川の急流に浮かんだ流木を飛び移りながらのデスマッチ、
まず最初に動いたのは妹紅だった。
優れた平衡感覚とキレのある体さばきで、流木をサーフィンのように乗りこなし、輝夜へと向かっていった。
そのまま輝夜の乗っている流木へと体当たり。
だがそこで輝夜がひらりと跳躍、妹紅の流木の上へと飛び移る。
すかさず迎撃する妹紅。だが、輝夜はそれを、くねくねと酔拳のような動きでかわしていく。
ただでさえ急流にもまれる流木の上、足場は非常に悪い。
大きく足場が揺れて、妹紅に隙ができる。
輝夜は瞬時にそれに反応。
猫のようにしなやかな動きで、妹紅の懐にもぐりこむ。
そして、妹紅の細身をとらえ、からみついて――
まず最初に動いたのは妹紅だった。
優れた平衡感覚とキレのある体さばきで、流木をサーフィンのように乗りこなし、輝夜へと向かっていった。
そのまま輝夜の乗っている流木へと体当たり。
だがそこで輝夜がひらりと跳躍、妹紅の流木の上へと飛び移る。
すかさず迎撃する妹紅。だが、輝夜はそれを、くねくねと酔拳のような動きでかわしていく。
ただでさえ急流にもまれる流木の上、足場は非常に悪い。
大きく足場が揺れて、妹紅に隙ができる。
輝夜は瞬時にそれに反応。
猫のようにしなやかな動きで、妹紅の懐にもぐりこむ。
そして、妹紅の細身をとらえ、からみついて――
「ちゅー」
「!!??」
「!!??」
ちゅーした。
「えへへー。お内裏様はお雛様のお婿さんなのよー」
「ちょっ、ばっ、おま、うわ酒くさっ!?」
「お雛様だものー。甘酒くらい飲むわよー」
「違う、この匂いは確実に焼酎だ! お前、どんだけ飲んでるんだよ!!」
「ぶー、私は酔ってませーん! ほら、お雛様なんだから、お雛様抱っこしてくれないとダメじゃなーい!」
「なんだお雛様抱っこって!? や、やめろ離れろこの酔っ払い!」
「何よう……お雛様のことを大事にしてくれないお内裏様なんてきらーい!」(どんっ)
「あ」
「ちょっ、ばっ、おま、うわ酒くさっ!?」
「お雛様だものー。甘酒くらい飲むわよー」
「違う、この匂いは確実に焼酎だ! お前、どんだけ飲んでるんだよ!!」
「ぶー、私は酔ってませーん! ほら、お雛様なんだから、お雛様抱っこしてくれないとダメじゃなーい!」
「なんだお雛様抱っこって!? や、やめろ離れろこの酔っ払い!」
「何よう……お雛様のことを大事にしてくれないお内裏様なんてきらーい!」(どんっ)
「あ」
輝夜の突き飛ばし! こうかはばつぐんだ!
妹紅くん、吹っ飛んだ―!
妹紅くん、吹っ飛んだ―!
「よいしょっと……命綱ってこれでいいのー?」
輝夜が無事に命綱に飛び移った時点で、勝負は輝夜の勝ちになった。
ちなみに後日の会話。
「……お前。本当に酔ってたのか?」
「私は最初から、酔ってないって言ってるんだけど……あなたには、酔ってるようにしか見えなかったんでしょ?」
「いや、それはそうだけど……動きは素早かったし、命綱にもちゃんと飛び移ってたし……」
「あら。じゃあ……酔ってないほうがよかった?」
「……! 知らん、知らん知らん! あれは事故だ、事故だからな!」
「うふふ」
「私は最初から、酔ってないって言ってるんだけど……あなたには、酔ってるようにしか見えなかったんでしょ?」
「いや、それはそうだけど……動きは素早かったし、命綱にもちゃんと飛び移ってたし……」
「あら。じゃあ……酔ってないほうがよかった?」
「……! 知らん、知らん知らん! あれは事故だ、事故だからな!」
「うふふ」