少女、さとり

少女、さとり ◆Ok1sMSayUQ



 魔法の森に囲まれた、小高い山の頂上にある小ぢんまりとした博麗神社。
 普段ならば人妖が度々訪れ、時には宴会騒ぎにまで発展する、神社らしくない神社は、今は閑散として荒涼たる風景となっていた。

 その縁側に腰掛け、ぽつねんと佇んでいるのは上白沢慧音だった。
 放送を聞き、いてもたってもいられず洩矢諏訪子を探しに行った東風谷早苗を送り出し、
 現在は時期を待ち、体勢を整えているというのが慧音の状態だ。

 正直な気持ちとしては慧音も仲間集めに奔走したくもあった。しかし因幡てゐを巡る騒動の後、
 自分のやっていることに確信も持てなくなってしまったのが慧音をここに留まらせている理由の一つ。
 そして古明地さとりを放っておくことが出来なかったというのがもう一つの理由だった。

 ――私は、誰も信じられなくなっているんじゃないか。

 神社に辿り着いて以来、慧音の胸中にはその気持ちが渦巻いていた。
 自分を騙そうとしていた因幡てゐ。
 空砲とはいえ、何の躊躇いもなしに銃を向けたルーミア
 目的のためならば他者を切り捨てることも是とした古明地さとり。
 誰かを信じなければ始まらないと言いながら、その実本当に信じていいのかと心の奥底で疑っていたのが自分。
 信じるという言葉さえ、慧音がそう思って発した言葉ではなく、『良き先生』、『良き理解者』の立場からそうしただけで、
 実際のところは常に怯えている。

 そうなのだろう、と慧音は思った。さとりの近くにいようとするのだって、彼女の仲間だと思ったわけではない。
 放っておけば、さとりの言うところの『不必要な存在』を切り捨てにかかるかもしれず、
 ならば自分が一緒にいて監視するほうが安全だと思っているから。
 名前を偽り、火焔猫燐を騙って行動していたさとりのこと、口約束を守るとは思えなかった。

 予防線を張っている自分が、どうして人に信じろと口にすることが出来るのだろう。
 慧音は思っていた以上に芥に塗れきった自らの姿を眺め、失笑の息を漏らした。
 信じるという言葉の意味も忘れ、上っ面をなぞるだけになってしまった事実。
 道徳を忘れてはいけないから、争ってはいけないからという教科書に踊らされ、なぜと考える術を失ってしまった卑しさ。
 盲目的に書面を正しいと断じて、重ねた言葉がどんな存在にも届くはずがない。
 だからさとりを説得することもできなかったばかりか、『悪いこと』をしたルーミアにだって何一つ言えていない。

 これは諦めなのだろう、と慧音は自らの不実をそう結論した。
 妖怪は人を襲い、喰らう。それが肉体であれ、心であれ、襲うことこそが妖怪を妖怪たらしめている理由なのだから、
 人間の論理が通じないのは当然。故に人間の側に立っている自分の言葉なんて届かないし、そんなことをしても意味はない。
 適度に折り合い、黙認できるところは黙認して、妥協する。

 妖怪であり、人間でもある慧音が長年生きるうちに整えた、それは一つの完成した論法なのかもしれない。
 しかし同時に慧音から理想を奪い、現実に対処する術を学ばせ、平和のためには見ず知らずだってすることもさせた。
 人間を不要な争いに巻き込みたくなかったから。名目上はそれでよかったし、ある程度の平和は保たれてきた。
 だが結局のところこんなものは言い訳でしかなく、立場が違うだけで、さとりの考えていることと同じではないのか。
 人間と妖怪、決して相容れぬ存在が共生してゆくためにはこうするしかなかったのだとしても……

 だがそれで掴んだ平和は妥協に妥協を重ねただけで、本当の共生にはならなかった。
 手を取り合い、仲良く人妖が暮らしてゆく平和など夢物語でしかないと諦めて。
 自分も所詮は妖怪か、という実感が慧音の心を曇らせてゆく。

 そんな慧音の目先に差し出されたのは、温かな湯気が立ち昇る湯飲みだった。中には濃い緑のお茶が注がれている。
 差し出したのは、今まさに反目しているさとりだった。「どうぞ」と言ったさとりに逆らえず、慧音は無言で受け取った。
 どうやらさとりが淹れたものらしいと理解した頭は、毒が入っているのではないかという危惧も持たせたが、
 隣に座ってお茶を啜るさとりの姿を見て、警戒心の代わりに自己嫌悪が広がってゆくのが分かった。

「ただのお茶ですよ」

 唐突に言ったさとりにハッとさせられる慧音だったが、彼女がサトリであることも思い出し、「悪い」と謝罪の言葉を述べた。
 しかしさとりは苦笑して「いいんです」と続けた。

「嘘をついてきましたから」

 改めて眺めたさとりの横顔は寂しそうで、こうして隣に座っていても彼女は一人ぼっちでいるようにしか思えなかった。
 サトリであることが分かってしまった以上、もう嫌われても仕方がない、そう考えているのかもしれない。
 長年の生が諦めを生み出し、浸かることを当たり前としてしまった自分と同じように。

「正直なところ、私はお前のやり方には賛成できないし、したくもない」
「私もあなたのやり方は甘すぎると思います。人も、妖怪も、誰しもが悪意を持っている」
「だが折り合って生きていくことはできる。……そうだろう?」

 そう、人と妖怪が心から分かり合えるというのは夢物語なのかもしれない。
 だとしても互いに対する嫌悪感と排斥だけが、人妖の間にあるものだとは考えたくはなかった。
 妥協に妥協を重ね、停滞の末に自分のような疑いしか持てない者がいるのは事実であっても、
 早苗のように必死でまとめようとしてくれている存在があるだけで、慧音は儚い希望の灯を消さずにいられた。
 人間と妖怪。二つの種族全員が疑いと憎しみしか持てていない現実なんて、寂しいし、悲しすぎるから……

「……そうかもしれません」

 不意にさとりが微笑を見せ、その意外すぎる柔らかさに内奥にあった氷が溶けてゆく感覚があった。
 ああ、と慧音は思い出す。妹紅と似ているんだ、こいつは。
 ずっと一人で生きてきた藤原妹紅が他者と関わりあうのを恐れ、頑なな表情しか見せてこなかったように、
 さとりも自ら距離を置くことで心の安寧を保とうとしてきたのかもしれない。

 サトリという種族にとって何よりも重要なのは変わらぬ心、平常心を保つことであり、孤独を是としてきたさとりにとって、
 人との関わりは自らを崩す不安材料そのものだった。
 しかし早苗がさとりに対する無条件のやさしさを見せたことで、さとりが思い込んできた事実は崩れようとしている。
 決して悪意ばかりではない。あったとしても、善意もまたあるのかもしれない、と。

 そうして人も妖怪も変われるのかもしれない……感慨を結んだ慧音は流石に安直すぎるか、とも思ったが、
 微笑するさとりを見ているとそのようにも思えてくるのだから不思議なものだった。

「済まなかったな」

 だからだろうか。慧音は意外なほど素直に、今の自分が持つ気持ちを告げていた。
 さとりが何を言っているのか分からないという風に目をしばたかせていたことに、今度は慧音が吹き出す番だった。

「な、何ですか」
「失敬。因幡てゐの一件で取り乱してたことだよ。感情に振り回されすぎてた」
「……」
「でも、だからといって役立たずや不安要素は即刻切り捨てるというお前の考えには賛同できない。
 私も少しは悪意がないか疑うようにするから、さとりも少しは私を信じてくれないか?」
「妥協ですね、それは」
「そうとも。妥協しか出来ないのが私達だ。無条件に善意や悪意を信じきれるほど、子供じゃなくなってるんだ」

 さとりの目が軽く伏せられる。だが拒絶するような素振りはなく、寧ろ仕方がないという感じで息を吐き出した。
 互いに潔癖などではなく、芥に塗れ、人妖の在り方を知ってしまった者同士であるということを理解した顔だった。

「分かりました。ではまず私から条件があります。ここにおいて他者を悪意の下に傷つけた者には、相応の罰を与えること」
「私からも条件だ。殺害しているなどの前情報があっても、こちらからは攻撃を仕掛けないこと。話し合いの余地があるか確かめる」
「要は真実を確かめるまで手出し無用というわけですか。……まだ甘いですね」
「問答無用で殺さなくなったお前に比べればそうでもないさ」
「私は……」

 そんなつもりではない、という風に口が尖る。だがさとりの気はほぐれたらしく、無表情を装っていた彼女の姿はない。
 立場から反目し合い、適当に折り合う術しか見出せなくなったのだとしても、慧音にはこの一事で満足だった。
 これが仲間意識か、とふと思った慧音はそれこそ都合のいい話だと思いをかき消した。

 仲間ではない。敵の敵は味方という言葉の方が正しいのかもしれなかった。
 それでも協力し合えるのだから、全く縁とは不思議なものだった。
 奇妙な感慨を覚えながらお茶を啜ろうとした慧音の耳に、ずんと重低音が響く音と地面が揺れる気配が伝わった。
 ぽちゃ、と湯飲みの中の液体が波紋を立てたのと同時、慧音とさとりは異変を感じて立ち上がっていた。

「何だ!?」
「大きいですね」

 声こそ平静そのものだが、さとりも異変の元を探ろうと目を泳がせている。
 だがここまで聞こえるとなるとそう遠いところの事件ではない。
 現場が近いのは疑いようがなく、まさか、という憶測が慧音の中で弾けた。

「早苗が……?」
「……慧音さん」

 さとりも同じ結論に辿り着いていたらしく、行くのか、と目で質問される。
 無論だという風に慧音は頷いた。送り出した早苗が戦闘に巻き込まれているのだとしたら、責任は間違いなく自分にある。
 ルーミアに不安を抱えながらも諦めのままに護衛につけたのも自分なら、さとりを恐れるがあまりついてゆこうとしなかったのも自分。
 そんな勝手すぎる自分のために、人妖を繋げようとしてくれていた早苗を見殺しにしてたまるかという思いが慧音にはあった。

 ここまで抱え込んでしまった不実を今さら実感したころで取り返せるものではないのかもしれない。
 だがここで行動せずに沈黙を決め込むことこそ真に慧音が憎んできた悪であると分かっていたし、
 何よりも慧音自身、早苗を助けたかった。立場も種族の差も乗り越えて、早苗は守るべき光だと確信していたからだった。
 止めても無駄だ、とさとりに告げようとする前に「分かっています」と制する声がかかった。

「私も行きましょう。……私も、早苗さんには死んで欲しくはありませんから」

 苦笑するさとりの顔は覚え始めた感情を押し殺すのに必死という風であり、打算や自らの利益など眼中にないことは明らかだった。
 なるほど、惚れた弱みかという理解が頭の中に広がり、「別にそういう趣味じゃ」と弁解するように重ねたさとりに、
 今度こそ慧音は笑わずにはいられなかった。ここに来て以来、初めて心から浮かべた笑みだった。

 ひょっとすると思った以上に、私達は手を取り合っているのかもしれないな。

 少し前まではとても信じられなかった考えがスッと胸の奥に染み渡ってゆくのを感じながら、慧音はもう一度「済まなかったな」と言った。
 分かればいいんです、そう告げて先を走り出したさとりに、慧音はもう一度笑ったのだった。

     *     *     *

 風が吹いている。
 とても心地良いと感じてきたはずの風。
 包み込むように頬を撫でてくれるはずのそれ、自然のやさしさを運んできてくれるはずのそれは、
 今は、血の生臭さとつんとした刺激臭だけを運ぶ、穢れた風になっていた。

「――え?」

 東風谷早苗は、目の前でバラバラに砕け散った洩矢諏訪子の顔を直視していても、何が起こったのか分からなかった。
 つい先ほどまで目の前のあったはずの、幼さが目立ちながらも、
 神としての威厳と母性さえ感じさせるような諏訪子の表情が目に焼きついて離れず、
 眼前の肉片が何であるかさえ未だに脳が理解できずにいた。

「わぁ、やったぁ♪」

 その隣ではルーミアがきゃっきゃと嬉しそうにはしゃぎ、跳ね回っている。
 未だに硝煙を立ち昇らせる拳銃が、その手に握られていた。
 呆然とその様子を眺めていると、やがて満足したらしいルーミアがにこにこ顔で肉片の前へと座り込んだ。

「うん、それじゃいっただっきまーす」

 大きく口を開けたその三日月が、赤い口腔と重なって早苗に悪魔を連想させる。
 赤い赤いお月様が、赤い河を啜る。
 ちろちろと蠢く舌が、気持ちの悪い虫のようにしか思えなかった。
 ルーミアの口内で動く何かが喉を通るたび、諏訪子との思い出が削り取られてゆくような気がしていた。
 べとべとに口の周りを血で汚す姿は子供でありながら、悪意そのものを押し込んだもののようにしか見えなかった。
 美味しい、と喜悦に満ちた声が響くたび、早苗の中にひたひたとした現実が侵食する。

「お肉は、どーかなー?」

 尖った八重歯が突き立てられる剣のように見え、そこから諏訪子が激痛を発する声を聞いた早苗はルーミアを突き飛ばしていた。
 それと同時、耐え難い怒りと悲しみとがない交ぜとなって、目の前の妖怪に対する憎悪へと変わってゆくのが自分でも分かった。
 汚された自らへの神に対する侮辱と、蛮行に走ったルーミアへの怒りも露に、早苗は自分でも驚くくらいの大声を発した。

「何を……何をやっているんですかっ!」

 震える声は怯えているのではなく、思いを踏み躙られたことに対する激しい恨みからだった。
 妖怪は人を喰らうもの、と理解してはいた。その光景を目の前で見させられもした。
 だが敵どころか自分の家族である諏訪子との会話を聞いていたにも関わらずトドメを刺し、
 あまつさえ肉を喰らおうとする傍若無人ぶりは一体何だというのか。こんなにも妖怪は身勝手だというのか。

 食い縛った歯は今にも割れそうなくらいに一文字の形をしていて、自分の中に抑えがたい衝動が生まれ始めているのが分かった。
 怒っているのは……本気で叫んだのは分かっているはず。
 そのはずなのに、ルーミアはわけがわからないというように呆然としていた。
 妖怪が人を喰って何が悪い。欲望に身を任せるのも恥じない傲慢があり、
 人間の事情など知ったことではないと嘲笑っているようにしか、早苗には見えなかった。

「諏訪子様は、私の家族なんですよ! 今の話を聞いてて、分かったでしょう!? なのに、なんで、なんであんなひどい……!」
「だって、ルールだもん」

 ぷく、と頬を膨らませて言ったルーミアは、悪気などひとつも感じていないようだった。
 ルール、と聞き返した早苗の頭に広がったのは、この子には人の情愛も絆も関係ない、何も知らない子供だという感想だった。
 いや、知らないだけならまだいい。ルーミアは意味も考えようとせず、提示されたから従っているだけの操り人形だ。
 食べてもいいと言われれば食べ、撃っていいと言われれば撃つ。思考を捨て、命令のみに身を任せる愚かな妖怪……

 そんな妖怪を信じてしまったこと、そんな下らない妖怪に諏訪子が殺されたこと、穢されたことがひどく惨めに感じられ、
 情けなさがよりいっそう憎しみへと転じてゆく。

「うん。これを撃って、弾が出たら食べてもいいって決めたもん。何が食べてもいい人類なのか、分からなかったから」
「ふざけるなっ!」

 無知から来る気まぐれなのだと理性は理解しながらも、早苗は叫ばずにはいられなかった。
 それほどまでに目の前で家族を殺された憎しみは大きく、悲しみは癒せない傷となっていた。
 それだけではない、これまで何一つとして救えなかった自らの無力の実感、風邪による体力の低下、
 反目し合う人妖たちをまとめられなかった不甲斐なさとが絡まり、吐き出さずにはいられないほど大きなものへと変貌していた。
 実際諏訪子に致命傷を与えたのは他の人物だと分かっていても、目前のルーミアに対する恨みつらみは止められない。
 ここで起こったこと全てを受け止めるには、早苗はどうしようもなく若すぎた。

「だからって、諏訪子様を、なんで……なんで、なんでよっ!」

 ふわり、と舞った木の葉は、早苗が力を収束させ始めたことの証だった。
 風邪によって、早苗が備える力は半分も出し切れていなかったが、
 ルーミアは早苗の行動を弾幕ごっこだと認識したようで、後ずさり始める。

 それが引き金だった。

「諏訪子様は、最期に笑ってたんですよ! 私になにかを伝えようとしてくれていたんです!
 なのにあなたは、どうしてそう簡単に奪うことができるんですかっ! あなたには……心はないんですか!」

 神風。例えるならそうとしか言いようのない暴風が刃となってルーミアに向かった。
 不可視の弾幕であるはずの風の刃は、しかしルーミアが少し横にずれただけで避けられた。

「おねーさん、悲しいの? ……私、何か悪いことしたのかな」
「っ……今更、なんですよっ!」

 再度風を弾幕の形に整え発射する。広範囲に弾を撒き散らしたつもりだったが、
 ルーミアという一点しか狙っていなかったことを読まれていたようで、飛んで避けられる。
 苛立ちが更に激情を募らせ、感情を殺意の形へと変えてゆく。
 それまでまるで抱いたことのなかった『殺してやる』という気持ちが明確となり、早苗の中にじっとりと滲んでゆく。

 こんな妖怪がいるから、神奈子も諏訪子も死んだ。
 こんな妖怪がいるから、みんな死んでゆく。
 なら退治してやる。
 妖怪は皆殺しだ――白熱した頭のまま、早苗は次なる弾幕を形成しようとした。

「ご、ごめんね? あれは食べちゃいけない人類だったの?」

 戸惑いを隠しきれないルーミアが『自らの罪』を自覚したようにおずおずと近づこうとする。
 その瞬間、限界まで沸き立った殺意にこれでいいのか、と声が差した。
 だが遅すぎた。既に弾幕は発射され、早苗がしまったと思ったときにはルーミアに弾の群れが迫っていた。
 咄嗟に回避したらしいルーミアは、しかしいくらか掠ってしまったようで苦痛に表情を歪めた。
 完全に敵意があると認識してしまったらしく、ルーミアは「ごめんなさい」と言って逃げ出してしまう。
 追おうとした早苗だったが、ここに来て崩した体調にツケが回ってきたようで、かくんと膝が折れ、体がすとんと落ちた。

 なんで、こんなときに限って。

 そこまで考えた早苗は、ならば追ってどうするという疑問に突き当たった。
 殺す、のか? ごめんなさいと言ったルーミアを?
 だがあの妖怪は、諏訪子を、家族を穢した……許すべきことではないし、制裁を与えてしかるべきことだ。
 それにあんな人喰いを放っておいては他の人間にも被害が出るかもしれない。
 だから退治する。二度とあんなことがないように、妖怪は全部退治し尽して――

 なら火焔猫燐はどうなる、と早苗の脳裏に、いつでも寂しそうな顔をしていた妖怪の姿が思い出される。
 自分を支えてくれた妖怪。

 ごめんなさい、辛かったでしょう?

 泣き崩れた自分を抱きすくめ、壊れかけていた自分を元に戻してくれた妖怪を、退治する。
 そうするのが正しいと分かったようになって、それまであったことも全部忘れて?

「……でも! でも、諏訪子様は妖怪に殺されたのよ! こんなの認められないじゃない!
 だからいい! 妖怪なんかより神奈子様が、諏訪子様の方がよっぽど大事だった!
 そうよ、だから私は殺してもいいの! だってそうしなきゃ、そうしなきゃ私は、何を信じれば……!」

 風が吹いた。
 ふわりと何かが舞い、理由を求めて彷徨わせた視線を塞いだ。
 ぱさり、と顔に被せられる何か。
 懐かしく、やさしい匂いが早苗の鼻腔をくすぐり、ぐちゃぐちゃになりかけていた思いを押し留めた。
 頭に乗ったそれを掴み、眺める。それは諏訪子が愛用していた、どこか奇妙な愛嬌のある帽子だった。

 もう、やめなよ。みっともないよ、早苗。

 神格の残り香があったのかもしれない。幻聴かもしれない。けれども確かに――いつもの穏やかな諏訪子の声が届き、
 憎しみで押し殺していた感情の波が溢れ出した。とめどない涙が溢れ出し、ぽたぽたと諏訪子の帽子に落ちた。
 自分は何をしようとしていたのだろうという強い後悔が頬を伝う雫と共に生み出され、早苗は「ごめんなさい」と繰り返していた。

 取り返しのつかないことをするところだった。
 先ほど言われていたはずの「〝偶像〟を信じるんじゃないんだ、"理想〟を信じるんだよ」という言葉も忘れ、
 今まさに幻影、諏訪子の敵討ちという偶像に縋ってしまうところだった。
 そうしたところで慰められるのは諏訪子の魂じゃない、自分の魂でしかないというのに……

 諏訪子が死を賭してまで伝えたかった言葉を忘れてしまうのなら、それは一体なんのための犠牲、なにを得るための代償なのか。
 得られるのはつまらない自尊心でしかないということを理解した早苗は、現人神失格だという思いに打ちのめされた。
 確かに、諏訪子を穢したルーミアは許すことは出来ない。今までもそうだし、これからだってそうだろう。
 だとしてもそれなりの償い方をさせることだって出来るのだし、ルーミアにも、自分の想いは伝わった。

 もう一度話をしてみよう。早苗は覚束ない足取りながらも立ち上がり、前へと向かって歩き出した。
 今一度確かめる。きちんと分かり合えるかどうか、話し合ってみる必要があった。
 もし、それが無理であるのなら……覚悟を決めようと早苗は思った。
 戦わなきゃいけないのだとしても、どうあっても分かり合えないのだとしても、それでも、憎しみだけで互いを否定し合うなんて。

「そんなの、ロマンがないわよね」

 理想とはそういうことなのだろう、と早苗は納得して、諏訪子の帽子を両手に抱えた格好で歩き続けた。

     *     *     *

 上白沢慧音という半獣半人が、よく分からなくなってきた。
 つい先ほどまで反目しあい、決して相容れないものだと認識していたにも関わらずそれを受け入れて新しい関係を築こうとしている。
 古明地さとりという嫌われ者妖怪で、加えて嘘つきであっても必要なのだと断じて真摯な目を向けた慧音に戸惑っていた。

 これまではそうではなかった。サトリという存在そのものが嫌われ、疎んじられる原因であり、絶対の摂理であるはずなのに。
 種族に関係なく、ただの思想の違いを違いとして対等な位置に立たされたことがこそばゆく、むず痒い感覚だった。
 それだけではない。東風谷早苗のやさしさ、ルーミアの素直な言葉もまたさとりの観念を揺らがせるものだった。

 今の時代は、サトリという種族であっても受け入れてくれる場所があるのかもしれない……
 そのように考えてしまうことに自分でも信じられず、現金さに呆れる思いでもあったが、
 彼女達の存在に心惹かれていることもまた正しい事実だった。

 惚れた弱みか、という慧音の心の中の言葉が反芻され、さとりは自分を困らせるためにそう考えたのだと解釈することにした。
 大体、サトリであるということを打ち明けたのは慧音だけだ。早苗やルーミアが普通に接してくれているのは、普通の妖怪だから。
 惹かれたところで、結局『みんなと』交じり合うことなんて出来やしないのに……

 自らの心境の変化に失笑しながら、さとりは思考を切り替える。
 それよりも重要なのは早苗の安否だ。風邪でまともに戦えない以上、長期戦を強いられれば不利になるのは明白だった。
 考えてみれば、早苗の話していた洩矢諏訪子というのは土着神の頂点。
 神格的には上位であり、地霊殿の妖怪以上の力を兼ね備えていると見るべきだ。
 それが血痕を残していたのだから、少なくとも諏訪子と同等かそれ以上の妖怪と戦ったと見るべきで、
 だとするならば知能が高い可能性も十分だった。往々にして強い妖怪というものは頭も良い。

 諏訪子の帽子を残していったのは早苗をおびき寄せるための罠……?

 なぜその考えに至らなかったのかとさとりは自責の念にとられたが、この期に及んでは詮ないことだった。
 今考えるべきは現場に急行することで、反省はその後でいい。早苗がまだ生きていることを願うしかない。
 一応ルーミアだっている。そう簡単にはやられないはずだと信じたかった。

「さとり、音がまた聞こえた。今度は金きり音に近い」
「金きり……?」

 隣を走る慧音は、流石に半獣であるからかさとりよりも耳聡い。「多分、弾幕だろう」と続けた慧音に、
 さとりはひとつ安心する思いがあった。音が続いたということは、まだ戦闘中のはず。最悪の事態にはなっていない。
 だが最悪の事態に一歩一歩近づきつつあるのは確かで、急がなくてはならなかった。

 神社の石段はやたらと長く、一段飛ばしで降りてもまだ終わりそうな気配がなかった。
 空を飛ぶという考えが咄嗟に浮かんだが、それでは早苗と戦闘している誰かからも丸見えで、救援どころかいい的になりかねない。
 けれどもそうするだけの価値があるんじゃないか。身勝手な自分の命と早苗の命、どちらが重要かなのは一目瞭然ではないのか。
 いや、それこそ自分勝手な、独り善がりな話ですね。
 皆で幻想郷に一緒に帰ろう。夢のような言葉を信じて行動を続けている早苗を裏切りたくはなかった。

「音は北側からでしたよね」
「ああ。降りたら迂回して一気に駆け抜けるぞ。行けるか」
「失礼ですね。戦闘は不得手ですが、私も妖怪だということを忘れないで頂きたいものです」
「そうか。じゃあ、遠慮はなしだ」

 慧音が言うと同時、神社の石段が終わる。
 全力で走って数分といったところか。その間に妖力の集中も済ませておく必要があった。
 意識を高めようとした矢先、さとりは前方に揺れる金色を見つけた。

「……ルーミア?」

 さとり達が向かおうとしていた先から走ってきたのは紛れもなく彼女だった。
 隣に、早苗は……いない。
 こちらの存在に気付いたルーミアがばつの悪そうな表情になり、方向転換して逃げ去ろうとする。
 彼女の口元には、べっとりとした血液が張り付いているのが見て取れた。

 さとりの中で、考えまいとしていた想像が過ぎる。
 血溜まりに突っ伏す早苗。虚ろな瞳をこちらに向け、なぜと問いかける声。

 どうして、私に嘘をついたんですか――

 血の気が引いてゆくのがさとり自身分かった。そんな、と飛び出した声はいやに冷静な声だった。
 既に認め始めているというのか。この場では人間風情は生き残れなかったのだと、いつもの自分が納得しようとしているのか。

「嫌だ、そんなの……待って下さい、ルーミア!」

 冷めた自分の視線が後ろにあるような気がして、さとりは逃れるようにルーミアを追おうとした。

「っ!? 待てさとり、そっちに行くな……!」

 切羽詰った慧音の声と共に、さとりの肩がぐいと引っ張られた。
 予想外の行動に思考を失う。引かれた拍子に、足の先に何かが引っかかったと感じるのが精一杯だった。

 罠――?
 頭がそう認識したと同時、慧音がさとりを覆うように抱きかかえる。
 視界の隅にちらりと映った、黒光りする長方体が爆ぜたのはその次だった。
 耳を引き裂くような爆音と共に、自分達が使う弾幕とは比較にならない速度の何かがさとりのいる場所を通過した。

 思わず目を閉じていたさとりだったが、不思議と痛みはなかった。
 代わりに、自分を抱きすくめていた力がするすると抜けてゆくのが分かった。

「……済まなかったな」

 その瞬間には立場も種族も、それまであったしこりも関係なく、
 ただ助けたいという思いから紡ぎ出されたのだろう言葉がさとりの耳朶を打った。弾かれるようにして目を開ける。
 自らを盾にした慧音が、爆発して飛散する何かを浴びて力尽きる姿がさとりの目に飛び込んできたのだった。
 絶句するさとりとは対照的に、慧音の顔は穏やかだった。ただ、その心の中はやはり後悔と無念に溢れていた。

 死にたくない。
 友達にも会えないままなんて。
 もう先生役も出来ない。
 人間達と一緒にいられない。
 さとりとも、友達になれなかった――

 さとりに最後の思考が伝わるのと、琥珀色の瞳が閉じられたのはほとんど同時だった。
 命が絶たれた瞬間。もう二度と言葉も交わすことが出来ないことを伝えられた瞬間だった。

 慧音の心に触れたさとりの胸が軋み、悲鳴を上げた。
 抗いようのない痛みに感情の箍が外れる。いや、外さずにはいられなかった。
 そうしなければ自分が自分でなくなってしまう。
 サトリでも何でもない、ただの化物に成り下がってしまうと知っていたからだった。

「なんで……っ! どうして、貴女は……!」

 物に変わってしまった慧音の体がひどく重たかった。
 とすんと地面に落ちる彼女を支えることすら叶わなかった。

「あ……あ」

 掠れた声を出すもうひとつの存在に、さとりは顔を上げた。
 ばつの悪そうな顔をしていたルーミアが顔を背ける。

「ちがう……食べてもいい人類じゃなかったのに……」
「……まさか、貴女が……?」

 心を読まずとも、ルーミアがこの罠を仕掛けていることが分かった。
 だとするなら、早苗を襲ったのも彼女?
 空砲はこちらを騙すためのフェイクで、分散したところをあらかじめ狙う手はずだった?
 自分に礼を言ったのも、全ては油断させるための罠だったというのか?

 早苗がこの場にいないこと。ルーミアが逃げようとしたこと。そして罠の所在を知っていたこと。
 これらの事実を繋ぎ合わせれば、全ての元凶がルーミアにあることはすぐに分かった。
 そう理解したとき、さとりは自分でも理解出来ないくらいの激しい衝動に駆られて叫んでいた。

「貴様あぁぁぁぁぁ!」

 想起「テリブルスーヴニール」。生成された弾幕は今のさとりの心を表すように、ドス黒い瘴気に覆われていた。

「死ね……! 貴女みたいな妖怪に生きる価値なんてない……!」
「待って!」

 聞き覚えのある声が、弾幕を発射しようと指令を下しかけたさとりの指を押し留めた。
 息せき切って現れたのは、ルーミアに嵌められたはずの早苗だった。
 片手に洩矢諏訪子の帽子を抱え、片手を木の幹に預け、ようやく体を支えるようにして彼女は立っていた。

 死んでいなかった? 新たな事実に動転するあまり、生成した弾幕はいつの間にか消えてしまっていた。
 その隙を見計らったかのように、ルーミアが身を翻して逃げてゆく。
 しまったと思い、逃がすものかと後を追おうとしたが「燐さん!」と叫んだ声に、反射的に体を止めてしまう。

「やめて下さい。いいんです、もう……」

 早苗は既にルーミアのことなど気にしていないようだった。
 どうして慧音の仇討ちに行かせてくれないのかという苛立ちが募り、さとりは「何故です」と我知らず冷たい声を出していた。

「ルーミアさんは分かってないだけなんです。だから、話し合う余地がある。そうでしょう?」
「……慧音さんが殺されたのですよ」

 目を伏せながら、さとりは嗚咽交じりの声を漏らした。
 最後に聞いた慧音の言葉が突き刺さり、重すぎる罪悪感となって胸の底へと沈んでいた。

「私は、あの子を殺さなければいけません。そうしないと、私は私を許せなくなる」

 あの瞬間、自分がもっと冷静でいられたなら。
 闇雲に行動してさえいなければ。
 ここで何もしなければ、慧音は一体何のために死んでいったのか。無駄死にじゃないか。

「そんなこと、させません」

 もう話すことはないと早苗の横を通り抜けようとしたところに、制するように手が入った。
 体調は悪いはずなのに。限界ギリギリで自分を保っているはずなのに。
 早苗の目は自分という一点だけを見据え、一歩たりとも引かない姿勢になっていた。
 透き通るような目の色に、さとりは心を見透かされているような錯覚に陥ったが、そんなはずはないと言い聞かせた。

「燐さんは私の仲間なんです。私の仲間を……恨みや憎しみだけで行かせたくないんです。そうしないと、みんなおかしくなっちゃうから」

 仲間、という言葉がさとりの胸を抉ったが、それは早苗が自分をただの妖怪だと信じているからなのだと告げる部分があった。
 サトリは嫌われ者。理解してくれようとした慧音はもういない。もう誰も、サトリを受け入れてはくれない。
 孤独を取り戻すために、さとりは真実を告げる。

「私は火焔猫燐なんかじゃないんですよ。私の名前は古明地さとり。心を読む妖怪なんです」

 一度口に出してしまえば、後はするすると言葉が出てきた。あっけないものだ。
 真実を口にするのは、こんなにも簡単すぎることだった。

「そうです、私は嘘をついていたんですよ。心を読む妖怪だということを隠すために。だってそうでしょう?
 心を読まれると知って、一緒にいたい人や妖怪なんているわけがないんですから。私は別にみんなで脱出したいなんて考えてない、
 自分さえ助かればいいと考えていた愚か者なんですよ。身勝手でしょう? 私はそういう妖怪なんです。
 貴女に近づいたのも、貴女がお人好しだって分かったから。心を読んでいたからに過ぎないのですよ。
 信じたわけじゃない。利害が一致していただけです。そんな風に利用する私です。仲間なんかじゃ、ないでしょう?」

 真実を明かしたさとりは、自分に対する嘲笑の意味も込めて早苗の心を読もうとした。
 表層しか読み取れなくても、彼女が失望したことくらいは分かるだろうと思ったからだ。

「……それでもあなたは、さとりさんは、私の仲間で、友達です」

 だが、早苗の心は頑として動かなかった。ショックを隠そうとしても普通は隠し切れない。
 それこそ古明地こいしのように、心を閉じたのでもなければ。
 しかし早苗は人間。それなのに、そうであるはずなのに。自分を射抜く視線は相変わらず真っ直ぐなままに、
 真っ直ぐな心も変わりはしなかった。

「どうして……」
「嘘をついてたのだとしても、その嘘が私を救ってくれたから。さとりさんの嘘がなければ、私は潰れてたんです。
 だからさとりさんの嘘は何も悪いことなんてないんです。嘘が、誰かを救うことだってあります。
 私は……その"理想〟を信じたい」

 変わらなかった早苗と、利用していた自分を赦したこと両方への疑問を解消する返答が、さとりに根付いていた観念を、
 何があっても変わらないと断じていたはずのものを揺さぶり、引き剥がした。

「だって、生まれたときから絶対に悪いやつだなんて、おかしいじゃないですか。そんなのロマンがないです。
 悪いことをするなら、悪いことをする理由がある。その理由を退治するのが、私達人間なんですよ。
 だから私はその理由……歪みを、退治しに行くんです」

 それが諏訪子様が最期に仰ったことですから、と告げた早苗の顔が、僅かに悲哀の色を纏う。
 心が入ってくる。この人も、ルーミアに殺された。直接的ではないにしても、悲しい離別をさせられた。
 でも諏訪子様はここにいるんです、と早苗の心が言った。
 "理想〟という言葉をちゃんと理解して、心に宿らせれば神はただそこに在る。

 ……ああ、この方は、真に現人神なのですね。

 負けた、とさとりは思った。
 死にたくないと心で言っていた慧音。
 だがしかし、そこにルーミアへの恨みはなかった。
 慧音はあのとき、心の底から人間と妖怪の、善意を信じていたのだ。

 私は、そんなことすら理解できていなかった……

「ルーミアさんを止めに行きます。それで、きちんと分からせてあげるんです。『退治』してね」

 苦笑交じりの言葉は、額面以上の何かを含んでいるのだとさとりにも分かった。
 さとりも笑った。今はそれでいいのでしょう、慧音さん。

「ついてきてくれますか、さとりさん」
「……了解しました」

 理解できたはずの慧音を失った傷は深い。
 ルーミアに対する怒りも、残っていないではない。
 きっと忘れられない。理解してくれる者を奪った罪は果てしなく重い。
 でもそれ以上に、分かりかけていることもあるらしい。

 だからもう少しここにいる必要があると結論して、さとりは少しだけ、泣いた。


【上白沢慧音 死亡】
【残り29人】


【G-3 魔法の森  一日目 午後】


【東風谷早苗】
[状態]重度の風邪、精神的疲労、両手に少々の切り傷
[装備]博麗霊夢のお払い棒、霧雨魔理沙の衣服、包丁、魔理沙の箒、
[道具]支給品一式×2、制限解除装置(現在使用不可)、魔理沙の家の布団とタオル、東風谷早苗の衣服(びしょ濡れ)
    上海人形、諏訪子の帽子、輝夜宛の手紙
[思考・状況]理想を信じて、生き残ってみせる
1.さとりと一緒にルーミアを説得する。説得できなかった場合、戦うことも視野に入れる
2.人間と妖怪の中に潜む悪を退治してみせる
[備考]
なし



【ルーミア】
[状態]:懐中電灯に若干のトラウマあり、裂傷多数、肩に切り傷(応急手当て済み)
[装備]:リボルバー式拳銃【S&W コンバットマグナム】4/6(装弾された弾は実弾2発ダミー2発)
[道具]:基本支給品(懐中電灯を紛失)、.357マグナム弾残り6発、フランドール・スカーレットの誕生日ケーキ(咲夜製)
    不明アイテム0~1
[思考・状況]食べられる人類(場合によっては妖怪)を探す。現在北側に向けて逃走中
1.食べてはいけない人類がいる……?
2.日傘など、日よけになる道具を探す
[備考]
※古明地さとりの名前を火焔猫燐だと勘違い



【古明地さとり】
[状態]:健康
[装備]:包丁
[道具]:基本支給品、にとりの工具箱
[思考・状況] 基本行動方針:殺し合いには乗らない
1.早苗に従ってルーミアを止めるために行動。ただし、罰は必ず与える。
2.空、燐、こいしと出合ったらどうしよう? また、こいしには過去のことを謝罪したい
3.自分は、誰かと分かり合えるのかもしれない……


[備考]
※ルールをあまりよく聞いていません(早苗や慧音達からの又聞きです)
※主催者(八意永琳)の能力を『幻想郷の生物を作り出し、能力を与える程度の能力』ではないかと思い込んでいます
※主催者(八意永琳)に違和感を覚えています
※主催者(八意永琳)と声の男に恐怖を覚えています
※森近霖之助を主催者側の人間ではないかと疑っています
※慧音の支給品一式、及び武器は地雷により完全に破壊されています。使用は不可能


108:驟雨の死骸と腹の中、それでも太陽信じてる。(後編) 時系列順 114:比那名居天子の憂鬱
110:赤い相剋、白い慟哭。 投下順 112:
106:それでも、人生にイエスという。 上白沢慧音 死亡
109:崇拝/Worship 東風谷早苗 125:オモイカゼ
109:崇拝/Worship ルーミア 120:伽藍の堂
106:それでも、人生にイエスという。 古明地さとり 125:オモイカゼ

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最終更新:2010年02月14日 22:30
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