逆さ吊り耐久……この勝負を聞いたとき、小悪魔はそっと涙した。
絶対無理だ。プリン装備の主が耐え切れるわけがない。
だが、止めなかった。止めても無駄だとわかっていたからだ。
そんな子悪魔の涙に塗れた視線を背中に受け止め、ぱっちゅんぷりんは戦場へと足を進めた……
絶対無理だ。プリン装備の主が耐え切れるわけがない。
だが、止めなかった。止めても無駄だとわかっていたからだ。
そんな子悪魔の涙に塗れた視線を背中に受け止め、ぱっちゅんぷりんは戦場へと足を進めた……
「げほげふぉっ! ぐふ、ごぶごぼ、ぜひーぜひー、ぐぶふぉっ……!」
逆さ吊りによって垂れたプリン汁(カラメルソース混じり)が、パチュリーの顔を濡らす。
鬱陶しいなんてものではない。ただでさえ喘息持ちのパチュリーは、ほとんど溺死寸前といった様相だった。
苦悶に満ちた表情、血が偏って紫色に染まった顔色、泡を吹く口元、呼吸音はもはや悲鳴に近い。
エロスなんて生易しいものはそこにはない、それはもはや生々しい拷問の領域だ。
観客の誰もが思う。これは無理だ、酷い有様だ、どうしてギブアップをしないんだ、いや、既にそれも不可能なのでは。
だが、パチュリーは諦めていない。それは、無謀などでは断じてない。
彼女には見えていたのだ。自分の対面する先――対戦相手のルーミアの様子。
逆さ吊りによって垂れたプリン汁(カラメルソース混じり)が、パチュリーの顔を濡らす。
鬱陶しいなんてものではない。ただでさえ喘息持ちのパチュリーは、ほとんど溺死寸前といった様相だった。
苦悶に満ちた表情、血が偏って紫色に染まった顔色、泡を吹く口元、呼吸音はもはや悲鳴に近い。
エロスなんて生易しいものはそこにはない、それはもはや生々しい拷問の領域だ。
観客の誰もが思う。これは無理だ、酷い有様だ、どうしてギブアップをしないんだ、いや、既にそれも不可能なのでは。
だが、パチュリーは諦めていない。それは、無謀などでは断じてない。
彼女には見えていたのだ。自分の対面する先――対戦相手のルーミアの様子。
「お腹がすいた……プリンおいしそう……あれは食べてもいいプリン、絶対食べてもいいプリン……」
空腹とプリンの香りに釣られ、今にもこちらへと飛び込んできそうな逆さ吊りルーミア。
そうだ、早く来い……勝負のことなど忘れ、こちらに飛んでくるんだ……そうすればお前は反則負けになる!
パチュリーは耐えた。耐えに耐えた。気絶寸前の薄れた意識で、じっとルーミアが飛んでくるのを待ち焦がれた。
その時間は、パチュリーにとってみれば何時間にも何年にも感じられただろう。
そうして、パチュリーは見た。ルーミアの瞳が、食欲に耐え切れずぎらりと輝く姿を。
空腹とプリンの香りに釣られ、今にもこちらへと飛び込んできそうな逆さ吊りルーミア。
そうだ、早く来い……勝負のことなど忘れ、こちらに飛んでくるんだ……そうすればお前は反則負けになる!
パチュリーは耐えた。耐えに耐えた。気絶寸前の薄れた意識で、じっとルーミアが飛んでくるのを待ち焦がれた。
その時間は、パチュリーにとってみれば何時間にも何年にも感じられただろう。
そうして、パチュリーは見た。ルーミアの瞳が、食欲に耐え切れずぎらりと輝く姿を。
次の瞬間、パチュリーの顔に、プリンが丸ごとずり落ちてきた。
しかも悪いことに、パチュリーのふっくらしたほっぺにプリンが引っかかり、
パチュリーの顔は、プリンに埋まったまま抜けなくなってしまった。
その瞬間、永琳のドクターストップが入り、ルーミアのTKO勝ちが決定。
そしてその直後にルーミアが自分の足のロープを引きちぎり、
ぱっちゅんぷりんに踊りかかり、プリンをぺろりと平らげてしまった。
パチュリーの顔は、プリンに埋まったまま抜けなくなってしまった。
その瞬間、永琳のドクターストップが入り、ルーミアのTKO勝ちが決定。
そしてその直後にルーミアが自分の足のロープを引きちぎり、
ぱっちゅんぷりんに踊りかかり、プリンをぺろりと平らげてしまった。
後に永琳は語る。ルーミアが先にプリンを除去していなかったら、パチュリーは今頃……と。
そしてその様子と永琳のコメントは、文々。新聞の一面を飾り、
ルーミアは敵であったパチュリーの命を救った恩人として取り上げられた。
パチュリーはそれを一通り読んだあと、涙ながらに新聞を真っ二つに引きちぎろうとして、
衰弱した体でそれは不可能だったので、看病していた小悪魔に捨ててもらったという。
そしてその様子と永琳のコメントは、文々。新聞の一面を飾り、
ルーミアは敵であったパチュリーの命を救った恩人として取り上げられた。
パチュリーはそれを一通り読んだあと、涙ながらに新聞を真っ二つに引きちぎろうとして、
衰弱した体でそれは不可能だったので、看病していた小悪魔に捨ててもらったという。