魅惑の髪形(唯視点)
2期のEDの唯に触発されて書いた初の唯澪SS。
かっこ唯最高。
かっこ唯最高。
「あーづーいー…」
夏です。
あつはなつい。あ、違った、夏は暑い。
セミがみんみん鳴き始める季節は苦手。反対に寒過ぎるのも苦手。
今日も今日とてリビングに寝そべってなんとか涼をとろうと奮闘してる最中だ。
あつはなつい。あ、違った、夏は暑い。
セミがみんみん鳴き始める季節は苦手。反対に寒過ぎるのも苦手。
今日も今日とてリビングに寝そべってなんとか涼をとろうと奮闘してる最中だ。
「お姉ちゃん、いっぺん髪を結い上げてみたらいいんじゃない?ちょっとは涼しくなると思うよ」
おお、我が妹よナイスアイディア!
早速実践しようと思ったけれど髪を結い上げてしまうと憂と瓜二つになってしまう。
妹のアイデンティティを奪うのは姉としてやってはいけない事だ。
早速実践しようと思ったけれど髪を結い上げてしまうと憂と瓜二つになってしまう。
妹のアイデンティティを奪うのは姉としてやってはいけない事だ。
「それもいいけど…私の髪って纏まりにくいからなぁ…」
「うーん、それならいっそのこと髪を切っちゃうのはどうかな?短くするんじゃなくて軽くすいてもらうだけでも結構涼しくなるんだよ」
「おお、なるほどー!ちょうど髪も伸びて重くなってきたし、ちょっと整えてもらおうかなぁ」
「うん。それがいいと思うよ」
「うーん、それならいっそのこと髪を切っちゃうのはどうかな?短くするんじゃなくて軽くすいてもらうだけでも結構涼しくなるんだよ」
「おお、なるほどー!ちょうど髪も伸びて重くなってきたし、ちょっと整えてもらおうかなぁ」
「うん。それがいいと思うよ」
そんなやりとりをしていきつけの美容室へ。
「むにゃ…」
カットをお願いしたら基本やることがないので私はすぐ夢の中にはいる。
だって美容師さんのシャンプーって気持ちいいから寝てしまうのはしょうがない。
なのでこれは不可抗力なんです!フンス!
なんて夢の中でいい訳なんかしていたら頭が急に熱くなるのを感じて飛び起きた。
だって美容師さんのシャンプーって気持ちいいから寝てしまうのはしょうがない。
なのでこれは不可抗力なんです!フンス!
なんて夢の中でいい訳なんかしていたら頭が急に熱くなるのを感じて飛び起きた。
「ふぇえええ!?」
なんか頭がヘルメットみたいなものに覆われてる。どういうこと?
ていうか熱い、熱いよ!助けてー!
ていうか熱い、熱いよ!助けてー!
ここが美容室だという事を忘れて思わず大きな声を出してしまった。
慌ててやってきた美容師さんに怒られると思っていたら逆に謝られて頭の上に?マークを浮かべる。
慌ててやってきた美容師さんに怒られると思っていたら逆に謝られて頭の上に?マークを浮かべる。
「申し訳ありませんお客様!此方の不手際で注文を間違えていたみたいで…」
とのこと。注文を間違えるとかどれだけドジっ子さんなんだろう。まぁ、人の事は言えないんだけれど。
熱いヘルメットから解放されて御開帳された私の髪型は思っていたよりも普通。
あまりに熱かったもんだからアフロヘアーにでもされちゃったのかと思っていたんだけどほとんど変わってないようで一安心。
お詫びにと言われヘアパックやらトリートメントやらのヘアケアを施され、店員さんにお代は結構ですと言われて至れり尽くせりな待遇を受けて申し訳ない気分になりながらお店を後にした。。
熱いヘルメットから解放されて御開帳された私の髪型は思っていたよりも普通。
あまりに熱かったもんだからアフロヘアーにでもされちゃったのかと思っていたんだけどほとんど変わってないようで一安心。
お詫びにと言われヘアパックやらトリートメントやらのヘアケアを施され、店員さんにお代は結構ですと言われて至れり尽くせりな待遇を受けて申し訳ない気分になりながらお店を後にした。。
「髪を切って涼しくなる」という当初の目標は達成できたし、私自身そんなに気にしていなかった事もあって自分の髪型をあまり意識していなかったのだけれど。
まさか、私の髪が原因で事件が起こるなんてこのときは思いもよらなかった。
まさか、私の髪が原因で事件が起こるなんてこのときは思いもよらなかった。
次の日。
「なんでみんな目を逸らすのぉ…」
私、平沢唯はなぜか朝から放課後まで誰とも目を合わせてもらえなかった。
教室に入った途端、信じられないようなものを見る目で私を凝視したかと思うと顔を真っ赤にして顔を逸らされた。
クラスメイトだけならまだしも軽音部の皆までもが目を逸らしていた。
一応、会話はしてくれるんだけど顔を見ようとしない。目を合わせようとすると全力で逸らされる、避けられる。
いくら能天気な私とはいえ、ここまで露骨に目を逸らされたら私だって傷付く。
無視されてるわけじゃないからいじめとかではないと思うんだけど、私と目を合わせてくれないのはどうしてだろう。
せめて理由くらいは聞きたい。
教室に入った途端、信じられないようなものを見る目で私を凝視したかと思うと顔を真っ赤にして顔を逸らされた。
クラスメイトだけならまだしも軽音部の皆までもが目を逸らしていた。
一応、会話はしてくれるんだけど顔を見ようとしない。目を合わせようとすると全力で逸らされる、避けられる。
いくら能天気な私とはいえ、ここまで露骨に目を逸らされたら私だって傷付く。
無視されてるわけじゃないからいじめとかではないと思うんだけど、私と目を合わせてくれないのはどうしてだろう。
せめて理由くらいは聞きたい。
放課後、軽音部の部室で皆が来るのをぼんやりと待っていると、ドアの開く音が聞こえた。
「あ、今日は私が一番だよ。澪ちゃんは二番目ね」
「きょ、今日は来るの早いんだな」
「きょ、今日は来るの早いんだな」
会話は出来てる。けれど澪ちゃんはずっと目を逸らしたまま。
そんな澪ちゃんの態度に私はきゅうと胸が苦しくなる。
ソファに荷物を置いてベースを取り出したと思ったら私に背を向けたままメンテナンスを始めた。
どうしても私と目を合わせる気はないらしい。
そんな澪ちゃんの態度に私はきゅうと胸が苦しくなる。
ソファに荷物を置いてベースを取り出したと思ったら私に背を向けたままメンテナンスを始めた。
どうしても私と目を合わせる気はないらしい。
「私はいつも通りに来たんだけど、なかなか皆が来ないから」
「あ、ああ、なんかムギは来れないらしくて、律は部長の集まりだってさ。梓も用事で休むって連絡きてた」
「あ、ああ、なんかムギは来れないらしくて、律は部長の集まりだってさ。梓も用事で休むって連絡きてた」
後ろを向いてる澪ちゃんに気付かれないようにゆっくりと距離を詰めていく。
「あれ、そうだったんだ。じゃあお茶会はなしかぁ」
「その前に練習が出来ないって事実の方が問題なんだぞ。今日は合わせられないけど個人練習だけでもやらないとな」
「その前に練習が出来ないって事実の方が問題なんだぞ。今日は合わせられないけど個人練習だけでもやらないとな」
あと二メートル。
「うん、そだね。私も忘れそうになってるコードとかあるし」
「ちゃんと覚えておかないと駄目だぞ。梓に教えてもらうだけじゃなくて覚える努力もしろよ」
「うん、だから今日は今までの復習をしようと思うんだ」
「ちゃんと覚えておかないと駄目だぞ。梓に教えてもらうだけじゃなくて覚える努力もしろよ」
「うん、だから今日は今までの復習をしようと思うんだ」
あと一メートル。
「ああ、それがいいな。じゃあ私も」
「だからさ、澪ちゃん」
「だからさ、澪ちゃん」
あと一歩。
「え…」
ゼロ。
「練習、付き合ってほしいな」
つかまえた。
後ろからぎゅっと抱きついてそっと囁いた。
後ろからぎゅっと抱きついてそっと囁いた。
「ひゃわあああっ!?」
「あ、ごめんね驚かして。それともこそばゆかった?」
「い、いや…だ、大丈夫、大丈夫だ…」
「あ、ごめんね驚かして。それともこそばゆかった?」
「い、いや…だ、大丈夫、大丈夫だ…」
澪ちゃんは驚きのあまりそのままペタンと床に座り込んでしまった。
その割には息が荒いし震えてるんだけど、大丈夫だろうか。
顔は見えないけれど耳は真っ赤だ。もしかしたら風邪でも引いてるのかもしれない。
その割には息が荒いし震えてるんだけど、大丈夫だろうか。
顔は見えないけれど耳は真っ赤だ。もしかしたら風邪でも引いてるのかもしれない。
「澪ちゃん、耳が真っ赤だよ。風邪?」
「いっ、いやいや!私は元気だから!全っ然元気だから!だから離れてくれ!」
「それは駄目。放したら澪ちゃん逃げちゃうでしょ?だから離さないよ」
「いっ、いやいや!私は元気だから!全っ然元気だから!だから離れてくれ!」
「それは駄目。放したら澪ちゃん逃げちゃうでしょ?だから離さないよ」
「あぅ…ゆ、唯…」
「んー…澪ちゃんいい匂い。髪もサラサラだし、羨ましいなぁ」
「ぅ…。ゆ、唯だって」
「ん?」
「唯だっていつもと違うだろ…」
「へ?」
「んー…澪ちゃんいい匂い。髪もサラサラだし、羨ましいなぁ」
「ぅ…。ゆ、唯だって」
「ん?」
「唯だっていつもと違うだろ…」
「へ?」
違うって、何が?
私はいつも通り、何も変わらないと思うんだけど。
私はいつも通り、何も変わらないと思うんだけど。
「私はいつもと同じだよ。それよりも皆が私に対してよそよそしいのはどうして?」
「いや、それは…」
「いや、それは…」
澪ちゃんは口をもごもごさせて言い淀む。そんなに言いづらいことなのかな。
「私の事、嫌いになった…とか?」
「ば…っ!そんなわけない!唯を嫌いになんかなるわけないだろっ!?」
「ば…っ!そんなわけない!唯を嫌いになんかなるわけないだろっ!?」
そんな嫌な可能性を澪ちゃんは全力で否定してくれた。
顔は見れないけれど、本気で怒ってくれてるのが伝わる。
ああ、よかった。嫌われたわけじゃないんだ。
それが分かっただけで私は物凄く安心できた。そして嬉しくなって思わず澪ちゃんをぎゅーっと抱きしめる。
顔は見れないけれど、本気で怒ってくれてるのが伝わる。
ああ、よかった。嫌われたわけじゃないんだ。
それが分かっただけで私は物凄く安心できた。そして嬉しくなって思わず澪ちゃんをぎゅーっと抱きしめる。
「そっか。私も澪ちゃんの事、皆の事が大好きだから安心したよ」
「ぅあ…、あの、唯。…一つ、聞いていいか?」
「ん、なぁに?澪ちゃん」
「あの、さ。髪型、いつもと違うだろ?何か、あったのか?」
「…髪型?ああ、うん。あまりに暑かったから美容室でちょっとすいて貰ったんだよ」
「ぅあ…、あの、唯。…一つ、聞いていいか?」
「ん、なぁに?澪ちゃん」
「あの、さ。髪型、いつもと違うだろ?何か、あったのか?」
「…髪型?ああ、うん。あまりに暑かったから美容室でちょっとすいて貰ったんだよ」
いつもと違うと澪ちゃんは言う。
けれどそこまで差異が出るほど髪を切ってもらった訳じゃないと思う。
あまり長さを変えずに髪をすいて軽くしてもらっただけだから自分ではそこまで変わったとは思っていなかった。
けれどそこまで差異が出るほど髪を切ってもらった訳じゃないと思う。
あまり長さを変えずに髪をすいて軽くしてもらっただけだから自分ではそこまで変わったとは思っていなかった。
「え、すいただけ?」
「うん…あ。そういえば間違ってへんなヘルメットみたいなの被せられて熱くなったりもしたけど」
「ヘルメット、熱く…?」
「うん…あ。そういえば間違ってへんなヘルメットみたいなの被せられて熱くなったりもしたけど」
「ヘルメット、熱く…?」
私は美容室での出来事を澪ちゃんに説明した。
すると澪ちゃんは納得したように何かを呟くと、
すると澪ちゃんは納得したように何かを呟くと、
「唯。それは縮毛強制…じゃないか?」
「しゅくもう…?」
「しゅくもう…?」
なんだか聞きなれない単語だなぁと思ったけれど、そう言えば美容師の人がそんな事を口にしていた気がする。
髪を強制的にまっすぐにしちゃうもので、似たようなものにストレートパーマがあるけれどそっちとは持続性の長さが違うとか言ってたことを思い出した。
縮毛強制は途中で癖っ毛に戻ることがなく、ずっとまっすぐなままらしい。
美容師さんがずっと謝りっぱなしで申し訳なさそうにしていたのはその所為だったのか、と他人事のようにぼんやりと考えていた。
髪を強制的にまっすぐにしちゃうもので、似たようなものにストレートパーマがあるけれどそっちとは持続性の長さが違うとか言ってたことを思い出した。
縮毛強制は途中で癖っ毛に戻ることがなく、ずっとまっすぐなままらしい。
美容師さんがずっと謝りっぱなしで申し訳なさそうにしていたのはその所為だったのか、と他人事のようにぼんやりと考えていた。
「まさか、唯は気が付いてなかったのか…?」
「ん?うん。なんか美容師さんにいっぱい謝られちゃったけど、私自身はそんなに気にしてなかったよ。というか、そこまで変わったように見えなかったから澪ちゃんに言われるまで気がつかなかったし」
「いや、傍から見ると結構違って見えるぞ。教室入ってきたときは一瞬誰かと思ったくらいだし、何よりいつもと雰囲気が違うから皆がちょっと驚いて敬遠してたんだ」
「そっかぁ…」
「ん?うん。なんか美容師さんにいっぱい謝られちゃったけど、私自身はそんなに気にしてなかったよ。というか、そこまで変わったように見えなかったから澪ちゃんに言われるまで気がつかなかったし」
「いや、傍から見ると結構違って見えるぞ。教室入ってきたときは一瞬誰かと思ったくらいだし、何よりいつもと雰囲気が違うから皆がちょっと驚いて敬遠してたんだ」
「そっかぁ…」
皆の態度がおかしかったのはそういう事だったんだ。
私が気にならなくても皆にインパクトを与えちゃうくらい違って見えたのが原因らしいけれど。
私が気にならなくても皆にインパクトを与えちゃうくらい違って見えたのが原因らしいけれど。
「そんなに違うのかなぁ…?皆がびっくりしちゃう程おかしい、かな…」
「唯…」
「唯…」
私の声が沈んでいることに気がついたのか澪ちゃんが私の方を見ようとする。
けれど今の泣きそうな顔を見られたくなくて、澪ちゃんの項のあたりに顔を埋めた。
けれど今の泣きそうな顔を見られたくなくて、澪ちゃんの項のあたりに顔を埋めた。
「…ごめんね。皆がよそよそしいのが不安で、嫌われちゃったのかなって、心配だったから…」
「ち…違う、違うんだ唯。唯は全然おかしくない。…その、あまりに唯が綺麗だから…皆直視できなかったんだ」
「ち…違う、違うんだ唯。唯は全然おかしくない。…その、あまりに唯が綺麗だから…皆直視できなかったんだ」
綺麗…、私が?
「そ、なの?」
「…ああ。いつもの唯は可愛いって感じなのに、今日はなんていうか、凛としてるんだ。すごく綺麗で格好良く見えて、私も律もムギも戸惑って…。どう、接していいのか分からなかったんだよ……ごめんな、唯」
「…いいよ、私が髪の事について皆に説明してたら良かったんだよね。こっちこそ、ごめんね」
「…ああ。いつもの唯は可愛いって感じなのに、今日はなんていうか、凛としてるんだ。すごく綺麗で格好良く見えて、私も律もムギも戸惑って…。どう、接していいのか分からなかったんだよ……ごめんな、唯」
「…いいよ、私が髪の事について皆に説明してたら良かったんだよね。こっちこそ、ごめんね」
嬉しい気持ちと安心した気持ちが溢れて止まらなくて、思わずまた澪ちゃんを抱き締めていた。
「ひゃあ…っ!?ゆっ、唯!?」
「えへへー…嬉しいなぁ…」
「えへへー…嬉しいなぁ…」
抑えきれない嬉しさを澪ちゃんにお裾分けしたくて痛くない程度にぎゅーってしてすりすりと頭を擦り付ける。
澪ちゃんの髪はとてもサラサラでいい匂いがする。
柔らかくて優しくて安心できちゃうような匂いで、私は項に顔を埋めたままくんかくんかと匂いを堪能した。
澪ちゃんの髪はとてもサラサラでいい匂いがする。
柔らかくて優しくて安心できちゃうような匂いで、私は項に顔を埋めたままくんかくんかと匂いを堪能した。
「ちょ…っ!何嗅いで…!?」
「澪ちゃんの髪、いーにおいだね?もちろん、髪だけじゃないけど」
「あ、ぅ…」
「こんなにいい匂いなら澪ちゃんのこともぎゅーってしないとなぁ」
「や、唯ぃ……も、やめて…」
「澪ちゃんの髪、いーにおいだね?もちろん、髪だけじゃないけど」
「あ、ぅ…」
「こんなにいい匂いなら澪ちゃんのこともぎゅーってしないとなぁ」
「や、唯ぃ……も、やめて…」
涙声に気付いて澪ちゃんの顔を覗きこむと案の定今にも泣きそうな顔をしていた。
私にしてみれば褒め言葉を言っていたつもりだったんだけど、澪ちゃんはからかわれてると思ったらしい。
ちょっとやりすぎた、かな。
私にしてみれば褒め言葉を言っていたつもりだったんだけど、澪ちゃんはからかわれてると思ったらしい。
ちょっとやりすぎた、かな。
「あ、ごめんね。澪ちゃんの髪、本当にいいなぁって思ってつい、ね」
「ほんと…?」
「ほんと…?」
澪ちゃんの上目遣いと涙目のダブルコンボは反則だと思う。
普段はキリッとしてて、クールで格好良く見えるのに。
怖がりで恥ずかしがり屋で照れ屋さんで、メルヘンチックな面もあって。
分かってた事だけど澪ちゃんってすごく魅力的だよねぇとしみじみ思う。
普段はキリッとしてて、クールで格好良く見えるのに。
怖がりで恥ずかしがり屋で照れ屋さんで、メルヘンチックな面もあって。
分かってた事だけど澪ちゃんってすごく魅力的だよねぇとしみじみ思う。
「うん。いじめるつもりは全然なかったんだけど。ごめんね、澪ちゃん」
「ぁ…」
「ぁ…」
謝罪の意味を込めて人差し指で目尻に溜まった涙を一粒掬って口に含んだ。
「…甘い」
「――っ!!」
「――っ!!」
錯覚かもしれないけれど、澪ちゃんの涙は甘かった。
本当に甘いのか確認の意味を込めてもう片方の目に溜まった涙を掬おうとしたけれど、澪ちゃんに止められてしまった。
本当に甘いのか確認の意味を込めてもう片方の目に溜まった涙を掬おうとしたけれど、澪ちゃんに止められてしまった。
「…な、なななななにするんだ!」
「何…って、澪ちゃんの涙を拭っただけだよ?」
「拭っただけ、って…」
「何…って、澪ちゃんの涙を拭っただけだよ?」
「拭っただけ、って…」
澪ちゃんの顔がものすごい勢いで真っ赤になる。
心なしか頭から湯気が出ているようにも見えるけれど…ああ、そうか。
意識していなかったけれど、傍から見ると私はすごく気障な事をしていたのか。
私相手にすらそういう初心な反応をしていて大丈夫かなぁと澪ちゃんの事がちょっぴり心配になった。
心なしか頭から湯気が出ているようにも見えるけれど…ああ、そうか。
意識していなかったけれど、傍から見ると私はすごく気障な事をしていたのか。
私相手にすらそういう初心な反応をしていて大丈夫かなぁと澪ちゃんの事がちょっぴり心配になった。
「ふふっ。澪ちゃんの顔、真っ赤だよ」
「ゃ…ぁ、ぅ…」
「ゃ…ぁ、ぅ…」
頬に触れただけでこの反応。なんだかいけないことをしてる雰囲気だ。
紅く染めた頬と潤んだ瞳でこっちを見られたら誘ってると勘違いしてもおかしくないと思う。
私でさえ切なそうに見つめてくる澪ちゃんにグラッときてるんだから、これが男の子だったらイチコロに違いない。
紅く染めた頬と潤んだ瞳でこっちを見られたら誘ってると勘違いしてもおかしくないと思う。
私でさえ切なそうに見つめてくる澪ちゃんにグラッときてるんだから、これが男の子だったらイチコロに違いない。
でも、ここは女子高で。
部室には私と澪ちゃんしかいないわけで。
澪ちゃんが、私こと平沢唯を誘っていると勘違いしてもおかしくない要因は十分にある。
いつ間にか身体は向き合っているし、好都合だ。
なんだか私が私じゃないみたいに冷静で、それでもいつもの私みたいにこの状況を純粋に楽しんでいて。
髪型がいつもと違うと言われたからだろうか、自分の中でスイッチがカチリと切り替わったみたい。
澪ちゃんの可愛い所をもっと見たいという気持ちが膨らんで、気付いたら手を伸ばしていた。
部室には私と澪ちゃんしかいないわけで。
澪ちゃんが、私こと平沢唯を誘っていると勘違いしてもおかしくない要因は十分にある。
いつ間にか身体は向き合っているし、好都合だ。
なんだか私が私じゃないみたいに冷静で、それでもいつもの私みたいにこの状況を純粋に楽しんでいて。
髪型がいつもと違うと言われたからだろうか、自分の中でスイッチがカチリと切り替わったみたい。
澪ちゃんの可愛い所をもっと見たいという気持ちが膨らんで、気付いたら手を伸ばしていた。
左手を澪ちゃんの手に絡め、右手で澪ちゃんの髪を一房掬い上げる。
何度見ても綺麗だなぁと思う。
掬いあげた髪に軽く口付けて、澪ちゃんを見る。
何度見ても綺麗だなぁと思う。
掬いあげた髪に軽く口付けて、澪ちゃんを見る。
「りっちゃん達は来れないみたいだし、今日は澪ちゃん分をめいっぱい堪能しちゃうよ?」
「―…っ!」
「―…っ!」
澪ちゃんの顔は相変わらず真っ赤。
可愛いなぁと思いつつも、もっと見たいと沸き出る欲求。
可愛いなぁと思いつつも、もっと見たいと沸き出る欲求。
―さて、まずはどうしようか?
楽しさと嬉しさを込めて、私は澪ちゃんに微笑んだ。