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梅原猛─日本

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日本

梅原猛


説得力のある文章。歴史研究、民俗誌、作家、哲学者。

梅原猛─仏教もご覧下さい。


芸術と生命—ディオニュソスに魅せられて

梅原 猛
内容(「MARC」データベースより)
日本における創造と宗教の根源とは。土偶の意味、十八世紀の奇人画家たち、賢治が童話を書いた理由など、古代の世界像から現代の生命観まで縦横に読み解く、文明・芸術論文集。
2006.4.19
ディオニュソスという神を出してくるあたり、ニーチェ好きなんだなと思います。

  • 発行|岩波書店 (1998/11)




美と宗教の発見

内容(「BOOK」データベースより)
本書は、「梅原日本学」として、今や大きな山容を現わすに至った著者全業績の「原マグマ」とも言うべき処女論文集。日本文化論一般の形成に大きな足跡を残した先人(鈴木大拙、和辻哲郎、柳宗悦、正岡子規、丸山真男ら)に次々に肉迫。彼らの業績の意味と限界を、圧倒的な批判と論駁のうちに明示する。以後多くの著作として結実するその方法論は、「感情的構造を問う」著者独自のものであった。論難の書でありながら、副題に「創造的」とあるのも、うなづけよう。この独創の剣によって切り開かれた先に、新たに発見される日本の「美」と「宗教」。「梅原日本学」は、ここに始まる。

梅原猛の初期論文集。エッセンスはすべてここに。

2006.4.19
梅原氏がすごいなと思うのは、本来、物書きではないはずなのに、瀬戸内寂聴が絶賛したという文体が、この初論文集にしてすでに完成されている事。そして以降、テーマが一貫してブレないこと。初期論文集がそのまま、彼のその後の文筆活動の入門書になっています。

目次
第1部 文化の問題
  • 日本文化論への批判的考察
  • 鈴木大拙・和辻哲郎の場合
  • 明治百年における日本の自己誤認
  • 日本人の宗教的痴呆
  • 美学におけるナショナリズム
第2部 美の問題
  • 日本の美意識の感情的構造
  • 壬生忠岑「和歌体十種」について
  • 世阿弥の芸術論
  • 徳川武士の美意識の構造
第3部 宗教の問題
  • 「固有神道」覚え書き
  • 浄土教的感情様式について
  • 創価学会の哲学的宗教的批判
詳細
  • 発行:ちくま文庫(単行本もあります)




梅原猛著作集(11)人間の美術


美術を通して人間を描く。

2007.7
前半は面白い。特に縄文から聖徳太子の時代までは一気に読ませる。また中世、聖と俗、この世と霊なるものが一体であった樣子がありありと描かれている。
収録されている論文
『人間の美術』全十巻(学習研究社。企画は梅原氏と上原和氏)より梅原氏執筆分四巻(一九八九‐九一年)
  • 「縄文の神秘」
  • 「平城の爛熟」
  • 「バサラと幽玄」
  • 「浮世と情念」
後半はマニア雑誌の連載なので退屈。すごいテーマでもない。
  • 『芸術新潮』連載「写楽 仮名の悲劇」(一九八四‐八五年)
DATA
  • 846ページ
  • 小学館 (2002/11)
参考文献




古代幻視

梅原 猛
2006.4.19
出版社 / 著者からの内容紹介
想念のおもむくまま日本人の精神史の系譜を旅する梅原古代学の応用編。縄文・弥生の遺跡・遺物に古代人の死と再生の世界観を幻視し、「枕草子」の女たちの甲高い笑い声に痛烈な体制批判を幻視し、「北野天神縁起絵巻」に怨霊のすさまじい復讐を幻視する。また天狗や鬼の活躍する中世の伝承や物語のなかに、たくましい想像力を幻視することによって幻の如く現れるヴィジョンを形象化し、歴史の真実に迫り、日本人の魂の原郷を探ろうとする。

目次

古代幻視
  • 古代の美―死と再生
  • 政治と芸術―怨霊の絵巻
  • 中世の夢―伝承と物語
記紀・万葉のこころ
  • 原古事記と柿本人麿
  • 人麿をめぐる『万葉集』と『古今集』
  • 人麿の生と死―水底の歌が聞こえる
聖徳太子と日本
  • 聖徳太子の時代から天皇は「象徴」だった
  • 日本を創った人・聖徳太子
長江文明と古代日本
  • 徐福伝説の意味するもの
  • 文明史観を見直す―甦る長江文明
  • 大発見!これが中国最古の神殿遺跡だ
詳細
  • 発行:小学館(2001.01)




梅原猛著作集〈6〉日本の深層

梅原 猛
出版社からのコメント
「日本とは何か?」を追求し続ける著者が、東北・アイヌ・熊野に日本文化の源流―縄文文化の色濃い名残りを発見し、従来の日本古代史に大きな衝撃を与えた決定版歴史紀行集。

ここから縄文文化の再評価が始まった

2006.4.19
私は学校の日本史の授業で、「長く続いた縄文時代の次に弥生時代が始まった」と習ひました。そして突然、卑弥呼といふ霊能力者が日本を統一するかと思ひきや豪族の時代になり、気がつけば大和「朝廷」ができてゐて、何か腑に落ちないといふか、これでは神話と大差無いなと感じてゐました。

日本の歴史に何度か訪れる大きな時代区分の区切りの中で、この変化だけは其の様に単純なものでは無かつたと本書は主張してゐます。其れは土着の縄文人を大陸系の文化を持つた弥生人が駆逐、同化して行く過程であり、他の時代区分とは独立して、かなりの期間オーバーラップしながら進行した。その中で縄文文化は日本の文化に幅を与え、基層に潜り込み、日本独特の世界観が生まれた。凡そ其の様な主張であります。

一部はもう常識に属する事かもしれませんが、アマゾン解説(出版社による紹介文)によれば、縄文文化を其の様に位置づける考へは本書から始まつたさうです。

目次
日本の深層―縄文・蝦夷文化を探る
  • 日本文化の源流を探る
  • 大和朝廷の前線基地・多賀城
  • 「大盗」もふれえなかった平泉文化の跡
  • 宮沢賢治の童話が語る日本人の心の深層 ほか
東北文化を考える
  • 甦る縄文
  • 日本文化の中の東北文化
  • 時空を超える再生への祈り
日本の原郷熊野
  • 日本の原郷
  • 私の熊野詣
私の熊野
詳細
  • 発行:小学館 (2000/11)




梅原猛著作集(1)聖徳太子(上)

出版社/著者からの内容紹介
太子の理想と実績、人間像を浮き彫りにする
若き政治家、聖徳太子は巧みな外交政策で日本に仏教をとり入れ、さまざまな大陸文化をもたらした。さらに冠位十二階、十七条憲法を制定する。理想の律令国家の建設に邁進する太子の事績と人間像を浮き彫りにする。
あふれる情熱と豊かな想像力で真理を探究し、人間とは何か、日本とは何かを深く思索つづけてきた梅原猛。哲学、歴史、文学、宗教、芸術など既存の枠組を越える壮大でユニークな作品群は「梅原日本学」とも称され、多くの読者を獲得してきました。本著作集では、主要著作に、新たに書き下ろし作品「法然の哀しみ」を加え、「教育問題」「地球環境問題」「長江文明論」など、著者が全力で取り組んでいる最新のテーマ作品も網羅。
目次
第1部 仏教の勝利|
  • 聖徳太子の実像を求めて
  • 仏教伝来の意味するもの
  • 仏教―亡国と興国の教え
  • 蘇我と物部の宗教戦争
  • 物部の滅亡と法興寺の建立
第2部 憲法十七条
  • 江戸時代の太子批判
  • 崇峻帝の暗殺と女帝の誕生
  • 国際政治家への第一歩
  • 三国同盟と日本の立場
  • 小墾田遷都と政治の革新 ほか
詳細
  • 単行本:20.4 x 14.8 x 4.4 cm 766ページ
  • 出版:小学館 (2003/01)




古事記

梅原猛(訳)

古代人が残した「古代史」の現代語訳

2007.1
梅原猛氏による「古事記」の現代語訳です(古事記についての論文ではありません)。古事記というのは日本一古い書物(本というにはちょっとアレなくらいです)の一つですが、製作時点ですでに古事、即ち「昔の話」だったというものすごく古い話が書いてあるわけです

従って、原典は言葉も内容も大変古く、さすがの本居宣長でも意味が「分からない」とした処があるわけです。本書はそんな難解なところまで本邦初アイヌ語を参照して解決の意欲作。

単純に小説として面白いし、自国の神話を知って於くにも好い。古代史として読むなら訳者による解説がシャープな手掛かりを与えてくれます。

詳細
  • 出版:学習研究社 (2001/01)



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