現時点で仕様が判明しているものについて記述する。

VIEWMAP/ フォルダ

マップファイル。ただしその中身は以下で構成されており、かなり幅広いデータを扱っている。
  • 地形のデータ
  • 施設のデータ
  • 兵器アイコンのグラフィックと登録
  • 陣営カラー(兵器アイコン、施設用)のパレット
  • 残り機数6以下、3以下の炎用パレット
  • マップサムネイルとそのパレット
ただし兵器性能・陣営データ・天候・年月日など、ここでは扱っていない情報もある。
ファイルサイズは格納されているアイコン数により変動する。
逆に言えば、改造するにしてもアイコン数による制約を受けるとも言える。

鋼鉄ではスタンダードとキャンペーンで同じマップファイルを共有している。
作戦ではマップ共有が一切ない(仮想CPも全マップ×5タイプ分存在する)ためファイル数が膨大になっている。
なお、実は作戦ファイルにはマップ番号に欠番(=没シナリオ)が存在する。

UNITPACK/ フォルダ

各シナリオ毎※の兵器登録、兵器性能定義を扱う。
内容は兵器登録コードとほぼ同じ。当該コードアドレスにここのデータ内容がほぼそのまま反映される。

※「VIEWMAP/と異なり、同じマップでもスタンダード用とキャンペーン用で扱うファイルは異なる。」としていましたが誤りでした。
 実際にはViEWMAP/と同じく共有されています。

UNITINIT/ フォルダ

各シナリオ毎の兵器の初期配置が指定されている。
基本的には兵器指定値とX、Y座標値の4バイト×80部隊分×5陣営分のみ格納されており、各々のデータ量は小さい。
またキャンペーンにおける援軍イベントを管理していると思われるENGUN.BINや、それ以外にも仕様が未判明のデータが存在する。

※VIEWMAP/、UNITPACK/と異なり、同じマップでもスタンダード用とキャンペーン用で扱うファイルは異なる。

UNIT3D*/ フォルダ

各兵器ごとのポリゴンデータが格納されている。

.MUS ファイル

拡張子とデータサイズから推測される通り、BGMデータである。
実はその正体はモノラル16bit、44.1kHzのPCMファイル、つまりWAVと同種のファイルである。
(モノラル音源であることは作戦ファイルのreadmeで作曲者も明言している)
WAVとの違いはヘッダーが存在せず、値がビックエンディアンで格納されていること。
Audacityでは、Rawデータの取り込み → .MUSファイルを指定
→ Signed 16bit PCM、ビックエンディアン、モノラル と指定することで取り込み可能。
以降はそのままサウンドドラックとして利用できる。

逆にこれと同じ形式の音声ファイルを作ろうと思った場合(Audacityの場合)、
音声の書き出し→その他の非圧縮ファイル→RAW(headerless)、Signed 16bit PCMと指定し保存。
このままだとリトルエンディアンになるが、それを再度ビックエンディアンとして読み込み、
再度上記と同じ形式で保存すればエンディアンが逆転し、ビックエンディアンのデータになる。
試しに原本の.MUSファイルを読込後、上記手順で別途保存したファイルと比較したところ、完全一致が確認できた。

.CPK ファイル

おそらく、サターンの時代に使われていたシネパック形式の動画ファイルと思われる。
現在のWin10において、単体で再生することが殆ど不可能となった形式であるが、
Audacityにドラッグ&ドロップすることで内部の音声だけ抜き出すことができる。

鋼鉄の旋風ではOP、ED曲など一部の楽曲はMUSファイルではなくこちらに格納されている。
サウンドテストでこれらの曲を聴くことができないのもそのためだと思われる。
一方作戦ファイルではすべてのBGMがMUSファイルに格納され、サウンドテストでも聴けるようになっている。

余談だが、鋼鉄のOP曲は日独米それぞれ異なるCPKファイルを再生する。
途中で挿入される実写音声はBGMと結合しており、分離することができない。

.BIN ファイル

いわゆるバイナリファイル。ゲームで実際に使われているデータが格納されていることが多い。
内部データの意味するところはそれぞれのファイルで異なるため、解析などで仕様を把握する必要がある。
  • 00000000.BIN
 陣営名(2バイト文字、ドイツ帝国大日本帝国など)が定義されているセクションがある。
 SHINARIO.BINにてロードされる。
  • GAME2.BIN
 武器・武装の定義セクションがある(武装定義・武器性能・武器名登録の3部で構成されている)。
 武器武装データはSHINHEI.BINにもあるが、実際のゲームにおける攻撃力に直接影響を与えているのはこちらである。
 他にも一部グラフィックデータや、地形に関するデータ(移動コスト、地形効果)が含まれていることが判明。
  • SHINARIO.BIN
 各マップの状況を格納している。具体的にはロードされるマップ番号、年月日、大勝ターン数、戦利金など。
 さらに個別陣営のステータス(陣営名、国旗、BGM、陣営カラー、資金、国家収入など)も格納されている。
 ただし天候(雨や雪へのなりやすさ)については未確認。このファイルで管理していない可能性もある。

 当ファイルのアドレス236Eを32hに書き換えると、本土決戦で大勝してもバッドエンドとなるバグが解消できる。
 このアドレスは本土決戦の大勝ターン数を定義しているが、初期状態で00とミス設定されていたのである。
  • SHINHEI.BIN
 日独米兵器と1部の共通兵器アイコンなど(←鋼鉄の場合)、
 そして武器・武装データ(GAME2.BINのものと内容的に一致)が格納されている。
 今のところ、マップ切り替え時の新兵器登場・強制乗り換えシーンなどに使われていると思われる。

.TXT ファイル

説明は不要だろう。
最終更新:2023年02月20日 17:08