シンデレラ
ストーリー
裕福な家に生まれた
シンデレラは母が亡くなってしまい、父は娘に母親が必要だと考え、
トレメイン夫人と再婚する。トレメイン夫人の連れ子
アナスタシアと
ドリゼラは義妹の美しさを妬んでいた。父が亡くなると、義母と義姉たちは本性を現し、シンデレラを召使いのようにこき使い始める。それでもシンデレラは「夢はいつか叶う」と信じて仲良しの動物たちと家事に勤しんでいた。
ある朝、シンデレラはネズミのリーダー、
ジャックから太ったネズミがネズミ捕りにかかっているという報告を受ける。シンデレラは彼を助けて新しい服と
ガスという名前を授ける。ジャックとガスはトレメイン夫人の意地悪なネコ、
ルシファーの監視を始める。一方、シンデレラは義姉たちに朝の紅茶を給仕するが、ルシファーのいたずらでティーカップにネズミが紛れ込んでいた。アナスタシアは悲鳴をあげ、トレメイン夫人はシンデレラに罰を与える。
宮殿では、
国王と
大公が王子(
プリンス・チャーミング)の結婚相手を見つけるための舞踏会を企画していた。舞踏会には国中の全ての娘が招待されていた。シンデレラも継母に出席を希望すると、「ふさわしいドレスを用意し、自分の仕事を終わらせれば参加して良い」と了承する。ジャックとガス率いるネズミチームはシンデレラの亡き母のドレスをリニューアルする。しかし、完成したドレスはドリゼラたちに破られ、シンデレラは一人外で号泣する。
傷心のシンデレラの前に妖精の
フェアリー・ゴッドマザーが現れる。ゴッドマザーは妖精の魔法でシンデレラにドレスと
ガラスの靴を与え、かぼちゃを馬車に、ジャックとガスを馬に、馬の
メジャーを馬車屋に、犬の
ブルーノを従者へと変身させる。シンデレラは妖精の魔法は12時になると解けてしまうと知り、急いで舞踏会へと向かう。
概要
ディズニー長編アニメーション映画第12作。第二次世界大戦の影響で、ヨーロッパでの映画公開ができなかったディズニーが約300万ドルの借金を背負いながら投入した8年ぶりの本格的な長編アニメーション映画となる。
歴史
『
ファン・アンド・ファンシー・フリー』(1947年)の公開によって、ディズニーの負債が420万ドルから300万ドルに減少。戦時中は政府から依頼された教育用プロパガンダや南米を題材としたオムニバス映画で凌いでいたが、どれも大ヒットには繋がらず、いよいよ『
バンビ』(1942年)以来となる長編映画の製作を決意する。『シンデレラ』、『
ふしぎの国のアリス』『
ピーター・パン』の3作品のプロジェクトが同時進行した。ディズニーは『アリス』と『ピーター・パン』のキャラクターが練りきれていないと判断し、まず『シンデレラ』の製作にゴーサインを出す。
1940年代後半になると、ウォルトの関心は『
宝島』(1950年)などの実写映画や列車の模型に移り、アニメーション制作への関与が減ってきていたため、監督たちは自分たちの判断で詳細を突き詰めていった。1949年の夏、実写映画の撮影のためにイギリスに滞在していたウォルトに監督たちは『シンデレラ』の情報を送っていたが一切反応がなかった。8月29日に帰国したウォルトはアニメに次々と注文をつけ、クライマックスにも大幅な変更を加えるように要求したという。変更はそこから大急ぎで行われ、製作は1949年10月13日に終了した。
キャスティング
マイク・ダグラスは友人からディズニーが王子役を探していると聞いてオーディションに参加した。当時、双子の赤ん坊が生まれたばかりで仕事が欲しかったので、さほど重要な役とは認識せずに応募したという。セリフのオーディションも受けたが、シカゴ出身と言うとアクセントを理由に断られてしまった。
アニメーション
『
白雪姫』(1937年)や『
ピノキオ』(1940年)と同様、人間の俳優の演技を撮影した上でアニメーターがアニメ化していく手法が取られた。
音楽
1946年、作詞家
ラリー・モーリー*と作曲家
チャールズ・ウォルコット*は『シンデレラ』のために3曲を作るが、いずれも完成版には使われなかった。のち、本格的にプロジェクトが再始動する際にはラリーとチャールズは参加していない。
『シンデレラ』では、ギター奏者で発明家のレス・ポールが多重録音を試み主流になりつつあった多重録音という新技術を初めて導入した。挿入歌「
スウィート・ナイチンゲール」を聞いたウォルトは5分間黙った後、「泡に映ったシンデレラと二重唱にしよう。いや、もっと泡を浮かべて多重唱にできる。きっとうまくいく。」と提案した。
彼らの貢献により、
アカデミー歌曲賞*と
アカデミー作曲賞*にノミネートされた。シンデレラの歌が売れると確信していたディズニーは、自ら音楽出版社を設立してその権利を確保し、本作の楽曲を自社管理した。サントラ盤は見事No.1ヒットに輝き、75万枚も売れた。
キャスト
- 初公開版:1961年3月18日公開。
- 新録版:1992年4月25日公開。※Blu-ray・DVD・VHS収録
用語集
オブジェクト
ロケーション
楽曲
最終更新:2022年04月24日 20:39