍騎の装甲は粉々に砕け散った。
そしてカードデッキも。
劉鳳も、空中に投げ出された真司も、もう助からないだろう。
全てを出し切って、そして劉鳳と共に戦いシャドームーンに打ち勝った。
真司は満足げな笑みを浮かべる。
『さらばだ真司。だが翠星石には、まだお前が必要だ』
「…………劉鳳?」
『これをお前の最後の戦いにするわけにはいかない』
劉鳳の声が消え入るように小さくなっていく。
そして光の粒子が真司を包み込んだ。
そして光の粒子が真司を包み込んだ。
「…………どうなったんだ?」
誰に言うでもなく、ヴァンが呟く。
光が晴れ、大気の震えが収まったが、
辺り一面に粉塵が舞い散り、視界を塞いでいる。
特に龍騎とシャドームーンが居た地点が酷かった。
異常な熱気は伝わってくるが、状況は全く把握できない。
光が晴れ、大気の震えが収まったが、
辺り一面に粉塵が舞い散り、視界を塞いでいる。
特に龍騎とシャドームーンが居た地点が酷かった。
異常な熱気は伝わってくるが、状況は全く把握できない。
「誰か倒れているな」
C.C.の視線の先には確かに、粉塵の向こうに倒れ付している人影が在った。
やがて粉塵が晴れて、横にはねるような茶髪が現れる。
城戸真司が姿を現したのだ。
ヴァンとC.C.は共にダメージの抜けない身体を引きずって、真司の所へ向かう。
真司の名を呼びながら、ヴァンはその身体を揺さぶる。
やがて真司はおもむろに眼を開けた。
やがて粉塵が晴れて、横にはねるような茶髪が現れる。
城戸真司が姿を現したのだ。
ヴァンとC.C.は共にダメージの抜けない身体を引きずって、真司の所へ向かう。
真司の名を呼びながら、ヴァンはその身体を揺さぶる。
やがて真司はおもむろに眼を開けた。
「…………俺……生きて…………」
意識を取り戻した真司は、未だ曖昧な記憶を手繰る。
劉鳳の最後の言葉。
そしてアルター能力が自分を救ったことを。
劉鳳の最後の言葉。
そしてアルター能力が自分を救ったことを。
「そうか…………最後の最後まで、劉鳳に助けられたんだ…………」
真司は手に在ったカードデッキを見る。
傷だらけのカードデッキは、その瞬間崩れ落ちる。
もう龍騎に変身することはできない。
真司は心中でドラグレッダーと劉鳳に別れを告げる。
長きに渡り共に戦って来た契約者と、
同じ信念を共有した戦友に。
傷だらけのカードデッキは、その瞬間崩れ落ちる。
もう龍騎に変身することはできない。
真司は心中でドラグレッダーと劉鳳に別れを告げる。
長きに渡り共に戦って来た契約者と、
同じ信念を共有した戦友に。
「シャドームーンはどうした?」
「……倒した」
「……倒した」
C.C.の問いに端的に答える。
ヴァンはあからさまに安堵の表情を浮かべるが、C.C.の心境は複雑だった。
C.C.の問題は、まだ何一つ解決していないのだから。
それでもシャドームーンを倒せた達成感はある。
ヴァンはあからさまに安堵の表情を浮かべるが、C.C.の心境は複雑だった。
C.C.の問題は、まだ何一つ解決していないのだから。
それでもシャドームーンを倒せた達成感はある。
「……やられっぱなしで終わらなかった訳か」
「……ああ、俺たちが勝ったんだ…………」
「その通りだ。どんな強大な敵も、我々の勇気と団結の前には一たまりも無い。もっとも、あの程度の相手なら私一人で充分だったかな」
「……ああ、俺たちが勝ったんだ…………」
「その通りだ。どんな強大な敵も、我々の勇気と団結の前には一たまりも無い。もっとも、あの程度の相手なら私一人で充分だったかな」
真司もヴァンもC.C.も上田も強大な敵を倒した感慨に浸る。
特に己の尽力でシャドームーンを打ち破ったと言う思いの強い上田は、感慨も一入だ。
しかし感慨に浸る上田の頭が三節棍で殴られる。
上田は自分を殴ったC.C.に食って掛かる。
特に己の尽力でシャドームーンを打ち破ったと言う思いの強い上田は、感慨も一入だ。
しかし感慨に浸る上田の頭が三節棍で殴られる。
上田は自分を殴ったC.C.に食って掛かる。
「何をする!!?」
「一人で逃げ出そうとしただけの奴が、突然現れて偉そうに仕切るな。それに翠星石はどうした?」
「突然ではない! さっきから出るタイミングを見計らっていたんだ! 翠星石は向こうのビルに休ませている。
それに一人で逃げ出そうとした“だけ”とはなんだ!! 如雨露を拾ったのも、翠星石を運んだのも私なんだぞ!!」
「如雨露を拾ったのは私だ」
「そんな小さな功績を、一々自慢するんじゃない!!」
「それはこっちの台詞だ。でかいだけの童て……」
「さあ!!! 私の功績を称えるのはこの位にして、早く翠星石を迎えに行こう! あんまり一人にしておく訳にもいかないからな!!」
「一人で逃げ出そうとしただけの奴が、突然現れて偉そうに仕切るな。それに翠星石はどうした?」
「突然ではない! さっきから出るタイミングを見計らっていたんだ! 翠星石は向こうのビルに休ませている。
それに一人で逃げ出そうとした“だけ”とはなんだ!! 如雨露を拾ったのも、翠星石を運んだのも私なんだぞ!!」
「如雨露を拾ったのは私だ」
「そんな小さな功績を、一々自慢するんじゃない!!」
「それはこっちの台詞だ。でかいだけの童て……」
「さあ!!! 私の功績を称えるのはこの位にして、早く翠星石を迎えに行こう! あんまり一人にしておく訳にもいかないからな!!」
C.C.と口論をしていた上田は、突然出発を促し始める。
まるで何か重大な危機に迫られたような、焦りようだった。
高笑いからも上田の焦りが伝わって来る。
その上田の高笑いが、突然止まる。
そして直立した体勢のまま、横倒しになる上田。
まるで何か重大な危機に迫られたような、焦りようだった。
高笑いからも上田の焦りが伝わって来る。
その上田の高笑いが、突然止まる。
そして直立した体勢のまま、横倒しになる上田。
上田を襲った突然の異変に、真司もヴァンもC.C.ですら当惑する。
状況を振り返ると、どうやら上田はC.C.の背後を見て気絶したようだった。
状況を振り返ると、どうやら上田はC.C.の背後を見て気絶したようだった。
カシャ
――――足音が聞こえる
「……見事だったぞ。本当に見事だった…………」
カシャ
――――恐怖をもたらす足音が
「この世紀王が押し負けるとは……受けに回っていたら、死んでいたな」
カシャ
――――魔王の足音が
「…………しかし最後に生き残るのは、世界を制するのはゴルゴムの王なのだ」
カシャ
真司、ヴァン、C.C.の三人が振り返った先にそれは居た。
右腕から肩に掛けるまで欠損し、
全身のいたる所で装甲が剥がれ落ちて筋肉が露出し、
その身を焼く炎がまだいたる所から上がり、
それでも尚、サタンサーベルと揺ぎ無き王者の威風を携えて、
シャドームーンが粉塵より姿を現した。
右腕から肩に掛けるまで欠損し、
全身のいたる所で装甲が剥がれ落ちて筋肉が露出し、
その身を焼く炎がまだいたる所から上がり、
それでも尚、サタンサーベルと揺ぎ無き王者の威風を携えて、
シャドームーンが粉塵より姿を現した。
龍騎のライダーキックはシャドーパンチにも、シャドームーンの耐久力にも確かに打ち勝った。
しかしシャドーパンチが龍騎のライダーキックをある程度相殺していたのも事実。
そしてシャドームーンはその身体の全てを改造された世紀王。
同じ世紀王との戦いや数万年以上の生を想定され、ゴルゴムの技術の粋を集めて改造されたシャドームーンは、
人間とは生存条件が、生命力が根本的に違うのだ。
龍騎のライダーキックは、シャドーパンチもシャドームーンの耐久力も貫いて尚、シャドームーンの命には届かなかった。
しかしシャドーパンチが龍騎のライダーキックをある程度相殺していたのも事実。
そしてシャドームーンはその身体の全てを改造された世紀王。
同じ世紀王との戦いや数万年以上の生を想定され、ゴルゴムの技術の粋を集めて改造されたシャドームーンは、
人間とは生存条件が、生命力が根本的に違うのだ。
龍騎のライダーキックは、シャドーパンチもシャドームーンの耐久力も貫いて尚、シャドームーンの命には届かなかった。
「…………そん……な」
劉鳳とドラグレッダーを犠牲にしながら、シャドームーンを仕留めきることはできなかった。
憤りに駆られながら、立ち上がろうとする真司。
しかし、今度こそ本当に動く力は残っていない。
真司は忸怩たる思いで、シャドームーンに向かって構えるヴァンとC.C.を見守った。
憤りに駆られながら、立ち上がろうとする真司。
しかし、今度こそ本当に動く力は残っていない。
真司は忸怩たる思いで、シャドームーンに向かって構えるヴァンとC.C.を見守った。
薄刃乃太刀の重さに震える手で構えを取るヴァン。
ダメージは深刻。ナイトへの変身は不可能。
シャドームーンも深手を負っているが、不利は否めないだろう。
ダメージは深刻。ナイトへの変身は不可能。
シャドームーンも深手を負っているが、不利は否めないだろう。
「…………ミラーモンスター……」
真司が消え入りそうな声で助言をする。
ヴァンはそれに習い、カードデッキから引き抜いたアドベントカードを薄刃に映す。
蝙蝠型のミラーモンスター・ダークウイングが現出。
闇の双翼を広げ、ダークウイングが上方から滑空するようにシャドームーンへ襲い掛かる。
更に薄刃を地を這うように奔らせて、シャドームーンへ襲い掛かる。
シャドームーンが光に呑み込まれる。
光はダークウイングと薄刃も呑み込んだ。
キングストーンの光が。
ダークウイングの85キログラムの質量が、呆気なく吹き飛ばされる。
薄刃もまた先端が融解しながら吹き飛んだ。
シャドービームの脅威は未だ衰えていない。
その脅威はヴァンにまで届く。
ヴァンが衝撃波に眼を奪われた一瞬の内に、シャドームーンは姿を消していた。
しかし即座にシャドームーンの接近を察知。
シャドームーンの胴を目掛け薄刃を、まるで硬刃のごとく横薙ぎに振るう。
シャドームーンの片手で操るサタンサーベルに容易く受け止められた。
その太刀合わせだけでヴァンは、シャドームーンのダメージが深いこと、
そして、それでも絶対的な力量差が存在することを悟る。
シャドームーンに体重ごと弾かれるヴァン。
無防備になったヴァンの腹に、シャドームーンの蹴りが入る。
鳩尾に入ったシャドームーンの足先から、ヴァンの全身に衝撃が広がる。
肋骨が粉砕して、内臓から出血しながら、
ヴァンは地面を転がっていった。
ヴァンはそれに習い、カードデッキから引き抜いたアドベントカードを薄刃に映す。
蝙蝠型のミラーモンスター・ダークウイングが現出。
闇の双翼を広げ、ダークウイングが上方から滑空するようにシャドームーンへ襲い掛かる。
更に薄刃を地を這うように奔らせて、シャドームーンへ襲い掛かる。
シャドームーンが光に呑み込まれる。
光はダークウイングと薄刃も呑み込んだ。
キングストーンの光が。
ダークウイングの85キログラムの質量が、呆気なく吹き飛ばされる。
薄刃もまた先端が融解しながら吹き飛んだ。
シャドービームの脅威は未だ衰えていない。
その脅威はヴァンにまで届く。
ヴァンが衝撃波に眼を奪われた一瞬の内に、シャドームーンは姿を消していた。
しかし即座にシャドームーンの接近を察知。
シャドームーンの胴を目掛け薄刃を、まるで硬刃のごとく横薙ぎに振るう。
シャドームーンの片手で操るサタンサーベルに容易く受け止められた。
その太刀合わせだけでヴァンは、シャドームーンのダメージが深いこと、
そして、それでも絶対的な力量差が存在することを悟る。
シャドームーンに体重ごと弾かれるヴァン。
無防備になったヴァンの腹に、シャドームーンの蹴りが入る。
鳩尾に入ったシャドームーンの足先から、ヴァンの全身に衝撃が広がる。
肋骨が粉砕して、内臓から出血しながら、
ヴァンは地面を転がっていった。
口中から濁った血を吐き出すヴァン。
手足が重過ぎて、動かすことも叶わない。
自分の身体を含め、ヴァンは全ての武器を失った。
見上げるヴァンと見下ろすシャドームーン。
その間に翠の髪をたなびかせて、C.C.が割り込んだ。
手足が重過ぎて、動かすことも叶わない。
自分の身体を含め、ヴァンは全ての武器を失った。
見上げるヴァンと見下ろすシャドームーン。
その間に翠の髪をたなびかせて、C.C.が割り込んだ。
「私の用をさっさと済ませろ」
C.C.には当然、戦う意思など無い。
勝算が無いことなど判り切っているし、元より生き残るつもりなど無いのだから。
だから、ここに来たら早くシャドームーンに殺されたかった。
ヴァンたちが殺される様など見せ付けられたくは無かった。
勝算が無いことなど判り切っているし、元より生き残るつもりなど無いのだから。
だから、ここに来たら早くシャドームーンに殺されたかった。
ヴァンたちが殺される様など見せ付けられたくは無かった。
しかしシャドームーンはC.C.に手を掛けようとはしない。
C.C.の姿に感じていた違和感。
その正体に気付いたからだ。
C.C.の姿に感じていた違和感。
その正体に気付いたからだ。
「……首輪はどうした?」
「……何?」
「何故、貴様には首輪が嵌っていない!?」
「……何?」
「何故、貴様には首輪が嵌っていない!?」
C.C.の艶かしい首には嵌っているべき金属の輪が存在しなかった。
シャドームーンをはじめ、この地に存在する全ての者が殺し合いを強制させられている理由。
それは爆弾が仕込まれた首輪に他ならない。
従って例外無く全ての参加者が首輪をしているはずなのだ。
シャドームーンとて例外では無い。
そうでなければ、世紀王が直々に人間を殺して回るような真似をするはずが無いのだ。
しかし目前のC.C.は世紀王をすら差し置いて、その例外と成り得ている。
シャドームーンはC.C.の襟首を掴んで、乱暴に引き寄せた。
それは爆弾が仕込まれた首輪に他ならない。
従って例外無く全ての参加者が首輪をしているはずなのだ。
シャドームーンとて例外では無い。
そうでなければ、世紀王が直々に人間を殺して回るような真似をするはずが無いのだ。
しかし目前のC.C.は世紀王をすら差し置いて、その例外と成り得ている。
シャドームーンはC.C.の襟首を掴んで、乱暴に引き寄せた。
「貴様、首輪をどうやって外した!?」
C.C.は、自分を問い詰めるシャドームーンを見て薄く笑った。
自分の生殺与奪の権を握っているはずのシャドームーンが慌てた様子が、純粋に可笑しかった。
自分の生殺与奪の権を握っているはずのシャドームーンが慌てた様子が、純粋に可笑しかった。
「……なんだ……世紀王だのご大層に名乗っていた癖に、そんなことも知らないのか?」
「やはり“外した”のだな!? 外す方法があるのだな!」
「やはり“外した”のだな!? 外す方法があるのだな!」
シャドームーンの推測通り、C.C.は嵌っていた首輪を解除したのだ。
世紀王ですら解除できない首輪を、である。
その回復力から、C.C.は普通の人間ではないのだろう。
しかしC.C.が如何なる存在であろうと関係無い。
ゴルゴムの王が他の存在に後れを取るなど、あってはならない。
世紀王ですら解除できない首輪を、である。
その回復力から、C.C.は普通の人間ではないのだろう。
しかしC.C.が如何なる存在であろうと関係無い。
ゴルゴムの王が他の存在に後れを取るなど、あってはならない。
「首輪を外す方法を言え。運が良ければ生き残れるかも知れんぞ」
シャドームーンの脅しを聞き、C.C.は笑みを浮かべる。
死にたい者を殺すと脅すシャドームーンが、ますます道化染みて見えたのだ。
死にたい者を殺すと脅すシャドームーンが、ますます道化染みて見えたのだ。
「……フフッ、殺すと脅せば言うことを聞くとでも誰でも思ったのか。短絡的だな」
「…………面白い。ならば望み通りに殺してやる。よく見ておくといい。仲間がどんな殺され方をするのかな」
「!! お前……!」
「…………面白い。ならば望み通りに殺してやる。よく見ておくといい。仲間がどんな殺され方をするのかな」
「!! お前……!」
一転、C.C.に動揺が生まれる。
シャドームーンは瞬時にして、C.C.の両足を軽く蹴る。
C.C.の両足から、折れた骨が飛び出した。
痛みに呻くC.C.の両腕をサタンサーベルの刀身が通り抜ける。
腱はおろか骨まで切断された。
抵抗する間も無く両手足を使えなくされたC.C.。
シャドームーンは痛みに呻くC.C.を、頭を掴んで引き摺る。
そしてヴァンの下へ連れて来られた。
シャドームーンに髪の毛を引っ張り上げられたC.C.は見上げるヴァンの視線と合う。
そのヴァンの眼に、サタンサーベルの切っ先が向けられた。
シャドームーンは瞬時にして、C.C.の両足を軽く蹴る。
C.C.の両足から、折れた骨が飛び出した。
痛みに呻くC.C.の両腕をサタンサーベルの刀身が通り抜ける。
腱はおろか骨まで切断された。
抵抗する間も無く両手足を使えなくされたC.C.。
シャドームーンは痛みに呻くC.C.を、頭を掴んで引き摺る。
そしてヴァンの下へ連れて来られた。
シャドームーンに髪の毛を引っ張り上げられたC.C.は見上げるヴァンの視線と合う。
そのヴァンの眼に、サタンサーベルの切っ先が向けられた。
「楽には殺さん。まずは右目からだ」
シャドームーンは器用にもサタンサーベルの剣先でヴァンの眼球を突く。
このまま首輪の解除方法を教えなければヴァンが何をされるか、火を見るより明らかだ。
取り返しの付かない傷を負わせるつもりなのだ。
得難い苦痛を以って。
このまま首輪の解除方法を教えなければヴァンが何をされるか、火を見るより明らかだ。
取り返しの付かない傷を負わせるつもりなのだ。
得難い苦痛を以って。
「どちらでも構わん、首輪の解除方法を言え」
シャドームーンの声は、何処までも冷たくC.C.とヴァンに圧し掛かる。
首輪の解除方法をシャドームーンに教えることに、実はリスク等ほとんど存在しない。
シャドームーンはとっくに殺し合いに乗っているのだから。
しかしC.C.はこれ以上、シャドームーンに何かを奪われたくは無かった。
明確な理由など無い。
死を望む人間が、この期に及んでヴァンを犠牲にして下らない意地を張ろうとしている。
自分はつくづく魔女なのだと、C.C.は自嘲する。
首輪の解除方法をシャドームーンに教えることに、実はリスク等ほとんど存在しない。
シャドームーンはとっくに殺し合いに乗っているのだから。
しかしC.C.はこれ以上、シャドームーンに何かを奪われたくは無かった。
明確な理由など無い。
死を望む人間が、この期に及んでヴァンを犠牲にして下らない意地を張ろうとしている。
自分はつくづく魔女なのだと、C.C.は自嘲する。
「……首輪の外し方なら聞いたぞ」
しかし意外にもヴァン自身がシャドームーンに答える。
「覚えてないけどな…………ぐわあああああっ!!!」
サタンサーベルの先端が、ヴァンの眼球に突き刺さる。
水晶体が突き破られて、中から白い粘液が零れた。
反射的に瞼を閉じるが、眼球の中まで入り込んだ剣に阻まれて閉じることができない。
真紅の剣先はそこから捩れるように眼球の中を掻き回していく。
視覚器官である眼球は神経が張り巡らされている。
眼窩の中で眼球と神経が、逃げ場なく押し潰されていった。
耐え難い苦痛がヴァンの口から漏れる。
眼球が焼かれるような激烈な痛み。
血の混じった白い粘液が、ヴァンの眼窩から泡だって零れた。
水晶体が突き破られて、中から白い粘液が零れた。
反射的に瞼を閉じるが、眼球の中まで入り込んだ剣に阻まれて閉じることができない。
真紅の剣先はそこから捩れるように眼球の中を掻き回していく。
視覚器官である眼球は神経が張り巡らされている。
眼窩の中で眼球と神経が、逃げ場なく押し潰されていった。
耐え難い苦痛がヴァンの口から漏れる。
眼球が焼かれるような激烈な痛み。
血の混じった白い粘液が、ヴァンの眼窩から泡だって零れた。
眼窩の中をあれだけ傷付けられては、もうヴァンの右眼は医学的な処置でも治らないだろう。
それは特に医学的知識の無い、C.C.が見ても明らかだった。
殺し合いが始まって以来、自分を守っていたヴァンが、
耐え難い苦痛と共に取り返しの付かない傷を負わせられている。
しかしC.C.はそこから目を反らさない。
まるでそれが自分の罪過に対する罰であるかのように。
傍らに居るC.C.もそれほどの苦痛を感じていた。
それは特に医学的知識の無い、C.C.が見ても明らかだった。
殺し合いが始まって以来、自分を守っていたヴァンが、
耐え難い苦痛と共に取り返しの付かない傷を負わせられている。
しかしC.C.はそこから目を反らさない。
まるでそれが自分の罪過に対する罰であるかのように。
傍らに居るC.C.もそれほどの苦痛を感じていた。
「次は左目だ。よく考えるのだな。果たして仲間の光を永遠に奪ってまで、伏せておく価値が有る情報かを」
ヴァンの右目から抜いたサタンサーベルを、今度は左目に押し当てるシャドームーン。
両目を失えば、ヴァンは完全に失明する。
押し黙っていたC.C.は、徐に口を開いた。
両目を失えば、ヴァンは完全に失明する。
押し黙っていたC.C.は、徐に口を開いた。
「…………結局、全員を殺すつもりなのだろう? お前は」
無意味な意地を通す。
しかしその声に覇気は無い。
V.V.は得体の知れない怪物に変貌して、
ルルーシュは死に、
ヴァンはこれほどの惨劇に追いやられ、
そしてC.C.も望んでいた死を間も無く迎えるだろう。
これがC.C.の望みが叶った結果なのだ。
これがC.C.の選択と行動の結果なのだ。
あるいは魔女に相応しい結末と言えるかもしれない。
そう思うと何もかもを投げ出したかった。
しかしその声に覇気は無い。
V.V.は得体の知れない怪物に変貌して、
ルルーシュは死に、
ヴァンはこれほどの惨劇に追いやられ、
そしてC.C.も望んでいた死を間も無く迎えるだろう。
これがC.C.の望みが叶った結果なのだ。
これがC.C.の選択と行動の結果なのだ。
あるいは魔女に相応しい結末と言えるかもしれない。
そう思うと何もかもを投げ出したかった。
「……フッ、女に感謝するんだな。そいつが首輪の解除方法を言わなかったお陰で、貴様は世紀王を相手に下らない意地を張り通せる。
それを精々誇るが良い。……永遠に明けない闇の中でな」
それを精々誇るが良い。……永遠に明けない闇の中でな」
ヴァンを見下ろして、嘲るように語るシャドームーン。
左目に掛かっていたサタンサーベルを強く押す。
サタンサーベルは刀身を横から衝撃波で押されたため、ヴァンの頭から逸れて行く。
衝撃の余波を受けて、憔悴していたヴァンは遂に意識を失って倒れた。
シャドームーンとC.C.は揃って衝撃波が飛んできた方向を見る。
左目に掛かっていたサタンサーベルを強く押す。
サタンサーベルは刀身を横から衝撃波で押されたため、ヴァンの頭から逸れて行く。
衝撃の余波を受けて、憔悴していたヴァンは遂に意識を失って倒れた。
シャドームーンとC.C.は揃って衝撃波が飛んできた方向を見る。
【仮面ライダー龍騎&ドラグレッダー 破壊】
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160:因果応報―終わりの始まり―(中編) | ヴァン | 160:因果応報―世紀王 シャドームーンが1体出た!― |
C.C. | ||
城戸真司 | ||
翠星石 | ||
上田次郎 | ||
シャドームーン | ||
159:ひぐらしのなく頃に | 狭間偉出夫 |