「もうダメです、バリケードが突破されます……ああっ無数のメイド妖精が押し寄せてっ……きゃあぁっ」
「おい、しっかりしろ! ええいっ、第2班は何をやっている!」
その日妖怪の山の司令部には、コンバットスーツを着込み部下への支持を矢継ぎ早に下す椛の姿があった。
「おい、しっかりしろ! ええいっ、第2班は何をやっている!」
その日妖怪の山の司令部には、コンバットスーツを着込み部下への支持を矢継ぎ早に下す椛の姿があった。
「第2班、既に壊滅状態との入電!」
「おのれぇ……なぜ急に妖精達がこの山に侵攻を!?」
「隊長、コードネーム『神風少女』より報告。特に強力な『武将ユニット』を11確認したとのことです!」
「おのれぇ……なぜ急に妖精達がこの山に侵攻を!?」
「隊長、コードネーム『神風少女』より報告。特に強力な『武将ユニット』を11確認したとのことです!」
その通信兵の声ともに映し出された盗撮映像に、司令室は一気に絶望に包まれた。
そこには山の妖怪たちを薙ぎ倒す靈夢・魔梨沙・ロリス・魅魔・神綺・幽香・咲夜・レミリア・フランドール・美鈴・パチュリーの姿があったのだ。
そこには山の妖怪たちを薙ぎ倒す靈夢・魔梨沙・ロリス・魅魔・神綺・幽香・咲夜・レミリア・フランドール・美鈴・パチュリーの姿があったのだ。
「なんということ……よりにもよって山の列強達が慰労会に出かけているタイミングで……」
「どうしましょうか隊長。あの謎のメイド妖精達も妙に戦いなれていますし、白旗あげますか?」
「私は最後まで戦い抜く、天狗の誇りにかけて。降伏したいものは自由にして構わない」
椛は確認をするように部屋を見回したが、誰一人逃げようとする気配はない。
「どうしましょうか隊長。あの謎のメイド妖精達も妙に戦いなれていますし、白旗あげますか?」
「私は最後まで戦い抜く、天狗の誇りにかけて。降伏したいものは自由にして構わない」
椛は確認をするように部屋を見回したが、誰一人逃げようとする気配はない。
「何を言ってるんですか。隊長がいないと勝てる戦いも勝てなくなっちゃいますよ」
「隊長に大将棋で追い詰められたときに比べればピンチにも入りません!」
「隊長、アイラビュー」
「……まったく。行く先には絶望しかないというのに、揃いも揃ってバカばかりだ」
「さしずめ隊長はバカの総大将といった所でしょうか?」
部下の冗句に椛は微笑む。
「違いないな……さて、部隊はあらかた壊滅し罠も突破され、もはや万策は尽きた。この上は神風特攻くらいしかやることは無い」
部下達が固唾を呑んで見つめる中、椛は刀を抜くと、画面に映る戦場に切っ先をびしりと突きつける。
「もはやこの期に及んでたわけた質問はしない。総員黙ってわたしに続けぇっ!!!」
「隊長に大将棋で追い詰められたときに比べればピンチにも入りません!」
「隊長、アイラビュー」
「……まったく。行く先には絶望しかないというのに、揃いも揃ってバカばかりだ」
「さしずめ隊長はバカの総大将といった所でしょうか?」
部下の冗句に椛は微笑む。
「違いないな……さて、部隊はあらかた壊滅し罠も突破され、もはや万策は尽きた。この上は神風特攻くらいしかやることは無い」
部下達が固唾を呑んで見つめる中、椛は刀を抜くと、画面に映る戦場に切っ先をびしりと突きつける。
「もはやこの期に及んでたわけた質問はしない。総員黙ってわたしに続けぇっ!!!」
一方で最前線。
「わりと楽勝ね、お母さん」
「そうねアリスちゃん」
激戦区にも関わらずアリスと神綺が和やかに会話していた。とはいってもそれは2人の主観でしかない。
魔道書から放たれる衝撃波は、数十人の妖怪とメイド妖精をまとめてなぎ払い、神綺のでこぴんではねられた妖怪が大木を数本薙ぎ倒しながら吹っ飛んでいく。
「そうねアリスちゃん」
激戦区にも関わらずアリスと神綺が和やかに会話していた。とはいってもそれは2人の主観でしかない。
魔道書から放たれる衝撃波は、数十人の妖怪とメイド妖精をまとめてなぎ払い、神綺のでこぴんではねられた妖怪が大木を数本薙ぎ倒しながら吹っ飛んでいく。
他の戦場でも割と似たような光景が広がっていた。
「これでこの辺はあらかた片付きましたね。さてこれをどうしましょうか」
パンパンと手を払う美鈴の傍で、パチュリーが白目を剥いて痙攣している。
「この人、実力はピカ1なんですけど持久力がないんですよねぇ……」
「これでこの辺はあらかた片付きましたね。さてこれをどうしましょうか」
パンパンと手を払う美鈴の傍で、パチュリーが白目を剥いて痙攣している。
「この人、実力はピカ1なんですけど持久力がないんですよねぇ……」
「咲夜。そろそろ飽きてきたわ。あと紅茶のおかわり頂戴」
「はいただ今」
死屍累々、積み重なる妖怪や妖精達の脇にテーブルと椅子が用意されており、そこではレミリアとフランドールが優雅に紅茶を飲んでいる。
「退屈だから帰ろうかお姉さま? あとおかわりお願い」
辺りの雑魚を相手しながらも同時に2人の給仕も勤める咲夜。ファイトなど糞食らえ、彼女は給仕をしているだけで満足らしい。
「はいただ今」
死屍累々、積み重なる妖怪や妖精達の脇にテーブルと椅子が用意されており、そこではレミリアとフランドールが優雅に紅茶を飲んでいる。
「退屈だから帰ろうかお姉さま? あとおかわりお願い」
辺りの雑魚を相手しながらも同時に2人の給仕も勤める咲夜。ファイトなど糞食らえ、彼女は給仕をしているだけで満足らしい。
「うふ、うふふふ。勝利はもらったわよ靈夢」
「あんたとわたしは同じチームでしょうが、えいっ」
口ではそんなことを言いつつも霊符を放つ靈夢に対し、浮遊する魔法玉で防御する魔梨沙。
「うふ、いい機会だからここで白黒はっきりとつけましょうか」
「面白い。マスタースパークの使えない魔法使いごときが勝てると思うのかしら?」
「あんたとわたしは同じチームでしょうが、えいっ」
口ではそんなことを言いつつも霊符を放つ靈夢に対し、浮遊する魔法玉で防御する魔梨沙。
「うふ、いい機会だからここで白黒はっきりとつけましょうか」
「面白い。マスタースパークの使えない魔法使いごときが勝てると思うのかしら?」
そして椛は余裕の笑みを浮かべた幽香の前に立っていた。
既についてきた部下は皆斃れ、椛自身も立っているのがやっとの状態だ。
「司令官であるあなたを倒せばゲームセットね……と言いたい所だけど折角の虐殺ゲームがこれで終わるのはもったいないわ」
そう言うと幽香はあさっての方向を指差す。
「逃げなさい。1分したら狩り立ててあげるわ」
既についてきた部下は皆斃れ、椛自身も立っているのがやっとの状態だ。
「司令官であるあなたを倒せばゲームセットね……と言いたい所だけど折角の虐殺ゲームがこれで終わるのはもったいないわ」
そう言うと幽香はあさっての方向を指差す。
「逃げなさい。1分したら狩り立ててあげるわ」
うっとりとする幽香に対して椛が返した返事は、斬。
最後の気力を振り絞った渾身の一刀は、半霊庭師のそれと比べても遜色は無かったであろう。
しかしそれも幽香の頬に一筋の傷をつくるだけに終わってしまう。
「あら、逃げないのね。まあわたしに傷をつけたことをあの世で誇るといいわ」
幽香の手が振り上られ、それが椛に振り下ろされるかと思われたその時。
最後の気力を振り絞った渾身の一刀は、半霊庭師のそれと比べても遜色は無かったであろう。
しかしそれも幽香の頬に一筋の傷をつくるだけに終わってしまう。
「あら、逃げないのね。まあわたしに傷をつけたことをあの世で誇るといいわ」
幽香の手が振り上られ、それが椛に振り下ろされるかと思われたその時。
「不意打ちアターーーーーーッ!!」
爆裂音とともに幽香が弾き飛ばされ、幽香はそのまま崖下に落下していく。
顔を上げた椛が見たものは、乱れた髪を手串で整えている文の姿であった。
「いやはや、遅れちゃいましたね。さあもう大丈夫ですよ」
「あ、文さん……ひぃっ」
「いやー、どんな大妖だろうが不意を突かれてマッハの打撃を叩き込まれりゃ、あっけないものですねー」
「あ、あ……」
「ん? どうしたんですか」
文は椛の怯えた声を不審に感じ、その震える指先を目で追うと……
爆裂音とともに幽香が弾き飛ばされ、幽香はそのまま崖下に落下していく。
顔を上げた椛が見たものは、乱れた髪を手串で整えている文の姿であった。
「いやはや、遅れちゃいましたね。さあもう大丈夫ですよ」
「あ、文さん……ひぃっ」
「いやー、どんな大妖だろうが不意を突かれてマッハの打撃を叩き込まれりゃ、あっけないものですねー」
「あ、あ……」
「ん? どうしたんですか」
文は椛の怯えた声を不審に感じ、その震える指先を目で追うと……
『わたしゃここにいるよ……』
文の目が最後に捕らえたものは、自分の顔に向かって伸ばされてくる悪霊の手であった。
勝敗:魅魔が不意打ちで文と椛を討ち取り、妖怪の山軍団は壊滅。よってチーム旧作の勝利