概要

カオスクラウンとは、ラドリザンクルーディア帝国に伝わる王冠。
所有者は歴代の皇帝となっているが、儀式のとき以外は宝物殿にて代々神官が守っている。

ラドリザン6885年、ファルスは、本来なら帝位を継ぐ者ではなかったが、兄を毒殺して皇帝の地位を手に入れた。
その事実を知った神官は、皇帝の証であるカオスクラウンをファルスに継承することを拒否、これに対してファルスは権力で強引に神官の娘アルディナを皇后に迎える。

盛大な婚儀が行われ、事情をしらない民衆たちは「皇帝と神官の一族がこの婚儀により固い絆で結ばれ、近いうちにカオスクラウンがファルスに戴冠される」と思っていたが、事実を知る者からすれば、アルディナは権力と暴力で無理やり奪われた人質であった。

しかし、皇后アルディナは、ファルスの内に眠る残虐性に気付き、この男の帝位を認めるのは危険すぎると、単身カオスクラウンを持って帝都から逃げ出した。
国境でアルディナが捕らえられた時、カオスクラウンは既に従者によって別の場所に移っていた。
カオスクラウンの場所を吐かせようとしたファルスだが、アルディナは一切口を割らず、怒ったファルスによって殺害された。

アルディナが必死に守ったカオスクラウンだが、従者が山賊に襲われたことからその後完全に行方不明となる。

ファルスは、結局カオスクラウンの戴冠式を行うことができず、更に皇后の突然の死(世間には病死として発表された)が重なり、これを不審に思った民衆も少なからずいたが、年月が経つ間にそれらのことも風化していった。

しかし、グラスシードが、山賊退治の戦利品として偶然カオスクラウンを手に入れる。
彼自身もそれが意味のある冠だとは知らず、後に捕虜となったセリカの安全を確保するため、賄賂としてカスターに渡してしまう。
これがフェリサスの手に渡り、彼の帝位簒奪に図らずも力を貸してしまう要因の一つとなる。

ラドリザン6894年、フェリサスによるクーデターの直後に発生したカオスクラウンの戦いにおいて、ラディナが命がけでカオスクラウンを奪取、ケルカ皇太子を連れてグラスシード陣営に持ち帰る。

このことから、グラスシードは大義名分を得てフェリサスを討ち、その後グラスシードの帝位継承式で戴冠され、長い時を経て再び皇帝の証として本来の姿に戻ることとなった。


関連項目



最終更新:2024年07月11日 03:08