目を覚ませ,立ち上がれ,
日本のスプリンター達よ。
JRAヒーロー歴伝より
ヌーベルジェネシス(欧字名:Nouvelle Genesis、香港名:新創世)は日本の競走馬、繁殖牝馬。
母の忘れ物を訪ね、苦難も多かった現役生活のなかでGI22勝、33戦31勝全連帯と電撃的な走りを見せた。
ヌーベルジェネシス |
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欧字表記 Nouvelle Genesis |
香港表記 新創世 |
品種 サラブレッド |
性別 牝 |
毛色 鹿毛 |
生誕 2020年2月3日 |
父 ロードカナロア |
母 アストンマーチャン |
母の父 アドマイヤコジーン |
生国 日本 |
生産者 サクレスファーム |
馬主 サクレスレーシング |
調教師 波江野・アラン・陸矢(栗東) |
経歴.様子
~入厩前
2020年2月3日、北海道様似町サクレスファームにて誕生。立ち上がるまでにかなりの時間がかかったとされる。父はロードカナロア、母アストンマーチャンのスプリンター家系の次女であり、当時は額に小さく丸型の星があった。
のち、牧場スタッフから"ヌーベルジェネシス"の名をもらった。馬名の由来はとくにはないらしく、誕生からしばらくたった時、彼女と馬房の監視カメラ越しに目が合いその際に何か感じるものがあったそう。
nouvelle(仏語女性詞:新たな)+genesis(創世,創世記)意の、かなり期待のかけられた名をもらったヌーベルジェネシスだが、当歳時は動かない、食べない、おとなしすぎるの三拍子で、かなり先が思いやられる馬であった。このころから"ぬべちゃん"のあだ名をもらっていた。
のち、牧場スタッフから"ヌーベルジェネシス"の名をもらった。馬名の由来はとくにはないらしく、誕生からしばらくたった時、彼女と馬房の監視カメラ越しに目が合いその際に何か感じるものがあったそう。
nouvelle(仏語女性詞:新たな)+genesis(創世,創世記)意の、かなり期待のかけられた名をもらったヌーベルジェネシスだが、当歳時は動かない、食べない、おとなしすぎるの三拍子で、かなり先が思いやられる馬であった。このころから"ぬべちゃん"のあだ名をもらっていた。
2020年11月13日、手術を要する病が発覚。兄弟家族の元を離れ渡米し、███████大学█████校付属動物病院にてオペ。事後観察のためにサクレスファームとの交流のあったカリフォルニア州██████群のキンバリースタッド(Kimberly Stud)にて療養、回復したのち日本に帰国する予定であったが、この頃より急にわがままな性格になっており、帰国を強烈に嫌がった。なんとか帰させようとしたサクレスファーム側であったが、キンバリースタッド側より、ヌーベルさんにとってウチがそんなに居心地がいいのならデビューまでいてくれていい。という厚意より、留学経験のあったたジェネシスの名付け親スタッフとともに2歳ごろまでカリフォルニアに滞在していた。
渡米してから一転、今までの反動とばかりに好奇心旺盛でわがままかつ命知らずな行動が多くなったヌーベルジェネシスは、となりの柵のヒツジを鼻で強くつついたり、1つ上の馬に勝負を仕掛けて大差をつけられたりなど、結構な横暴をしていた。キンバリースタッドの████代表からも、「なんだかんだ言うことを聞いてくれる賢い馬なのだが、自由時間のあいだ彼女がしている行動の意味がさっぱりわからない。」と苦言を呈されている。
育成が始まってからも若干のわがままと脚元に一抹の不安を残すも、過度な好奇心から育った根性と、両親から受け継いだ快速さは目を見張るものがあったようで、長めの脚を生かしストライドを大きくとる走り方で同い年の馬よりもやはり競走能力は一つ抜けていたそう。2歳初旬頃には当歳時の面影はなく、かなり立派な馬体へと成長していた。2022年3月中旬に日本へと帰郷。大きく立派になった"ぬべちゃん"の変わり映えにファームスタッフから度々驚かれつつ検疫や最終調整を済ませ、2022年4月に栗東の5年目新鋭、波江野厩舎に入厩。
2歳('22)
勝ったのはヌーベルジェネシス、C.ルメール!
ダービー馬ロードンカナヘビの妹がコーナーから先団を抜け出し重い馬場をそのまま突き抜けました!
兄譲りの末脚を初陣から魅せてくれました、今世代の勝利1番乗りはヌーベルジェネシスです!
時計は1分36秒6、上がり3ハロンは35秒2と出ている、ようですが
おっと、ゴール版を過ぎたところでルメール騎手が振り落とされた、ように見えます...
6月4日、2歳新馬にてデビュー。この時は、前週のダービーを制したロードンカナヘビの全妹として注目されていた。この日は雨でかなりの重馬場であった。足を取られ3番手まで下がるが、抜群のコーナー裁きから勢いをつけ2着に9馬身をつけ圧勝。騎乗していたルメール騎手も「凄まじいコーナリングからの馬場を支配するような走りは目を見張るものがある。」とコメントを残したが、重馬場レース後にジェネシスに振り落とされてすぐのコメントだったので全身ぐちゃぐちゃの状態でインタビューを受けており、笑いの種になった。
そこから吉田、ルメールとGIIIの2歳スプリント戦2つをを快勝、ほかの逃げ馬と一緒に逃げ、得意のコーナーから弾みをつけ直線でぐんぐんと離す、溜め逃げのスタイルを確立した。特に小倉2歳ステークスでは、かつての母アストンマーチャンの2歳戦と同様に落鉄しながら勝利を収めていた。
3戦3勝、「カナヘビの妹」から脱却して存在感を発揮し始めたヌーベルジェネシスを、陣営は熟考の末デルマー開催のBCジュベナイルターフスプリントへの派遣を決意。米キンバリースタッドの全面協力もあり、無事日本からの刺客として出走が叶った。
ヌーベルジェネシス事件簿FILE CASE1
BCJTSモーティス締め上げ事件
3戦3勝、「カナヘビの妹」から脱却して存在感を発揮し始めたヌーベルジェネシスを、陣営は熟考の末デルマー開催のBCジュベナイルターフスプリントへの派遣を決意。米キンバリースタッドの全面協力もあり、無事日本からの刺客として出走が叶った。
ヌーベルジェネシス事件簿FILE CASE1
BCJTSモーティス締め上げ事件
Nouvelle Genesis—coming with everything she has!
She’s closing the gap—stride by stride—flying now!
They hit the finish line—she got there! Did she get there!?
A blazing 55.28 on the clock! But, yeah, I knew this was coming...
The inquiry light is on. This record—could vanish like smoke.
'22 BC Juvenileturf sprint
ヌーベルジェネシスとルメール、渾身の脚と気迫でじわじわと...!
その差、その差が...!なくなりました!そして今です!
ゴールイン!これは...届いていますでしょうか!?
時計は……55秒28!!鳥肌モノのレコードタイムです!!ですが...
う~ん、やっぱり審議は避けられませんか!
どうでしょうか、この記録、幻と消えるかもしれません...
'22 BC ジュベナイルターフスプリント実況著者的日本語訳
結論から言ってしまえば日本馬初優勝をヌーベルジェネシスは成し遂げた。久しぶりのアメリカにレース前から少し興奮気味であったヌーベルジェネシスはゲートが開いた時のベルの音にびっくりしてしまい、ゲートを出た直後にすこしバランスを乱した。失速し後方からの競馬になってしまったため、急遽最後方から足をためることに。差しの競馬を覚えさせていなかっただけに無事に差し切れるか日本の競馬ファンはかたずをのんで見守った。
Mortis—nowhere to go, he’s into the rail
he’s gone up and over!! accident on the inside!
And a chain reaction behind! Irish Panther has collided,
Two horses are out of the race!!
これは...最内で何が起こった!
モーティスが行き場をなくし、そのままラチに乗り上げてしまいました!!
さらに後方から来たアイリッシュパンサーが激突!2頭、競争中止!!
これは…これは大きなアクシデントです!!
アメリカ2歳戦特有の、折り合いのつかぬ先頭によるハイペースからコーナーで弾みをつけ直線で豪脚を見せる。この時、ヌーベルジェネシスと鞍上は馬群にくっついたと思えばジェネシスは勝手に内へ内へとんでもない圧をかけ、馬群を潰した。これは語るにも相当むごい話だが、ヌーベルジェネシスはいきなり折り合いを欠き、馬群をなでるように進路をとったうえに内の馬を締め上げ、接触事故を起こしたうえで一頭を埒に乗り上げさせ文字通りレースからドロップアウトさせた。この件に対してのちに波江野調教師は「いうことを聞かない気性が悪いとかの馬ではないし、スタート時と最終直線ではきっちり折り合っていた。あれはおそらく、ヌーベルジェネシスの"悪意"ある行動。」と漏らした。
{There will be NO CHANGE! And now—let the celebration begin!
Nouvelle Genesis—**a record breaker, a headline maker—
the new queen from the East!
裁定...に変更はありません!ようやく歓喜の瞬間が訪れています!
ヌーベルジェネシス!記録を塗り替え、歴史を書き換えた東洋の新女王!
無駄手間がありながらも大外枠なのが幸いし、最終的に全頭を捲り切った。もちろんジェネシスのレース運びに対してINQUIRYランプ(審議)が一時は灯ったが、結局はアメリカだったのでこれをパス。55秒28のタイムはまだレースの歴史が浅いといえど、衝撃的なレコードタイムであった。西海岸の競馬ファンは記憶の片隅に残る日米オークス馬シーザリオを思い起こし、勝利後からジェネシスを2代目ジャパニーズスーパースターとして持て囃した。
ここでヌーベルジェネシス先頭、3番バックアップ、そして大外からディアーカロラインが脚を伸ばす!
ヌーベルジェネシス粘る!ディアーカロライン来る!差が詰まって2頭の争い!
ジェネシス、カロライン、ジェネシス、カロライン、ジェネシス、わずかに外か、ゴールイン!
'22 阪神ジュベナイルフィリーズ
GIを引っ提げて日本に帰ってきたヌーベルジェネシスの次走は阪神ジュベナイルフィリーズであった。帰国後の検疫や馬体検査のため、事前調教はほとんどできない状態での出走、逃げを打つもコーナーから想定よりいまいち伸びず、4.7倍で新馬戦以来の1番人気に支持されるも初めて1着を逃す。ジェネシスを差し切って、1着に輝いたのは1勝クラスからの格上挑戦で素質馬筆頭のディアーカロラインであった。抽選対象馬がGI馬を差し切る、後世に長く語られる稀代の下剋上レースとなったと同時に、あまりにも母の敗れた2006年の阪神JFと構図が似すぎており、実況やレース映像の比較動画がSNSで話題となった。
新たなスター馬と自身のライバルの出現に一役買ってしまったヌーベルジェネシスの注目された次走。年始のGIIIか、桜花賞トライアルか、はたまたいきなり本番か。さまざまな憶測が飛び交う中発表された次走は朝日杯フューチュリティステークス。なんと、もともと両方の登録をしてはいたのだが、阪神JF惜敗後に朝日杯への出走表明を撤回しなかった。異例すぎる連闘&牡馬戦線への急襲と陣営は正気なのか、波江野厩舎はセントドーヴァーの有馬記念に集中しろなど、様々な意見が飛び交った。
ヌーベルジェネシス、外から大捲りで前との差を一気に詰めます!
直線に入って、先頭はまだライトニングスターだが、
外からヌーベルジェネシスが並んできた!不良馬場でここまで伸びてきますか!
抜け出た抜け出た!残り100m、内からスカイレジェンド和田竜二が追っているが!
届かない!寄せ付けない!2馬身ほどの差でゴールイン!
ヌーベルジェネシス、驚異の大捲りからの大金星!牡馬たちを相手にGI2勝目を飾りました!
涙を飲んだ阪神JFから一転、連闘で2歳馬の頂点に辿り着きました!
なんという馬でしょう!これぞ日本2歳世代のニューヒロイン!
'22 朝日杯フューチュリティステークス
でも蓋を開けてみれば1着。8番ながらも雨の降る不良馬場だったため足を溜めて様子をうかがっていたのだが明らかにマークされており囲まれていた。痺れを切らしたジェネシスとルメールは強引に外に出、不良馬場をものともしない脚で結果的に2着に3馬身をつける。
このレースは前週の阪神JFと合わせて話題になり、
「1勝クラスに負けた牝馬にまとめて捲られる今世代の牡馬...」「来年の牡馬クラシック戦線どうなるの?」「世はまさに大おひんば時代」「23世代牡馬の中で頭抜けたのいないのか?」と今世代牡馬のインパクト不足を嘆く声が多くみられた。
このレースは前週の阪神JFと合わせて話題になり、
「1勝クラスに負けた牝馬にまとめて捲られる今世代の牡馬...」「来年の牡馬クラシック戦線どうなるの?」「世はまさに大おひんば時代」「23世代牡馬の中で頭抜けたのいないのか?」と今世代牡馬のインパクト不足を嘆く声が多くみられた。
末、ヌーベルジェネシスはJRA最優秀2歳牝馬を受賞。
後に菊花賞も制し二冠となった全兄ロードンカナヘビが最優秀3歳牡馬、GI勝利を8まで伸ばしたセントドーヴァーが最優秀4歳牡馬、2年連続の最優秀短距離馬と年度代表馬を受賞し、波江野厩舎の威信は大いに高まった。
後に菊花賞も制し二冠となった全兄ロードンカナヘビが最優秀3歳牡馬、GI勝利を8まで伸ばしたセントドーヴァーが最優秀4歳牡馬、2年連続の最優秀短距離馬と年度代表馬を受賞し、波江野厩舎の威信は大いに高まった。
2歳競走成績
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ(人気) | 着順 | 騎手 | 斤量 | 1着馬(2着馬) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
22,6,4 | 中京 | 2歳新馬 | 芝1600(重) | 7 | 5 | 5 | 2.0(1人) | 1着 | C.ルメール | 54 | (ジェメルオニオン) | |
7,16 | 函館 | 函館2歳ステークス | GIII | 芝1200(良) | 16 | 6 | 12 | 7.3(4人) | 1着 | 吉田隼人 | 54 | (ハートプレミア) |
9,4 | 小倉 | 小倉2歳ステークス | GIII | 芝1200(良) | 14 | 7 | 12 | 4.4(2人) | 1着 | C.ルメール | 54 | (メイソンガルソン) |
11,4 | デルマー | BC Juvenille turf sprint | GI | 芝5f(良) | 10 | 10 | 8.0(3人) | レコード | C.ルメール | 54 | (Ocean snap米) | |
12,11 | 阪神 | 阪神ジュベナイルフィリーズ | GI | 芝1600(良) | 18 | 7 | 13 | 4.5(1人) | 2着 | C.ルメール | 54 | ディアーカロライン |
12,18 | 阪神 | 朝日杯フューチュリティステークス | GI | 芝1600(不良) | 18 | 4 | 8 | 5.6(2人) | 1着 | C.ルメール | 54 | (スカイレジェンド) |
3歳前期(~'23オークス)
3歳初戦に選んだフェアリーステークスを溜め逃げで難なく勝利し、次走のフィリーズレビューを最後方からの捲りで無駄なく勝利、溜め逃げと大捲りの両刀スタイルを確固たるものとした。
大きな期待を背負い向かった桜花賞。セントドーヴァーの高松宮記念と大阪杯の連勝から波江野厩舎全体がイケイケムードであったのだが、ヌーベルジェネシスは6番人気。この日は土砂降り寸前の超不良馬場であった。どこからどう見てもスピード全振りのジェネシスではペースに恵まれず途中でバテてしまうと誰もが予想し、どんな馬場でも全連帯のハートオブユカタン、キングカメハメハ産駒で重馬場巧者のサカエ、そしてディアーカロラインなどに人気が集まっていた。
ゲートが開きハートオブユカタン含め芦毛3頭が逃げを打つ。内から後続の先頭を張るヌーベルジェネシスとそれを追随するサカエと最後方のディアーカロライン。
最後の直線、ヌーベルジェネシスが一気にギアを上げ、サカエも焦るようにペースを上げる。ハートオブユカタンはもうヘロヘロ、ディアーカロラインは前をふさがれ間に合わない。ユカタンを抜き去り、サカエは寄せ付けない。土壇場で最高に効率的な動きのできたヌーベルジェネシスの1人勝ちであった。ルメール騎手も勝利インタビューで「最後は彼女の要領の良さに救われた。本当に賢い。」とコメントに残している。でもウイニングランでは疲れ気味で早く帰りたいとばかりに厩務員に甘えたり、その場を動かなかった。これは引退後まで治らないのだが、彼女に全く覇気が見られないのは少し問題で、GI時の馬券支持率も戦績の割には終始低いままであった。
最後の直線、ヌーベルジェネシスが一気にギアを上げ、サカエも焦るようにペースを上げる。ハートオブユカタンはもうヘロヘロ、ディアーカロラインは前をふさがれ間に合わない。ユカタンを抜き去り、サカエは寄せ付けない。土壇場で最高に効率的な動きのできたヌーベルジェネシスの1人勝ちであった。ルメール騎手も勝利インタビューで「最後は彼女の要領の良さに救われた。本当に賢い。」とコメントに残している。でもウイニングランでは疲れ気味で早く帰りたいとばかりに厩務員に甘えたり、その場を動かなかった。これは引退後まで治らないのだが、彼女に全く覇気が見られないのは少し問題で、GI時の馬券支持率も戦績の割には終始低いままであった。
二冠目のオークスに桜花賞のライバルたちは現れなかった。ハートオブユカタンはNHKマイルカップに向かいこれに勝利、サカエは休養、そしてディアーカロラインは日本ダービーへと向かっていった。そんな好舞台なのだがスピードタイプのジェネシスは2番人気にとどまった。1番人気に推された馬はスタミナ型馬であり、桜花賞では人気薄であったものの超不良馬場に救われ3着に入っていたシャンディガフであった。対するヌーベルジェネシス陣営の策は単純かつ熾烈なダート&坂路併せ。
波江野調教師も、「(ヌーベルジェネシスには)2400mはかなり厳しい。できる限り我々も全力で行くが勝てたら儲けものといったところ。ダメだったら1マイル以下に専念させる。彼女からしたらマイルなんて概念はないでしょうから。」と短距離マイル双方に対する宣戦布告ともとれる内容を発していた。
この波江野調教師のビッグマウスぶりは話題になり、競馬ファンの間で「○○なんて概念はないでしょうから。」は散々引用されネタにされた。
波江野調教師も、「(ヌーベルジェネシスには)2400mはかなり厳しい。できる限り我々も全力で行くが勝てたら儲けものといったところ。ダメだったら1マイル以下に専念させる。彼女からしたらマイルなんて概念はないでしょうから。」と短距離マイル双方に対する宣戦布告ともとれる内容を発していた。
この波江野調教師のビッグマウスぶりは話題になり、競馬ファンの間で「○○なんて概念はないでしょうから。」は散々引用されネタにされた。
新たなライバルを4枠8番へ迎え、桜花賞と同じ1枠1番に入ったヌーベルジェネシス。ゲートを出、ヌーベルジェネシスは得意のコーナリングで逃げ集団とインを走行し、シャンディガフは最後方につける。ジェネシスとシャンディ双方それぞれ逃げ後方集団に囲まれ、身動きは取れず。
最終直線で両者ルートが空き、ヌーベルは逃げ集団の最後方、シャンディは中団からゴール板を目指す。シャンディは必死に追い上げるも、スローペースで余力を残した逃げ馬3頭に志半ば追いつけず4着、逃げ馬争いを制したのは執拗なイン走行&坂路で身に着けた粘りで僅かに2頭より抜きんでたヌーベルジェネシスであり、牝馬2冠を達成。本来の適正距離の2倍のGIを過酷な追切を乗り越えて勝利したヌーベルのポテンシャルに皆が度肝を抜かれる。
勝利後は明らかに長い距離を走ってお怒りなのか桜花賞以上に暴れ、ウイニングランを拒否した。
急遽簡単な式典だけで済ませたのだが、波江野調教師のビッグマウスがまた炸裂。
「本来1マイル以下を使う馬のはずなのに、2400mを走らせているのだからご乱心なのも仕方がない。
でも、2000mならぎりぎりウイニングランはこなすはず。なのでまたその時に。」
早々に秋華賞制覇をほのめかすこの発言は3歳牝馬への注目をかき集めることとなり、牡馬戦線は完全に空気化。後にレース史上最多観客数・最多売上を誇る伝説の秋華賞の火付け役となる。
最終直線で両者ルートが空き、ヌーベルは逃げ集団の最後方、シャンディは中団からゴール板を目指す。シャンディは必死に追い上げるも、スローペースで余力を残した逃げ馬3頭に志半ば追いつけず4着、逃げ馬争いを制したのは執拗なイン走行&坂路で身に着けた粘りで僅かに2頭より抜きんでたヌーベルジェネシスであり、牝馬2冠を達成。本来の適正距離の2倍のGIを過酷な追切を乗り越えて勝利したヌーベルのポテンシャルに皆が度肝を抜かれる。
勝利後は明らかに長い距離を走ってお怒りなのか桜花賞以上に暴れ、ウイニングランを拒否した。
急遽簡単な式典だけで済ませたのだが、波江野調教師のビッグマウスがまた炸裂。
「本来1マイル以下を使う馬のはずなのに、2400mを走らせているのだからご乱心なのも仕方がない。
でも、2000mならぎりぎりウイニングランはこなすはず。なのでまたその時に。」
早々に秋華賞制覇をほのめかすこの発言は3歳牝馬への注目をかき集めることとなり、牡馬戦線は完全に空気化。後にレース史上最多観客数・最多売上を誇る伝説の秋華賞の火付け役となる。
3歳中期('23サマースプリント)
ヌーベルジェネシスは函館スプリントステークスからサマースプリントに参戦するのだが、競馬界は古馬マイラー王イエローアプローズをロードンカナヘビが破った安田記念と、アストラルノートのフランスダービー制覇、ディアーカロラインのウオッカぶりとなる牝馬による日本ダービー制覇の余韻に浸っていた。
ディアーカロラインの次走はローズステークスとの発表が為され、競馬ファンは牝馬二冠とダービー馬、その他NHKマイルC覇者ハートオブユカタンなどが参戦する、BCJターフスプリント,朝日杯FS,阪神JF,牝馬二冠,NHKマイルC,そして日本ダービーの2007年を超える7つのGIタイトルの集まる史上最高にして唯一無二の秋華賞へ期待が高まった。
ヌーベルジェネシスにとっては一見敵なしのスプリントGIIIのはずだったのだが、負担重量64キロの懸念が大きく、やはり1番人気にはなれなかった。
だが後ろ目につけ、終盤から熾烈のイン突きからの2着に丁度1馬身をつけてのゴールイン。余力をのこしたレースの最適解のような走りで、重量ハンデを見事覆す。ヌーベルジェネシスはそのまま夏の休暇を取るべく函館競馬場からサクレスファームへ直行し、放牧に向かった。その間に宝塚記念をセントドーヴァーが制覇し史上初の春古馬三冠を達成。空前の波江野厩舎旋風を決定的なものにした。
ディアーカロラインの次走はローズステークスとの発表が為され、競馬ファンは牝馬二冠とダービー馬、その他NHKマイルC覇者ハートオブユカタンなどが参戦する、BCJターフスプリント,朝日杯FS,阪神JF,牝馬二冠,NHKマイルC,そして日本ダービーの2007年を超える7つのGIタイトルの集まる史上最高にして唯一無二の秋華賞へ期待が高まった。
ヌーベルジェネシスにとっては一見敵なしのスプリントGIIIのはずだったのだが、負担重量64キロの懸念が大きく、やはり1番人気にはなれなかった。
だが後ろ目につけ、終盤から熾烈のイン突きからの2着に丁度1馬身をつけてのゴールイン。余力をのこしたレースの最適解のような走りで、重量ハンデを見事覆す。ヌーベルジェネシスはそのまま夏の休暇を取るべく函館競馬場からサクレスファームへ直行し、放牧に向かった。その間に宝塚記念をセントドーヴァーが制覇し史上初の春古馬三冠を達成。空前の波江野厩舎旋風を決定的なものにした。
次走はアイビスサマーダッシュ。ジェネシスの得意なコーナーがない&負担重量66キロというそこそこ、というか普通の馬にとってはかなりの悪条件のレースであったが前走の結果もあって1番人気に。抜群のスタートから他馬、というよりはもはや自身に課せられた斤量と戦っているかのように、ただひたすらに逃げから粘り、55秒でゴール。なんの変哲もないタイムであるが、66キロ負担でこの走りを見せたため、「仮に56キロ負担ならばカルストンライトオの53秒7レコードを優に超える」と専門家の口から漏れたために、ついにヌーベルジェネシスは畏敬の念を超えた奇怪な目で見られることになる。一部から、「お前は父ちゃんから喝入れてもらえ」との声も。
ヌーベルジェネシス事件簿FILE CASE2
キーンランド単勝元返し事件
キーンランド単勝元返し事件
1頭の怪物のせいで荒れに荒れた23サマースプリントシリーズ、ここまででも十分衝撃なのだが、一番多く語られるのは次走のキーンランドカップである。
ヌーベルジェネシスの次走がキーンランドカップであること、負担重量が66キロから54キロに大幅減らされることが報じられると、ただでさえヌーベルジェネシスに活躍の場が奪われたために抽選が必要なほど多かった出走予定馬ほぼ全頭が、急遽キーンランドカップを回避し、ある程度実績のある馬はセントウルステークス、実績のない馬は北九州記念、さらにはスプリントをあきらめ関屋記念や京成杯オータムハンデキャップに向かった馬もいた。
キーンランドカップはヌーベルジェネシスと腹をくくったもしくは逃げ遅れた5頭で登録された。
ヌーベルジェネシスの次走がキーンランドカップであること、負担重量が66キロから54キロに大幅減らされることが報じられると、ただでさえヌーベルジェネシスに活躍の場が奪われたために抽選が必要なほど多かった出走予定馬ほぼ全頭が、急遽キーンランドカップを回避し、ある程度実績のある馬はセントウルステークス、実績のない馬は北九州記念、さらにはスプリントをあきらめ関屋記念や京成杯オータムハンデキャップに向かった馬もいた。
キーンランドカップはヌーベルジェネシスと腹をくくった
23年キーンランドカップの出馬表(webkeibaより引用)

逃げ遅れたヌーベルジェネシス以外の4頭は実力も戦績もあらゆる面でヌーベルジェネシスに遠く及ばず、なんとヌーベルジェネシスの単勝支持率は91%を超え、ついに単勝オッズは1.1を切った。
言うまでもなくヌーベルジェネシスは完勝。スタートから武豊騎手は何もせず、ヌーベルの好きなように走らせた。4コーナーを回ったタイミングで鞭を一発使うとぐんぐん程度の言葉では表せないほどに脚を使い、余力を残したまま6馬身差をつけゴールイン。12キロも軽くなったのあれば、ともはや当時は驚かれもしなかった。このようなレースでも馬券の売れ行きは好調だったようで、ライト層は面白がったり、記念に取っておくために応援馬券を購入し、ファンは1点での馬単や3連単、2,3着ワイドの狙い撃ちをすべく、残りの4頭のうちどの馬が馬券内に来るか議論していた。

言うまでもなくヌーベルジェネシスは完勝。スタートから武豊騎手は何もせず、ヌーベルの好きなように走らせた。4コーナーを回ったタイミングで鞭を一発使うとぐんぐん程度の言葉では表せないほどに脚を使い、余力を残したまま6馬身差をつけゴールイン。12キロも軽くなったのあれば、ともはや当時は驚かれもしなかった。このようなレースでも馬券の売れ行きは好調だったようで、ライト層は面白がったり、記念に取っておくために応援馬券を購入し、ファンは1点での馬単や3連単、2,3着ワイドの狙い撃ちをすべく、残りの4頭のうちどの馬が馬券内に来るか議論していた。
23年キーンランドカップの払い戻し表(webkeibaより引用)


いよいよ秋以降の動向が注目される中、ヌーベルジェネシスはスプリンターズステークスに向かう。
もう一つの優先出走権の争われるセントウルSで、ヌーベルジェネシスを回避した馬たちを兄のロードンカナヘビが代わりとばかりに粉砕。兄妹によるスプリンターズS争奪に期待が高まった。
もう一つの優先出走権の争われるセントウルSで、ヌーベルジェネシスを回避した馬たちを兄のロードンカナヘビが代わりとばかりに粉砕。兄妹によるスプリンターズS争奪に期待が高まった。
最終オッズになるまで、1~4番人気は激しく変動した。重馬場の中山、4番人気は不良桜花賞2着のサカエ、3番人気はかつてマイラー王であったイエローアプローズ、
兄弟の1番人気争奪は最終的にヌーベルジェネシスに軍配が上がった。
兄弟の1番人気争奪は最終的にヌーベルジェネシスに軍配が上がった。
ゲートが開き、イエローアプローズが先団につける。後方の内にロードンカナヘビ、外にヌーベルジェネシス。それをさらに外から押さえつけるようにサカエがつける。
4コーナーを回り、残り150mの段階で2頭目と2馬身の差をつけていたイエローアプローズだが、左右から兄妹の猛追。サカエは仕掛けるタイミングを誤り、4着に沈む。残り100mを切っても兄妹の顛末は分からなかった。
4コーナーを回り、残り150mの段階で2頭目と2馬身の差をつけていたイエローアプローズだが、左右から兄妹の猛追。サカエは仕掛けるタイミングを誤り、4着に沈む。残り100mを切っても兄妹の顛末は分からなかった。
アプローズはスルスルと後退、内外双方から兄妹が飛ばす!これはどっちだ!
'23 スプリンターズS
最終的にロードンカナヘビが僅か半馬身粘り、ヌーベルジェネシスは兄を下せず。初のスプリントタイトル、そして兄妹史上2頭目の父母仔スプリンターズS制覇を兄に奪われた。
結果ヌーベルジェネシスは阪神JFぶりに2着に沈み、父の代わりに兄が妹の秋華賞に向け喝を入れる形となった。
結果ヌーベルジェネシスは阪神JFぶりに2着に沈み、父の代わりに兄が妹の秋華賞に向け喝を入れる形となった。
3歳後期('23伝説の秋華賞~)
ついにこの日がやってきた。2023年10月の15日、京都競馬場が史上最高潮の熱狂に包まれる。
京都8Rの2歳OPもみじステークスにて、弟のロードントコロアが軽快に勝利をおさめついに運命の11R、今までのライバルが一斉に打倒ジェネシスを掲げ襲来する。
1枠1番に桜花賞4着、NHKマイルカップ1着の快速マイラー、ハートオブユカタン
2枠3番に桜花賞10着、日本ダービーを獲って帰ってきたディアーカロライン
2枠4番に桜花賞2着、力強い走りで後ろから追い上げるサカエ
5枠10番に桜花賞3着オークス4着、底知れぬスタミナのシャンディガフ。
1枠1番に桜花賞4着、NHKマイルカップ1着の快速マイラー、ハートオブユカタン
2枠3番に桜花賞10着、日本ダービーを獲って帰ってきたディアーカロライン
2枠4番に桜花賞2着、力強い走りで後ろから追い上げるサカエ
5枠10番に桜花賞3着オークス4着、底知れぬスタミナのシャンディガフ。
ヌーベルジェネシスは今までの1枠1番と真逆の大外8枠16番に収まり、ゲートが開いた。7冠の集結する秋華賞は全頭無事に発走した。
ハートオブユカタンが最前に躍り出、外から中断を内に押し込むヌーベルジェネシス。押し込まれるサカエとヌーベルジェネシスの前に付きマークするシャンディガフ。ディアーカロラインは最後方から様子を見る。
1000mのタイムは1分00秒4。悠々と走るヌーベルジェネシスに来場者15万人の視線が集まる。デアリングタクト以来の三冠牝馬の誕生を願う競馬ファンにネットの熱狂から見に来た人、ヌーベルを動画配信サービスで見て会いに来た人もいれば、京都目当ての外国人観光客すらも、三冠馬が誕生すると聞いて京都競馬場に来たという。BCジュベナイルターフスプリントで名を売っていたため、海外からも注目された。
ハートオブユカタンが最前に躍り出、外から中断を内に押し込むヌーベルジェネシス。押し込まれるサカエとヌーベルジェネシスの前に付きマークするシャンディガフ。ディアーカロラインは最後方から様子を見る。
1000mのタイムは1分00秒4。悠々と走るヌーベルジェネシスに来場者15万人の視線が集まる。デアリングタクト以来の三冠牝馬の誕生を願う競馬ファンにネットの熱狂から見に来た人、ヌーベルを動画配信サービスで見て会いに来た人もいれば、京都目当ての外国人観光客すらも、三冠馬が誕生すると聞いて京都競馬場に来たという。BCジュベナイルターフスプリントで名を売っていたため、海外からも注目された。
ハートオブユカタンの後ろから後続が来る!異次元の差し、内からダービー馬、大外からは二冠馬!
'23 秋華賞
闘気のあふれる最終直線。ハートオブユカタンが前に出て、ディアーカロラインとヌーベルジェネシスが大内大外よりあげてくる。サカエとシャンディガフは最後方から進撃を始めた。残り200m,2頭がハートオブユカタンを抜き去り、最終的にジェネシスとカロラインの一騎打ちに。
ヌーベルジェネシス!電撃的な追い上げでダービー馬を半馬身離して堂々の三冠達成です!なんと衝撃的な末脚でありましょう!鞍上ルメールWサインを天に掲ぐ!15万余の歓声が淀に沸き起こっています!
'23 秋華賞
見事意地と意地のぶつかり合いをヌーベルジェネシスは決死の追い上げで差し切って見せた。
波江野調教師の公言通り、本当にギリギリの状態で三冠式典をこなしヌーベルはさっさと去って行ってしまった。
もはや敵なし、自分を捉えんとするライバルをヌーベルジェネシスはすべて振りきってしまった。このころからあの名馬と実況から文字を取って"ヌーベルインパクト"とまで呼ばれだした。
波江野調教師の公言通り、本当にギリギリの状態で三冠式典をこなしヌーベルはさっさと去って行ってしまった。
もはや敵なし、自分を捉えんとするライバルをヌーベルジェネシスはすべて振りきってしまった。このころからあの名馬と実況から文字を取って"ヌーベルインパクト"とまで呼ばれだした。
人でごった返す京阪淀駅、京都競馬場は静寂を取り戻す。
対抗馬券を外し泣く泣く帰る人、ごった返す人の中ヌーベルジェネシスを写真に収めて満身創痍な人。取材陣が一人の青年を捕まえ今回のモーメントに関する感想を聞いた。
彼はカリフォルニア時代より彼女の存在を認知しており、夏休みからの長期滞在を利用して日本に会いに来たという。彼は「間違いなく僕の人生を彩ったモーメントでありました。」と簡潔に綴った。
対抗馬券を外し泣く泣く帰る人、ごった返す人の中ヌーベルジェネシスを写真に収めて満身創痍な人。取材陣が一人の青年を捕まえ今回のモーメントに関する感想を聞いた。
彼はカリフォルニア時代より彼女の存在を認知しており、夏休みからの長期滞在を利用して日本に会いに来たという。彼は「間違いなく僕の人生を彩ったモーメントでありました。」と簡潔に綴った。
菊花賞が終わり3歳馬が古馬戦線に合流する際、ファンらは23世代を「英傑世代」と称し、
今年の3歳GIを盛り上げた6頭を「23年の六英傑」としてまとめた。
今年の3歳GIを盛り上げた6頭を「23年の六英傑」としてまとめた。
六英傑、次なるステージは古馬との闘い
今年の3歳路線を大いに沸かせた優駿達、古馬相手にどれだけ通用するのか!?
ヌーベルジェネシス 世代GI成績:阪神JF② 朝日杯FS① 桜花賞① 優駿牝馬① 秋華賞①
後述の2頭をはねのけ牝馬三冠。間違いなく6頭の中でも頭の抜けた存在。
兄に敗れたものの古馬との対戦経験あり、次走は未定だがエリザベス女王杯には向かわず。
今後主に1600m以下で日本競馬を引っ張ると思われる。
ディアーカロライン 世代GI成績:阪神JF① 桜花賞⑩ 東京優駿① 秋華賞②
牝馬三冠レースでは勝てなかったもののジェネシスを負かした2頭のうちの1頭。
ウオッカぶりの日本ダービー急襲成功で地力の高さは証明済み。
次走はエリザベス女王杯。ジェネシス不在の牝馬GIで古馬を下すことができるか。
ハートオブユカタン 世代GI成績:全日本2歳優駿④ 桜花賞④ NHKマイルC① 秋華賞③
こちらも牝馬三冠レースでは勝てずともNHKマイルCで他を圧倒する逃げを披露。
過去のレースを見ても多彩な形の逃げを使い分けており、ペースメイクはお手の物。
芝砂不問なユカタン、展開次第で古馬に対してもチャンスは十分にあり。
スカイレジェンド 世代GI成績:朝日杯FS② 皐月賞① 東京優駿② 菊花賞①
今世代の2度の牝馬襲来の影響をもろに受けた「幻の無敗三冠馬」。
ここまで8戦6勝、負けたのは朝日杯FSと日本ダービーのみ。
その圧倒的な自在性で古馬とジェネシス、カロライン2頭を倒し雪辱を晴らしたいところ。
レッドスパーク 世代GI成績:全日本2歳優駿① ジャパンダートダービー①
全日本2歳優駿勝利後に中央に移籍した、ここまで無敗の園田の星。
UAEダービー、JDDと勝利し先日の南部杯で歴戦のダート古馬を振り切って見せた。
次走予定はチャンピオンズC、古馬を相手にして無敗はどこまで続くのか。
アストラルノート 世代GI成績:ホープフルS① 皐月賞⑦ ジョッケクルブ賞①
ホープフルS以降鳴りをひそめたものの、6月初めに競馬界の度肝を抜いた一頭。
皐月賞惨敗の後、なんと次戦場をフランスダービーに定め1着に輝いた。
凱旋門賞も3着と好走。帰国後初戦で良い走りができるかどうか。
'23秋 某競馬雑誌
波江野調教師は牝馬4冠を考えエリザベス女王杯への出走を考えていたが、3冠の時点でだいぶ無理をしていること、そしてなによりジェネシスの機嫌を損ねないためにエリザベス女王杯は回避し、マイルCSへ向かうことを決めていた。
逃げからもう一つギアを上げる!アプローズはどんどん離されて、
マイル以下は自分の領域といわんばかりの走りだ!4馬身、5馬身、圧巻のゴールイン!
'23 マイルCS
本当に、マイルなんて区分はいらないんじゃないか。そう皆に思わせた素晴らしい走りであった。
安田記念の覇者である兄、ロードンカナヘビとの再対決が期待されたが、カナヘビはジャパンカップを目指すべくマイルCS断念。それでも素質のあるスプリンターや快速の目立つ中距離の雄、そしてハートオブユカタンと旧マイラー王者イエローアプローズなど群雄割拠のマイルGIであった。
安田記念の覇者である兄、ロードンカナヘビとの再対決が期待されたが、カナヘビはジャパンカップを目指すべくマイルCS断念。それでも素質のあるスプリンターや快速の目立つ中距離の雄、そしてハートオブユカタンと旧マイラー王者イエローアプローズなど群雄割拠のマイルGIであった。
16番の大外で取る戦法はお得意の外捲りであると思われたが、後日の武騎手の話ではヌーベル自身が前に行かせろとうるさかったらしく外から溜め逃げを図る展開となった。
先団に合わせ重馬場をものともせずに逃げるヌーベルジェネシスはイエローアプローズの追い上げのタイミングでお得意の最大効率セカンドギアを発動、中距離の経験を存分に積んだからか直線でのパワーが神の領域まで達し、2着と5馬身差の大勝。ヌーベルジェネシスの株は爆上がり、あとついでに兄のロードンカナヘビの株も上がっていた。
先団に合わせ重馬場をものともせずに逃げるヌーベルジェネシスはイエローアプローズの追い上げのタイミングでお得意の最大効率セカンドギアを発動、中距離の経験を存分に積んだからか直線でのパワーが神の領域まで達し、2着と5馬身差の大勝。ヌーベルジェネシスの株は爆上がり、あとついでに兄のロードンカナヘビの株も上がっていた。
よく晴れた12月の香港、日本からの刺客が「短距離界の凱旋門」を破壊すべく降り立った。
ついでにその兄も香港ヴァースにやってきた。
Here comes the Nouvelle-Genesis!
What a brilliant run, reminding us of the Lord Kanaloa, her dad!
Following her brother, Nouvelle-Genesis achieved a massive victory here in Hong Kong!
'23 Hong Kong Sprint
ここでヌーベルジェネシスが抜き出る!
なんとも鮮やかな走り、父のロードカナロアを思い起こさせる走りで今ゴールイン!
兄に続いて、ヌーベルジェネシスが香港の舞台で大きな、大きな1勝を掴みました!
'23 香港スプリント実況著者的日本語訳
兄が偉大なら妹も偉大、香港ヴァースで兄が外をぶん回して勝ったのを利用し、溜める逃げ&あきれるほどのインへの執着を見せ、後方を寄せ付けず、最後の最後でひょこっと抜け出して勝利。この日の香港国際競争GIのうち半分を兄妹で獲って見せた。
末、まあ当たり前だがヌーベルジェネシスはJRA最優秀3歳牝馬を受賞。
そして兄のロードンカナヘビと最優秀短距離馬を争いこれを受賞。
同厩舎の高松宮記念や春古馬三冠などを制したセントドーヴァーと年度代表馬も争い、最終的に年度代表馬も受賞した。名実ともに新たな時代を感じさせるほどの名馬となった。もちろん来年からの動向も注目される...のだが。
3歳競走成績
そして兄のロードンカナヘビと最優秀短距離馬を争いこれを受賞。
同厩舎の高松宮記念や春古馬三冠などを制したセントドーヴァーと年度代表馬も争い、最終的に年度代表馬も受賞した。名実ともに新たな時代を感じさせるほどの名馬となった。もちろん来年からの動向も注目される...のだが。
3歳競走成績
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ(人気) | 着順 | 騎手 | 斤量 | 1着馬(2着馬) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
23,1,9 | 中山 | フェアリーステークス | GIII | 芝1600(良) | 16 | 2 | 3 | 3.4(1人) | 1着 | C.ルメール | 55 | (サクレロム) |
3,12 | 阪神 | フィリーズレビュー | GII | 芝1400(良) | 16 | 8 | 16 | 2.9(1人) | 1着 | C.ルメール | 54 | (ウォーグランデ) |
4,9 | 阪神 | 桜花賞 | GI | 芝1600(不良) | 18 | 1 | 1 | 10.2(6人) | 1着 | C.ルメール | 55 | (サカエ) |
5,21 | 東京 | オークス | GI | 芝2400(良) | 17 | 1 | 1 | 4.3(2人) | 1着 | C.ルメール | 55 | (マスティフ) |
6,11 | 函館 | 函館スプリントステークス | GIII | 芝1200(良) | 16 | 1 | 2 | 3.0(2人) | 1着 | C.ルメール | 64 | (ソウルマッシブ) |
7,30 | 新潟 | アイビスサマーダッシュ | GIII | 芝1000(良) | 18 | 4 | 7 | 2.2(1人) | 1着 | 武豊 | 66 | (セントコゲチャ) |
8,27 | 札幌 | キーンランドカップ | GIII | 芝1200(稍重) | 5 | 2 | 2 | 1.0(1人) | 1着 | 武豊 | 54 | (ノボニヒル) |
10,1 | 中山 | スプリンターズステークス | GI | 芝1200(重) | 16 | 6 | 12 | 3.7(1人) | 2着 | C.ルメール | 53 | ロードンカナヘビ |
10,15 | 京都 | 秋華賞 | GI | 芝2000(良) | 16 | 8 | 16 | 4.4(2人) | 1着 | C.ルメール | 54 | (ディアーカロライン) |
11,19 | 京都 | マイルチャンピオンシップ | GI | 芝1600(重) | 17 | 8 | 16 | 7.0(3人) | 1着 | 武豊 | 54 | (カッパツライナー) |
12,10 | 沙田 | 香港スプリント | GI | 芝1200(良) | 10 | 1 | 2.5(1人) | 1着 | C.ルメール | 55.5 | (Athletic banner香) |
4歳('24)
新年早々ヌーベルジェネシスは深刻な屈腱炎を発症した。復帰できるか怪しいラインであったし、同時期に屈腱炎を発症し引退に追い込まれた母アストンマーチャンのことが脳裏にちらつき、最悪の事態が確かに皆の頭によぎったが、後に何とか一時の復活を果たす。
最終的に復活は7月下旬であったため、高松宮記念を泣く泣く断念。関係者や国内スプリントタイトル制覇を心待ちにしていた競馬ファンすべてが悲しんだ。
ここでセントドーヴァーが引退したことで主役が不在になった春古馬三冠路線を予定していた兄、ロードンカナヘビが妹のために動く。
ロードンカナヘビ自体ももう競走寿命が尽きかけていることもあり、急遽阪急杯を使い、大阪杯の前に高松宮記念に向かうことを決意。
最終的に復活は7月下旬であったため、高松宮記念を泣く泣く断念。関係者や国内スプリントタイトル制覇を心待ちにしていた競馬ファンすべてが悲しんだ。
ここでセントドーヴァーが引退したことで主役が不在になった春古馬三冠路線を予定していた兄、ロードンカナヘビが妹のために動く。
ロードンカナヘビ自体ももう競走寿命が尽きかけていることもあり、急遽阪急杯を使い、大阪杯の前に高松宮記念に向かうことを決意。
ついに高松宮記念、この一戦、波江野厩舎は総力を挙げ気合の有力馬多頭出し、最終的に16頭中5頭が波江野厩舎の馬であった。
さあ最終直線カナヘビが抜け出す!ロードンカナヘビ!
ヌーベルジェネシスの無念を背負っての兄の脅威的な走り!
まだ伸びて!ロードンカナヘビ、妹に捧げるこの高松宮記念、今ゴールイン!
'24 高松宮記念
妹のために意地を張る兄はただただ、すさまじく強かった。
その後、ロードンカナヘビは連闘で大阪杯、天皇賞春と出走したが7着、6着と最終直線で粘りすら見せれずに終わった。波江野調教師と陣営は彼はもう燃え尽きたと悟り、天皇賞春の後、すぐに引退を決意。
妹のために競走生命を燃やし尽くした兄は5月26日、自身が勝った日本ダービーの日に東京競馬場で引退式を行い、ターフを去った。
その後、ロードンカナヘビは連闘で大阪杯、天皇賞春と出走したが7着、6着と最終直線で粘りすら見せれずに終わった。波江野調教師と陣営は彼はもう燃え尽きたと悟り、天皇賞春の後、すぐに引退を決意。
妹のために競走生命を燃やし尽くした兄は5月26日、自身が勝った日本ダービーの日に東京競馬場で引退式を行い、ターフを去った。
7月下旬にヌーベルジェネシスは怪我を完治させ帰厩。ゆっくり調整を重ね、復帰戦に選んだのは昨年、自身が地獄の様相にしてしまったキーンランドカップであった。
復帰戦は勝利こそつかんだものの怪我以前と比べるとあまりにも非力。以前があまりにも圧倒的な走りをしただけに、つけた着差が1馬身だっただけで怪我の影響か衰えかとネットで騒がれる事態になった。
復帰戦は勝利こそつかんだものの怪我以前と比べるとあまりにも非力。以前があまりにも圧倒的な走りをしただけに、つけた着差が1馬身だっただけで怪我の影響か衰えかとネットで騒がれる事態になった。
24年9月4日 webkeibaの記事
秋、ヌーベルジェネシスと陣営は大きな賭けに出た。
まずヌーベルジェネシスはケガの影響と調子の不調を理由にスプリンターズSを回避。今度こそ国内スプリントタイトルをと意気込んでいたファンは落胆してしまったのだがそれも束の間。
ヌーベルジェネシスはカリフォルニア・サンタアニタ競馬場で行われるBCターフスプリントへの参戦を決意。陣営も仕上げに魂を込め人馬一体本気のスプリントをするべく各々が準備を開始した。なおこの頃、BCターフスプリントにて1着を取れなかった場合の引退示唆も波江野調教師は話していた。

まずヌーベルジェネシスはケガの影響と調子の不調を理由にスプリンターズSを回避。今度こそ国内スプリントタイトルをと意気込んでいたファンは落胆してしまったのだがそれも束の間。
ヌーベルジェネシスはカリフォルニア・サンタアニタ競馬場で行われるBCターフスプリントへの参戦を決意。陣営も仕上げに魂を込め人馬一体本気のスプリントをするべく各々が準備を開始した。なおこの頃、BCターフスプリントにて1着を取れなかった場合の引退示唆も波江野調教師は話していた。
結果、ヌーベルジェネシスのいないスプリンターズステークスを勝利したのは
4番人気、取ったGIはフェブラリーステークスの外国産馬、白毛牝5のポウハタンであった。
...実はこの馬はキンバリーファーム産駒であり、この馬こそが勝負を仕掛けてきた当歳ヌーベルジェネシスに大差をつけたあの1歳馬なのである。
ポウハタンがBCターフスプリントに参戦することが決まると、サクレスファームとキンバリーファームのスタッフだけがこの対決に熱くなっていた。
4番人気、取ったGIはフェブラリーステークスの外国産馬、白毛牝5のポウハタンであった。
...実はこの馬はキンバリーファーム産駒であり、この馬こそが勝負を仕掛けてきた当歳ヌーベルジェネシスに大差をつけたあの1歳馬なのである。
ポウハタンがBCターフスプリントに参戦することが決まると、サクレスファームとキンバリーファームのスタッフだけがこの対決に熱くなっていた。
ヌーベルジェネシス事件簿FILE CASE4
BCTS地獄ペース爆逃げ事件
英名グランド・エスケープ
関連武豊BC乱獲事件
BCTS地獄ペース爆逃げ事件
英名グランド・エスケープ
関連武豊BC乱獲事件
Powatan is comin', Hold on Nouvelle-Genesis!
Last 1furlong, and she's still there! The rival and the pressure were all defied, and she finished as first!
Thunderstricken!Our Nouvelle Genesis is back in California!
WHAT A GRAND ESCAPE!
'24 BC turf sprint
持ち堪えろヌーベルジェネシス、ポウハタンがいい足で来ている!
残り200mからさらに粘って、ライバルも重圧も全て跳ね除けてわずかに頭差、ゴールイン!
吃驚仰天!我らのヌーベルジェネシスがここカリフォルニアに帰ってきました!
とんでもないグランドエスケープ!
'24 BC ターフスプリント実況著者的日本語訳
メインであったはずのBCクラシックよりも大きな歓声が上がった。
ベルと共にゲートが開き、ベルに驚いた2年前と違い抜群のスタートを切る。
そのまま前に持ち出しため逃げを図ると思われたがぐんぐんと前に伸びる。
なんと武豊と陣営の選んだ作戦は超大逃げ。1/4マイル(約402m)のタイムは20.6秒であった。
そのせいで1000m戦でありながら先頭のヌーベルジェネシスから最後方のポウハタンまで11馬身も差が開いた。
もちろん、奇想天外なこの展開に展開に後続が焦らない訳がない、大逃げを打つのが競走生命を賭けた実力馬なだけに、ポウハタンはじめ差追込勢も多少無理して食らいついていく。
お得意のコーナーでも最後の余力だけを残し、悠々と先頭を駆ける。
最後のスパート、ヌーベルジェネシスは後続に5馬身をつけているものの、足取りは重くなっていく。
険しい顔の武豊とヌーベルジェネシス、迫りくる豪脚の前に今まで培ってきた最後の驚異的な粘りを見せ、
ゴール版を僅か半馬身、ポウハタンに抜かれそうになったところにようやくたどり着く。
後、この伝説的なレースは現地の実況から"グランド・エスケープ"の通り名がつき、
自身の未来を切り開く走りにその場にいた誰もが心を打たれた。
ベルと共にゲートが開き、ベルに驚いた2年前と違い抜群のスタートを切る。
そのまま前に持ち出しため逃げを図ると思われたがぐんぐんと前に伸びる。
なんと武豊と陣営の選んだ作戦は超大逃げ。1/4マイル(約402m)のタイムは20.6秒であった。
そのせいで1000m戦でありながら先頭のヌーベルジェネシスから最後方のポウハタンまで11馬身も差が開いた。
もちろん、奇想天外なこの展開に展開に後続が焦らない訳がない、大逃げを打つのが競走生命を賭けた実力馬なだけに、ポウハタンはじめ差追込勢も多少無理して食らいついていく。
お得意のコーナーでも最後の余力だけを残し、悠々と先頭を駆ける。
最後のスパート、ヌーベルジェネシスは後続に5馬身をつけているものの、足取りは重くなっていく。
険しい顔の武豊とヌーベルジェネシス、迫りくる豪脚の前に今まで培ってきた最後の驚異的な粘りを見せ、
ゴール版を僅か半馬身、ポウハタンに抜かれそうになったところにようやくたどり着く。
後、この伝説的なレースは現地の実況から"グランド・エスケープ"の通り名がつき、
自身の未来を切り開く走りにその場にいた誰もが心を打たれた。
Japan's six "Yushun" rampaged at the Breeders' Cup
A shocking incident involving a Japanese horse occurred at St. Anita Race Course. On the second day of the Breeders ' Cup, Japanese horses won 6 of the 9 BC races, and one Japanese jockey won 6 BCs by himself.
Race n Winners
Race name Post time at PDT Distance&Restriction Winner(Bred) Dirt Mile 11:30am 1 mile 3 yrs+ Snack Attack Filly & Mare Turf 12:10pm 1+1⁄4 miles 3 yrs+ fillies & mares Dear Caroline(JPN) Filly & Mare Sprint 12:50pm 7 furlongs 3 yrs+ fillies & mares Heart of Yucatan(JPN) Mile 1:30pm 1 mile 3 yrs+ Sky Legend(JPN) Distaff 2:10pm 1+1⁄8 miles 3 yrs+ fillies & mares Wild Charger Turf 2:50pm 1+1⁄2 miles 3 yrs+ Astral Note(JPN) Classic 3:40pm 1+1⁄4 miles 3 yrs+ Red Spark(JPN) Sprint 4:25pm 6 furlongs 3 yrs+ Moon berry Turf Sprint 5:00pm 5 furlongs 3 yrs+ Nouvelle Genesis(JPN)
吃驚仰天、武豊と6英傑のBC乱獲
サンタアニタ競馬場にて、衝撃的なことが起こった。
様々な条件のチャンピオンを決めるアメリカ競馬の祭典ブリーダーズカップ、2日目に行われるGI9レースのうちの6レースで日本馬が優勝した。武豊騎手は一日でGIを6勝する圧倒的快挙を成し遂げた。
2024年の末、波江野調教師はとんでもない発表を全世界に向けてする。
日本語と英語で綴られたその内容を箇条書きにまとめると、
- ヌーベルジェネシスは2025年末に引退する。
- それまでに、春秋スプリントはもちろん香港短距離三冠や旧グローバルスプリントチャレンジなど計14つのGIレースに出走し、これを全て勝利する。
- そのためにヌーベルジェネシスの主戦とレースの運び方を改める。主戦決めはオファー制、年明けに選抜騎乗試験をして決める。
陣営は迅速に、"一年限の夢物語"へと用意を始める。
4歳競走成績
4歳競走成績
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ(人気) | 着順 | 騎手 | 斤量 | 1着馬(2着馬) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
24,8,25 | 札幌 | キーンランドカップ | GIII | 芝1200(稍重) | 16 | 7 | 13 | 4.8(2人) | 1着 | C.ルメール | 57 | (センターブレイク) |
11,2 | サンタアニタ | BC turf sprint | GI | 芝5f(良) | 14 | 4 | 6 | 2.0(1人) | 1着 | 武豊 | 56 | (Powatan) |
5歳('25 一年限の夢物語)
5歳競走成績
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ(人気) | タイム | 騎手 | 斤量 | 1着馬(2着馬) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
25,1,19 | 沙田 | センテナリースプリントカップ | GI | 芝1200(良) | 16 | 3 | 1.8(1人) | 1.09.6 | 吉田豊 | 55.5 | (Alexei豪) | |
2,15 | フレミントン | ブラックキャビアライトニング | GI | 芝1000(良) | 16 | 15 | 1.9(1人) | 57.5 | 吉田豊 | 56.5 | (Tic Tac Toe豪) | |
2,22 | 沙田 | クイーンズシルヴァーJC | GI | 芝1400(良) | 14 | 11 | 1.7(1人) | 1.21.9 | 吉田豊 | 55.5 | (Santa ana Force豪) | |
3,30 | 中京 | 高松宮記念 | GI | 芝1200(良) | 17 | 3 | 5 | 1.2(1人) | 1.06.7 | 吉田豊 | 56 | (セントファリス) |
4,5 | ロイヤルランドウィック | TJスミスステークス | GI | 芝1200(良) | 12 | 3 | 1.8(1人) | 1.09.0 | 吉田豊 | 56.5 | (metro boi豪) | |
4,17 | ロイヤルランドウィック | オールエイジドステークス | GI | 芝1200(良) | 9 | 3 | 1.5(1人) | 1.22.1 | 吉田豊 | 56.5 | (Santa ana Force豪) | |
4,27 | 沙田 | チェアマンズスプリントプライズ | GI | 芝1200(良) | 14 | 8 | 1.7(1人) | 1.09.6 | 吉田豊 | 55.5 | (Alexei豪) | |
6,17 | アスコット | キングチャールズIII世ステークス | GI | 芝5f(良) | 23 | 3 | 2.2(1人) | 57.5 | 吉田豊 | 59 | (Buen sol豪) | |
6,21 | アスコット | QEII世ジュビリーステークス | GI | 芝6f(良) | 16 | 3 | 1.6(1人) | 1.09.9 | 吉田豊 | 59 | (Santa ana Force豪) | |
7,13 | ニューマーケット | ジュライカップ | GI | 芝6f(良) | 15 | 8 | 1.9(1人) | 1.09.6 | 吉田豊 | 59 | (Shining Majesty仏) | |
8,22 | ヨーク | ナンソープステークス | GI | 芝5f(良) | 4 | 4 | 1.1(1人) | 1.06.7 | 吉田豊 | 59 | 2着馬なし | |
9,6 | ヘイドックパーク | 英スプリントカップ | GI | 芝6f(良) | 1 | 発売なし | 不戦勝 | 2着馬なし | ||||
9,28 | 中山 | スプリンターズステークス | GI | 芝1200(良) | 16 | 2 | 4 | 1.1(1人) | 1.04.8(世界レコード) | 吉田豊 | 56 | (セントファリス) |
10,18 | ロイヤルランドウィック | ジ・エベレスト | GI | 芝1200(良) | 12 | 5 | 1.8(1人) | 1.09.6 | 吉田豊 | 56 | (metro boi豪) | |
11,2週 | フレミントン | ダーレーチャンピオンズスプリント | GI | 芝1200(不良) | 16 | 1 | 1.6(1人) | 1.10.5 | 吉田豊 | 56 | (fortune cookie香) | |
12,2週 | 沙田 | 香港スプリント | GI | 芝1200(良) | 14 | 8 | 1.1(1人) | 1.09.6 | 吉田豊 | 55.5 | (セントファリス) |
年明けに予告通り選抜試験が開催され、鉄板の有名騎手からやる気と勢いのある若手騎手まで様々な層が応募した。試験が始まってみるとヌーベルジェネシスの反応は様々で、そつなく乗りこなした人、グランドエスケープを見よう見まねでやってみた人、乗った瞬間ヌーベルジェネシスに拒絶されてしまった人もいた。
結果的にタイムもヌーベルジェネシスの調子も上々だった吉田豊騎手の脚をいたわりつつの極端な追い込み走法を採用し、後に「夢物語」と称されることになる濃密な1年を戦い抜くことになる。
結果的にタイムもヌーベルジェネシスの調子も上々だった吉田豊騎手の脚をいたわりつつの極端な追い込み走法を採用し、後に「夢物語」と称されることになる濃密な1年を戦い抜くことになる。
新環境初戦の香港センテナリースプリントカップ、かつてないほど後ろについたヌーベルジェネシスに不安まみれであったが、有り余るパワーで勝つのに最低限必要な距離を予測し、無理なく進んで勝つこの勝ち方は「逆算走法」としてまた話題に上がる。このレースの勝ちタイムは1分9秒6。残りの1200m戦9つの内、4つがこれと全く同じタイムであり、同じタイムがたくさん出ることはこの走法の一番の特徴である。
2戦目、ブラックキャビアライトニングは初めてのオーストラリアながら動じることもなく57.5で勝利。
3戦目のクイーンズシルヴァーJCからは豪州の粘り込み名人、サンタアナフォースも調整を万全にし参戦するもののやっぱり抜かされ2着入線。「地球上でヌーベルジェネシスに勝てる可能性のある最後の馬」と言われ期待されていたが2馬身ほどをつけられてしまい、ここでヌーベルジェネシスは満場一致の世界最強スプリンターとなった。
3戦目のクイーンズシルヴァーJCからは豪州の粘り込み名人、サンタアナフォースも調整を万全にし参戦するもののやっぱり抜かされ2着入線。「地球上でヌーベルジェネシスに勝てる可能性のある最後の馬」と言われ期待されていたが2馬身ほどをつけられてしまい、ここでヌーベルジェネシスは満場一致の世界最強スプリンターとなった。
1年前に兄が駆け抜けたこの舞台、満を持して新馬戦以来の中京にやってきました。
ここを勝利して兄へと恩返しし、吉田豊とのさらなる夢物語につなげたいところ!
3枠5番、我らの、そして世界のヌーベルジェネシスは堂々の一番人気です!
'25 高松宮記念本馬場入場コメント
次なる舞台は高松宮記念。ここまで兄とケガに阻まれ国内のスプリントGIを獲れていないヌーベルジェネシスが海外スプリントGI6つを引っ提げて参戦。本当に国産馬なのか怪しくなる成績である。
案の定身動きが取れるか怪しいほど超満員となった中京競馬場。観衆はゲートが開くのを待っている。
案の定身動きが取れるか怪しいほど超満員となった中京競馬場。観衆はゲートが開くのを待っている。
さあ最終直線、ああっと!これはヌーベルジェネシスがさらに伸びています!
兄よ見てくれと言わんばかりのこの豪脚、光速にも劣らぬ豪脚で後続を千切る!
強烈すぎる恩返しです!ヌーベルジェネシス、皆の注目を独り占めにして今ゴールイン!
ヌーベルジェネシス国内に敵なし! スプリンターという言葉はきっと彼女のためにあるのでしょう!
'25 高松宮記念
ゲートが開いたものの、何か様子がおかしい。
最後方逆算競馬を公言していたはずのヌーベルジェネシスがなんとハナを切っている。
これに場内どころか実況席もざわめきを隠せない。
静かになってしまった中京のコーナーを回り、ハナを切ったままヌーベルジェネシスが来るのだが、
なんと今までの追い込みのようにとてつもない加速をしてくる。
ヌーベルジェネシスのしていた競馬は追込で間違いなかった。
ヌーベルジェネシスは速すぎて、馬なりの走行で先頭にいたのである。
先頭にいる状態から馬群を丸ごと抜き去れる程の豪脚。
ヌーベルジェネシスは鞍上の吉田豊に一回も鞭を使わせず大差勝ち。
この走りによって日本の競馬ファンたちは、自分たちが「狂ってる」と揶揄したヌーベルジェネシスのローテを本気で実現可能だと理解し、ロードカナロアVSサクラバクシンオーの日本最強スプリンター論争もすることをやめ、
ダービーのようにスプリントの舞台に熱狂し、同時に日本のスプリンターのレベルの低さを憂いた。
最後方逆算競馬を公言していたはずのヌーベルジェネシスがなんとハナを切っている。
これに場内どころか実況席もざわめきを隠せない。
静かになってしまった中京のコーナーを回り、ハナを切ったままヌーベルジェネシスが来るのだが、
なんと今までの追い込みのようにとてつもない加速をしてくる。
ヌーベルジェネシスのしていた競馬は追込で間違いなかった。
ヌーベルジェネシスは速すぎて、馬なりの走行で先頭にいたのである。
先頭にいる状態から馬群を丸ごと抜き去れる程の豪脚。
ヌーベルジェネシスは鞍上の吉田豊に一回も鞭を使わせず大差勝ち。
この走りによって日本の競馬ファンたちは、自分たちが「狂ってる」と揶揄したヌーベルジェネシスのローテを本気で実現可能だと理解し、ロードカナロアVSサクラバクシンオーの日本最強スプリンター論争もすることをやめ、
ダービーのようにスプリントの舞台に熱狂し、同時に日本のスプリンターのレベルの低さを憂いた。
このレースの7日後、世界中から有力なスプリンターが集まり、"secondary championship"「二番手スプリンター決定戦」と呼ばれたアルクオーツスプリントがドバイで行われた。
1位に輝いたのはなんとサンタアナフォースであり、これにより陣営とサンタアナフォースは自身らの使命はヌーベルジェネシスに勝つことと認識。この後ヌーベルジェネシスのローテに合流、すべてのレースで掲示板内を確保しヌーベルジェネシスの好敵手として語られる。
1位に輝いたのはなんとサンタアナフォースであり、これにより陣営とサンタアナフォースは自身らの使命はヌーベルジェネシスに勝つことと認識。この後ヌーベルジェネシスのローテに合流、すべてのレースで掲示板内を確保しヌーベルジェネシスの好敵手として語られる。
5戦目、香港短距離三冠制覇のかかるチェアマンズスプリントプライズ、こちらも好敵手のアレクセーをきれいにかわし切り1.09.6で勝利。皆の想定通りに香港短距離三冠を制覇。
6戦目、戦場は欧州に移り、キングチャールズIII世ステークスを57.5で難なく制覇。欧州の重い芝にも対応。
7戦目、QEII世ジュビリーステークスを1.09.9で制覇、サンタアナフォースにとってこのレースが一番ヌーベルジェネシスに近づいたレースであり、差は1馬身半だった。
8戦目はアスコットを離れジュライカップ。欧州スプリント界の総力といえるメンバーだったものの、これを1.09.6で制覇。
9戦目はナンソープステークス、なかなか珍しい2歳上のGI戦であり、まだあどけなさの残る2歳馬がヌーベルジェネシスに威圧されている様を激写した写真は全世界で話題になった。必死になだめる吉田豊が一番かわいそうであった。少し入れ込んでしまったが58.9でこれを制覇。
とうとう10戦目、むかうは英スプリントカップ。欧州がヌーベルジェネシスの阻止をあきらめてしまったために、香港や豪州所属馬が目立った。こちらも1.09.6で無事に制覇。
6戦目、戦場は欧州に移り、キングチャールズIII世ステークスを57.5で難なく制覇。欧州の重い芝にも対応。
7戦目、QEII世ジュビリーステークスを1.09.9で制覇、サンタアナフォースにとってこのレースが一番ヌーベルジェネシスに近づいたレースであり、差は1馬身半だった。
8戦目はアスコットを離れジュライカップ。欧州スプリント界の総力といえるメンバーだったものの、これを1.09.6で制覇。
9戦目はナンソープステークス、なかなか珍しい2歳上のGI戦であり、まだあどけなさの残る2歳馬がヌーベルジェネシスに威圧されている様を激写した写真は全世界で話題になった。
とうとう10戦目、むかうは英スプリントカップ。欧州がヌーベルジェネシスの阻止をあきらめてしまったために、香港や豪州所属馬が目立った。こちらも1.09.6で無事に制覇。
今や世界が認める怪物スプリンター、見据えるのは1着のその先
一年限りの夢物語もそろそろ終盤、そこに2着はいりません!
生ける伝説を目に焼き付けよ、皆の歓声を一身で受けるヌーベルジェネシスです!
'25 スプリンターズS本馬場入場コメント
日本でヌーベルジェネシスの走りを見れる最後の機会であろうスプリンターズSのために中山競馬場周辺は大量の警官や誘導員が動員されることになった。
ヌーベルジェネシスが本馬場に入場したとたん、割れんばかりの歓声が上がる。実力も知名度もスター性も兼ね備えたヌーベルジェネシスはもはや競馬界にとどまらず「日本の星」であった。ぱかぱかと軽い足取りで皆が見えるところに行っては硬直。つぶらな瞳で首を曲げて遠くを見つめていた。ネット上ではヌーベルジェネシスのあの行動はなんだったのかと考察する人が現れたが、誰かの放った「きっとマイケルジャクソンになりたかったんでしょ」の一言で決着はついた。
ゲートに収まって...ゲートが開いた。
さあ最終直線、もうこの時点で5馬身はついている!でもヌーベルジェネシスはここからだ!
大きなストライドが光る!もう7馬身は行ったぞ!まだまだめいっぱいぐんぐん伸びて!?
春に続いて秋も大差をつけます!初の春秋スプリント大差連覇のゴールイン!
目にもとまらぬその走り!そしておや、これは4.8! 4.8! 4.8!1分4秒8が赤文字とともに灯っている!
ヌーベルジェネシス、なんという馬!1分5秒の壁を破り堂々の世界レコード!
正真正銘、歴代最強のスプリンターを証明して見せた!
'25 スプリンターズS
レコード
1.04.8
今後世界のホースマンは
このレコード更新を目指し、ヌーベルジェネシス2世を追い求めるようになる。
12戦目、莫大な賞金を誇るジ・エベレストに出走。賞金のためにサンタアナフォースを始め世界のスプリンターが集うものの、真のスプリンターは自分だけと走りで証明した。タイムは1.09.6。
13戦目、今まで良馬場に恵まれたもののここにきて超不良馬場となった豪チャンピオンズスプリントにて、ヌーベルジェネシスは不利なストライド走法をものともせず堂々と走る。これを制覇しタイムは1.10.5。
13戦目、今まで良馬場に恵まれたもののここにきて超不良馬場となった豪チャンピオンズスプリントにて、ヌーベルジェネシスは不利なストライド走法をものともせず堂々と走る。これを制覇しタイムは1.10.5。
夢物語の終着点は香港スプリント、思えば彼女の父も香港スプリントを勝って引退している。
このレースでは全く新たな試みも見られた。
まず香港スプリントに合わせて、今年ヌーベルジェネシスが激戦を繰り広げた全競馬場、サンタアニタを開放。ビジョンでレース映像を、ビジョンのない競馬場は巨大簡易スクリーンを設置して放映した。
日本の競馬場ではジェネシスの走った中京と中山はもちろん、阪神ジュベナイルフィリーズ後の阪神競馬場でも放映がされた。
そして何よりすごいのは、各放映競馬場の音・歓声をリンクさせたこと。
沙田とその他のスタンドがつながることにより、香港にいなくても現地の雰囲気を味わえ、現地に自分の声援を届けることができるこのシステムは結果的に大盛況、だったもののヌーベルジェネシスがいなくなってからは世界をつなげるほどの名馬は現れず、このシステムを実用した例はこのレースのみとなっている。
このレースには春秋スプリントで大差をつけられながら2着のセントファリスも参戦、今までのライバルもこぞって参戦、ヌーベルジェネシス以外にも4頭の引退レースとなった当レース、そんな5頭のラストを飾るべく、機会があれば1着を奪い取るべく各々に気合が入っている。
このレースでは全く新たな試みも見られた。
まず香港スプリントに合わせて、今年ヌーベルジェネシスが激戦を繰り広げた全競馬場、サンタアニタを開放。ビジョンでレース映像を、ビジョンのない競馬場は巨大簡易スクリーンを設置して放映した。
日本の競馬場ではジェネシスの走った中京と中山はもちろん、阪神ジュベナイルフィリーズ後の阪神競馬場でも放映がされた。
そして何よりすごいのは、各放映競馬場の音・歓声をリンクさせたこと。
沙田とその他のスタンドがつながることにより、香港にいなくても現地の雰囲気を味わえ、現地に自分の声援を届けることができるこのシステムは結果的に大盛況、だったもののヌーベルジェネシスがいなくなってからは世界をつなげるほどの名馬は現れず、このシステムを実用した例はこのレースのみとなっている。
このレースには春秋スプリントで大差をつけられながら2着のセントファリスも参戦、今までのライバルもこぞって参戦、ヌーベルジェネシス以外にも4頭の引退レースとなった当レース、そんな5頭のラストを飾るべく、機会があれば1着を奪い取るべく各々に気合が入っている。
さあコーナーからスパートをかけてそれいけヌーベルジェネシス最後の花道、残り430m!
フォースもエンジン全開、中団からファリスも来る、スプリンター5頭最後の花道、残り300m!
そして、そーれ来た来たヌーベルジェネシス!先頭を捉えんとす、心なしか空間が歪んで見えます!
ファリスもいい脚だ!内から内からセントファリスですが!しかし、
大外からヌーベルジェネシスが一つ抜きん出た!
8番ヌーベルジェネシス、なんとも強烈な引き際!
ヌーベルジェネシス、これにて夢の旅路をやり切りました、1年で主要スプリントGIを14連覇!
沙田に限らず北はヨーク、南はフレミントン、アスコット、中山、サンタアニタまで!
国境をこえ、言語を超え、文化を超え!
11のスタンドの観客が織りなす世界の大歓声が香港のたった一頭の優駿に向けて起きています!
電撃女王ヌーベルジェネシス、彼女の威光は世界を統べる!
間違いなく、世紀を超えて語り継がれる名馬です!
'25 香港スプリント
でもやっぱりサクっと終わってしまった。2,3歳の時からヌーベルジェネシスを見ていた日本のファン以外にとっては勝つのが当たり前の存在になっていた。
1年に14レースを使って世界中を輸送して飛び回って、いくら体調に気を使ったとしても限界なはずなのに皆はまた来年も2月になったらセンテナリースプリントCから始動する、スプリントに鎮座し続けると皆が幻想を抱いていたのである。これもヌーベルジェネシスならではと言えよう。
着順は
1着:ヌーベルジェネシス
2着:セントファリス
3着:サンタアナフォース
掲示板内に入ったのはすべて引退する馬たちであった。
またしてもセントファリスが2着に来たことも少し話題になり、「ヌーベルジェネシスさえいなかったら」としばらく言われ続けることになる。
香港マイル、香港カップの開催を上にずらし、特別に香港スプリントを第8Rで開催していた今年の香港国際競争。このレースの後、5頭合同での軽いお披露目会を執り行った。
1年に14レースを使って世界中を輸送して飛び回って、いくら体調に気を使ったとしても限界なはずなのに皆はまた来年も2月になったらセンテナリースプリントCから始動する、スプリントに鎮座し続けると皆が幻想を抱いていたのである。これもヌーベルジェネシスならではと言えよう。
着順は
1着:ヌーベルジェネシス
2着:セントファリス
3着:サンタアナフォース
掲示板内に入ったのはすべて引退する馬たちであった。
またしてもセントファリスが2着に来たことも少し話題になり、「ヌーベルジェネシスさえいなかったら」としばらく言われ続けることになる。
香港マイル、香港カップの開催を上にずらし、特別に香港スプリントを第8Rで開催していた今年の香港国際競争。このレースの後、5頭合同での軽いお披露目会を執り行った。
有馬記念の興奮冷めぬ中山競馬場。
セントファリスの引退式が行われたのち、ヌーベルジェネシスの引退式が行われた。
セントファリスの引退式が行われたのち、ヌーベルジェネシスの引退式が行われた。
皆がいわずとも共通して持ち合わせていた幻想はここで壊れた。
どれだけでもレースに出れる鉄壁さがあっても
どれだけでも2着との馬身を離す強さがあっても
どれだけ華やかな夢物語であっても
「1年限」だからこそ紡げた物語だということをすべての人は忘れていた。
「ジェネシスのいない競馬、ジェネシスのいないスプリント界。そんなのはありえない」
みんなが口をそろえて言う。
でもジェネシスが去らないとスプリント界の発展はない。
ヌーベルジェネシスは
記録にも残るし
記憶にも残るし
競馬界、スプリント界に爪痕も残した。
後に彼女の幻影を追って地位が上がり繫栄したターフスプリント界。
新たな時代を切り開いた彼女に
nouvelle genesis(新たなる創世記)の名はベストマッチであったと言える。
どれだけでもレースに出れる鉄壁さがあっても
どれだけでも2着との馬身を離す強さがあっても
どれだけ華やかな夢物語であっても
「1年限」だからこそ紡げた物語だということをすべての人は忘れていた。
「ジェネシスのいない競馬、ジェネシスのいないスプリント界。そんなのはありえない」
みんなが口をそろえて言う。
でもジェネシスが去らないとスプリント界の発展はない。
ヌーベルジェネシスは
記録にも残るし
記憶にも残るし
競馬界、スプリント界に爪痕も残した。
後に彼女の幻影を追って地位が上がり繫栄したターフスプリント界。
新たな時代を切り開いた彼女に
nouvelle genesis(新たなる創世記)の名はベストマッチであったと言える。
名馬の肖像
神は言われた
神は言われた。
「地よ、光を生み出せ。」
こうして、光があった。
「地よ、光を生み出せ。」
こうして、光があった。
神の言われた光とは
大地を歪めるほどの光速か
それとも皆を魅了し、慄かせた威光か。
大地を歪めるほどの光速か
それとも皆を魅了し、慄かせた威光か。
この世に産み落とされた神の仔は
神が創造された地を駆け抜け
知られるべきその御名と勇姿を
地の果てまで轟かせた。
神が創造された地を駆け抜け
知られるべきその御名と勇姿を
地の果てまで轟かせた。
人は君の名を呼び
人は君の姿を尊ぶ
地の光よ、世界に見せつけるのだ
他の追随を許さぬ神域の走りを。
人は君の姿を尊ぶ
地の光よ、世界に見せつけるのだ
他の追随を許さぬ神域の走りを。
引退後
引退後にヌーベルジェネシスは最優秀4歳以上牝馬、最優秀スプリンター、欧州最優秀古馬、欧州最優秀スプリンター、そして日本と欧州の年度代表馬をダブル受賞。引退しても競馬界を沸かせた。
2037年夏
Webkeibaの単発企画、「ジェネシスに会いに行こう」の動画を撮るため5人がサクレスファームを訪問した。
Webkeibaの単発企画、「ジェネシスに会いに行こう」の動画を撮るため5人がサクレスファームを訪問した。
新馬戦から三冠まで、主戦騎手を務めたクリストフ・ルメール。
地獄のキーンランドカップ、魂の大逃げなど数々の名場面と共にあった武豊。
1年限の輝かしい夢舞台をともに駆け抜けた吉田豊と
函館2歳Sしか騎乗してないが兄のついでで来た吉田隼人。
そしてビッグマウスでヌーベルジェネシスの魅力を存分に引き出した███元調教師の5人。
皆それぞれ騎手と調教師を引退し、別の道へと進んでいた。
地獄のキーンランドカップ、魂の大逃げなど数々の名場面と共にあった武豊。
1年限の輝かしい夢舞台をともに駆け抜けた吉田豊と
函館2歳Sしか騎乗してないが兄のついでで来た吉田隼人。
そしてビッグマウスでヌーベルジェネシスの魅力を存分に引き出した███元調教師の5人。
皆それぞれ騎手と調教師を引退し、別の道へと進んでいた。
馬房に着くと、それぞれがあいさつ。
あっさっそくお出迎え、どうもお久しぶり、息子さん娘さんお世話させてもらってます
こんにちはぬべちゃん、今日も落ち着きがないねぇ快調だね!
ホントそうっすよ、もうそんなに若くないんでしょ?見た感じ全く変わってない。
それは実際会いに来るとめちゃ思うですよ。
さあではぬべちゃん、豊は豊でも、吉田じゃないほうの豊さんはどっち?
つんつん
ぱく
武さんヌーベルに上着持ってかれそうっすよ!ああまぁたいそうな跡が...
いつまでたっても頭がキレる、じゃあ吉田は吉田でも豊じゃないほうの吉田は?
...覚えられてないかも
ジェネシスに会いに行こう 冒頭
この企画の再生数は上々であった。
もとよりヌーベルジェネシスはファーム側がそのスター性をくみ取って
SNSでヌーベルジェネシスのモーメントを発信し続けていた。
でももとはと言えば、やること一つ一つが面白いヌーベルジェネシスが悪い。
もとよりヌーベルジェネシスはファーム側がそのスター性をくみ取って
SNSでヌーベルジェネシスのモーメントを発信し続けていた。
でももとはと言えば、やること一つ一つが面白いヌーベルジェネシスが悪い。
鍵盤ハーモニカを出されたら鼻で弾くし
馬房に鏡を設置したら自分の姿を見て激しく怒り出しもした。
一度カメラに首を目いっぱい使っての超威圧もしてみせた。
競馬ファンにはこれらの要素から引退後の人気も上々で
ヌーベルジェネシスの高松宮記念・スプリンターズステークス予想は
馬の割には的中率が高く(13%)、馬券ファンも観る分、この動画が一年で1番再生数が多い。
馬房に鏡を設置したら自分の姿を見て激しく怒り出しもした。
一度カメラに首を目いっぱい使っての超威圧もしてみせた。
競馬ファンにはこれらの要素から引退後の人気も上々で
ヌーベルジェネシスの高松宮記念・スプリンターズステークス予想は
馬の割には的中率が高く(13%)、馬券ファンも観る分、この動画が一年で1番再生数が多い。
繁殖牝馬としての馬産地からの評判も上々である。
数年前、数々の産駒たちの実績から、「アストンマーチャン牝系」の概念が広まると
ヌーベルジェネシスはアストンマーチャン系でも圧倒的に有力な仔をたくさん輩出してきた。
それらはすべて調教師となり、「ヌーベルジェネシスの仔は絶対に僕が育てたい」と懇願してきた吉田豊氏が調教を担当している。主な産駒と言えば
数年前、数々の産駒たちの実績から、「アストンマーチャン牝系」の概念が広まると
ヌーベルジェネシスはアストンマーチャン系でも圧倒的に有力な仔をたくさん輩出してきた。
それらはすべて調教師となり、「ヌーベルジェネシスの仔は絶対に僕が育てたい」と懇願してきた吉田豊氏が調教を担当している。主な産駒と言えば
後に「ジェネシスローテ」と言われたあの世界スプリント乱獲ローテを再現し
全勝とはいかなかったもののGI8勝を挙げた
あのサンタアナフォース産駒のヌーヴォサンタアナや、
母娘2代牝馬三冠達成、スカイレジェンド産駒ヌーベルウォリアー
母仔2代世界レコード、18戦無敗のセントドーヴァー産駒ヌーヴォビスマルク
母がやった"グランドエスケープ"をなんと天皇賞・秋でやり勝利
大逃げ一本で数々のGIを渡り歩いたサイレンススズカ2世、ヌーヴォクリミナル
そのほかには名前の可愛さと強さ両面で話題になったニンジンなどがいる。
37年6月の安田記念1600mにて、ヌーヴォビスマルクは1.28.5のタイムを出し世界に衝撃を与えた。
前述の動画はヌーヴォビスマルク世界レコード記念に、
新たな競馬ファンにヌーベルジェネシスを知ってもらう試みのための動画であった。
全勝とはいかなかったもののGI8勝を挙げた
あのサンタアナフォース産駒のヌーヴォサンタアナや、
母娘2代牝馬三冠達成、スカイレジェンド産駒ヌーベルウォリアー
母仔2代世界レコード、18戦無敗のセントドーヴァー産駒ヌーヴォビスマルク
母がやった"グランドエスケープ"をなんと天皇賞・秋でやり勝利
大逃げ一本で数々のGIを渡り歩いたサイレンススズカ2世、ヌーヴォクリミナル
そのほかには名前の可愛さと強さ両面で話題になったニンジンなどがいる。
37年6月の安田記念1600mにて、ヌーヴォビスマルクは1.28.5のタイムを出し世界に衝撃を与えた。
前述の動画はヌーヴォビスマルク世界レコード記念に、
新たな競馬ファンにヌーベルジェネシスを知ってもらう試みのための動画であった。
競馬界に直接与えた影響も大きい。
アメリカではヌーベルの引退後すぐ、ダートコースが途中にある「悪設計」でおなじみの
サンタアニタ1300mにてGI級のヌーベルジェネシスステークスが創設された。
奇抜すぎるコースでは下り坂のスピードに乗ることも、ダートの切れ目を要領よく通過することも要求される。まさしくヌーベルジェネシスらしい競走であり、過去優勝馬も癖がすごい馬が気持ち多い。
アメリカではヌーベルの引退後すぐ、ダートコースが途中にある「悪設計」でおなじみの
サンタアニタ1300mにてGI級のヌーベルジェネシスステークスが創設された。
奇抜すぎるコースでは下り坂のスピードに乗ることも、ダートの切れ目を要領よく通過することも要求される。まさしくヌーベルジェネシスらしい競走であり、過去優勝馬も癖がすごい馬が気持ち多い。
もちろんヌーベルジェネシスの故郷日本でも短距離活性化へのムーブメントは起きた。
スプリント、マイル合わせても古馬期間ではGIが四つしかないことを憂いて、
スプリンターズS,高松宮記念に加えて1月3週目の京都11レース
外回り1400m開催で新たなGIレース、創世杯/ジェネシスカップを創設し
阪神カップと12月2週に中京1400mに復活となったペガサスステークスの1着に優先出走権を付与し、
これを二冠目に据え、スプリンターズS、創世杯、高松宮記念から成る日本短距離三冠を新設。
クラシックディスタンスとは違う迫力や圧倒的なスピード、そして距離が短いが故の繊細さ
儚なさを以てこの三冠競争は初年度から大盛り上がり。
1つのミスが命取りになるレースではどんでん返しも生まれやすいために馬券の売り上げも好調、三冠を達成した馬のレースの安定ぶりや海外スプリント界での強さも相まって日本スプリントの権威も向上。、さらなるスプリント重賞の創設や既存重賞のGI格上げも議論されている。
スプリント、マイル合わせても古馬期間ではGIが四つしかないことを憂いて、
スプリンターズS,高松宮記念に加えて1月3週目の京都11レース
外回り1400m開催で新たなGIレース、創世杯/ジェネシスカップを創設し
阪神カップと12月2週に中京1400mに復活となったペガサスステークスの1着に優先出走権を付与し、
これを二冠目に据え、スプリンターズS、創世杯、高松宮記念から成る日本短距離三冠を新設。
クラシックディスタンスとは違う迫力や圧倒的なスピード、そして距離が短いが故の繊細さ
儚なさを以てこの三冠競争は初年度から大盛り上がり。
1つのミスが命取りになるレースではどんでん返しも生まれやすいために馬券の売り上げも好調、三冠を達成した馬のレースの安定ぶりや海外スプリント界での強さも相まって日本スプリントの権威も向上。、さらなるスプリント重賞の創設や既存重賞のGI格上げも議論されている。
引退後も産駒や自身がきっかけのレースで競馬界にスプリント旋風を巻き起こしたヌーベルジェネシス。
その余生は平和そのものであった。
その余生は平和そのものであった。
神の仔ジェネシス
2047年3月1日、27歳であったヌーベルジェネシスは老衰で死去。
同週末のメイン3レース、アネモネS,フィリーズレビュー,金鯱賞の3つの競争がヌーベルジェネシス追悼競走として設定された。
ヌーベルジェネシス追悼 報知杯フィリーズレビューを制したのは牝系3代前にヌーベルジェネシスの血を持つ
レスレクシオ号であり、彼女はその後牝馬三冠を制してみせた。
同週末のメイン3レース、アネモネS,フィリーズレビュー,金鯱賞の3つの競争がヌーベルジェネシス追悼競走として設定された。
ヌーベルジェネシス追悼 報知杯フィリーズレビューを制したのは牝系3代前にヌーベルジェネシスの血を持つ
レスレクシオ号であり、彼女はその後牝馬三冠を制してみせた。
ヌーベルジェネシスは大々的な追悼式の後に火葬され、ヌーベルジェネシスのお陰で世界有数規模の生産牧場と化したサクレスファームに墓が建てられた。サクレスファームの創設期立役者のセントドーヴァーや兄のロードンカナヘビらの墓と並んでいる。
その後ヌーベルジェネシスの実態がこの世からとうとう消え、映像と記録だけが残ったこと、
存命27年でスプリント界のグローバル化と大幅なレベルアップに貢献したこと、
自身の血と牝系を世界中の多くの活躍馬の血統に残したことから
ターフスプリントの唯一神として名が広まるようになった。
その後ヌーベルジェネシスの実態がこの世からとうとう消え、映像と記録だけが残ったこと、
存命27年でスプリント界のグローバル化と大幅なレベルアップに貢献したこと、
自身の血と牝系を世界中の多くの活躍馬の血統に残したことから
ターフスプリントの唯一神として名が広まるようになった。
She was a successful mare living up to her name
and was the child of the gods of the horse racing world.
彼女は自分の名に恥じない唯一無二の輝きを放った名牝であり、
まさしく競馬界の"神の仔"とも形容できる。
終いには米競馬誌にてこのような寸評を添えられたこともあって、
生前には肩書きが定まらなかったヌーベルジェネシスは
死後、神の仔として半永久的に語り継がれるのであった。
生前には肩書きが定まらなかったヌーベルジェネシスは
死後、神の仔として半永久的に語り継がれるのであった。
2056年の24のGIタイトルは
5代血統表内にヌーベルジェネシスの名がある馬が独占した。
5代血統表内にヌーベルジェネシスの名がある馬が独占した。
今となってはかのサンデーサイレンス同様、
血統にヌーベルジェネシスが絡まない馬を探す方が大変である。
血統にヌーベルジェネシスが絡まない馬を探す方が大変である。
20**スプリント路線改定
新設
京都芝1400m(外)1月3週 創世杯/ジェネシスカップ 4歳上GI
阪神芝1200m6月2週 ライトニングカップ 3歳GI
新潟芝1000m5月1週 スプリングダッシュステークス 3歳GII 3着までにライトニングカップ優先出走権付与
阪神芝1200m6月2週 ライトニングカップ 3歳GI
新潟芝1000m5月1週 スプリングダッシュステークス 3歳GII 3着までにライトニングカップ優先出走権付与
復活
中京芝1400m12月2週 ペガサスステークス 3歳上GIII 1着に創世杯優先出走権付与
優先出走権付与
阪神カップ(GII) 1着に創世杯優先出走権付与
橘ステークス(L) 2着までにライトニングカップ優先出走権付与
葵ステークス(GIII) 3着までにライトニングカップ優先出走権付与
NHKマイルC(GI) 5着までにライトニングカップ優先出走権付与
橘ステークス(L) 2着までにライトニングカップ優先出走権付与
葵ステークス(GIII) 3着までにライトニングカップ優先出走権付与
NHKマイルC(GI) 5着までにライトニングカップ優先出走権付与
昇格
アイビスサマーダッシュ GIII→GI昇格
ルミエールオータムダッシュ L→GIII
ルミエールオータムダッシュ L→GIII