「今まで私は、この競技に二度挑み二度とも敗れている……
だが敗因はわかっている! 私は今まで、受け身になりすぎていたのよ!
そう、観客が選手を押しても何のお咎めも無いなら、選手が選手を押しても反則にはならない……
なら、私が先にルーミアを押してしまえばいいのよ……!」
だが敗因はわかっている! 私は今まで、受け身になりすぎていたのよ!
そう、観客が選手を押しても何のお咎めも無いなら、選手が選手を押しても反則にはならない……
なら、私が先にルーミアを押してしまえばいいのよ……!」
決意も新たに熱湯風呂に臨む天子。浴槽を前に、ルーミアと並んで立つ。
なぜかこちらをちらちらと覗き込んで来るルーミア……こっちの目論見に気付かれたか?
何食わぬ様子を装いながら、お先にどうぞ、と先攻を譲る天子。
ルーミア、しばし迷ったものの、意を決した様子で浴槽のほうに足を向ける。
なぜかこちらをちらちらと覗き込んで来るルーミア……こっちの目論見に気付かれたか?
何食わぬ様子を装いながら、お先にどうぞ、と先攻を譲る天子。
ルーミア、しばし迷ったものの、意を決した様子で浴槽のほうに足を向ける。
「……今だ! 落ちよやぁああ!」
「もう我慢できないのだー! やっぱり先にいただきまーす!!」(ぐわっし!)
「ふぇ!?」
「もう我慢できないのだー! やっぱり先にいただきまーす!!」(ぐわっし!)
「ふぇ!?」
天子がルーミアの背中を押そうとした瞬間、ルーミアが突如として振り返り、天子の頭の桃に向かって飛び掛ろうとしたのだ。
一瞬の交錯。天子は確かにルーミアを突き飛ばしたが、その瞬間にはルーミアも天子の帽子を掴み取っていた。
押した体勢のまま前のめりに倒れこむ天子。そのまま、ルーミアと一緒に浴槽に落下して――
一瞬の交錯。天子は確かにルーミアを突き飛ばしたが、その瞬間にはルーミアも天子の帽子を掴み取っていた。
押した体勢のまま前のめりに倒れこむ天子。そのまま、ルーミアと一緒に浴槽に落下して――
「熱ぢゃあああぃやあぁあ!」
「わー! 熱い、派手に熱いー!!」
「わー! 熱い、派手に熱いー!!」
そのまま、熱湯でもつれ合いになった。
めまぐるしく両者の体勢が入れ替わる、熱湯の中、天子はルーミアを引き剥がせずにもがいていた。
めまぐるしく両者の体勢が入れ替わる、熱湯の中、天子はルーミアを引き剥がせずにもがいていた。
「っこの……離れろ、離して!」
「桃ー! あったかい桃もおいしいのかー!?」
「知らないわよ食べたくもない、くっ、い、いい加減に……しろー!!」
「桃ー! あったかい桃もおいしいのかー!?」
「知らないわよ食べたくもない、くっ、い、いい加減に……しろー!!」
ついにブチ切れた天子、緋想の剣でルーミアの服を貫き、そのまま浴槽の底にルーミアごと投擲、
ルーミアの体を湯の底に縫いとめてしまった。
その瞬間、緋想の剣の気質効果で浴槽限定で地震が発生。お湯の大津波に巻き込まれ、天子はスポーンと湯の外に放り出されてしまった。
ルーミアの体を湯の底に縫いとめてしまった。
その瞬間、緋想の剣の気質効果で浴槽限定で地震が発生。お湯の大津波に巻き込まれ、天子はスポーンと湯の外に放り出されてしまった。
「ぜっ、ぜっ、はぁはぁ……思い知ったか妖怪め! この私を侮ったらどうなるか……って、ああっしまった!?」
得意げに勝ち誇った直後に敗北感に打ちのめされる。その屈辱はいかばかりのものか。
しかも……次の瞬間、浴槽が壊れた。緋想の剣で貫かれたのと地震とで、耐え切れなくなったのだ。
それによってあふれ出した天子は、二度目の熱湯不意打ちでもがき苦しみながら流されていった。
ちなみに勝利したルーミアだが、ちゃっかり天子の頭の桃を手に入れており、
壊れた浴槽の外に打ち上げられた時には既に、ゆで桃を口いっぱいに頬張っていたのだとか。
しかも……次の瞬間、浴槽が壊れた。緋想の剣で貫かれたのと地震とで、耐え切れなくなったのだ。
それによってあふれ出した天子は、二度目の熱湯不意打ちでもがき苦しみながら流されていった。
ちなみに勝利したルーミアだが、ちゃっかり天子の頭の桃を手に入れており、
壊れた浴槽の外に打ち上げられた時には既に、ゆで桃を口いっぱいに頬張っていたのだとか。