214 名前: ◆ll4lON6OZk[] 投稿日:2010/01/25(月) 19:29:57 ID:NZq5Lbig
月明かりの降り注ぐ静まり返った夜の町の中に、キモ面ピザの男が一人。
( ^ω^)「ふっふっふ」
乳速出八留夫(にゅうそくでやるお)は上機嫌だった。
( ^ω^)「待ちに待った女体化エロゲーを遂に手に入れたお。今夜は徹夜で抜きまくるお」
足取り軽く、雑多な店が軒を連ねる市街地を進んでいく。メインストリートをしばらく歩き、広場
に差し掛かった。昼夜問わず空へ向かって水を吐き出し続ける中央の噴水。その中から十メートル近
い高さまで伸びている時計塔の針は、既に十二時を回っている。懇意にしているアダルトショップの
店長に頼み込んで、日付の変更直後に販売してもらった為だ。人通りも絶え、どの建物にも明りは灯
っていないが、恐怖心などはなく、むしろ高揚感が身体を熱くさせていた。真冬の夜風さえ心地よい。
水音と石畳の上で靴を鳴らす足音だけが続いている。
そんな中、不意に低い、何かを広げるような音が混ざった。
( ^ω^)「……なんだお?」
静寂の中に発生した不自然な響きに、周りを見渡す。何もない。にも関わらず、空を切る音はみる
みる大きくなっていった。
漠然とした悪寒が走ったのと同時に、乳速出の背中に衝撃が走り無様に顔から地面に激突した。
( ^ω^)「オウフ!?」
顔を上げた乳速出の眼前で、大事に提げていたエロゲー(店舗別初回特典付き限定版)入りの紙袋
が噴水の中に吸い込まれていく。
( ^ω^)「ああ!」
しかし視界はすぐに変えられてしまった。何者かが乳速出の身体を強引に仰向けにひっくり返した
のである。
( ^ω^)「なっ……!」
自らの上に圧し掛かっていたのは、褐色のショートヘアの女だった。眉も色が抜けており、黒目の
大きな瞳は、乳速出の顔面を射抜いている。手足にはマントのような灰色の毛皮のような物を巻きつ
けているのに、胴体は丸裸である。形良く盛り上がった胸の先端に付いた桃色の突起が、即座に乳速
出の視野と思考を支配した。
( ^ω^)「……ケモノっ娘……だと……?」
視線を落とすと、丸見えの局部が股間の上に乗っていた。女の指先が乳速出の衣服に触れた途端、無残に引き裂かれる。
( ^ω^)「な、なにをするんだ――おぉ!?」
屹立した乳速出の一物が、女の中へと押し込まれる。
( ^ω^)「あ!? らめえ! あんまり締め付けないでえ! 私童貞なのにぃ!!!」
快楽の波間から上がる悲鳴に応える者はいない。女は無心に腰を前後に揺すり、乳速出の性器を休
まず刺激し続ける。
( ^ω^)「らめえええ! 出ちゃう! オナ禁してたのに! エッチなゲームで抜こうと思ってた
のに! 私の溜めてたおちんぽミルクがぁ!!!」
215 名前: ◆ll4lON6OZk[] 投稿日:2010/01/25(月) 19:31:00 ID:NZq5Lbig
優しい誰かが連絡だけはしてくれたらしい、パトカーのサイレンが遠くからやってくるのが分かった。だが、それはあまりに遠い。
( ^ω^)「あ! 出ちゃう! 妊娠させちゃう! イッちゃう! イッちゃううぅぅ!!!!!!」
絶望の断末魔と共に、乳速出の精が残らず放たれた。
「というわけで、君に脱走した彼女の捕縛を頼みたい――いや、彼か?」
最後の言葉は自問なのだろう。
「……………………はあ」
長い長い沈黙の末、鷹岡 朱嶺(たかおか あかね)は力なく首を縦に振った。もとより雑用ばかり
押し付けられている新米研究員生活である。それでなくとも大学中退という学歴の傷は、待遇に深刻
な悪影響を及ぼしている。しかし――
「そのようなものを飼っているなどという話、私は聞いておりませんが」
「私的に保護していただけだからな。男性研究員たちは皆彼女にはお世話になりっぱなしではあるが」
「…………」
「何だね、その冷たい眼は? 我々はいつも同意の上で行為に臨んでいる。彼女が荒れている時は皆
強要したりしないぞ。 以前無理やり押し倒そうとした輩が、半死半生になったりもしたが」
「……モテそうな人いませんしねー、この職場」
「語弊があるな鷹岡君。この場合男女の出会う機会が著しく低い職場環境こそを問題にするべきであ
って、モテるモテないというのはまた別の話だろう。加えてケモノっ娘は非常に希少だ。多くの男が
興味の対象とするのもやむを得まい」
「……仰る通りでございます」
「理解を得られたのなら、一刻も早く我々の潤いを取り返してきて欲しい。――何か質問は?」
「そもそも彼女はなぜ脱走など?」
真面目に気になる点など、その程度しかない。さっさとこの研究室から出て行きたかった。
「いやあ、定期的に屋外を――ああ、もちろんここの敷地内でだよ――散歩させているんだけど、ど
うも最近激しくてね。皆消耗しながらも不審がっていた。恐らく子供を産もうとしていたのだろうが、
我々が相手では妊娠できないと悟ったのかもしれないな。これまでは極めて大人しかったのだが、発
情期に入ったのかもしれない。おかげで世間は大騒ぎだ。巷ではなんと呼ばれていたか、そう――」
「ブサメンハンター、ねえ」
216 名前: ◆ll4lON6OZk[] 投稿日:2010/01/25(月) 19:31:43 ID:NZq5Lbig
昼間から新聞片手に広場の隅のベンチに陣取っていた鷹岡は、そのニックネームを呟く。
犯人と思しき女は、駆けつけた警官二人も逆レイプして逃走したらしい。被害者と合わせ三人のブ
サメンの目撃証言を総合して作られたモンタージュは、中々魅力的な容姿に仕上がっていた。全員腹
上死寸前まで追い込まれたそうだ。一応軽傷も負った。
「しっかしねぇ……」
現在時刻は深夜十二時前後。昨夜事件が起きた時と同じロケーションである。
「ひどいもんだ」
双眼鏡を首から下げたモヤシや、高価そうなデジタルカメラをいじっている肥満体が広場をびっし
りと埋め尽くしていた。研究所の外にも負け組は掃いて捨てるほどいるらしい。なぜか分からないが
モンタージュのプリントされたTシャツ一枚の男までいる。
「おい!」
どこからともなく上がったその声に、全員が空を見る。
「いたぞ!」
メインストリートに面したビルの屋上に、不思議なシルエットが浮かび上がっていた。
「おーい、ここだよー!」
「モズ子ちゃーん!!!」
「抱いてくれえええええ!!!」
そんな呼びかけを縫って、人影が跳躍していた。
鷹岡は思わず目を見張った。およそ人間のものとは思えない脚力でビルの二階部分に足をつけたか
と思うと、そのまま軽々と壁面を登り切り、怪物に向かって棒状の物を振り回している。
「な!!!」
「何やってんだテメェ!」
辺りが悲鳴に包まれる中、怪物女も応戦を始める。
と、人ごみの中から尋常でない量の血が飛び散った。
「ぐう……」
「くせえっ……」
ばたばたと男たちが倒れていく。異変に気付き鷹岡は息を止めた。
「死にたくない奴はここから立ち去れ! モズ子ちゃんはこの、焔 雄介(ほむらゆうすけ)様のも
のだ! ハーハッハッハ!」
ズボンを脱いだ男が一人、尻を天に突き上げ勝ち誇っていた。
「おのれ物の怪! このざんてつ☆ぶれいどのサビにしてくれる!」
ビルからモズ子が広場へ飛び降りるのに続いて、謎の人物(女だった)も口上を述べながら柵を踏
み越え落下する。
「……ん?」
両手の翼を広げて滑空を始めたモズ子が、鷹岡の方向目がけて飛んでくる。
217 名前: ◆ll4lON6OZk[] 投稿日:2010/01/25(月) 19:32:04 ID:NZq5Lbig
昼間から新聞片手に広場の隅のベンチに陣取っていた鷹岡は、そのニックネームを呟く。
犯人と思しき女は、駆けつけた警官二人も逆レイプして逃走したらしい。被害者と合わせ三人のブ
サメンの目撃証言を総合して作られたモンタージュは、中々魅力的な容姿に仕上がっていた。全員腹
上死寸前まで追い込まれたそうだ。一応軽傷も負った。
「しっかしねぇ……」
現在時刻は深夜十二時前後。昨夜事件が起きた時と同じロケーションである。
「ひどいもんだ」
双眼鏡を首から下げたモヤシや、高価そうなデジタルカメラをいじっている肥満体が広場をびっし
りと埋め尽くしていた。研究所の外にも負け組は掃いて捨てるほどいるらしい。なぜか分からないが
モンタージュのプリントされたTシャツ一枚の男までいる。
「おい!」
どこからともなく上がったその声に、全員が空を見る。
「いたぞ!」
メインストリートに面したビルの屋上に、不思議なシルエットが浮かび上がっていた。
「おーい、ここだよー!」
「モズ子ちゃーん!!!」
「抱いてくれえええええ!!!」
そんな呼びかけを縫って、人影が跳躍していた。
鷹岡は思わず目を見張った。およそ人間のものとは思えない脚力でビルの二階部分に足をつけたか
と思うと、そのまま軽々と壁面を登り切り、怪物に向かって棒状の物を振り回している。
「な!!!」
「何やってんだテメェ!」
辺りが悲鳴に包まれる中、怪物女も応戦を始める。
と、人ごみの中から尋常でない量の血が飛び散った。
「ぐう……」
「くせえっ……」
ばたばたと男たちが倒れていく。異変に気付き鷹岡は息を止めた。
「死にたくない奴はここから立ち去れ! モズ子ちゃんはこの、焔 雄介(ほむらゆうすけ)様のも
のだ! ハーハッハッハ!」
ズボンを脱いだ男が一人、尻を天に突き上げ勝ち誇っていた。
「おのれ物の怪! このざんてつ☆ぶれいどのサビにしてくれる!」
ビルからモズ子が広場へ飛び降りるのに続いて、謎の人物(女だった)も口上を述べながら柵を踏
み越え落下する。
「……ん?」
両手の翼を広げて滑空を始めたモズ子が、鷹岡の方向目がけて飛んでくる。
218 名前: ◆ll4lON6OZk[] 投稿日:2010/01/25(月) 19:32:55 ID:NZq5Lbig
左右を見たが、誰もいない。
「私かー!」
鷹岡が反射的に放った人型の炎はしかし、下半身裸の男の屁に引火した。強烈な爆発音と膨大な熱
が膨れ上がり――
一瞬にして町は炎に包まれた。
「百舌鳥に似てるからモズ子なんですね、彼女」
「実際テレポートに失敗して百舌鳥と融合したそうだからな。水瀬守生(みなせもりお)は」
大賑わいとなった病院の個室で、博士は青筋を立てながら続ける。時刻は深夜二時。じきに意識が
戻ったのは、大した規模ではなかったからだろうか。包帯やギブスで全身拘束されてはいるが。
「消防隊員の話では、何者かの噴射した大量のガスに引火して広場が消し飛んだらしいな」
「大体当たってますよ。奇跡的に死人は出なかったらしいですね。火元の私が生きてるんだから当然
かもしれませんが」
「ガスを噴射し続けていた男は重体らしいぞ」
「そうですか、かわいそうに……。モズ子ちゃんはどうなりましたか」
「死体がない。爆風に乗って逃げたのだろう。私たちは相手の能力を見くびっていたようだ」
「――敵は手ごわいですね」
「そうだな。研究所の管理体制の杜撰さと対応のまずさもそろそろ外に知れ渡るだろう。下手をすれ
ば幹部連中は全員免職かもしれんぞ」
「もっとまともな話でピンチになりたかったですね」
「全くだ。シリアスで邪悪な研究にも手をつけておくべきだった。人の悪意をエネルギー結晶体にし
たり幼女を統領とした胡散臭い宗教団体を裏から操ったり……」
「兄の敵と死闘を繰り広げたりゴスロリファッションに身を包んだり……」
二人の妄想は朝まで尽きることがなかった。
おしまい
最終更新:2010年01月30日 16:11