ぷーれ視点で語るカービィRTAの歴史とは、ぷーれ本人によって書かれた星のカービィスーパーデラックスRTAの歴史である。
海外走者のNippoに教えてほしいと頼まれたことがきっかけで作成され、およそ7300字に及ぶany%と100%の歴史がまとめられている。
海外走者のNippoに教えてほしいと頼まれたことがきっかけで作成され、およそ7300字に及ぶany%と100%の歴史がまとめられている。
2024年7月現在、ニコニコ(KADOKAWA)への大規模サイバー攻撃の影響で、本文中で引用されているニコニコにある記録動画は閲覧ができない状態にある。
7月12日に出されたニコニコ公式のpost によると、動画やコメントデータは無事なので復旧後には正常に閲覧できる予定である。
7月12日に出されたニコニコ公式のpost によると、動画やコメントデータは無事なので復旧後には正常に閲覧できる予定である。
ぷーれ視点で語るカービィRTAの歴史
※人名についてすべて敬称略としています。予めご了承ください。
■any%
配信履歴を遡ると、ぷーれが初めてSDXを走ったのは2012年の春ごろだった。
まずはany%のRTAから練習を始めた。40分程度で終わるものだったし、100%よりはお手軽だったからだ。当時は40分を切れば早いとされていた時代で、ぷーれが知っている限り、ニコニコでの記録は0xの38:34が最速だった。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm13411911
まずはany%のRTAから練習を始めた。40分程度で終わるものだったし、100%よりはお手軽だったからだ。当時は40分を切れば早いとされていた時代で、ぷーれが知っている限り、ニコニコでの記録は0xの38:34が最速だった。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm13411911
もっと古くは、2006年ごろから記録は残っている。
https://w.atwiki.jp/timeattack/pages/198.html
詳しくは知らないのだが、2chのなんでも実況V板で、IPアドレスを公開し直接接続してもらうことで配信をしていたようだ。0xの名前も載っている。
https://w.atwiki.jp/timeattack/pages/198.html
詳しくは知らないのだが、2chのなんでも実況V板で、IPアドレスを公開し直接接続してもらうことで配信をしていたようだ。0xの名前も載っている。
また、同じ頃、PeerCastによる配信も行われていたようだ。PeerCast配信の歴史は、下記のページが参考になる。
https://note.com/jey_p/n/n4f63404db13c
https://note.com/jey_p/n/n4f63404db13c
PeerCastによる記録集のページもある。
https://wikiwiki.jp/peca/Peercast%20Record/%E6%98%9F%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%A3%20%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9
https://wikiwiki.jp/peca/Peercast%20Record/%E6%98%9F%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%A3%20%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9
2008年にニコニコ生放送が登場してからは、よりRTA配信の勢いが増したのではないだろうか。
ニコニコの記録については、ニコ生RTAWikiでとりまとめられていた。
いまでこそSRCが主流となっているが、当時はRTAの記録といえばニコ生RTAWikiに載せるものという認識だった。
http://niconamarta.sakura.ne.jp/wiki.php?game=%E6%98%9F%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%A3%E3%80%80%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9
ニコニコの記録については、ニコ生RTAWikiでとりまとめられていた。
いまでこそSRCが主流となっているが、当時はRTAの記録といえばニコ生RTAWikiに載せるものという認識だった。
http://niconamarta.sakura.ne.jp/wiki.php?game=%E6%98%9F%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%A3%E3%80%80%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9
ぷーれはニコ生で配信し、ニコ生のルールで走っていた。現在のSRCのルールは、ニコニコのルールをベースに作成されている。
しかし、配信場所によってルールに違いがあった。例えばPeerCastでは最初からリセットは許可されていたようだ。また、any%も全モードをクリアするルールであった。
ニコニコのルールだと、any%はマルクを倒すまでだし、リセットも禁止されていた。本当かどうかわからないが聞いた話では、100%のRTAで、エンディング鑑賞タイムをスキップしたくないためリセット禁止になったらしい。
とはいえ、リセットをすることによって大きく変わるのはエンディングぐらいだったし、any%ではほぼ影響がないものであったのであまり気にしていなかった。今となっては調査も進み、結構大きな差になるのだが。
また、ニコニコでは当時は画面外を通ってのボススキップが禁止されていた。ちょっと信じられない話だが、ミックスができる人とできない人でタイムに大きな差がついてしまうため禁止になったとか。
今となってはミックスをするのが当たり前だが、当時はみんなが使用していたわけではないようだ。ミックスでジェットを出すと、ばくれつジャンプを使って画面外を通るのが非常に簡単になる。なのでミックスを使わない人に不公平になるため禁止、ということらしい。
一応ミックスを使わなくても画面外を通ることはできるのだが、結構な連打が必要になる。
今となってはミックスをするのが当たり前だが、当時はみんなが使用していたわけではないようだ。ミックスでジェットを出すと、ばくれつジャンプを使って画面外を通るのが非常に簡単になる。なのでミックスを使わない人に不公平になるため禁止、ということらしい。
一応ミックスを使わなくても画面外を通ることはできるのだが、結構な連打が必要になる。
ニコニコ黎明期は早さよりも、配信としての面白さを重視していた風潮があり、みんながそこまでストイックではなかったといえるかもしれない。実際、何度も何度もリセットでようやく出した記録は本当の実力ではないとする風潮も一部存在したように思う。
別の話になるが、時代の違いによる面白い話のひとつとして、エミュを使ってなんとキーボードでSDXを走っていた走者もいるらしい。昔はエミュを使用するのは割と普通だった時代だし、それ自体を批判するつもりはないが、キーボードでSDXのRTAを走っていたのは素直にすごいと思う。
ただ、先ほどのPeerCastの記録を見ると、2010年の記録の備考にはすでに「ミックス使用」とある。なのでもちろんミックスを使うルート自体は古くから認識はあったはずだ。
さて、ぷーれが走り始めた後の話に戻すが、2012年の夏には、any%で黒パンが37:29という動画をアップロードしていた。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm18235983
ただし、これはおそらくWiiの星のカービィ 20周年スペシャルコレクションでの記録だ。処理落ちが少なかったり、ボス撃破後の演出が短いなどの違いがある。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm18235983
ただし、これはおそらくWiiの星のカービィ 20周年スペシャルコレクションでの記録だ。処理落ちが少なかったり、ボス撃破後の演出が短いなどの違いがある。
とはいえ、当時この記録に衝撃をうけたものだ。
この時はまだ今と違い、ボススキップは使用しておらず、ダイナブレイドの壁抜けも使用していない。また、洞窟大作戦でウィリーも使用していない。だが、それ以外については当時ほぼ完ぺきに近い走りだと思った。
この時はまだ今と違い、ボススキップは使用しておらず、ダイナブレイドの壁抜けも使用していない。また、洞窟大作戦でウィリーも使用していない。だが、それ以外については当時ほぼ完ぺきに近い走りだと思った。
ぷーれはしばらく40分切りを目標にしていたはずだが、いつ40分を切ったかあまり覚えていない。
また、間で100%にも手を付け、精力的に取り組んでいたが、100%については後述する。
また、間で100%にも手を付け、精力的に取り組んでいたが、100%については後述する。
時が経ち、2014年3月にニコニココミュニティにおいてルール変更について周知された。
いまさらボススキップ禁止にしておく理由がないだろうと、ぷーれと0xで少し話した記憶がある。
https://live.nicovideo.jp/watch/lv172190169
いまさらボススキップ禁止にしておく理由がないだろうと、ぷーれと0xで少し話した記憶がある。
https://live.nicovideo.jp/watch/lv172190169
そこから先はだいたいSRC(Speedrun.com)に載っている通りだ。ぷーれが結構申請をサボっているが。
0x、もやしん、ぷーれ、Celabeatと記録を更新していった。
0x、もやしん、ぷーれ、Celabeatと記録を更新していった。
当時SRCができたばかりで、まだまだニコ生RTAWikiが活発だったが、海外勢からぷーれに相談があり、RTAの記録をSRCに集約しようとしているという話があった。そして、SDXについてはぷーれが取りまとめてくれないかという話だった。
実はこのころ、ニコ生RTAWikiとは別で、Leaderboardsと呼ばれるスプレッドシートがあり、例えばニコ生で配信していない海外勢のRTAの記録なんかは、こちらでとりまとめられていた。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1rKe9c08Ujec3Dw5dUpXrvr7D8n8Nm_Hc0mnfdfct2s4/edit#gid=0
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1rKe9c08Ujec3Dw5dUpXrvr7D8n8Nm_Hc0mnfdfct2s4/edit#gid=0
他のゲーム、たとえばドンキーなどでもニコ生RTAWikiではなく、ドンキー個別のWikiがあり、海外勢含めての記録集はそっちにまとめられているという感じだった。
それらを一挙にまとめてSRCに集約しようぜという動きがあったというわけだ。
それらを一挙にまとめてSRCに集約しようぜという動きがあったというわけだ。
SDXについて、なん実やPeerCastの記録集の存在も把握はしていたが、ニコ生とルールが違うことや、ほとんど更新されていなかったこともあり、基本的にはニコ生RTAWikiの記録をそのまま持っていっている。
それが2014年だか2015年ごろで、SRCでは録画を含めて提出し、モデレーターの承認をもって記録を載せるというフローになっていたため、そのあたりから正確に記録が残っているというわけだ。
2014年5月、もやしんが37:10を達成した。WiiU版での走りであり、ロード差などはあるものの、走り始めてからの成長の早さを感じる記録だった。もやしんが当時中学生であったことも含め衝撃的だった。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm23482718
ちなみに、名前が似ているが同じくSDXを走っているもやしちゃんとは別人である。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm23482718
ちなみに、名前が似ているが同じくSDXを走っているもやしちゃんとは別人である。
ただ、このときはまだダイナブレイドでの壁抜けを使用していない。そこからぷーれが37分切りを目指し、ついに壁抜けを使用するようになって出した記録が同じく2014年5月に出した36:57であった。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm23625786
https://www.nicovideo.jp/watch/sm23625786
とはいえ最初に壁抜けをするようになったのは自分ではなかった気がする。あまり覚えていない。
壁抜け自体はTASによって古くから存在は知られていた。が、難易度の高さから、タイムを突き詰めるようになってようやく使い始めたという感じだ。
壁抜け自体はTASによって古くから存在は知られていた。が、難易度の高さから、タイムを突き詰めるようになってようやく使い始めたという感じだ。
さらにその後自身で更新した記録が2015年6月に出した36:27である。このとき初めて解説動画も作成した。間で36:49という記録も出していたが、最終的に36:30切りを目標にしていた。
https://www.speedrun.com/kss/runs/kz5xxnyr
https://www.speedrun.com/kss/runs/kz5xxnyr
2016年に入るまでは更新されなかったが、海外勢のCelabeat(当時はStupcaという名前だった)が登場し、2016年3月、36:24という記録を出す。
https://www.speedrun.com/kss/runs/oy2pon5z
https://www.speedrun.com/kss/runs/oy2pon5z
だが、当時すでにぷーれは36分0秒台を目標として走っていた。そして、Celabeatが出した翌日には同タイムである36:24を出した。
そのあとさらに36:22を出すのだが、これが当時世界記録だったかは記憶していない。ただ、さらに36分切りを目指して走り、36:02という記録もはさみつつ、ついに出した記録が2016年8月の35:53だ。
https://www.speedrun.com/kss/runs/pzgvqqez
https://www.speedrun.com/kss/runs/pzgvqqez
これは解説動画も作っている。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm29527745
https://www.nicovideo.jp/watch/sm29527745
そこからまたしばらく期間が空くのだが、またもCelabeatによって更新されてしまう。
2017年7月の35:30である。
https://www.speedrun.com/kss/runs/ydq5x5xm
2017年7月の35:30である。
https://www.speedrun.com/kss/runs/ydq5x5xm
これが当時、ぷーれにとっては絶望的な早さだった。全然更新できる気がしなかったものだ。
そこからどうにか更新する方法はないか探した。そして洞窟でウィリーを使うルートにたどり着いた。ただこれは洞窟でのミックスが増えるため、結構しんどかったのだが。
そこからどうにか更新する方法はないか探した。そして洞窟でウィリーを使うルートにたどり着いた。ただこれは洞窟でのミックスが増えるため、結構しんどかったのだが。
35:45を出したり、35:32を出したりして自身の記録を少しずつ更新していたが、2018年5月、先に35:21を出してCelabeatを打ち倒したものがいた。yamayuuだ。
https://www.speedrun.com/kss/runs/z13wg77m
https://www.speedrun.com/kss/runs/z13wg77m
ヨッシーアイランド勢としてAGDQにも出場していたyamayuuだが、高難易度であるヨッシーアイランドのRTAをしていただけあり、圧倒的な操作精度でSDXの歴史に躍り出たのだ。
なんとかぷーれも2018年5月末に35:16という記録を出す。そしてこれがぷーれが最後に出した世界記録だ。
https://www.speedrun.com/kss/runs/yj4jdwgy
https://www.speedrun.com/kss/runs/yj4jdwgy
35:16の解説動画もアップロードしたのだが、わずか1週間後ぐらいの2018年6月、まだ解説動画を作っている最中に、yamayuuが35:15で更新をした。
https://www.speedrun.com/kss/runs/mr8qjqdy
https://www.speedrun.com/kss/runs/mr8qjqdy
その後、yamayuuがさらに自身で更新を重ねたり、彗星のごとくあらわれたYottaが凄まじい勢いで更新をして現在まで王者として君臨したりするのだが、いったんぷーれ視点として今回記す歴史はここまでとしておく。
かいつまんで言えば、初の35分切りはyamayuu、34分切りはYottaである。34分切りなど到底不可能だと思われていた時代から、すごいところまできたものだ。
36:27の動画に「俺は34:05出したぜ」とコメントがあり、当時は何言ってんだこいつと思ったが、もしかしたら彼は本当のことを言っていたのかもしれない。
↓の動画のコメント
https://www.youtube.com/watch?v=zYR4OJqJgRM&list=PLbKSNy0I7jOphMBuNsgkk4FpAzT-UkNP0&index=7
↓の動画のコメント
https://www.youtube.com/watch?v=zYR4OJqJgRM&list=PLbKSNy0I7jOphMBuNsgkk4FpAzT-UkNP0&index=7
yamayuuの34:33からダイナブレイドのジェット壁抜けを使うようになったり、Yottaの33:46から銀河のプラズマスキップを使うようになったあたりが大きな違いといえるだろう。
そして2022年ごろからはリセットありルールも追加された。このあたりはひと悶着あったのだが、100%の歴史で記載する。
ジェット壁抜けは黒パンが見つけてツイートしたもので、当時は大いに盛り上がったものだ。
もちろん、それ以外にも非常に多くの改善点があり、ここに名前が出ていない人も含め数多くの走者による研究が結集されていまの形になっている。たとえば、100%の歴史で改めて語るが、青色によるルート改良はいつも独創的だった。
もちろん、それ以外にも非常に多くの改善点があり、ここに名前が出ていない人も含め数多くの走者による研究が結集されていまの形になっている。たとえば、100%の歴史で改めて語るが、青色によるルート改良はいつも独創的だった。
世界記録こそ出していないものの、ドンキー勢から参戦したみかん(今はわみ)によるルート改良も、相当なものである。yamayuu、Yotta、みかんによって、SDXの記録はほぼ限界まで突き詰められたと言えよう。もちろん、ぷーれもそこに貢献した自負はある。
そのほかにも挙げだすとキリがないが、あえて名前を挙げるとするならば、思い出したかのように動画をアップロードしていた、まさにSDX界の仙人ともいえるioの功績も大きい。
TAS制作も行っており、数多くの解析情報の提供によってSDXのRTAを進化させたまどらも重要な人物の一人だ。
TAS制作も行っており、数多くの解析情報の提供によってSDXのRTAを進化させたまどらも重要な人物の一人だ。
any%の更新は100%の更新とも密接に関わる部分が多く、正確には100%の歴史とも合わせて語る必要があるが、とりあえずここまではany%に絞って記載した。
■100%
100%については、PeerCastのページを見る限り、2010年には1:15:13という記録があるようだ。ただ、これはリセットおよびボススキップが許可されたルールだ。
ちなみにリセットを使用して銀河に願いをのエンディングをスキップすると、ちょうど3分ほどの短縮となる。
ちなみにリセットを使用して銀河に願いをのエンディングをスキップすると、ちょうど3分ほどの短縮となる。
ぷーれがリセット禁止およびボススキップ禁止のニコ生ルールで1時間20分切りを目標にし、2014年1月に出したのが1:19:48だ。ただこれが世界記録だったのかはまったく覚えていない。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm22652964
https://www.nicovideo.jp/watch/sm22652964
その後、2014年3月にany%同様ボススキップが解禁され(リセット禁止はそのまま)、2014年7月、0xが1:15:09という記録を出す。
https://www.speedrun.com/kss/runs/0y6o7qy7
https://www.speedrun.com/kss/runs/0y6o7qy7
同時期、ぷーれは1:15切りを目指し奮闘したものだが、2014年9月、世界で最初に1:15を切ったのは海外勢のIranisだった。1:14:55で、先を越されて悔しかった、という思い出がある。
https://www.speedrun.com/kss/runs/7z0nejm5
https://www.speedrun.com/kss/runs/7z0nejm5
さて100%の歴史を語るうえで欠かせないのが、洞窟のルートの変遷だ。
特に、古代のとうエリア(ウィンドウズを倒した後)はどのように宝をとっていくか、研究に研究が重ねられていった。
特に、古代のとうエリア(ウィンドウズを倒した後)はどのように宝をとっていくか、研究に研究が重ねられていった。
ぷーれが1:19を出したときは、下記のようなルートだった。
①ウィングでウィンドウズを倒す
②古代のとう中央in
③左に進んで道中ストーンにチェンジ、ガメレオ手前まで
④ストーンで水中ブロックを突破して古代のとう右上に進み、『はおうのマント』をとってデスルーラ
⑤ガメレオを倒してジェットにチェンジ
⑥古代のとう中央in
⑦右に進んでハンマーにチェンジ
⑧ハンマーを持ったままエレベータで地下へ
⑨ファイアにチェンジ、水中大砲を着火
②古代のとう中央in
③左に進んで道中ストーンにチェンジ、ガメレオ手前まで
④ストーンで水中ブロックを突破して古代のとう右上に進み、『はおうのマント』をとってデスルーラ
⑤ガメレオを倒してジェットにチェンジ
⑥古代のとう中央in
⑦右に進んでハンマーにチェンジ
⑧ハンマーを持ったままエレベータで地下へ
⑨ファイアにチェンジ、水中大砲を着火
0xの1:15では、⑦でハンマーを取らずデスルーラをし、ミックスでミラーを出していた。⑧のハンマーを持ったままの移動が時間がかかるので、ミックスで短縮したわけだ。
洞窟の中間ぐらいまで進んでミックスが挟まるので、これまた厄介なルートだが、ミックスを目押しせず放置してもミラーになるので、安定をとることも可能だ。
ただ目押しを狙う場合でも、ミラーの隣にハンマーがあり、これでも進むことができるので、どちらかを出せばいいい。
ただ目押しを狙う場合でも、ミラーの隣にハンマーがあり、これでも進むことができるので、どちらかを出せばいいい。
これだけでも画期的だが、さらに⑨のファイアを使わずにミラーのまま進むルートが発見された。そう、先ほど名前を挙げたioが動画をアップロードしたのだ。水中大砲エリアにあるブロックを、逆側から無理やり破壊するワザだ。
https://www.youtube.com/watch?v=NJb13fT9qdg
https://www.youtube.com/watch?v=NJb13fT9qdg
この動画がアップロードされたのが2014年8月で、Iranisが早速このワザを使って2014年9月に1:15切りを達成したというわけだ。そして、なんとミックスも目押しだったのだ。
さて、そんな恐ろしいIranisの記録だったが、1か月後の2014年10月に、なんとかぷーれが1:14:42で更新した。ちなみにミックスはミラーではなくハンマーだった。(もちろんミラーを狙ってのミス)
https://www.nicovideo.jp/watch/sm24757764
https://www.nicovideo.jp/watch/sm24757764
さらに1か月後の2014年11月には、1:14:03を出し、自身で更新した。このときはミラーを出し、さらにミラーでのブロック破壊も一発で成功した。
https://www.speedrun.com/kss/runs/1zx885mx
https://www.speedrun.com/kss/runs/1zx885mx
ここまでくると1:14切りもいけそうということで、シレンRTAや掛け軸なんかもやりつつ引き続き記録更新を狙っていたわけだが、その間に洞窟のルートも大幅に変わっている。
1:14の際は洞窟単体が22:04であったが、区間練習として洞窟単体で22分切りを目指すことにした。そして、2015年の2月に21:59を記録している。
https://www.youtube.com/watch?v=P0A9_cLzg7s&list=PLbKSNy0I7jOphMBuNsgkk4FpAzT-UkNP0&index=8
https://www.youtube.com/watch?v=P0A9_cLzg7s&list=PLbKSNy0I7jOphMBuNsgkk4FpAzT-UkNP0&index=8
ルートは下記のように変わった。⑥と⑨以外は最新のルートと同じである。
①ジェットでウィンドウズを倒す
②古代のとう中央in
③右に進んで『ユニコーンのつの』をとってデスルーラ
④古代のとう中央in
⑤ミックスでジェットを出して、左に進み、ガメレオ倒して『たいようのゆびわ』をとってデスルーラ
⑥プラズマで水中ブロックを破壊して古代のとう右上に進み、シミラを生成、ストーンにチェンジして戻る
⑦古代のとう下in
⑧エレベータをストーンでストーン
⑨ミラーで爆弾ブロックを逆側から破壊
①ジェットでウィンドウズを倒す
②古代のとう中央in
③右に進んで『ユニコーンのつの』をとってデスルーラ
④古代のとう中央in
⑤ミックスでジェットを出して、左に進み、ガメレオ倒して『たいようのゆびわ』をとってデスルーラ
⑥プラズマで水中ブロックを破壊して古代のとう右上に進み、シミラを生成、ストーンにチェンジして戻る
⑦古代のとう下in
⑧エレベータをストーンでストーン
⑨ミラーで爆弾ブロックを逆側から破壊
区間練習を通して1:14切りもそう遠くはないと思っていたところで、1:14切りを先に達成したのはまたもや海外勢であった。
2015年7月にusdepizzaが1:13:56という記録を出したのだ。
https://www.speedrun.com/kss/runs/pm3gl5wz
2015年7月にusdepizzaが1:13:56という記録を出したのだ。
https://www.speedrun.com/kss/runs/pm3gl5wz
この記録の驚くべき点は、ダイナ壁抜けをしていなかった点だ。any%では2014年5月には壁抜けを使用しており、100%もIranisの時点で壁抜けを使っている。ただ、usedpizzaは強制スクロールをカットしていなかった。まだ更新の余裕がある走りだった。
1:14切りを先に達成されはしたが、さらに奮起して1か月後の2015年8月にはぷーれが1:13:35を出して抜き返した。
https://www.speedrun.com/kss/runs/7z069ljz
https://www.speedrun.com/kss/runs/7z069ljz
これも解説動画を作成している。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm29413112
https://www.nicovideo.jp/watch/sm29413112
そして、翌年2016年1月にはAGDQに参加するべくアメリカに乗り込んだ。そこでusedpizzaも含めて4人で100%のレースを行ったのだ。
結果はぷーれが1位で、usedpizzaが2位。直接対決で勝利したのは嬉しかった。ちなみにusedpizzaは負けた悔しさで酒を飲みまくり、相当酔いつぶれていたらしい。
結果はぷーれが1位で、usedpizzaが2位。直接対決で勝利したのは嬉しかった。ちなみにusedpizzaは負けた悔しさで酒を飲みまくり、相当酔いつぶれていたらしい。
そこからはしばらく動きがなかったが、1年以上経過した2016年12月、ついにあの男が1:13:33を出して世界1位になった。そう、青色だ。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm30315119
https://www.nicovideo.jp/watch/sm30315119
この記録では、上述の古代のとうでは、シミラを使用しなくなっているなど細かな違いがある。ミラーブロック破壊は理論値的には早いのだが、タイムがわずかしか変わらないので、難易度的に使用しなくなっていた。ただ、もっと大きな変更としては、はるかぜが最初になりミックスでジェットを狙うようになっている。本来簡単な区間であったはるかぜにもミックスが追加され、また一段と苦しいRTAになっていた。乱数固定なども使用され始めたころだ。
ぷーれもその時は1:13切りを狙って継続的に走っており、青色が記録を出した10日後に1:13:31で抜き返した。10日天下の10をてんと読んで、青色配信のコメントで「てんかてんか」といじられていた。いい意味で。
その後も記録更新を狙い続け、2017年2月についに1:13切りを達成した。1:15切り、1:14切りを先に海外勢に達成されたので、先に1:13を切れたのは非常にうれしかった。精査でギリッギリだったが。
https://www.speedrun.com/kss/runs/1zxrk98z
https://www.speedrun.com/kss/runs/1zxrk98z
これが100%側のぷーれの最後の世界記録だ。
2017年11月に不屈の男、青色が1:12:47を出して更新されることになる。
https://www.speedrun.com/kss/runs/zq69ljxy
2017年11月に不屈の男、青色が1:12:47を出して更新されることになる。
https://www.speedrun.com/kss/runs/zq69ljxy
なお、このときは失敗してしまっていたが、洞窟で『オリハルコン』をとる手前、クラッシュでスイッチを押す代わりに、ミックスでビームを狙っている。青色が常に革新的なワザを取り込んでいた証である。
これも1年以上更新されなかったが、2018年5月にany%で世界をとったyamayuuが2018年12月、100%側でも1:12:37で世界を更新する。これで、yamayuuがany%、100%の2冠となった。
青色も1:12:27で更新するのだが、その翌日に1:12:07でyamayuuが更新という事件もあった。青色が不憫な男だという証である。
その後yamayuuが1:11:43まで更新するのだが、Yottaが1:11:31を出して以降、any%同様にYottaが不動の王者として、記録を更新し続けていくことになる。
それからの大きな節目としては、黒パンが発見したジェット壁抜けの応用である、ニンジャ壁抜けを初めて使用したのが1:11:04である。
そのまま1:11切りを達成するだけでなく、そのころ見つかった銀河のアクアリス壁抜けも用いて記録を伸ばし続け、ついには1:09:56を出し、人類初にして唯一のリセットなし1:10切りを成し遂げた。これが2019年11月ごろだ。
同じころ、とある大事件が発生した。リセットなしで銀河に願いをのエンディングがスキップできることが判明したのだ。これによって3分ほど短縮できることになる。(安定させるのは難しいが)
https://twitter.com/WaddleDX/status/1194570502339039232
https://twitter.com/WaddleDX/status/1194570502339039232
本来はエンディング鑑賞のためリセット禁止となっていたのだが、これでは何のためのリセット禁止かわからなくなっていた。
そもそも、リセット禁止ルールも、早くなるのであればなんでもするべきという昨今の風潮に逆らっていたし、いまさら禁止する必要もないのではと考えた。そこで走者に意見を募り、議論を重ねた。もちろん過去の記録とルールが異なり、ルートも大幅に変わるので安易にリセットを許可するべきではないという意見もあり、簡単にはまとまらなかった。
そもそも、リセット禁止ルールも、早くなるのであればなんでもするべきという昨今の風潮に逆らっていたし、いまさら禁止する必要もないのではと考えた。そこで走者に意見を募り、議論を重ねた。もちろん過去の記録とルールが異なり、ルートも大幅に変わるので安易にリセットを許可するべきではないという意見もあり、簡単にはまとまらなかった。
結論として、中立案の採用となり、リセットありかなしかを記録の備考に書くことになった。
そしてこのときからany%も100%もリセットありで新たにルートが開拓されていった。SDXはリセットすると乱数も初期化される。リセットを活用することでメタナイトの最初や、銀河のバトルウィンドウズ、さらにはマルク戦まで乱数調整が研究されていった。
細かい点を挙げればほかにも多くの更新点があるが割愛する。カービィシリーズRTAのDiscordにSDX用のチャンネルがあり、そこでみなが更新案を出し合っていた。ぷーれの個人Discordでも同様だ。
長くなってしまったが、以上で終わりとする。記録の上だけでは単純に伝わらない歴史があったことを感じていただければ幸いである。