涌井 痛恨の127球目 壮絶投手戦 レオ力尽く
http://www.tokyo-np.co.jp/article/sports/news/CK2011110602000013.html
◇パ・ファイナルS第3戦 ソフトバンク2-1西武
127球目だった。同点打を打たれた西武の涌井は、精根尽き果てたかのように両手をひざに当ててうなだれた。目には悔し涙。一矢も報いることができずに敗退した責任を背負ったエースは、試合後も言葉を残さずに球場から去った。
完封まであと1球だった。1-0の十回2死二塁でソフトバンクの長谷川を1ボール2ストライクと追い込み、4球目の厳しい外角速球はボールの判定。続く変化球もボールで3-2となった後、最後は真ん中に入ったスライダーを右中間へ運ばれた。
杉内との緊迫した投げ合い。最速146キロの速球と鋭く切れるスライダーを軸に組み立て、リーグ王者に立ち向かった。ベンチ裏で観戦したソフトバンクの和田が「素晴らしい投手戦。敵味方に関係なく、どちらにも勝たせたかった」と漏らしたほどだった。
レギュラーシーズンから不本意な投球が続き、CSでもファーストステージの日本ハム戦で打ち込まれた。今季最後のマウンドでエースらしさを発揮。好投は報われなかったものの、渡辺監督は「この試合は涌井と勝負した。今年一番の出来だった」とねぎらった。
◇パ・ファイナルS第3戦 ソフトバンク2-1西武
127球目だった。同点打を打たれた西武の涌井は、精根尽き果てたかのように両手をひざに当ててうなだれた。目には悔し涙。一矢も報いることができずに敗退した責任を背負ったエースは、試合後も言葉を残さずに球場から去った。
完封まであと1球だった。1-0の十回2死二塁でソフトバンクの長谷川を1ボール2ストライクと追い込み、4球目の厳しい外角速球はボールの判定。続く変化球もボールで3-2となった後、最後は真ん中に入ったスライダーを右中間へ運ばれた。
杉内との緊迫した投げ合い。最速146キロの速球と鋭く切れるスライダーを軸に組み立て、リーグ王者に立ち向かった。ベンチ裏で観戦したソフトバンクの和田が「素晴らしい投手戦。敵味方に関係なく、どちらにも勝たせたかった」と漏らしたほどだった。
レギュラーシーズンから不本意な投球が続き、CSでもファーストステージの日本ハム戦で打ち込まれた。今季最後のマウンドでエースらしさを発揮。好投は報われなかったものの、渡辺監督は「この試合は涌井と勝負した。今年一番の出来だった」とねぎらった。
達川光男氏が語るプロ野球2011年シーズン
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/npb/text/201111070004-spnavi.html
■CSで印象的だった西武・涌井
どうもどうも、皆さんクライマックスシリーズ(以下CS)はどのようにご覧になりましたか? どの試合も息づまる接戦続きで、プロ野球の面白さを改めて感じさせてくれる内容でしたね。私も中立の立場でなければいけない解説者でありながら、なぜか負けているチームの応援をしておりましたよ。そんな自分に驚きました。
何というか、判官びいきという言葉もありますけど、私が現役の頃はジャイアンツ全盛で、巨人に負けるな! という応援をしてもらいましたから。不思議と下位のチームの目線で試合を見てしまいましたね。
■CSで印象的だった西武・涌井
どうもどうも、皆さんクライマックスシリーズ(以下CS)はどのようにご覧になりましたか? どの試合も息づまる接戦続きで、プロ野球の面白さを改めて感じさせてくれる内容でしたね。私も中立の立場でなければいけない解説者でありながら、なぜか負けているチームの応援をしておりましたよ。そんな自分に驚きました。
何というか、判官びいきという言葉もありますけど、私が現役の頃はジャイアンツ全盛で、巨人に負けるな! という応援をしてもらいましたから。不思議と下位のチームの目線で試合を見てしまいましたね。
印象的だったのは、敗れた西武の涌井ですよ。負けても引き分けても終わりというファイナルステージ第3戦、10回表に味方がついに杉内から1点をもぎ取って、その裏です。あと1アウト、あと1球というところで長谷川に素晴らしいストレートを投げて、でもそれはボールで、そして長谷川に打たれました。先に1点を取られた杉内がマウンドで崩れ落ちるようになったのも印象深かったですけど、涌井の姿はもっと心に残りました。
よく野球界ではこう言います。バッターは1球でヒーローになり、ピッチャーは1球で敗者になると。涌井はまさにこの言葉通りでした。ヤクルトの館山もそうでしたね。巨人とのファーストステージでは先発して、中日とのファイナルステージではリリーフでフル回転して、その上で負ければ終わりの第5戦に先発した結果、井端に2ランを浴びた、そのたった1球に泣きました。
よく野球界ではこう言います。バッターは1球でヒーローになり、ピッチャーは1球で敗者になると。涌井はまさにこの言葉通りでした。ヤクルトの館山もそうでしたね。巨人とのファーストステージでは先発して、中日とのファイナルステージではリリーフでフル回転して、その上で負ければ終わりの第5戦に先発した結果、井端に2ランを浴びた、そのたった1球に泣きました。
西武にしてもヤクルトにしても、本当に良い試合を見せてくれました。勝ったソフトバンクと中日が素晴らしい野球をしたのは言うまでもありませんが、敗者が良い試合をしたからこそ、勝者が引き立つんです。秋山監督も落合監督も「勝つまでは分からなかった」というほど、プレッシャーをかけられていましたからね。西武もヤクルトも、ギリギリの戦力の中で本当に頑張りましたよ。
■あの“12回裏の守り”に疑問
そうした中で一つ気になったのは、パ・リーグのファイナルステージ第3戦の、12回裏のことですよ。ルールをおさらいしますと、CSでは勝敗が並んだ場合はレギュラーシーズン上位のチームが勝ち抜きとなります。ソフトバンクにはまずアドバンテージの1勝があって、初戦と2戦目を取ってますから、この時点で3勝。西武は残り4試合を全て勝たなければいけなくて、引き分けは1つでもダメ。そして、12回表の西武の攻撃が1対1のまま終わった時点で、ソフトバンクの日本シリーズ進出が決まりました。
つまり、12回裏はやってもやらなくてもいい。結果、ソフトバンクがサヨナラ勝ちをして一層劇的な日本シリーズ進出となりましたけどね、守っている西武のナインの気持ちはどうだったんでしょうか。
つまり、12回裏はやってもやらなくてもいい。結果、ソフトバンクがサヨナラ勝ちをして一層劇的な日本シリーズ進出となりましたけどね、守っている西武のナインの気持ちはどうだったんでしょうか。
ルールはルールですけど、私ら選手を経験している人間からすると、あの12回裏の守りは本当につらい気持ちだったと思いますよ。何しろ、何のために守っているのか分からない状況ですからね。ホームチームが勝っていて9回表が終了したら、試合は終わるじゃないですか。あれと同じでいいと私は思いますよ。
私も、何人かのファンの方に「どうして12回裏をやるのか」と聞かれましたよ。ルールだから、としか言いようがありませんね。だから、このルールはもう一回考えてみるべきかもしれません。引き分けで日本シリーズ進出が決まる場合、武士の情けで12回裏をやらないのか、そもそも引き分けはなしというルールでやるのか。レギュラーシーズンと違って移動日も無く、その球場にずっと留まるわけですから、引き分けなしでやってもいいでしょう。
私も、何人かのファンの方に「どうして12回裏をやるのか」と聞かれましたよ。ルールだから、としか言いようがありませんね。だから、このルールはもう一回考えてみるべきかもしれません。引き分けで日本シリーズ進出が決まる場合、武士の情けで12回裏をやらないのか、そもそも引き分けはなしというルールでやるのか。レギュラーシーズンと違って移動日も無く、その球場にずっと留まるわけですから、引き分けなしでやってもいいでしょう。
……と、ちょっと私見を言わせていただきましたけど、皆さんはどうお感じでしょうか。いずれにしても、西武とヤクルトの選手の皆さんには、心から「お疲れ様でした」と言わせていただきたいです。
西武涌井涙の降板、右ひじ手術へ/CS
http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20111106-859692.html
西武涌井秀章投手(25)は127球目で力尽きた。味方が1点を先制した直後の10回裏、2死二塁の場面。長谷川に対し、フルカウントから勝負球に選んだスライダーが甘く入り同点打を浴びた。完封勝利まであと1人のところで無念の降板。マウンド上では常に冷静な右腕が、感情をコントロールできないほどのダメージを負った。交代を告げられると、目にはうっすらと涙が浮かんでいた。試合後も無言だった。
西武涌井秀章投手(25)は127球目で力尽きた。味方が1点を先制した直後の10回裏、2死二塁の場面。長谷川に対し、フルカウントから勝負球に選んだスライダーが甘く入り同点打を浴びた。完封勝利まであと1人のところで無念の降板。マウンド上では常に冷静な右腕が、感情をコントロールできないほどのダメージを負った。交代を告げられると、目にはうっすらと涙が浮かんでいた。試合後も無言だった。
9回までは5安打無失点と、ほぼ完璧な内容だった。直球は140キロ台後半をマークし、変化球のキレも抜群。渡辺監督を「今季一番の出来」とうならせ、捕手の銀仁朗も「球に力があった。(試合前の)ブルペンから違いました」と振り返る、鬼気迫る投球だった。だが、最後は、不完全燃焼に終わったレギュラーシーズンを象徴するような幕切れとなった。
今季の開幕前から右ひじ痛に悩まされていた涌井は、登録抹消された5月の精密検査で見つかった遊離軟骨をオフに取り除くことを決断。近くクリーニング手術を受ける。来季は万全な状態で、ソフトバンクに借りを返すつもりだ。
あと1人 あと1球だった涌井 粘りの投球見せたが…
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/11/05/kiji/K20111105001967450.html
延長戦に入り味方が待望の1点を入れ、あと1人、あと1球というところで、長谷川に右中間を破られ、同点にされた涌井。悔やみきれない1球に交代を告げられると、うつむいたまま、ベンチに戻り、しばらく顔が上げられなかった。
延長戦に入り味方が待望の1点を入れ、あと1人、あと1球というところで、長谷川に右中間を破られ、同点にされた涌井。悔やみきれない1球に交代を告げられると、うつむいたまま、ベンチに戻り、しばらく顔が上げられなかった。
5回までソフトバンク打線を無安打に抑える好投。終盤は再三、得点圏に走者を背負いながらも、粘り強い投球でしのいだ。
西武の石井丈裕投手コーチは「コントロールもいい、キレもいい」と絶賛。同コーチは「気持ちが空回りしないかどうか心配だったが、本来の投球をみせている」と涌井の右腕にすべてを託したが、ソフトバンクのCS制覇に臨む気迫を抑え切ることはできなかった。
涌井 意地の投球も下克上ならず…渡辺監督「これが野球」
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/11/06/kiji/K20111106001971160.html
西武の渡辺監督は腕組みをしたまま、三塁ベンチから秋山監督の胴上げを凝視していた。3位からの下克上はならず、3連敗で3年ぶりの日本シリーズ進出を逃した。
西武の渡辺監督は腕組みをしたまま、三塁ベンチから秋山監督の胴上げを凝視していた。3位からの下克上はならず、3連敗で3年ぶりの日本シリーズ進出を逃した。
「(ソフトバンクとの)差は大きいと思う。でも埋められない差ではない。チームを一度ぶっつぶすくらいの気持ちで、来年は巨大な戦力に立ち向かっていきたい」
エースの涌井は意地を見せた。ソフトバンク・杉内と息詰まる投手戦。9回を終えて両軍無得点。7回からは3イニング連続で併殺でピンチを脱した。延長10回にフェルナンデスが勝ち越し打。その裏2死二塁で1ボール2ストライク。勝利まであと1球としながら外角、内角と2球続けて際どいコースをボールと判定された。くしくも杉内と同じ運命の127球目。長谷川に右中間を破られて同点とされた。日頃はポーカーフェースの涌井が、悔し涙を流しながらマウンドを降りた。試合後の宿舎へ続くヤフードームの長い通路。エースは最後まで無言を貫いた。
渡辺監督は涌井をかばった。「今年一番の出来だったんじゃないかな。何とかあと1人抑えてくれれば良かったけど、これが野球」。打線はCSファイナルS3試合で計5得点。投打は最後までかみ合わなかった。
今季は一時最下位に沈みながら、9月の10連勝で盛り返した。最終戦で3位に滑り込み、CSファーストSは敵地で2連勝。戦った149試合は若いチームにとって大きな財産になった。渡辺監督は「ここまでよく頑張ったけど、納得していてはいけない。もう一回つくり直す」と、来季へ目を向けた。
プレーオフ記録
≪PO最長イニング≫涌井(西)が9回2/3を1失点。プレーオフ、CSで先発投手が延長回まで投げたのは他に79年第3戦稲葉(阪急)、この日の杉内(ソ)といるがともに9回1/3。涌井は2人を上回る最長イニングになる。また6回先頭の多村(ソ)に初安打を許すまで5回を無安打。プレーオフ、CSで先発が5回以上を無安打は74年第3戦村田(ロ=5回)、07年1S(1)戦川上(中=5回1/3)、08年2S(5)戦涌井(西=6回2/3)に次いで4度目。1人で2度記録したのは涌井が初めてだ。ちなみに日本シリーズでの無安打の最長イニングは07年第5戦山井(中)の8回。




