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『クレイジーキャッスル』シリーズ


会社の垣根を越えた日米一の版権キャラゲーといえば何でしょう?
レトロゲーマーの方には『クレイジーキャッスル』シリーズがおなじみなのではないでしょうか。

  • 『クレイジーキャッスル』とは
1989年、日本のケムコ・コトブキシステムがFC用に販売したパズルアクションゲーム『ロジャー・ラビット』。シンプルな操作性と多彩なステージの名作と知られる本作は後に『ミッキーマウス』を主人公に起用した続編が作られました。この作品は北米に輸出される際、版権の問題でキャラクターを『ルーニー・テューンズ』のバッグス・バニー(表記はバックス)に差し替え、タイトルを『クレイジーキャッスル』と改題する処置がとられました。

その後、日本のケムコ版ミッキーはパズルアクション『クレイジーキャッスル』を卒業し、横スクロールのアクション『ミッキーマウスIII 夢ふうせん』に登場。そして、4作目・5作目でパズルアクションに復帰しました。しかし、この後に北米版の『クレイジーキャッスル』の系統を次ぐ続編が日本で発売。日本において、ミッキーマウスとバッグスの2シリーズに分岐していくこととなりました。バッグスから脱却した日本版『ミッキーマウス3~5』も北米版ではまた別のキャラクターに差し替えて発売されました。このややこしいシリーズ『クレイジーキャッスル』を紐解きます。


シリーズ作品

記念すべき第1作。使われたキャラクターは1988年の映画『ロジャー・ラビット』のロジャー・ラビット*。この映画は4度のゲーム化がされていますが、日本で発売されたのはこの一作のみ。北米ではバッグス・バニーに差し替えたNES版『The Bugs Bunny Crazy Castle』(1989年)として発売。

『ロジャー・ラビット』のヒットを受けて、半年後に主人公をミッキーに変更して発売したゲームボーイ版。北米ではバッグスのままNES版の移植としての扱いで、GB版『The Bugs Bunny Crazy Castle』(1990年)として発売。

『ミッキーマウス』の続編として開発された第2作。北米版でも前作の正統続編として『The Bugs Bunny Crazy Castle 2』(1991年)。欧州版は『Hugo』。

ややこしい路線変更がされたのはここから。第3作は風船を用いた横スクロールアクションとして製作された。クレイジーキャッスルとは外れるためか、北米版ではオリジナルキャラクターを用いた『Kid Klown in Night Mayor World』(1993年)として発売。

本作から原点回帰。北米版はバッグスを離れて『The Real Ghostbusters』(1993年)。ちなみに欧州版では猫のガーフィールドを迎えた『Garfield Labyrinth』が登場。

怒涛のペースで作られたシリーズ完結編。北米版ではこれが唯一、ミッキー主演で製作されたことになる。タイトルは『Mickey Mouse: Magic Wands!』(1998年)。

  • それゆけキッド!! Go! Go! キッド(1997年:GB)
ミッキー引退後に作られたGB版第5作。『ミッキーマウスIII』北米版に起用されたキッドを主人公に据えている。なんと2年後、キッドのキャラクターを差し替えただけの『バックス・バニー クレイジーキャッスル3』(1999年)を発売。本作を持ってバッグスが復活することとなったのだが、ローカライズならまだしも同じ日本でまったく同じ作品を新作として売るのはセーフだったのか…?当時のことはよく存じませんが、北米でももちろん『Bugs Bunny: Crazy Castle 3』(1999年)として発売されました。ここから英語版タイトルが微妙に変わっていきます。

  • バックスバニー・コレクション(1997年:GB)
北米版『Crazy castle』1&2を日本でも遊べるように移植した作品。

  • バックス・バニー クレイジーキャッスル4(2000年:GBC)
機種をゲームボーイカラーに移しての一作。『Bugs Bunny in Crazy Castle 4』(2000年)。2000年に入ってもなおこうしたシンプルなゲーム性に需要はあった様子。

  • ウッディー・ウッドペッカー クレイジーキャッスル5(2002年:GBA)
クレイジーキャッスルが何とゲームボーイアドバンスにも登場。グラフィックがポリゴンで表現された本作はなんとバッグスではなく、ウッディー・ウッドペッカー。北米でも差し替えはなく、『Woody Woodpecker in Crazy Castle 5』(2003年)。

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最終更新:2021年01月11日 11:42