理外学
上位生物学 - Vicipaedia
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概要
上位生物学は、天使、悪魔、妖怪、妖精といった下位神格存在の生態や性質の研究を行う学問である。
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Fig.1 アマビエ/アマビコと呼ばれる予言獣の木版画 |
彼らは「でたらめな存在」であり、必ずしも生物の定義を満たさず、ときに標準物理学を根本的に逸脱する。しかしながら、彼らが人類の上位に位置する存在である以上、そのあり方を研究することは人類社会の存続のために非常に重要である。
関連分野
霊体工学では、物理的実体を持たず、物理的拘束が不可能である霊的存在を対象とした管理収容手法(封印/封じ込め手順)の研究を行う。ルーシー連邦で開発された"石棺"が有名であり、構造物での包囲により大規模な管理収容が可能という利点は大きく各国で類似の収容手順が採用されている。
御神札/護符は陰陽寮で研究されている代表的な簡易封じ込め/簡易結界生成手段である。伝統的な手法で作られており、「神仏の力を借りる」仕組みは現在でも詳しくわかっておらず、細かい作用機序は不明である(霊体工学の未解決問題)。
空想科学と魔導工学では、下位物語層から"引っ張り出す"ことで、下位神格存在を顕現させる技術が研究されている。
下位神格存在
天使は、一部を除いてサンクタ族によく似た外見をしており、ヘイロー/ハローと翼を持つ人形存在である。一見して人類と大きく違わない外見をしているが、強現実性非平衡化や広範囲の奇跡術実行などの能力は人類の科学技術を大きく上回っており、そのメカニズムの解明が期待されている。
余談だが、本来翼というものは腕の相同器官である。サンクタ族と違い彼らが持つ翼は「生物的」である場合が多いが、何故そのような設計になっているのかは不明である。
余談だが、本来翼というものは腕の相同器官である。サンクタ族と違い彼らが持つ翼は「生物的」である場合が多いが、何故そのような設計になっているのかは不明である。
悪魔は、サターニャ族とよく似た外見をしており、サターニャ族の類縁である。高い魔導適性を除けば、人類に近い下位神格存在であり、必ずしも友好的とは言い難いが最も人類社会に溶け込んでいる。彼らの危険性は下位神格存在の中では最も低く、十字教に代表される一般的なイメージとは異なる。
妖精は、体長がおおよそ10cm程度の人形存在であり、童話の人形のような外見をしている。彼らとの対話は殆どの場合要領を得ず、国連調停官も「幼稚園児と話しているよう」だと評している。彼らの作るアーティファクトは標準物理学に違反するものがほとんどであり、アーティファクトによって引き起こされる現象は童話性災害とも呼ばれる。童話性災害は危険ではあるものの人身被害が発生した例はごく少数であり、基本的に彼らは人類に対し友好的、少なくとも敵対的でない存在とみなされている。
妖怪は、主に東洋に多く生息する準生物であり、下位神格存在の中では珍しく「死」の概念がある存在である。彼らの生態は華国や秋津洲、高麗地域で古代から記録されている。時に人に封印され、使役され、ご利益を与えた彼らは東洋の歴史に大きな影響をもたらしてきた。妖怪という言葉が指す対象は非常に広範にわたり、人との関係もまた多種多様である。
下位神格存在は上記に上げたものの他に、霊的存在、怪異(物の怪)などの民俗学的存在、海洋生物、その他多くの詳細不明なものが存在する。彼らは大部分が人類に友好的とは言い難く、また意思疎通が困難であるため自然災害に近いものと理解したほうがいい。積極的な封じ込め/無力化が行われており、近年人身被害は減少傾向にある。
下位神格存在の危険性
下位神格存在は絶対数こそ人類を大きく下回るものの、その性質から潜在的な危険性は非常に大きいといえる。
サンタクロース追跡作戦
「180度方向へ向かう、8匹のトナカイを動力源とする1つの正体不明のそりを検知した! 繰り返す...」ーNORAD北極海レーダー基地
最も身近な下位神格存在の一つはサンタクロースだろう。彼は、冷戦期頃に顕現したと考えられている。NORAD(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)は、クリスマスの間、サンタクロースを追跡し、必要に応じて撃墜している。彼は伝承の通り、世界中にプレゼントを配るが、その配達スピードは最高でマッハ53を記録しており、衝撃波によって甚大な被害が発生する可能性がある。その配達経路は年々煩雑化しており、近年はNORADだけでなくUNPSC(国連超常安全保障理事会)などの国際機関もサンタクロースの対処に参加している。
用語集
- 見立ての神格の法則
- 十分強力な共同幻想は実体を伴って顕現するという法則。サンタクロースが有名であり、見立ての神格則で顕現した下位神格存在は人間的性質を多く持つことで知られる。
- 下位神格存在の分類
- 神話的存在、民俗学的存在、霊的存在、海洋生物、都市伝説的存在など様々な区分が存在するが、彼らのデタラメさ故に体系的分類にそれほど深い意味はないと考えられている。
- 下位神格存在の謎
- 下位とはいえ人類の上位存在である以上、彼らは個体によっては黙示録的事象を引き起こすのに十分な力を持つと考えられる。人類と彼らとの敵対は決して珍しいことではないが、奇妙なことに彼らが黙示録的/準黙示録的事象を引き起こすことは決してない。
- "上位"神格存在
- "上位"神格存在と思しきものは歴史上何回か顕現しており、最近では東欧に出現したものが有名である。下位神格存在と比べて彼らのことはほとんど何もわかっておらず、研究も進んでいない。
添付ファイル