今回の勝負は……「射命丸文の肝臓を取ってくること」!
「というわけでください」
さすが妖夢。委細構わず単刀直入にお願いに出た。
「だが断る。ていうか当たり前でしょう、無茶苦茶言わないでください」
「だってファイトなんだから仕方ないじゃないですか」
「いくら仕方なくても嫌なものは嫌!」
「大丈夫です。妖怪、生き肝抜かれた程度で死にはしません」
「死ななくても嫌だってば!」
「ええい問答無用、斬ればわかる!」
「結局それかーーーーーー!!」
「だってファイトなんだから仕方ないじゃないですか」
「いくら仕方なくても嫌なものは嫌!」
「大丈夫です。妖怪、生き肝抜かれた程度で死にはしません」
「死ななくても嫌だってば!」
「ええい問答無用、斬ればわかる!」
「結局それかーーーーーー!!」
ちゃんちゃんばらばら、丁々発止の戦闘の末、
ほとんど死に物狂いになった文が、何とか妖夢を叩き伏せることに成功。
ほとんど死に物狂いになった文が、何とか妖夢を叩き伏せることに成功。
「ぐはぁっ……か、風は斬れたのに天狗に届かなかった……」
「ぜー、ぜー……ほ、本気になったのに死ぬかと思った……誰よこの子を未熟者だなんて言ってるのは……」
「ぜー、ぜー……ほ、本気になったのに死ぬかと思った……誰よこの子を未熟者だなんて言ってるのは……」
ふう、と一息つく間も無く、
「くーださーいなー」
「うぇえ!? ……こ、今度は天子さんですか……」
「うぇえ!? ……こ、今度は天子さんですか……」
現れる比那名居娘。
さしもの文も絶望的な気分に陥ってくる。妖夢との戦闘で消耗したところを、
吸血鬼と比べても見劣りしない身体能力を持つ天人に襲われては……!
さしもの文も絶望的な気分に陥ってくる。妖夢との戦闘で消耗したところを、
吸血鬼と比べても見劣りしない身体能力を持つ天人に襲われては……!
「って言っても、別にホントに生き胆抜く必要は無いんだけどね?」
「ふぇ?」
「ほら、今回のお題って『射命丸文の肝臓』よね? つまり、文が持ってる肝臓であればなんでもいいのよ」
「つ、つまり?」
「例えば、『文が晩御飯のおかずにしようとしてた牛の肝臓』とかをもらっていってもオッケーって寸法よ」
「あ、ああなるほど!」
「ってわけで取ってきてね。早く取ってこないと、本当に貴方の肝臓抜くために、天人部隊を動かすから」
「ひぇぇええ!? い、今すぐ取ってきます!」
「ふぇ?」
「ほら、今回のお題って『射命丸文の肝臓』よね? つまり、文が持ってる肝臓であればなんでもいいのよ」
「つ、つまり?」
「例えば、『文が晩御飯のおかずにしようとしてた牛の肝臓』とかをもらっていってもオッケーって寸法よ」
「あ、ああなるほど!」
「ってわけで取ってきてね。早く取ってこないと、本当に貴方の肝臓抜くために、天人部隊を動かすから」
「ひぇぇええ!? い、今すぐ取ってきます!」
ずぎゅんと飛び去る射命丸文。
そして30秒で戻ってくる射命丸文。
そして30秒で戻ってくる射命丸文。
「取ってきました、さあどうぞ!」
「早っ! 何、本当に今日のごはんにしようとしてたの?」
「いえ、どこに探しに行こうかと飛んでいたところ、なぜか白黒がご機嫌そうにこれを持って帰ろうとしてたので横取りしてきました」
「ま、まあいいや。それじゃーねー」
「早っ! 何、本当に今日のごはんにしようとしてたの?」
「いえ、どこに探しに行こうかと飛んでいたところ、なぜか白黒がご機嫌そうにこれを持って帰ろうとしてたので横取りしてきました」
「ま、まあいいや。それじゃーねー」
というわけで、牛レバーをもらって飛び去っていく天子。
助かった、と胸を撫で下ろした射命丸。ちなみにその隣には、未だにへたばっている妖夢。
助かった、と胸を撫で下ろした射命丸。ちなみにその隣には、未だにへたばっている妖夢。
――そこに、災厄が現れた。
「……あなたね? 私のごはんを持っていったのは」
「…………!?」
「あらあら、妖夢までのしてくれちゃって……さては、妖夢がちゃんとしなかったから、貴方が私の晩御飯を持っていっちゃったのね?」
「…………!?」
「あらあら、妖夢までのしてくれちゃって……さては、妖夢がちゃんとしなかったから、貴方が私の晩御飯を持っていっちゃったのね?」
鬼気迫る形相で迫り来る食欲魔人――
その威圧感に、さしもの天狗も体がこわばって動かない。
その威圧感に、さしもの天狗も体がこわばって動かない。
「ま、ま、さか、あの、白黒が持ってたのは」
「そう、白玉楼から盗んでいったものよ~。締め上げたら、貴方が持っていったって白状したわ。
さて、妖夢へのお仕置きは後でするとして……当然、あなたへのお仕置きも必要よね?」
「あ、あ、あああああ」
「大丈夫、私は優しいから、痛くはしないわ。
そう――牛じゃなくったって、カラスの生き胆をいただくのも、悪くないものね?」
「ああああああああああああああああああああああああ!!」
「そう、白玉楼から盗んでいったものよ~。締め上げたら、貴方が持っていったって白状したわ。
さて、妖夢へのお仕置きは後でするとして……当然、あなたへのお仕置きも必要よね?」
「あ、あ、あああああ」
「大丈夫、私は優しいから、痛くはしないわ。
そう――牛じゃなくったって、カラスの生き胆をいただくのも、悪くないものね?」
「ああああああああああああああああああああああああ!!」
烏天狗の断末魔が響き渡る中――
天狗がやられている間に逃げて、一ヶ月くらい姿をくらませていよう、と妖夢は考えていたとか。
天狗がやられている間に逃げて、一ヶ月くらい姿をくらませていよう、と妖夢は考えていたとか。