東方ファイトという事で縁日に呼び出された妖夢は、
幽々子が別行動だったのと、予定まで時間があったのとで、縁日を堪能していた。
目が合ってしまった狐面を選び、アメ細工に目を輝かせ、
指定された屋台に辿り着いた頃には、早苗はコルク銃を手に臨戦態勢になっていた。
早苗「来ましたね!早速勝負です!」
花柄小紋の妖夢に対し、早苗は天の川を意識した星柄の浴衣。
やる気満々の様子に、縁日を眺めずに直接ここへと来たのかとも思われたが、
背後に紅魔ロボのお面・わたあめ・りんごアメ・金魚とフル装備で溜息を吐く神奈子が居るのを見るに、
早苗は早苗なりに縁日を堪能してきたようだ。
幽々子が別行動だったのと、予定まで時間があったのとで、縁日を堪能していた。
目が合ってしまった狐面を選び、アメ細工に目を輝かせ、
指定された屋台に辿り着いた頃には、早苗はコルク銃を手に臨戦態勢になっていた。
早苗「来ましたね!早速勝負です!」
花柄小紋の妖夢に対し、早苗は天の川を意識した星柄の浴衣。
やる気満々の様子に、縁日を眺めずに直接ここへと来たのかとも思われたが、
背後に紅魔ロボのお面・わたあめ・りんごアメ・金魚とフル装備で溜息を吐く神奈子が居るのを見るに、
早苗は早苗なりに縁日を堪能してきたようだ。
幽々子「やっと来たわね。それじゃ始めるわよ」
妖夢「……何をやってるんですか、幽々子お嬢様……」
屋台の主は幽々子だった。
屋台の各所にリボンが結ばれており、友人である紫の関与をうかがわせる。
幽々子はいつも通り余裕の笑みを浮かべ、棚の隅に腰掛けて二人に勝負の開始を促す。
待っていましたとばかりに早苗がコルク弾を詰め、目一杯に身を乗り出す。
浴衣の脇が開いていないのは、本来の意味で勝負用の浴衣という事だろう。
地面には片足のつま先だけが触れ、台に腹這いになり、片腕で銃を構えて伸ばす。
最も近い最下段の標的までの距離は、実に10cm程度。
その無駄の無い構えに、流石の妖夢からも感嘆の息が漏れた。
早苗「まずは一つ!」
小さな蛙の人形を狙い、重心の少し下を正確に狙い撃つ。
ぽん、と乾いた音がして、コルク弾が人形を吹き飛ばし、叩き落す。
それを見た幽々子が手にした鐘をからんからんと鳴らし、亡霊が人形を早苗の手元まで運んだ。
早苗「さあ、あなたの番ですよ」
妖夢「はぁ……」
恐らく実力を量り、取る物を選ぶつもりなのだろう。
不慣れな得物に表情を曇らせつつも、妖夢はコルク銃を構える。
早苗のように限界までは伸ばさないが、鍛えた体は不自然な姿勢でも微動だにせず標的を狙う。
妖夢「……苦手なんですよね、こういう武器……思いが直接届かないっていうか……」
姿勢は良いものの、狙いはあまりよろしくない。
愚痴りながらの第一射は、軽そうな人形の頭に当たり、落ちずに倒すだけに終わった。
妖夢「……何をやってるんですか、幽々子お嬢様……」
屋台の主は幽々子だった。
屋台の各所にリボンが結ばれており、友人である紫の関与をうかがわせる。
幽々子はいつも通り余裕の笑みを浮かべ、棚の隅に腰掛けて二人に勝負の開始を促す。
待っていましたとばかりに早苗がコルク弾を詰め、目一杯に身を乗り出す。
浴衣の脇が開いていないのは、本来の意味で勝負用の浴衣という事だろう。
地面には片足のつま先だけが触れ、台に腹這いになり、片腕で銃を構えて伸ばす。
最も近い最下段の標的までの距離は、実に10cm程度。
その無駄の無い構えに、流石の妖夢からも感嘆の息が漏れた。
早苗「まずは一つ!」
小さな蛙の人形を狙い、重心の少し下を正確に狙い撃つ。
ぽん、と乾いた音がして、コルク弾が人形を吹き飛ばし、叩き落す。
それを見た幽々子が手にした鐘をからんからんと鳴らし、亡霊が人形を早苗の手元まで運んだ。
早苗「さあ、あなたの番ですよ」
妖夢「はぁ……」
恐らく実力を量り、取る物を選ぶつもりなのだろう。
不慣れな得物に表情を曇らせつつも、妖夢はコルク銃を構える。
早苗のように限界までは伸ばさないが、鍛えた体は不自然な姿勢でも微動だにせず標的を狙う。
妖夢「……苦手なんですよね、こういう武器……思いが直接届かないっていうか……」
姿勢は良いものの、狙いはあまりよろしくない。
愚痴りながらの第一射は、軽そうな人形の頭に当たり、落ちずに倒すだけに終わった。
言葉の通り、妖夢は銃が苦手だと悟った早苗は、一気に攻勢に出た。
まずは軽量級を手堅く落とし、続いて中段の中型を狙う。
仕込みの一発でずらすと、躊躇なく二の矢でそれを落とす。
その手練の技は、幽々子が声に出して褒める程で、
後ろで見ている神奈子もそんなやり取りを見て目を細めている。
そして早苗が仕上げに、残る三発で大物狙いを始めた頃、妖夢はまだニ発目も撃たずに考えていた。
妖夢「……(強い……構えにも狙いにも無駄がない……まさに『やり込んでいる』動き……。
ただ撃つだけでは私に勝ちはない。何か、逆転の一手があれば……)」
獲物を求めて棚を眺める妖夢の視線が、幽々子を捉える。
それに気付いた幽々子が、妖夢に向けて妖しく微笑み、妖夢が慌てて目を逸らす。
妖夢「(び、びっくりした……でも幽々子様はどうしてあんな所に座っているのか……)」
周囲にいつの間にか集まった観客が歓声を上げる。
早苗が三発で見事にガラス製の置時計を落としたのだ。
その喝采の中でふと閃いた妖夢が、コルク銃に弾を詰める。
それを構えて狙う先は――幽々子の額。
観客が反応するより速く、妖夢の一撃が幽々子の額を撃つ。
幽々子「あーれー」
棚の端に腰掛けていた幽々子は、その一撃により後ろに倒れる。
そこにスキマが開き、幽々子を飲み込むと、妖夢の目の前に開いたスキマから、幽々子が飛び出した。
幽々子「うーん、見事に取られちゃったわねー」
妖夢「……本当にそういうオチでいいんですか……」
早苗「……なるほど!店主が棚に座っていたのは、実は景品だから……!
やはり幻想郷では常識に囚われていてはいけないのですね!」
神奈子「いや、それはどーかねぇ……」
結局、店主である幽々子に残りの景品が付いてきたため、妖夢の逆転勝利となった。
まずは軽量級を手堅く落とし、続いて中段の中型を狙う。
仕込みの一発でずらすと、躊躇なく二の矢でそれを落とす。
その手練の技は、幽々子が声に出して褒める程で、
後ろで見ている神奈子もそんなやり取りを見て目を細めている。
そして早苗が仕上げに、残る三発で大物狙いを始めた頃、妖夢はまだニ発目も撃たずに考えていた。
妖夢「……(強い……構えにも狙いにも無駄がない……まさに『やり込んでいる』動き……。
ただ撃つだけでは私に勝ちはない。何か、逆転の一手があれば……)」
獲物を求めて棚を眺める妖夢の視線が、幽々子を捉える。
それに気付いた幽々子が、妖夢に向けて妖しく微笑み、妖夢が慌てて目を逸らす。
妖夢「(び、びっくりした……でも幽々子様はどうしてあんな所に座っているのか……)」
周囲にいつの間にか集まった観客が歓声を上げる。
早苗が三発で見事にガラス製の置時計を落としたのだ。
その喝采の中でふと閃いた妖夢が、コルク銃に弾を詰める。
それを構えて狙う先は――幽々子の額。
観客が反応するより速く、妖夢の一撃が幽々子の額を撃つ。
幽々子「あーれー」
棚の端に腰掛けていた幽々子は、その一撃により後ろに倒れる。
そこにスキマが開き、幽々子を飲み込むと、妖夢の目の前に開いたスキマから、幽々子が飛び出した。
幽々子「うーん、見事に取られちゃったわねー」
妖夢「……本当にそういうオチでいいんですか……」
早苗「……なるほど!店主が棚に座っていたのは、実は景品だから……!
やはり幻想郷では常識に囚われていてはいけないのですね!」
神奈子「いや、それはどーかねぇ……」
結局、店主である幽々子に残りの景品が付いてきたため、妖夢の逆転勝利となった。
妖夢「……ファイトは終わりましたよ、いつまで抱きついてるんですか」
幽々子「だって私は妖夢に取られちゃったんだもの」
妖夢「いえ、別にそういう意味ではないと思いますが……」
幽々子「ひどい……遊びだったのね!」
妖夢「そういう意味でもありませんっ!」
幽々子「じゃあ、責任取ってくれるわよね?」
妖夢「……みょーん」
幽々子「だって私は妖夢に取られちゃったんだもの」
妖夢「いえ、別にそういう意味ではないと思いますが……」
幽々子「ひどい……遊びだったのね!」
妖夢「そういう意味でもありませんっ!」
幽々子「じゃあ、責任取ってくれるわよね?」
妖夢「……みょーん」