3月20日(開幕戦)
涌井、金泰均4連続K斬り!堂々の開幕白星
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2010/03/21/01.html
【西武2—1ロッテ】パ・リーグが20日に開幕し、3年連続で開幕投手を務めた西武・涌井秀章投手(23)が、昨春のWBC韓国代表4番でロッテに新加 入した金泰均(キム・テギュン)内野手(27)から4打席連続三振。主砲を完全に封じ込めたことで、相手打線を分断し、7安打を許しながらも8回11奪三 振で1失点に抑えた。横浜高の1学年先輩のロッテ・成瀬善久投手(24)にも投げ勝ち、昨季の沢村賞右腕の貫禄を見せた。
【西武2—1ロッテ】パ・リーグが20日に開幕し、3年連続で開幕投手を務めた西武・涌井秀章投手(23)が、昨春のWBC韓国代表4番でロッテに新加 入した金泰均(キム・テギュン)内野手(27)から4打席連続三振。主砲を完全に封じ込めたことで、相手打線を分断し、7安打を許しながらも8回11奪三 振で1失点に抑えた。横浜高の1学年先輩のロッテ・成瀬善久投手(24)にも投げ勝ち、昨季の沢村賞右腕の貫禄を見せた。
3回無死満塁。絶体絶命のピンチで、涌井は攻めの投球を貫いた。荻野貴、井口を打ち取り、打席には金泰均。2ストライク2ボールから投じた内角シュート は外れたが、フルカウントから再び内角へシュートを続け、見逃し三振に仕留めた。 「細川さんのリードに従って、シュートを多めにして結果的に良かっ た。(金泰均には)いい緊張感で投げられた。珍しく疲れました」
WBC韓国代表の4番に対し、開幕前日には「前に走者をためなければ怖くない」と豪語した。自らを奮い立たせるための発言。だからこそ、「これで打たれ たらダサいなと思って投げていた」という。変幻自在の配球。1、2打席目はシュートで、3打席目には一転して外角スライダーで、そして、4打席目は決め球 にフォークを選んだ。その結果が4打席連続三振。13日のオープン戦で親友の日本ハム・ダルビッシュが金泰均と対戦した際に「涌井には凄く参考になったん じゃないですか?」と話していたが、「その試合は見てないですよ」と笑った。
昨春のWBC。金泰均と1打席だけ対戦したが、ベンチの指示で敬遠の四球で歩かせた。同大会での登板は中継ぎだけの3試合。シーズンで16勝を挙げ沢村 賞を獲得しても、心のモヤモヤは消えなかった。「周りの方からは“いい1年だったね”と言われますけど、自分はそう感じていなかった。WBCであまり投げ られなかったのでね。ああいう舞台で信頼される投手にならないと…」
西武だけでなく、日本のエースになるために。1月は千葉・館山にこもった。その自主トレに志願参加した2年目の中崎が証言する。「練習には妥協が一切な かった。涌井さんは2キロくらいやせたと言っていましたけど、あの時期に体重が落ちるなんて普通考えられないですよね」。横浜高時代にこなしたトレーニン グメニューで自らを追い込んだ。
8回145球。9回のマウンドこそ譲ったものの、渡辺監督は「さすがエース。男を感じた」と“サムライ魂”を称えた。これから1年間の戦いを見据えれ ば、相手の主砲を完ぷ無きまでに叩きのめしたことは大きい。涌井自身も「次(の対戦)で真っすぐでも三振を取れたら、(金泰均に)苦手意識が出る。チーム が優勝しないと楽しくない。優勝してファンの誰かにビールをかけたいと思います」。開幕戦で24球投じたシュートは、攻めの涌井を印象づけた。
≪涌井VS金泰均VTR≫09年3月17日(日本時間同18日)の第2回WBC2次ラウンド2回戦(ペトコ・パーク)で対戦。7回途中から4番手で登板 した涌井は1—3で迎えた8回1死二塁で4番・金泰均を迎え、敬遠策を取った。試合は1—4で敗れた。
涌井、エースの仕事=最少失点で援護呼ぶ-プロ野球
http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2010032000263
沢村賞投手の名に恥じない好投で、涌井が西武の今季白星スタートをたぐり寄せた。
横浜高の先輩、成瀬との投げ合い。
なかなか味方打線に安打が出ず、自分の投球もコースを狙った際どい球が決まらない。
ボールが先行しがちになり、我慢の投球を強いられた。
五回には、相手のキーマンに挙げていた西岡に適時打を許した。
それでも、「いつも通りに投げた。(成瀬も)ずっと無安打を続けるのは難しいと思っていた」。
西岡に続く新人荻野貴にバント安打を許したが、大きなリードを見逃さず、けん制で刺す。冷静さが光った。4番金泰均は4三振に仕留め、ロッテを波に乗せなかった。
七回に味方が逆転し、145球を投げてお役御免。8回1失点で勝利の立役者になった。
開幕戦独特の雰囲気もあったためか、タフな右腕も「きょうは珍しく疲れた」と漏らし、「これからまた、どんどん投げられればいいと思う」。
渡辺監督は「味方が打てない時に点をやらないのは投手の宿命。さすがエース。男を感じた」と最大級の賛辞でねぎらった。
沢村賞投手の名に恥じない好投で、涌井が西武の今季白星スタートをたぐり寄せた。
横浜高の先輩、成瀬との投げ合い。
なかなか味方打線に安打が出ず、自分の投球もコースを狙った際どい球が決まらない。
ボールが先行しがちになり、我慢の投球を強いられた。
五回には、相手のキーマンに挙げていた西岡に適時打を許した。
それでも、「いつも通りに投げた。(成瀬も)ずっと無安打を続けるのは難しいと思っていた」。
西岡に続く新人荻野貴にバント安打を許したが、大きなリードを見逃さず、けん制で刺す。冷静さが光った。4番金泰均は4三振に仕留め、ロッテを波に乗せなかった。
七回に味方が逆転し、145球を投げてお役御免。8回1失点で勝利の立役者になった。
開幕戦独特の雰囲気もあったためか、タフな右腕も「きょうは珍しく疲れた」と漏らし、「これからまた、どんどん投げられればいいと思う」。
渡辺監督は「味方が打てない時に点をやらないのは投手の宿命。さすがエース。男を感じた」と最大級の賛辞でねぎらった。
涌井11K 大人のエース
http://www.asahi.com/sports/baseball/npb/news/TKY201003210107.html
穏やかだった。相手が横浜高の1年先輩だろうが、ピンチになろうが、西武の涌井は表情ひとつ変えなかった。
「緊張もなく自然に試合に入れた」。3回の投球に、その冷静さが発揮された。
2本の安打と死球で無死満塁となったが慌てない。2死までこぎつけ、ロッテの新主砲、金泰均を迎えた。
フルカウントから選んだのは、前の打席でも三振に仕留めた内角のシュート。長打のリスクも伴う球種を、ここでも迷わず投げ込む。ひざ元へ。バットを振る ことすら許さなかった。結局、金を4三振。打線を完全に分断した。
「涌井は大人になった」
オフの自主トレに付き添う大迫トレーニングコーチが試合前日に言った。「練習を自分でリードしてできるようになった。取り組み方も考え方も変わってき た。エースの自覚というか。去年までなら成瀬と投げ合うときは意地になっていたけれど、今年は立場が逆転したらおもしろいね」
言葉通り、先輩後輩対決を強烈に意識したのは、先輩のほうだった。
「自分より、チームが優勝しないと意味がないし、楽しくない」。本拠のお立ち台で言った23歳。エースは当然のように、チームに今季初白星をもたらし た。
穏やかだった。相手が横浜高の1年先輩だろうが、ピンチになろうが、西武の涌井は表情ひとつ変えなかった。
「緊張もなく自然に試合に入れた」。3回の投球に、その冷静さが発揮された。
2本の安打と死球で無死満塁となったが慌てない。2死までこぎつけ、ロッテの新主砲、金泰均を迎えた。
フルカウントから選んだのは、前の打席でも三振に仕留めた内角のシュート。長打のリスクも伴う球種を、ここでも迷わず投げ込む。ひざ元へ。バットを振る ことすら許さなかった。結局、金を4三振。打線を完全に分断した。
「涌井は大人になった」
オフの自主トレに付き添う大迫トレーニングコーチが試合前日に言った。「練習を自分でリードしてできるようになった。取り組み方も考え方も変わってき た。エースの自覚というか。去年までなら成瀬と投げ合うときは意地になっていたけれど、今年は立場が逆転したらおもしろいね」
言葉通り、先輩後輩対決を強烈に意識したのは、先輩のほうだった。
「自分より、チームが優勝しないと意味がないし、楽しくない」。本拠のお立ち台で言った23歳。エースは当然のように、チームに今季初白星をもたらし た。
3月27日
西武・涌井、2勝目にも「次は自分の力で」
http://www.sanspo.com/baseball/news/100327/bsg1003271841001-n1.htm
(パ・リーグ、楽天4−6西武、1回戦、西武1勝、27日、Kスタ宮城)
西武の涌井は2勝目にも「負けてもおかしくな かった」と振り返った。
二回に3点を先制され、追い付いた直後の六回にはフィリップスに勝ち越し弾を浴びるなど、チームに流れを引き寄せられなかった。
三回には山崎の打球を腹部に受けたが、ベルトに当たる幸運で大事にならなかった。
20日の開幕戦に続く逆転での勝ち星に「次は自分の力で勝てるようにした い」と話した。
(パ・リーグ、楽天4−6西武、1回戦、西武1勝、27日、Kスタ宮城)
西武の涌井は2勝目にも「負けてもおかしくな かった」と振り返った。
二回に3点を先制され、追い付いた直後の六回にはフィリップスに勝ち越し弾を浴びるなど、チームに流れを引き寄せられなかった。
三回には山崎の打球を腹部に受けたが、ベルトに当たる幸運で大事にならなかった。
20日の開幕戦に続く逆転での勝ち星に「次は自分の力で勝てるようにした い」と話した。
4月2日
西武・渡辺監督「涌井で勝てたのは大きい」
http://www.sanspo.com/baseball/news/100402/bsg1004022302002-n1.htm
(パ・リーグ、日本ハム4-6西武、1回戦、西武1勝、2日、札幌ドーム)西武は二転三転した展開を制した。
4-4 の八回に石井義、細川が連打し、佐藤が送って1死二、三塁。続く片岡の一ゴロが相手の悪送球を誘って、2点を勝ち越した。
この日は札幌に 移動しての試合。強風の影響もあって飛行機の出発が遅れた。
負ければ疲労感が余計に残っていただけに、渡辺監督は「涌井の試合で勝てたのは大きい。粘りが 出てきた」と満足そうに話した。
(パ・リーグ、日本ハム4-6西武、1回戦、西武1勝、2日、札幌ドーム)西武は二転三転した展開を制した。
4-4 の八回に石井義、細川が連打し、佐藤が送って1死二、三塁。続く片岡の一ゴロが相手の悪送球を誘って、2点を勝ち越した。
この日は札幌に 移動しての試合。強風の影響もあって飛行機の出発が遅れた。
負ければ疲労感が余計に残っていただけに、渡辺監督は「涌井の試合で勝てたのは大きい。粘りが 出てきた」と満足そうに話した。
西武・涌井(七回途中までを4失点)
「何 もないです」
「何 もないです」
4月8日
涌井、後頭部に打球直撃もホッ、異常なし
西武・涌井が8日、アクシデントに見舞われた
。オリックス3回戦(西武ドーム)前の練習中に、フリー打撃中の同僚ブラウンの打球が後頭部に直撃。
心配した投手陣が右翼後方に集まるなど、一時騒然とした雰囲気に包まれた。
しかし当の本人は「大丈夫です」と軽症を強調。
9日のロッテ4回戦(千葉マリン)に先発予定のため、念のため埼玉・所沢市内の病院へ検査に向かった。
検査の結果、異常なしと診断された。
予定通りに先発する9日のロッテ戦に向けて「大丈夫です。明日いけます」と涌井。
病院から戻ってきた後は西武第二球場に移動して1人で調整し、登板に備えた。
。オリックス3回戦(西武ドーム)前の練習中に、フリー打撃中の同僚ブラウンの打球が後頭部に直撃。
心配した投手陣が右翼後方に集まるなど、一時騒然とした雰囲気に包まれた。
しかし当の本人は「大丈夫です」と軽症を強調。
9日のロッテ4回戦(千葉マリン)に先発予定のため、念のため埼玉・所沢市内の病院へ検査に向かった。
検査の結果、異常なしと診断された。
予定通りに先発する9日のロッテ戦に向けて「大丈夫です。明日いけます」と涌井。
病院から戻ってきた後は西武第二球場に移動して1人で調整し、登板に備えた。
4月9日
西武】アクシデントか…涌井3回6失点
http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20100409-616237.html
西武涌井秀章投手(23)が3回6失点でKOされた。
8日の練習中、ブラウンの放った打球が後頭部を直撃。
「大丈夫です」と当初の予定通り、先発マウンドに上がったが、初回から制球、球威ともに欠いて6失点。
昨季の沢村賞右腕は大崩れすることが少なかっただけに、何らかのアクシデントがあった可能性もある。
西武涌井秀章投手(23)が3回6失点でKOされた。
8日の練習中、ブラウンの放った打球が後頭部を直撃。
「大丈夫です」と当初の予定通り、先発マウンドに上がったが、初回から制球、球威ともに欠いて6失点。
昨季の沢村賞右腕は大崩れすることが少なかっただけに、何らかのアクシデントがあった可能性もある。
4月16日
西武・涌井、極寒なんの!
http://www.sanspo.com/baseball/news/100417/bsg1004170506001-n2.htm
試合開始時の気温6度。真冬のような寒さの中、本調子ではない涌井が「ノムラの考え」でよみがえる。
一回から得点圏に走者を背負い、二回は一死満塁 から味方失策も絡み先制点を与えた。だが三回は別人、3者凡退に斬った。
「三回からおなかに力を入れて投げた。それまで、体が浮いた状態 で投げていた」
8回まで139球、被安打7、与四球3と苦しい投球内容だったが、5三振を奪い3失点(自責点2)。
二回までに49球を投 じた制球難から立ち上がった。
前夜は、楽天の野村克也名誉監督が観戦。楽天の鉄平に「下っ腹に力を入れろ!!」などとハッパをかけた。
この日、教えを守らなかった? 楽天に対し、ノムラの考えを実践した涌井は4月の初白星となる3勝目だ。
「(下っ腹に力を入れると)体が安定してリズムが生まれた」。そこから白星につなげた。
打線もエースの粘投に呼応した。三、四回に3点ずつを奪い、八回には中村のダメ押し 4号ソロ。
チームは今季初の4連勝で、首位・ロッテとのゲーム差を2・5に縮めた。
「きょうは最後まで任されないといけない試合だった」 と涌井の自己評価は厳しい。
次回先発は23日のオリックス戦(京セラドーム)の予定。最初から腹に力を入れて、プロ通算60勝目を飾る。
試合開始時の気温6度。真冬のような寒さの中、本調子ではない涌井が「ノムラの考え」でよみがえる。
一回から得点圏に走者を背負い、二回は一死満塁 から味方失策も絡み先制点を与えた。だが三回は別人、3者凡退に斬った。
「三回からおなかに力を入れて投げた。それまで、体が浮いた状態 で投げていた」
8回まで139球、被安打7、与四球3と苦しい投球内容だったが、5三振を奪い3失点(自責点2)。
二回までに49球を投 じた制球難から立ち上がった。
前夜は、楽天の野村克也名誉監督が観戦。楽天の鉄平に「下っ腹に力を入れろ!!」などとハッパをかけた。
この日、教えを守らなかった? 楽天に対し、ノムラの考えを実践した涌井は4月の初白星となる3勝目だ。
「(下っ腹に力を入れると)体が安定してリズムが生まれた」。そこから白星につなげた。
打線もエースの粘投に呼応した。三、四回に3点ずつを奪い、八回には中村のダメ押し 4号ソロ。
チームは今季初の4連勝で、首位・ロッテとのゲーム差を2・5に縮めた。
「きょうは最後まで任されないといけない試合だった」 と涌井の自己評価は厳しい。
次回先発は23日のオリックス戦(京セラドーム)の予定。最初から腹に力を入れて、プロ通算60勝目を飾る。
本調子に遠い涌井 影を潜める切れと制球力
http://www.sponichi.co.jp/baseball/flash/KFullFlash20100416115.html
【西武7-3日本ハム】西武の涌井は4月の初白星を挙げた。
しかし、生命線の球の切れや制球は本調子にほど遠かった。
底冷えの中で指に意思を伝えるのが難しかったのかもしれないが、それを割り引いても褒められた内容ではなかった。
序盤から四球が絡んでピンチを迎え、二回は失点につながった。
「三回から、おなかに力を入れたら変化球が安定してリズムが良くなった」とは言ったが、制球のばらつく場面が最後まで見受けられた。
しゃきっとしないマウンドが続いている。前回9日のロッテ戦で3回6失点でKOされた。
この1週間でバランスのとれたフォームを意識して投げ込んだが、 打者に向かっていくようなフォームの粘りや、
捕手が構えたミットへ糸を引くように納める投球は影を潜めたままだ。
打線の援護を受けての3勝目は涌井も自覚する。
「前回より良かったがまだまだ。完投できてないし、簡単に四球を出したりしている」と課題を漏らした。
不本意ながらも八回まで139球を投げ、チームを4連勝に導いたことを転機にできるか。
【西武7-3日本ハム】西武の涌井は4月の初白星を挙げた。
しかし、生命線の球の切れや制球は本調子にほど遠かった。
底冷えの中で指に意思を伝えるのが難しかったのかもしれないが、それを割り引いても褒められた内容ではなかった。
序盤から四球が絡んでピンチを迎え、二回は失点につながった。
「三回から、おなかに力を入れたら変化球が安定してリズムが良くなった」とは言ったが、制球のばらつく場面が最後まで見受けられた。
しゃきっとしないマウンドが続いている。前回9日のロッテ戦で3回6失点でKOされた。
この1週間でバランスのとれたフォームを意識して投げ込んだが、 打者に向かっていくようなフォームの粘りや、
捕手が構えたミットへ糸を引くように納める投球は影を潜めたままだ。
打線の援護を受けての3勝目は涌井も自覚する。
「前回より良かったがまだまだ。完投できてないし、簡単に四球を出したりしている」と課題を漏らした。
不本意ながらも八回まで139球を投げ、チームを4連勝に導いたことを転機にできるか。
【感球自在】西武の涌井 試行錯誤の中で光
http://sankei.jp.msn.com/sports/baseball/100416/bbl1004162317025-n1.htm
8回3失点(自責2)で3勝目を挙げた西武の涌井は試合後、反省ばかりを口にした。
「最後まで任されないといけない ゲームでした。勝ち星は(打線の援護で)つけてもらったというか…」。表情はさえなかった。
昨季はリーグ最多の16勝(6敗)を挙げ、沢村賞も獲得した。
走者を背負ってからの直球勝負は見事で、ほぼ毎試合、球速150キロ近くを計測していた。
しかし、今季は球速が伸びず、140キロ前半にとどまっている。
昨季は160球以上投げた試合が複数あった。
疲れがたまり「昨季に比べると走り込みの量が少ない」(大迫トレーニング コーチ)ことも影響しているとみられる。
開幕前、西武ドーム近くの狭山不動尊に奉納した絵馬には「“エコ投球”」としたためた。「いろんな意味を込めて」 とはぐらかしたが、切実な願いだったのだろう。
昨季とは何が違うのか。この日の試合中も考え続けた。
三回。解決の糸口が見つかった。「お腹に力を入れたら変化球が安定してリズムが良くなった」。
一、二回は「体が浮いた状態で投げていた。いい球が行っても高めにいったりしていた」と四球を出すなど苦しんだが、三回以降はテンポが良くなった。
昨季は11完投を記録したが、今季は完投はまだない。
「完投できていないし、簡単に四球を出しているのでもう少しですね」
エースは本格派投手としての復活を期している。
8回3失点(自責2)で3勝目を挙げた西武の涌井は試合後、反省ばかりを口にした。
「最後まで任されないといけない ゲームでした。勝ち星は(打線の援護で)つけてもらったというか…」。表情はさえなかった。
昨季はリーグ最多の16勝(6敗)を挙げ、沢村賞も獲得した。
走者を背負ってからの直球勝負は見事で、ほぼ毎試合、球速150キロ近くを計測していた。
しかし、今季は球速が伸びず、140キロ前半にとどまっている。
昨季は160球以上投げた試合が複数あった。
疲れがたまり「昨季に比べると走り込みの量が少ない」(大迫トレーニング コーチ)ことも影響しているとみられる。
開幕前、西武ドーム近くの狭山不動尊に奉納した絵馬には「“エコ投球”」としたためた。「いろんな意味を込めて」 とはぐらかしたが、切実な願いだったのだろう。
昨季とは何が違うのか。この日の試合中も考え続けた。
三回。解決の糸口が見つかった。「お腹に力を入れたら変化球が安定してリズムが良くなった」。
一、二回は「体が浮いた状態で投げていた。いい球が行っても高めにいったりしていた」と四球を出すなど苦しんだが、三回以降はテンポが良くなった。
昨季は11完投を記録したが、今季は完投はまだない。
「完投できていないし、簡単に四球を出しているのでもう少しですね」
エースは本格派投手としての復活を期している。
5月8日
涌井ノーヒッターあと3人…李に痛恨一打
http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20100508-627033.html
ああ…あと3人。西武の涌井秀章投手(23)が惜しくもノーヒットノーランを逃した。ソフトバンク7回戦で8回まで許した走者は四球の2人だけ だったが、9回に先頭の李■浩内野手(28)に左越え二塁打された。06年6月の中日山本昌以来、史上74人目(85度目)の快挙はならなかったが、1安 打完封で4勝目を挙げた。チームは3連勝で、試合のなかったロッテを抜き、4月28日以来の首位に返り咲いた。
ポーカーフェースが一瞬ゆがんだ。9回無死。106球目のフォークが高めに抜けた。李のバットが失投をとらえる。涌井は目を見開き、「アッ」と口 を開いた。鋭い打球が左翼手・佐藤の頭上を襲った。西武ファンの悲鳴と、ソフトバンクファンの歓声が入り交じる中で、ボールがジャンプする佐藤の上を越え ていった。
悔しそうに右手人さし指で目元をぬぐった涌井だが、すぐにいつもの無表情な顔に戻った。余韻の残る球場の真ん中で、誰よりも無関心に次の打者に投 げていた。「5、6回くらいに、そういえば打たれてないなって。まあ打たれると思ってたんで。勝ったから別にいいです」とひとごとのように振り返った。
8回まで2四球無安打。快投を支えたのは直球だ。回を追うごとに、記録への重圧が高まるほどに速くなった。8回には149キロを計測。自己最速の 151キロに迫る今季最速だった。直球が走るから変化球が生きる。ボール球を有効に振らせられるから、球数が減る。すべての歯車がかみ合い、記録こそ逃し たが今季初完投を完封で飾った。9回を李の二塁打1本に抑え6奪三振。普段は球数の多い涌井がわずか116球で締めた。
今季はここまで3勝。一方で岸が5勝、帆足と石井一が4勝を挙げていた。納得がいかない投球が続いたうえに、エースであるはずの自分より勝ってい る投手が3人もいる現状。悔しくないはずがない。復調のきっかけは前回登板(4月30日)の日本ハム戦。「糸井さんにホームランを打たれて、次の高橋信二 さんに投げた時。ちょっとひじを下げたらしっくり来た」という。さらに動画サイト「You tube」で、沢村賞を獲得した昨季の投球を見て確信した。 「夏の楽天戦ですかね。去年より(ひじが)上がってて(今年は)無理して投げてたんだなって」。結果はすぐについてきた。
試合終了後には、マウンドで佐藤に頭を下げられるひと幕もあった。「別にって感じですけどね。『捕れよ!』って思った? まあそれは思いましたけ どね」といたずらっぽく笑った。「これだったら、目標の2ケタ完投も200イニングも楽にいける」と言い切るほどの投球に、舌も滑らかだった。それでも 「これまでで一番良かったか? まだまだできる?」と聞かれると、はっきり否定した。「できるじゃなくて、やらなきゃいけない」。エースは自信を取り戻 し、チームは首位に浮上した。涌井にとって、チームにとって、単なる1勝以上に価値のある白星となった。
ああ…あと3人。西武の涌井秀章投手(23)が惜しくもノーヒットノーランを逃した。ソフトバンク7回戦で8回まで許した走者は四球の2人だけ だったが、9回に先頭の李■浩内野手(28)に左越え二塁打された。06年6月の中日山本昌以来、史上74人目(85度目)の快挙はならなかったが、1安 打完封で4勝目を挙げた。チームは3連勝で、試合のなかったロッテを抜き、4月28日以来の首位に返り咲いた。
ポーカーフェースが一瞬ゆがんだ。9回無死。106球目のフォークが高めに抜けた。李のバットが失投をとらえる。涌井は目を見開き、「アッ」と口 を開いた。鋭い打球が左翼手・佐藤の頭上を襲った。西武ファンの悲鳴と、ソフトバンクファンの歓声が入り交じる中で、ボールがジャンプする佐藤の上を越え ていった。
悔しそうに右手人さし指で目元をぬぐった涌井だが、すぐにいつもの無表情な顔に戻った。余韻の残る球場の真ん中で、誰よりも無関心に次の打者に投 げていた。「5、6回くらいに、そういえば打たれてないなって。まあ打たれると思ってたんで。勝ったから別にいいです」とひとごとのように振り返った。
8回まで2四球無安打。快投を支えたのは直球だ。回を追うごとに、記録への重圧が高まるほどに速くなった。8回には149キロを計測。自己最速の 151キロに迫る今季最速だった。直球が走るから変化球が生きる。ボール球を有効に振らせられるから、球数が減る。すべての歯車がかみ合い、記録こそ逃し たが今季初完投を完封で飾った。9回を李の二塁打1本に抑え6奪三振。普段は球数の多い涌井がわずか116球で締めた。
今季はここまで3勝。一方で岸が5勝、帆足と石井一が4勝を挙げていた。納得がいかない投球が続いたうえに、エースであるはずの自分より勝ってい る投手が3人もいる現状。悔しくないはずがない。復調のきっかけは前回登板(4月30日)の日本ハム戦。「糸井さんにホームランを打たれて、次の高橋信二 さんに投げた時。ちょっとひじを下げたらしっくり来た」という。さらに動画サイト「You tube」で、沢村賞を獲得した昨季の投球を見て確信した。 「夏の楽天戦ですかね。去年より(ひじが)上がってて(今年は)無理して投げてたんだなって」。結果はすぐについてきた。
試合終了後には、マウンドで佐藤に頭を下げられるひと幕もあった。「別にって感じですけどね。『捕れよ!』って思った? まあそれは思いましたけ どね」といたずらっぽく笑った。「これだったら、目標の2ケタ完投も200イニングも楽にいける」と言い切るほどの投球に、舌も滑らかだった。それでも 「これまでで一番良かったか? まだまだできる?」と聞かれると、はっきり否定した。「できるじゃなくて、やらなきゃいけない」。エースは自信を取り戻 し、チームは首位に浮上した。涌井にとって、チームにとって、単なる1勝以上に価値のある白星となった。
涌井の進化 回を追うごとに球速アップ
【西武4−0ソフトバンク】一流投手はピンチでギアを上げる。ピンチらしいピンチがなかったこの日の西武・涌井は、回を追うごとに球速を上げる投球術を 見せた。
初回は142キロ止まりも5回に148キロ。7、8回は今季最速149キロまで上がった。沢村賞を獲得した昨年、涌井は登板前に投手コーチに「150球 までは普通に行けます」と告げた。実際に150球を超えた5試合で3勝0敗だった。球数が増えても球威が衰えない涌井にとって、116球は物足りないほど だったに違いない。
登板3日後のランニングは、ポール間を往復するダッシュを最低でも5本走る。「普通ですよ。プロに入って2年目くらいからずっとやってますよ」という過 酷なメニューが強じんなスタミナ源。当然、その姿は周囲に好影響を与える。帆足が「あいつがこの前6本走ったらしいので、自分も同じだけやります」と言っ たのは、今年3月のオープン戦期間だった。渡辺監督は以前、変化球に頼る涌井に「このままでは並の投手で終わっちゃうよ」と苦言を呈したが、ゲームの中で 直球の球速を上げられるまでに成長したことを証明してみせた。




