アットウィキロゴ
テラカオスバトルロワイアル外伝
掲示板 掲示板 ページ検索 ページ検索 メニュー メニュー

狩は人々の愉しみ

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
「あれが『ヤマノテセン』ってやつか……」
「ええ。簡単に言えば人を乗せて遠くまで早く行ける鉄箱です。
それにしても、あの無駄に犇めきあってた人間が一切いない駅というのは……いいものですね」

南夏奈を殺害し、目的が一致した初音ミクマグニスは池袋駅を訪れていた。
普段は人で溢れるその場所も、実に静かなものだ。

「見たことのねぇものばっかだな。おい、色々詳しいお前に任せるとは言ったが、これからどうするんだ?」
「ああ、それはですね……」

駅を物珍しそうに見渡すマグニスとは対照的に、ミクは落ち着いた様子で自身のデイパックを開ける。
取り出されたのは基本支給品の地図。
ミクは東京都の地理を把握しているが、右も左もわからないマグニスへの説明には欠かせないものだ。

「ここが、豊島区の池袋。だいたいこの辺りです。
そして目的地ですが、特にありません。山手線をぐるぐる乗り回すか……
徒歩になりますが、ここから更に北上……北区や足立区辺りに向かうか……」
「あん?端の方じゃねぇか」
「ええ。ほとんどの人間は中央部に向かうでしょうからね。私たちはそこから退くというわけです」
「てめぇ!この俺さまに、豚どもから逃げろってのか!?」

ミクの発言にマグニスは噛み付くが、当のミクはやれやれといった様子で首を横に振る。

「馬鹿言わないでくださいよ。折角、人間を調教できるいい機会なんですよ?
ただ、それを邪魔する連中……敵は必ず現れます。
どのような人間が参加しているのか……それを確認できる18時過ぎまでの辛抱です」
「ち……」

マグニスは忌々しげに舌打つが、ミクの言い分も理解できた。
確かに、情報収集は大切だ。情報の有無が、戦局に大きな影響を与えることもある。
自分が、ハーフエルフが、人間との戦いで遅れをとるとはとは思えないが……
何しろこの世界は理解不能なことが多すぎる。
姿を変える雌豚、目の前の流暢に喋る機械人形、そして見たこともない文明……
参加者全員をただの豚と侮るのは、些か軽率というものだろう。
それに少なくとも自分は一度、主催者になんらかの手段で昏倒させられている。
そうでなければ、首輪の説明がつかない。
主催者は殺す。他の参加者も殺す。それは変わらない。
ただ慎重に殺すだけ。相手の情報、正体を知った上、有利な状況で殺す。
やみくもに片っ端から参加者を狩るよりも、正しい選択。
それはわかってはいる。頭ではわかっているのだが……

「はやく豚を……特にあの雌豚狩りてえな……」

溢れだす狩りへの欲求を止めることはできない。

「それは同感ですね。でもほら、過程も楽しんでこそ狩りじゃないですか。
そして獲物を見つけてもすぐには殺さず、じっくり弄って嬲って、悲鳴を楽しむんですよ……」

そして、それはミクも同じこと。顔に浮かぶは、冷酷な笑み。




もし普通の参加者がこの二人の姿を見たら、どう映るだろうか。
美女が野獣に狙われているようにも見えないこともないが、実際はそうではない。
両者が野の獣。哀れな子豚を狩らんとする二頭の狼だ。

ただ、この狼は致命的なミスを犯していた。
普通の参加者が二人を見たら、まず間違いなく逃げ出す。
自身の力への誇りと驕り。待ちきれない狩りへの期待。雌豚への殺気。そして拭いきれていない血の臭い……
先に惨殺されてしまった少女も、歌姫へ興味を持たなければ、それらを察し逃げれたかもしれない。

では、普通ではない参加者が二人の姿を見たら……どうなるだろうか。




「――やれやれだぜ」
「誰だっ!?」




それも、正義感のとびきり強い参加者がみつけたならば。


「それがテメーのどす黒く濁った本性か、初音ミク?」
「あ……あなたはまさか……所さん!?」

一体いつからそこにいたのか?
柱の影から音もなく現れたその金髪の男の姿を目にしたミクの顔が、みるみる青ざめていく。

「へっ!豚が、のこのこ出てきやがったことを後悔させ――」
「い、いけませんマグニスさん!」



「楠田枝里子(なるほど・ザ・ワールド)ッ!」



肌色の斧を振りかぶるマグニスと、彼を静止するミク。
そして男……所ジョージの前方に謎の人影が現れるのは、ほぼ同時だった。




「な……!?」

マグニスは思わず絶句した。
強化アンドロイドであるミクに引っ張られたことによる腕の痛みも、まるで気にならない。
むしろ引っ張られなければ、自分の体に重たい拳が突き刺さっていたことだろう。

先程までは、全く気配を感じなかった謎の存在――『楠田枝里子(なるほど・ザ・ワールド)』の拳が。

五聖刃の一角であり、肉弾戦に優れているマグニスから見ても、その拳の破壊力は想像を絶するもの。
とてもではないが、ただの豚が繰り出す拳とは次元が違うのがわかった。

「ソイツを庇うってことは……やっぱりか。いやそもそもテメー……その手の血はなんだ?」
「あ、あはは……所さんを狙った芸能人が全て返り討ちにあったという噂は聞いてましたが……
なるほど、その妙な人形に秘密がありそうですね」

引きつった笑みで、ミクはジリジリと後退していく。
飛び出そうとしていたマグニスも、ここでようやくミクの焦りを理解する。
――劣悪種である人間にも、本当にごく一握りだが逆らい難い者がいる――
道中ミクがもらした言葉。そして参加者を確認するまでは退く……
おそらく彼女が所さんと呼んだこの男こそ、警戒している数少ない『人間』なのだろう。

(確かに、この豚……単なる雑魚じゃねえな……)

少し落ち着いたマグニスは、改めて所さんを観察する。
突然現れた人形が厄介なのは身を持って理解したが……
成る程、男の方の構えも明らかに戦いを知る者の構えだ。

(だが……魔力は感じねぇ。中級術でとっとと焼き豚に……)

「時よ止まれ!」


「な、あの豚がいねぇ!?どこいきやがった!?」

そう考えている最中。マグニスは、男の姿を完全に見失った。
横を見ればミクも同じようで、慌ててキョロキョロしている。

「一体、どこへ――」

不意に、上から何かが軋む音が聞こえた。






「  山  手  線  だ  ッ  !  !  
ぶっ潰れろよォッ!!!」




(わけがわかりません)
(わけがわからねえ)

そのあまりに不可解な光景に、ミクもマグニスも瞬間思考が停止する。
所さんの姿を見失ったと思った次の瞬間には、自分たちの上空に巨大な鉄塊。
山手線の一車両が、降ってきているのだ。

「く、くそっ!?」

正気を取り戻したマグニスが斧を構えるが、それでどうにかなる相手ではない。
見た目こそ気色悪い斧だが、これでも伝説の勇者の斧。鉄も斬れるだろう。
だが少し斬ったところで、この圧倒的な質量には適わない。

「な、何か支給品を!――ッこれに賭けます!」

ミクは早々にグリンガムの鞭による迎撃を諦め、まだ使用していない支給品に賭けていた。
ハズレかもしれない。だが動かなければ、何かをしなければ、確実に死ぬ。

「行け、モンスターボール!」

そう言って山手線に投げつけられたのは、赤と白の配色が特徴的なボール。
付属の説明書によれば、中にはなんらかのモンスター(怪物)が入っているらしい。
ミクとしては半信半疑だったが、現に所さんがある種のモンスターだということがわかったのだ。
もしかしたら本当に、強力なモンスターが眠っているかもしれない。その望みに賭ける。

ボールが割れ、光が放たれた。そして……



「グオオオオオオォォォォォォォッ!!!」



「「これは!?」」

ミクもマグニスも驚き、目を丸くする。
小さなボールから現れたのは、ミクの期待以上のモンスターだった。
全身を黄金の鱗で覆い、巨大な翼と身体を彩る宝玉が特徴的な、伝説上の生物――ドラゴン――

「やった「おのれ家畜風情が!よくも神たるこの真竜ニアラをこのような空間に閉じ込めおったな!いいだろう。神に歯向かうその蛮行、無限の恐怖と絶望でグゥパ!?」……え?」

そのドラゴンは、長々と喋っている間に山手線に潰された。




山手線をどこか遠くに投げ飛ばすなり、あるいは粉々に打ち砕くなりすることを期待していた。
ところが、なんか喋っている間に潰されてしまった。
その哀れな姿を見たミクとマグニスは、二人同時に同じことを思う。

(これ、ハズレ支給品だ……)

とはいえ、ドラゴンの巨体に阻まれた山手線はミクたちとは別の方向に横たわっている。
あの回避不能の攻撃から生還できたことを考えれば、あたりともとれるだろう。

「……なんとか、しのぎきれましたか?」

警戒していた二本目の山手線も飛んでこない。
所さんは、どうやったかはわからないが山手線を投げた直後に帰ったのだろう。
山手線に潰されて無事な相手などいるわけがない。生死を確認せずに帰ってしまっても不思議ではない。

「ふぅ……危ないところでした……」
「ったく……なんだってんだあの豚は……」
「あの人は所ジョージ……その知名度は、この私をも遥かに凌駕している……最上位芸能人です……」
「両方知らねえよ……」

深く息を吐き出して、ミクとマグニスは緊張を解く。
と、その時。

「カハァァァァ……!そ、そこの家畜ども……!よくもワレをこのような目に……!」

ズタボロになった両翼をひろげ、先程山手線の餌食となったドラゴンが起き上がった。
全身を損傷しているが、通常行動にはなんら支障がない様子だ。

「許さぬ、許さぬぞ!チカラこそがこの世のゼッタイである!
家畜が創造主たるワレを、神を踏み越えることなど、許されない!
ワレにこの塊を投げつけてきた家畜も!ワレを盾にしたそこのキサマらも!
そしてワレを妙な球体に捻りこんだ家畜どもも!許さぬ、ゼッタイにだ!
もはや喰ってやることもせん!このまま宇宙の塵にしてくれる!覚悟しろ家畜――」


「「あ゙ぁ゙ん!?」」
「ヒィ!?」

猛り狂う手負いのドラゴン。だが彼に向けられた目は……

(あ、あの家畜どもの目……まるで……)
「おいてめえ、さっきから誰に向かって家畜家畜連呼してやがんだ?この豚が!」
「危うく殺されかけて、今ちょっとストレス溜まってるんですよ。
人に期待させといて無様な醜態さらした私の『支給品』ごときが……誰が家畜ですって?」

狩る側の狼は、狩られる側の気持ちを体験した。
だが彼らは根っからの狩人。ちょっとやそっとでその心は折れない。
だが不快感と怒りの感情は残る。行き場のないそれは、体の中をぐるぐると巡る。
そんな時に。丁度目の前に。やたら丈夫かつ腹の立つ奴がいたらどうするか?
考えるまでもなかろう。

「な……キサマら……?」

ドラゴンの視界には、満面の笑みを浮かべつつにじり寄る二人――



「ガアアアアァァァ!?な、何故ワレの身体が動かぬ!?」
「おいミク、なんでこの豚トカゲ殺ったら駄目なんだ?」
「いやいや、私も最初はそのつもりだったんですが……
ほらもう一つの支給品、これがあるとその家畜は持ち主に逆らえないそうですよ?」
「ほう?」

奇跡的にドラゴン――ニアラはまだ存命していた。
とはいえ、その頭部をミクに踏みつけられ、さらに哀れな格好となっているが……

「うぐぐ……身体さえ動けばキサマら家畜ごときに……」
「おや、ビクビク身体震わせちゃって悔しいんですか?」

いくら山手線プレスで傷を負ったとはいえ、ニアラは本来ここまで大人しくはならない。
彼がこうもミクに逆らえないのは、彼女の胸元で光る金色のバッジが原因である。

「サンドバックにして楽しむのもありですが、かなり丈夫みたいですからね。
今みたいに、いざというときの肉盾や移動手段として生かしておこうってわけです」
「なるほどな。役にたたなくなったら?」
「嬲り殺しですよ。さて……さすがに所さんは厄介な相手です。
一度彼から離れて態勢を建て直すためにも、予定通り北に向かいましょう」
「ち……仕方ねえ……」
「では……飛びなさい家畜!歌姫の命令――プリンセスオーダー!」
「グオオオオオオ!?身体が勝手に!?」

いつか再び、人間を狩るその時までに力を蓄え、備えるために。
人を人と思わない一団は、空を行く。

【豊島区・池袋駅上空/一日目・午後】
【初音ミク@VOCALOID
【状態】:健康、疲労(中)所ジョージを警戒
【装備】:グリンガムの鞭 、ゴールドバッジ、真竜ニアラ
【道具】:基本支給品一式×2、南夏奈の支給品(1~3)、南夏奈の首輪、空のモンスターボール
【思考】基本:人間を見つけ次第『調教』する。首輪が外せそうな参加者は生け捕り
0:マグニスと組んで行動。人間の情報を提供する
1:地図中心部から離れ、第一回放送までは様子を見る
2:巡音ルカとそのマスター、その他VOCALOIDを殺害する
3:首輪を外し、主催者から色々と情報をききだす
※他VOCALOIDよりも身体能力が強化されています
※シンフォニア世界の情報を少し入手しました

【マグニス@テイルズオブシンフォニア】
【状態】:健康、疲労(中)左腕に若干の痛み、所ジョージを警戒
【装備】:肌色の斧@FC版ドラゴンクエスト3
【道具】:支給品一式、不明支給品(0~2)※確認済み
【思考】基本:皆殺し。 できれば主催も殺したい。
     1:初音ミクと組んで行動。会場の移動方法などはミクに任せる
     2:バトルロワイアル会場に使われている技術等を仲間か上司に伝えたい
     3:自分を馬鹿にした雌豚(=巡音ルカ)を殺す。
     4:他に会った豚(=参加者)も、もちろん殺す。
     5:厄介な豚(=所ジョージ)も殺害したいが、今は保留
【補足】
※原作出展です、少なくとも主人公達に倒される前。
※人間の技術やVOCALOIDの情報を少し入手しました

【真竜ニアラ@セブンスドラゴン2020】
【状態】:神体、ダメージ(大)飛行中、レベル65
※飛行可能高度及び連続飛行可能時間に制限有


【支給品解説『真竜ニアラ入りモンスターボール』】
ポケットモンスターシリーズ及びセブンスドラゴン2020より。
モンスターボール…カオスロワでは人間も捕獲できる赤白ボール。
様々な種類が存在し、飛び道具として武器にもなる。

真竜ニアラ…カオスロワでは症候群も経験した神。
正真正銘、人間を生み出した神。セブンスドラゴン及びセブンスドラゴン2020のラスボス。
支給されたのは若い頃(2020仕様)のため、毒華操作や竜召喚などの強力な能力は使えない。
代わりに肉体は全盛期のものであり、耐久力だけは非常に高い。
人間を家畜と呼ぶが、公式で少なくとも三回、人間に半殺しにされている。でもやっぱり家畜扱い。

【支給品解説『ゴールドバッジ』】
初代ポケットモンスターより。
ヤマブキジム制覇の証であり、レベル70までのポケモンなら他人のポケモンでも命令を聞いてくれる。
初代仕様のため、他の追加効果はない。

「……さて、どうするか」

ドラゴンが飛び去って行くのを、一人の男が眺めていた。
そう、所ジョージだ。
彼は山手線を投げつけた後も、しっかりとミクたちを見張っていた。
本来であれば、追撃のラッシュであのドラゴンもろともミクたちを倒すつもりだったのだが……

「これが、制限ってやつか……」

普段であれば考えられないほど、彼は疲労していた。
時を止めていられる時間は短くなり、車両一つを投げつけただけで意外と体力を消耗している。
さらに、一般人には不可視の存在であるスタンド『楠田枝里子(なるほど・ザ・ワールド)』も見られた。
『楠田枝里子(なるほど・ザ・ワールド)』の、全体的な能力制限。
これは、さすがの所さんも予想していなかったのだ。

(追撃できず、逃がしてしまったのは痛いな……
あれは確かに人間の血だった。すでに誰か、殺られている……
本性を現した初音ミクに……マグニスだったか。
あいつらはいずれ、この所ジョージが直々にぶっ飛ばす!)

だが制限に屈することはなく。
僅かに乱れた呼吸を整え、孤高のスタンド使いは決意を新たに歩み始めた。

【豊島区・池袋駅周辺/1日目・午後】
【所ジョージ@実在の人物
[状態]:健康、疲労(中)
[装備]:スタンド『楠田枝里子(なるほど・ザ・ワールド)』
[道具]:基本支給品、不明支給品1~3
[思考・状況]基本:殺し合いからの脱出
1:首輪の解除方法を探す。
2:出来れば学生服の青年(キョン)に接触したい。
3:総理よりも喜緑さんを警戒。
4:初音ミクとマグニスはぶっ飛ばす
※楠田枝里子(なるほど・ザ・ワールド)の能力全体に制限(把握済み)
時止めは2~3秒間。発動中は体力消費が激しくなり、間を置かずの連続発動不可
また、一般人であってもその姿を捉えることが可能

※池袋駅周辺に山手線が一車両転がっています
※山手線の運行には差し支えありません


057:それは小さな祈りなの 投下順 059:マシンでつきぬけろ!
057:それは小さな祈りなの 時系列順 059:マシンでつきぬけろ!
042:君と豚を狩りあうTCBR 初音ミク 072:ひれ伏せ家畜どもっ!
042:君と豚を狩りあうTCBR マグニス 072:ひれ伏せ家畜どもっ!
022:ジョジョの奇妙なダーツの旅 黄金の髪 所ジョージ 077:所さんも目がテン

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー