ダンボ
ストーリー
ある晩、サーカスの動物たちのもとに次々とコウノトリが赤ちゃんを運んできた。しかし、象の
ジャンボには届かなかった。翌朝、サーカスの列車
ケイシー・ジュニアが町へ向かって走り出した。そこへ、
コウノトリがやってくる。赤ちゃんゾウが重く、道に迷ってしまったため、配達が遅れてしまったのである。ジャンボのもとに届けられた赤ちゃんゾウ、ジャンボ・ジュニア。サーカスのゾウ仲間たちにも可愛がられが、ジャンボ・ジュニアがくしゃみをした瞬間、突然、耳が大きくなってしまう。するとゾウ仲間たちはジャンボ・ジュニアを
ダンボと呼び始める。怒ったジャンボは、ゾウ仲間たちを遠ざける。
町へ着くと、大雨の中テントがセットされた。翌朝、ダンボはサーカスのパレードでデビューを飾るが、観客の少年・
スキニーがダンボの耳をバカにして、からかいはじめる。怒ったジャンボはスキニーをこらしめ、暴れはじめる。そのため、
サーカスの団長に「危険なゾウ (Mad Elephant)」とされ、牢屋に入れられてしまう。ゾウ仲間たちは一人ぼっちになってしまったダンボの陰口を叩く。それを哀れに思ったサーカスに住むネズミ、
ティモシーがダンボを勇気づける。ティモシーは真夜中、サーカスの団長のもとを訪れ、「スターはダンボだ!」と暗示をかけ、パフォーマンスを説明する。天からの声を聞いたと思ったサーカスの団長はさっそくショーを実行する。
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ダンボの初パフォーマンスは、玉乗りをするゾウのピラミッドのてっぺんで旗を振ることだった。しかし、大きすぎる耳が邪魔となり、ピラミッドに激突。ダンボ以外のすべてのゾウが怪我を負ってしまう。その後、ダンボはピエロの化粧をさせられ、ピエロたちと共演し、家事の建物からトランポリンへ飛び込むというパフォーマンスをやらされる。そのトランポリンは底が抜けて、水の中に突っ込むというもので、観客は大笑いする。サーカスの仕事が嫌いなダンボを元気づけようと、ティモシーはダンボと共に、ジャンボを訪問する。泣いてしまったダンボはしゃっくりをし始めたので、水を飲むことにする。しかし、その水にはたまたま大量のシャンパンが入っていた。
よっぱらったダンボとティモシーはピンクのゾウのパレードの幻覚( ピンク・エレファンツ・オン・パレード)を見る。目が覚めると、2人は木の上にいた。原因を考えるティモシーは、ダンボの大きな耳で空を飛んだのだ、と推測する。これを聞いたカラス(クロウ)たちは大笑いし、その案をバカにして、歌を歌い出す。しかし、ティモシーからダンボのかわいそうな境遇を聞き、涙したカラスたちはダンボに協力したい、と申し出る。カラスはダンボに持っていれば空が飛べるという 魔法の羽*を与える。ダンボは魔法の羽を鼻に持ち、全力で耳をはばたかせた。すると、ダンボは自由に大空を飛び始める。
再び、ピエロの飛び込み(前回よりも高い高さで)をやることになったダンボ。魔法の羽を持ち、飛び降りるが、途中で魔法の羽を落としてしまう。ティモシーは落ちいていくダンボに、魔法の羽がダンボを勇気づけるために持たせたただのカラスの羽であることを打ち明ける。すると、ダンボは耳を広げ、テント内を自由に飛び回る。
ダンボは一躍有名になった。ダンボの耳には100万ドルの保険がかけられた。ティモシーはダンボのマネージャーとしてハリウッドと契約を結ぶ。そして、晴れた自由の身となったジャンボと、ダンボにサーカス列車の自家用車を与える。
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概要
ディズニーの長編アニメーション映画第4作として公開された。
『
ピノキオ』(1940年)、『
ファンタジア』(1940年)に完璧さを追求し、興行的失敗に終わった前2作に対し、短期間と低予算で、スタッフも楽しみながら仕事をしたと言われている。
原作は、1939年に発行された
ヘレン・アバーソン*、
ハロルド・パール*による子供向けのパノラマ絵本の8コマ漫画であった。ディズニーの商品のライセンス管理を担当していた
ケイ・ケイメン*からこの物語を教わった
ウォルト・ディズニーは大いに関心を持ち、映画化の権利を購入した。この絵本は多く出回ったものではないため、原作の実物を見るのは非常に困難である。DVDの特典映像には原作の絵本が収録されている。
当初は短編映画としての製作を予定していたが、長編映画にすることに決定。しかし、戦時中のために莫大な予算を投じた『
ピノキオ』(1940年)や『
ファンタジア』(1940年)をヨーロッパ諸国で公開できなかったことでスタジオの財政問題は深刻化。『ダンボ』は低予算で作らざるを得なくなるが、結果として本作の収入がスタジオを救うこととなった。
1941年秋、配給会社
RKO*は64分の本作を長編映画として扱うには短すぎるので長くするように求めたが、ディズニー側はこれを拒否。結局、長編映画として公開されることとなった。
監督の
ベン・シャープスティーンは財政問題のため、低予算でシンプルに制作することを求められる。そのためウォルトが徹底した完璧主義を追究した前3作に比べるとキャラクターのデザインはシンプルになり、背景も単純な構図のものを多用した。キャラクターのセル画なども、使い回されているが、編集のおかげで全く違和感のないものに仕上がっている。これらのおかげで、制作費は81.3万ドルに抑えられた。ちなみに、ラストシーンでダンボの耳にかけられた保険金(100万ドル)よりも安価に仕上がったことになる。
背景には水彩絵の具が使われている。全面的に使用されているのは、『白雪姫』(1937年)、『ダンボ』(1941年)、『
リロ・アンド・スティッチ』(2002年)のシリーズぐらいである。ダンボはぬいぐるみとして『リロ・アンド・スティッチ』にゲスト出演している。
動物のスケッチには本物の動物をスタジオへ連れてきて行うこだわりっぷりを発揮しており、この手法は次作『
バンビ』(1942年)や『
ライオン・キング』(1994年)にも継承されている。
2019年には『
ダンボ』として実写でリメイクされた。
声優
キャスト
※ソフト版は旧・新録版ともに共通(パブリック・ドメインは除く)。
※ソフト版について、公式サイトのクレジットではかつてダンボ:真理ヨシコと誤記されていた。
※かつてNHKはNHK版、WOWOWは1994年まで再公開版を使用していた。現在、TV放映時はソフト版に統一されているため、他のバージョンは録画以外で見ることはできない。
- 初公開版:1957年製作。ディズニー初の日本語吹替作品。
- TBS版:1978年10月6日放送。1988年5月5日、NHKでも放送。
- 再公開版:1983年製作。劇場公開用。
- ソフト版:1985年5月25日発売。正規盤Blu-ray・DVD・ビデオに収録。
スタッフ
情報集計中…
楽曲
最終更新:2024年09月15日 22:30