ももなが、兄である秀行に対し漏らした
お気に入りに対する愚痴……
なのだが。
この少女、クラン『ブリューナク』のNo.2であり、愛嬌のあるマスコットとしての
表の立ち位置を持つ一方で
手の付けられない悪癖を有してしまっており……
「手強いんだよ零示は。さっきの兄貴みたいな対応そのままでさー、失礼しちゃうと思わない?」
「そいつ案外見る目あるじゃねえかよ。俺はてっきりお前にひっかかるような男だから大した奴じゃないと思ってたがなぁ」
「ひっどーい、それどういう意味ッ!」
「ももなちゃんの新品バージン味わっておきながら、『転がり落ちるのは一人でやれ』とか言ってきたのよ!
せっかくゴムに穴開けてデキちゃう日を選択して駆け落ち先もワクワクしながら決めたのにさー!」
「おかげでアタシの心はとっくにぷんぷん丸なのである。
この傷を癒すために零示のお肉を要求しまーす、もち白いドレッシング和えで」
「いやはやすげえなそいつ、マジでお前のことよく見抜いたわ」
――こうした彼女の発言にもあるように、彼女は堕落型の心中願望持ちという面があり……
お気に入りの相手を巻き添えに刹那的快楽を貪りつつ、未来へ向かって真っ逆さま。
愛と破滅の逃避行を好む性格故に、誰かが手綱を握らなければすぐさま後先考えない行動へ走り出してしまうのだ。
一応、ももなが好む種類の人間は彼女の外面に欺かれることのない者ばかりだったために、ギリギリ歯止めが効いているという状態。
ただし、兄であり六本木の闇に通じる秀行はというと、妹の奇癖を積極的に止めることもなく。
「ま、好きにやれや。妹の恋愛事情ぐらいは適度に応援してやるよ」
マスコットであるももなに恋人ができれば、少なからぬ波紋が起きるだろうが、
“桐原零示”という人物が自分たちに齎す益はリスク以上のものがあるのではないかと、含み笑いの裏で計算を巡らす。
何より……ブリューナクのNo.2の裏の貌を知っている者ならば、彼女に男ができることなど今更の話だと思われるだけであろう。
表の可憐な外見に眩惑されてしまえば見えはしないが、ももなもまた闇に通じる人間。
お嬢様学園である聖ザビエル女学園において、援助交際グループの元締めを務めており、
六本木で金と権力を持つ人間に対し、少女の若さを売ることで、独自のネットワークを構築してきた少女なのだ。
「にひひ、やっぱり兄妹だよねんアタシたち」
「まったくだ……血は争えねえ。真理だぜ」
- それは無理だな。なぜなら、俺は逃げるからだ(マッパでドヤ顔 -- 名無しさん (2021-11-15 00:45:37)
- ここだけの話、俺は騙されているだけじゃないか……? -- 名無しさん (2024-07-13 23:11:35)
- これにはゼファーさんも泣き叫ぶ -- 名無しさん (2024-12-15 03:07:09)
最終更新:2024年12月15日 03:07