本ページではファタ・モルガナ帝国における教育制度について解説する。
ファタ・モルガナ帝国に最初に明文化された教育制度が制定されたのはIU100年頃であり、それが高度な教育システムへと拡充されたのは700年代頃であった。
制定当初は初等学校のみが設置され、これらははじめから義務教育制度の対象とされた。学費は無償であった。
711年に高等教育機関である大学が設置されたものの、793年に独立した中等教育学校が開設されるまでは初等学校と大学の間に「隙間」が存在する状態であった。隙間を埋める存在である中等教育は大学に内包されており、且つその大学に入学試験が存在したことから、初等学校とは別に「中等教育準備学校」と呼ばれる学校が制度、国家の介在無しに存在する状態となっていた。これらの学校は公立の中等教育学校が独立した後も私立の中等教育学校として残存するものが大半であった。
IU1520年頃に国内で産業革命が発生すると、労働者と共に研究者、技術者人材の需要が急激に増加し、これに伴い国内の大学のニーズも爆増した。
大学の設置からその時に至るまで、入試には大学が自ら作成した試験問題のみが用いられていたものの、受験生の数が各大学のキャパシティを大幅に超過してスケジュールが上手く進まないといった問題が生じ始めた。この為受験生の数を各大学の管理許容量内に収める為に、受験生を篩にかける必要性が唱えられ始める。これを受けて政府は大学入試の共通一次試験の設置を模索し始めた。1531年の「大学入学試験共通一次試験設置に関する法律(通称:イザルーネ法)」制定に伴い「大学入学試験共通一次試験(府:Kauhdho Destih Jirk ren Tzahneaberthirk rae,KDJT)」制度が生まれた。この制度は現在でも継続されている。
初等準備教育学校は3歳の者が入学対象となる3年制の学校で、いわゆる幼稚園に近いものである。初等準備教育自体は慣習的に生まれたものが後になって制度化されたもので、初等準備教育学校以外にも幼児教育学校、予備教育学校など同じような学校が存在している。これらはカリキュラムの観点から見ると基本的に同一である。
初等教育は6歳の者を入学対象に初等学校と呼ばれる施設で6年に渡って行われる。公立の初等学校は学費が全面的に無償である。
最初の3年では公用語である現代ファシル語の読み書き、基礎的な算術、運動教育などが行われ、4年目から6年目にかけてはこれらに科学基礎、社会基礎、宗教学基礎、総合美術が追加される。
初等教育カリキュラム | ||||||
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1学年 | 2学年 | 3学年 | 4学年 | 5学年 | 6学年 | |
現代府語 | ||||||
算術 | ||||||
科学基礎 | ||||||
社会基礎 | ||||||
宗教基礎 | ||||||
総合美術 | ||||||
運動 | ||||||
道徳 |
中等教育学校で行われる。中等教育学校は13歳の者が入学対象となり、以後6年間在籍することとなる。初等教育で履修した科目が細分化(算術→代数学、幾何学、進学カリキュラム4年目からは解析学が追加など)され、より発展的、専門的な分野を学習することになる。
4年目からは大学進学希望者、就職希望者をそれぞれ進学カリキュラム、職業技能カリキュラムに分けて教育が行われる。
中等教育職業技能カリキュラム | ||||||
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1学年 | 2学年 | 3学年 | 4学年 | 5学年 | 6学年 | |
現代府語 | ||||||
代数学 | ||||||
幾何学 | ||||||
総合科学 | ||||||
社会学 | ||||||
宗教学 | ||||||
絵画美術 | ||||||
音楽美術 | ||||||
運動 | ||||||
職業技能 | ||||||
道徳 | ||||||
中等教育進学カリキュラム | ||||||
1学年 | 2学年 | 3学年 | 4学年 | 5学年 | 6学年 | |
現代府語 | ||||||
代数学 | ||||||
幾何学 | ||||||
解析学 | ||||||
物理学 | ||||||
化学 | ||||||
生物学 | ||||||
地理学 | ||||||
現代社会学 | ||||||
歴史学 | ||||||
宗教学 | ||||||
絵画美術 | ||||||
音楽美術 | ||||||
運動 | ||||||
道徳 |
高等教育機関は大学がこれに相当する。大学は中等教育を修了した18歳以上の者に入学試験受験資格が与えられ、その中で入試に合格した者のみが入学を許可される。高等教育では高度に細分化された教科から、学部学科の範疇の中で各々が希望するものを自由に選択して学修することが出来る。科目は大学、学部、学科によって極めて多彩である為、学部学科毎の必修科目を除けば科目選択は完全にその者次第である。その為このページでその全てを網羅することは不可能である為、以下には一つの例としてマーズカクス帝国大学の学部学科の一覧を記載する。
マーズカクス帝国大学 学部学科一覧 | |
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宗教法学部 |
法学科 外国法学科 宗教学科 |
国文学部 |
現代ファシル語学科 ファシア文学科 哲学科 |
外国語学部 |
グランダ語学科 シャノワール語学科 ワーシイワ語学科 エレイス語学科 アライド語学科 リベント語学科 晋迅語学科 本京語学科 星羅語学科 ミュルネニヤ語学科 |
工学部 |
電気工学科 電子工学科 船舶工学科 機械工学科 建築工学科 情報工学科 生物工学科 宇宙工学科 |
物理学部 |
物理学科 数学科 宇宙物理学科 気象学科 海洋物理学科 |
化学部 |
化学科 応用化学科 |
生物学部 |
生物学科 海洋生物学科 分類学科 遺伝学科 |
政治経済学部 |
政治学科 経済学科 |
教育学部 |
言語教育学科 科学教育学科 社会教育学科 外国語教育学科 美術教育学科 宗教教育学科 心理教育学科 |
帝国の大学は極めて数が少なく、大学進学率も決して高くないがその代わりに大学の学生は概して極めて優秀とされる。大学内では自治意識の高い自由な風潮が強く、それ故に優秀にも拘わらず問題行動の多い大学もある。
大学生の平均的な能力は世界的に高いが、そんなファ帝の大学生でも「彼処だけは異常だ」と口を揃えるのがマーズカクス帝国大学である。国家戦略に大きく影響を及ぼすマーズカクス帝大だけは他の大学と試験方式から校風に至るまで徹底して異なり、いわゆる天才、それも生半可でない者達の集まりである。
KDJTが全大学共通の一次試験である。私立大学にも全ての入試方式において本試験を使用することが義務付けられている。
制限時間は無く、回答時間が記録され試験結果の導出に使用される。
科目 | 方式 | 問数 | 配点 |
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現代国語 Majiad Fathir |
短答記述 長文記述 |
46 2 |
1問2点*46問 1問4点*2問 計48問100点 |
古典 Xaedho Fathir |
短答記述 長文記述 |
48 1 |
1問2点*48問 1問4点*1問 計49問100点 |
代数学 | 記述 | 54 | 1問1点*20問、1問2点*30問、1問5点*4問 計54問100点 |
幾何学 | 記述 | 22 | 1問2点*20問、1問5点*2問 計22問50点 |
解析学 | 記述 | 22 | 1問2点*20問、1問5点*2問 計22問50点 |
社会政治学 | 短答記述 | 50 | 1問2点*50問 計50問100点 |
歴史学 | 短答記述 | 50 | 1問2点*50問 計50問100点 |
物理学 | 短答記述 | 54 | 1問1点*20問、1問2点*30問、1問5点*4問 計54問100点 |
化学 | 短答記述 | 22 | 1問2点*20問、1問5点*2問 計22問50点 |
生物学 | 短答記述 | 22 | 1問2点*20問、1問5点*2問 計22問50点 |
課外活動報告 | 長文記述 | 1 | 1問*100点 |