[[ウィスタリア帝国]](通称:帝国)

[[東部列強連盟]]

  • アインジード聖教国

コドレア地方に広がる砂海から東部竜骨山脈を隔てた南部に版図を持つ東部列強連盟三強の一角。

人による国家、唯一の宗教立国。
一の神アレウスを唯一神とするアレウス聖教を国教と定めており、近隣国の奉ずるアレウスをも含んだ多神容認の宗教観とは一線を画している。

本来異なる教義を容認する近隣国を異教徒の国とみなしており、東部列強連合の前身である対ウィスタリア軍事同盟(東部軍事同盟)には加盟していなかった。
しかしながら後年、西にウィスタリア帝国と境を接しつつ、南東方面に勢力を拡大し始めた極東王朝への対応を迫られた東部軍事同盟は、勇猛をもって鳴る聖堂騎士団と聖戦による死を教義上最高の栄誉とする兵団を有するアインジードを東の抑えとする為、融和の道を模索し始める。

一方アインジード首脳部としても近隣国全てを異教徒とみなして敵対し続けることは国家維持の観点から限界を感じていたことから、軍事同盟の協力要請は渡りに船であった。

極東王朝が多民族集合体であるがゆえに土着信仰に対して寛容であり、全般的に『万物には神が宿る』という緩やかな万象神格論を持っていたこともアインジードにとっては都合が良かった。

時のアインジード総主教、兼国家元首は近隣国は異教徒の国であるとしながらも、極東王朝を『蛮教の徒』として、最優先の聖粛対象と認定。
アレウス聖教において天使とされる他の柱神を奉ずる近隣諸国はいずれ導くべき者たちであり、救うべき者たちと位置付けることに成功。
これをもって東部軍事同盟はアインジードを加え、東西の脅威に当たる為の東部列強連盟として再編される。


  • ヴェルツヴァイン王国

版図内に古代魔道王国時代の遺跡が多く、ギルダリア連邦に比肩する魔道技術立国。
魔道協会規約にある魔道遺産の管理を協会に委ねる条項に調印しているものの、『古代遺跡・またはその遺跡より出土の遺物に起因する有用技術の発見時には、発見者の権益を保護し協議の上、優先権を認める』の条項から得る権益を活用する為、遺跡発掘を国策としている。

ヴェルツヴァインより出土した技術解析によって現在広く普及するようになった技術として著名なものとしては【大規模魔力槽】、【転移門】などが挙げられる。

帝国・連邦とは異なる機軸によって有魔力人の解釈を進めた国で、所謂魔術至上主義国家。
魔力を操る術を持つ者以外は二級市民として階級が設けられ、迫害を受けるわけではないが、特に中央においては就くことが可能な職種や職責に上限が設けられ立身の道が限られている。
支配者階級は魔術士の家系にのみ許されている。※魔術士家系における非魔術士は相続の対象外となる。

非魔術士の武人階級は例外的に準一級市民として認定される為、軍志願者が多く軍事力も高い。
公には伏せられているものの、地方にあっては二級市民への課役が一級市民に対するそれとは大幅に隔たりを持つことが黙認されており、反政府組織等の存在も確認されている。


  • トライセラ王国

東部列強最南に位置する国家。
肥沃な平野と丘陵地に恵まれ、のどかな田園風景の広がる農業大国。また名馬の産地としても著名。

大地母神の信仰が盛ん。
また、連邦と境を接し聖臨山への巡礼に至る北の入り口に面するため、交通の要衝でもある。

約460年前にウィスタリア帝国との戦役により大きく領土を減じた過去を持ち、それをきっかけに支配体制の刷新、軍制改革が大きく行われ、戦役後に組織された義勇兵を元とする聖女騎士団を核に国境線の防備が強化されて以来、一度として帝国の侵入を許していない。


  • ゼフィーア王国

西にトライセラ、北東にヴェルツバインと境を接し、東にセルベア海と面した国家。
国土は湖沼地帯・湿地帯が広がり畜産業が盛ん。

豊かな森林資源を活用し、林業、造船業、製紙産業で栄える。
また豊富な水源を活かして北部では皮革産業、南部では香料の生産にも力を入れており、特に香料を賦香したゼフィーア紙は各国貴族にこよなく愛されている。

国府セフィエロに聳える王城はレフレット湖上に突き出す形で築かれ、各地の湖・河川等の天然の水路を掘り繋げた運河によって国府と主要都市が結ばれることから、森と湖の国・湖上王国などと称される。

景観が良いことから保養地としても名高い。

陸上軍事力の規模は三強に比べるべくもないが、造船技術と操船技術に秀でており列強内においては最大規模の海軍を備え、有事の際はこれを持って後述のラプトゼクス独立騎士団への補給、後詰の任を負っている。


東部列強連盟発足時に国土南東地帯を後述の独立騎士団領として拠出(対極東防衛線が伸長した場合には返還されることとなっている)しており、極東・連邦に対する軍事的緩衝地帯とする。


  • ヒュンベルグ公国

西にレクサーラ、北にアインジード、南をヴェルツヴァインに囲まれた小国。領内は山岳地帯が多く、牧畜業、毛織物加工が主産業。

レクサーラに並んで国内産業が育ち難い土地柄であるが、大国の間に位置しながらも交通を隔絶するほどの断崖に囲われていないことが幸いし、隊商の経由地として商業は発達している。
特にヒュンベルグの高地でのみ牧畜されるフルフラムから採れるフラム毛を加工した毛織物は貴重な外貨獲得源となっている。

軍事力はけして高くは無いものの、山岳地帯の狩猟民族を祖とする人々からなる屈強な高地戦団を抱えている。


  • ラプトゼクス独立騎士団領

六つの騎士団領によって構成される。
東部列強連盟成立時に、極東方面に対する最前線に近い国家の負担を減らす目的で、加盟国の共同出資により設立された独立騎士団をその礎とする。

規模を拡大し、現在は六つの騎士団とその独立領に分かれており、連盟会議には六騎士団長の合議によって選出される騎士総長がその代表として出席する。
各騎士団はその名称と紋章にそれぞれ獣の名を冠する。

設立以来東部列強の南東の盾として極東王朝と幾度となく干戈を交え、アインジードと並ぶ東部列強最東端の前線を担っている。

  • レクサーラ王国

東部列強連盟に加盟する小国。
山岳地帯に囲まれ、国土も狭いながら現存する国家の内で最も古くに成立した国家である。
僅かな盆地と山岳の棚地が主要な農耕地であることから生産力は低く、鉱山より産出される鉱物資源で不足を賄う貧しい国であるが、現在大陸で唯一繁殖を行う竜種である飛竜が住まう渓谷を国土に有し、その飼育・騎乗方法をも伝え、名高い竜騎士団を抱える。

天然の要害である連峰に囲まれ、空行騎兵として最強の飛竜を操る術を持つが故に、大陸屈指の防衛力を有しているが、なぜか飛竜は国境線である連峰を越えることができない為、竜騎士の力を持って国土の拡充を行うことはできない。

これは開闢の折に、友人として飛竜の背を借りることを許した竜神と初代国王が交わした「霊峰を越えて飛竜を駆るなかれ」という盟約に起因すると伝えられている。

※この竜神が古竜であるのか、さらに別の存在であるのかは明らかでない。


  • その他小国家群
最終更新:2012年06月19日 23:38