概要
戦闘に至るまでの背景
鉄の鎧兵を発掘した
リグライナ帝国は、その軍事力を背景に、1480年頃から周辺諸国に同時侵略をはじめた。
同時に複数の国を敵にまわすという本来ならば避けるべき軍事行為を平然と行えるほど、
鉄の鎧兵の力は凄まじく、事実
リグライナ帝国は、苦戦する戦いこそあったが、敗北知らずで周辺諸国を併合していた。
この一連の進軍は、皇帝
ガルバードが、
双臥の教えである国家統一論に心酔して、小国の乱立ではなく、巨大な一国を作り上げてこそ平和が維持できると信じていた為である。
北方の国をある程度併合した
リグライナ帝国は、続いて本格的な南方侵攻をはじめた。
この南方遠征において、最大の目的は、大国
レイド国との勝敗をつけるための地盤堅めであり、国というより集落に近い
牙の国をはじめとする周辺の小国は次々と制圧された。
本来なら、
レイド国攻略は周辺地域の制圧が終わるまでは回避したかった
リグライナ帝国であったが、これらの侵略を看過できない
レイド国側から迎撃の軍勢が出陣したため、急遽
キリカを総指揮官とした迎撃の部隊が編成された。
ただし、
リグライナ帝国は、
鉄の鎧兵に相当の自信があったのか、このまま
レイド国との決戦になだれ込んでもいいと考えていた節があり、
キリカにとっては予想外というより、想定内の行動でもあった。
唯一想定外のことがあったとすれば、目先の手柄に焦った
レッドリバナが、周囲の他の将軍を扇動して、独自に
レイド国への侵攻をはじめたことであった。
こうして両国は、想定内と、想定外の状況を含みながら、冬のアッシリア草原にて対陣、アッシリアの戦いが勃発するが、この時
レイド国には、
牙の国から脱出した
封牙舞、
封牙刹那姉妹も、客将として身を置いていた。
両軍の戦力
戦闘経緯
リグライナ帝国軍の将軍
レッドリバナは、これまで辺境の地の集落平定くらいしか任されなかったこともあり、周囲の部隊を扇動して
レイド国に接近、敵側から手を出させて、開戦の口実とし、勝利を収めて自分の力を内外に轟かせようと考えていた。
しかし、
レイド国の国境守備部隊が動くだけだろうと思っていた
レッドリバナの前に、本格的な開戦を決意した
レイド国の主力部隊が到着。
想像を超える大軍と対陣し、はやくも
レッドリバナの目論見は大きく崩れていた。
戦場で手柄をあげれば、独断で行ったこの行動も許されると思っていたが、このままでは無様な敗北と軍規による処断が待っていると焦った
レッドリバナは、夜のうちにひそかに出陣しての奇襲を画策した。
だが、客将の
封牙舞は、敵陣の炊事の煙がいつもより多いことから、先陣が本隊の到着を待たずに仕掛けてくると看破する。
この意見を聞いた老将
カルザークは、軍勢を伏せ、
レッドリバナ軍が進軍してきた後、退路を絶って完全包囲、先陣を壊滅させた。
レッドリバナ部隊は壊滅し、彼自身はかろうじて戦場から脱出。
しかし、勝利の余韻に浸る間もなく、続いて到着した
キリカ率いる
リグライナ帝国本隊には、
鉄の鎧兵である
プロトノヴァが実戦配備されていた。
感情を持たず、完全に破壊されるまでは痛みも感じないこの無言の鉄兵が夜襲を仕掛け、初戦の勝利に沸く
レイド国軍を一瞬にして恐怖の坩堝へと叩き落した。
本隊は瓦解し、撤退する仲間を援護するため前線に残った
ガルバラは戦死、
封牙舞、
封牙刹那は戦場より離脱、そして、若き頃より
レイド国に数多くの勝利をもたらした老将
カルザークは、高齢をおしての出陣もたたって、撤退の途中に吐血、そのまま帰らぬ人となった。
戦いの結末
レイド国は、これ以後侵略する帝国軍に対して防戦一方となる。
鉄の鎧兵が行動できない山岳地等を利用して、ある程度の時間稼ぎには成功するものの、
キリカの知略によって拠点は次々と陥落し、1484年に首都が陥落、国王
クルセイアの処刑をもって
リグライナ帝国に一時併合される。
最終更新:2024年08月06日 17:38