そ、どこにでもいそうな奴じゃないと意味がない。

発言者:エヴァン・アーマライト
対象者:『長官』


レオナルート、負け犬となった果て、凶暴極まる魔鳥に悪魔の実験場へ運ばれた真栄城
米国大使館でそんな彼の実験経過を笑顔のエヴァンから見せられた『長官』の問に対し
エヴァン・アーマライトが答えてみせた、真栄城司という一EAプレイヤーを実験台に選んだ理由

そう、Igelより先んじてEAを星条旗の名の下に正しく管理する為に、必要な兵器(ぶき)
最低限の効果を発揮する為に、どのような条件が必要なのか。どの程度の外圧を受ければ、それは破綻してしまうのか。
運用上の限界点が必要であり、後に続く大多数に適用できるデータを抽出できる最適の素材。
真栄城司、彼は、あらゆる面で極めて平均的である人間だからこそ……大人達の目に留まってしまったのだった。
そして、ラプター個人にとっては、小さな壊れかけの執念という要素(見所)がある玩具(オモチャ)として。


本編より
「まぁ考えてみれば当然だよね。車も銃も耐久実験クリアしないと決して市場には流せない」

「ここまでやると壊れますっていう線引き、ちゃんと見つけなければ……
後で“使えませんでした”じゃ話にならないわけだし、これから俺らが行うことには特に慎重を期するべきっしょ」

「だからこその人選か?」

「そ、どこにでもいそうな奴じゃないと意味がない」

「痛みと恐怖に弱くて、現実逃避が上手で、都合のいい理論合わせが得意技で要領悪い。
世の中の大半はそういうモブで成り立ってるだろ?」

「経過はほら、御覧の通り――」

取り出したスマホをどこか自慢げに渡すエヴァン。点滅するアイコンを『長官』の指先が押すと同時……部屋中に響き渡る絶叫と悲鳴。
それは獣の断末魔にも似た思春期の少年の叫び声。もはや明確な形にならない、助けを望むSOSだ。
画面に映る凄惨な光景を、『長官』は見てしまっているのだろう。生理的な拒絶とおぞましさに複雑な表情を湛えている。

「……些か趣味が混じっていると見受けられるが」

彼は険しい視線のまま、“やるな”とは言わないまでもラプター主導の実験成果(・・・・)、その詳細に対し苦言を呈する。
それに対しラプターは笑みを絶やすことなく語り続ける。

「うえ、心外。俺だって拷問マニアじゃないんだぜ。必要だからやっただけで、
凡俗だからこんなもんさ。薬物と電流使って、ちょこっと(・・・・・)弄った程度なのに叫ぶツカサが愚図なんだよ」

ありふれている(・・・・・・・)平均点の人間だからね。うん、だからこそ優秀だったのは認めるかな」

「確かに、実験台(テストベッド)としては素晴らしい逸材だろうな」



「ジャパニメーションだと特注モノ(ワンオフ)試作品(プロトタイプ)が人気だけどさ。現実と違って夢が詰まってるよなぁ、あれって」

「だからこの少年もいずれはそうする(・・・・)つもりだと?」

「いいじゃないか。強いぜ、執念は愛に並んで奇跡を起こす麻薬だよ。
本人もそれを望んでた。つまり俺は、友達の夢を叶えてやっているというわけなのさッ!」

よく言う、と胸中で『長官』は呟いた。言葉にはしない。所詮、同じ穴の貉。
猛禽類(ラプター)を動かした時点で、言い訳の権利など彼の中から消し飛んでいる。
────全ては、偉大なる星条旗(アメリカ)のために。




  • 眼鏡を掛けた軍服の偉丈夫「面白い。私も一枚噛ませて貰ってよろしいかな?(眼鏡を掛けた白衣の美女を派遣&ハイテクノロジーな機械設備の贈与」 -- 名無しさん (2020-12-18 18:54:31)
  • 胸元が眩しい金髪の騎士服の男「ひょっとしたら君、騙されてるんじゃないか?(ニヤニヤ」 -- 名無しさん (2020-12-18 22:19:23)
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  • ごめんなさい、ごめんなさい、許してくださいお願いします -- 名無しさん (2020-12-19 19:15:19)
  • ↑申し訳ないが返品は受け付けん(爽やかクソ感 -- 名無しさん (2020-12-19 21:24:49)
  • ヘッヘッヘ…シンパイスルコトハナイ(銀色の宇宙人感 -- 名無しさん (2021-01-07 16:16:08)
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最終更新:2023年12月04日 00:24