概要
戦闘に至るまでの背景
▲3325年前後の勢力図
アトレティア国は、
ダルスバード艦隊の圧倒的戦力を背景に、世界の各地に自国の部隊を駐屯させていた。
部隊が駐屯されていた各国は、一応独立した国ではあったが、実際は
アトレティア国の属国に近い存在となっていた。
こうして、
モルコア国の独立と、駐屯する
ゲルジュ部隊の駆逐を目的とした戦いが幕を開けることとなる。
なお、大軍勢を派遣する拠点確保のため、国境で数百人規模の名もなき小競り合いがあったが、その戦いで父を
サウラ打ち取られた
セルカティーナは復讐を誓い、彼女が歴史の表舞台に立つきっかけとなっていた。
両軍の戦力
戦闘経緯
サウラと
ゲルジュは、互いにまだ若かった頃、一人の戦士として戦場で何度も衝突している。
やがて時は流れ、互いの立場は「指揮官」にまで上り詰め、ここに数年ぶりの再戦を行うこととなった。
両軍の艦隊の一斉射と同時に幕を開けた決戦は、同時に地上戦の開始の合図ともなる。
艦隊戦で勝利すれば、地上部隊支援に専念できるため、艦隊はなるべく早急かつ軽微な損害で勝利することを目指さなければならないが、それは両軍共通のことであり、必ずしも理想が現実のものになるわけではなかった。
艦隊決戦は、
アーズ国第1艦隊が
ゲルジュ艦隊に突撃、これを
ゲルジュ艦隊が半月の陣形で半包囲しようとするが、それこそが第1艦隊軍師
サルファーの策であり、この突撃はあくまでも演技で、艦隊は防御に徹し、その間に第2艦隊を密かに大きく迂回させて、
ゲルジュ艦隊の背後を取るべく動かしていた。
地上の戦いにおいては、
サウラが
ベルマを討ち取り、
ムガ部隊も背走、そのまま一気に全軍を押し上げようとするが、
アーズ国軍も
ファルケ部隊が半壊して後退、戦線を維持できなくなり、側面からの攻撃を警戒して、
サウラ、
トウリョは敵陣に踏み込めず、防御を固める。
アーズ国第1艦隊は、突撃を繰り返していたが、それは演技であり、実際は防御に徹していた為、半包囲された状態にしては軽微であったものの、それでも損害を蓄積させていた。
しかし、第2艦隊の隠密行動による移動が形となって現れ、
ゲルジュ艦隊の背後に出現、一斉射を開始する。
完全に挟撃された
ゲルジュ艦隊は混乱状態となり、それまで第1艦隊にあたえた損害を倍返しされる形となる。
ゲルジュは全軍の撤退を命じ、これに呼応して地上部隊も下がり、殿軍を勤めた
ガバゼが戦死する。
戦いの結末
ダルスバード艦隊は、海水の塩気を受けると動力である水晶から魔力が漏洩するという弱点をもち、海を横断することはできない。
そのため、孤立していた
ゲルジュにとってこの場合の撤退とは、
アトレティア国までの大きな後退を意味し、敵地である
セロナバルス国を突破しなければならなかった。
この突破戦で、
セロナバルス艦隊の追撃によって多大な損害を出しながらかろうじて脱出に成功した
ゲルジュであったが、
ガザデルーに招集され、艦隊を没収され、一兵卒への降格が命じられる。
しかも、兵卒としての配属先は、手柄を争っていたライバルの
ジェルダー部隊という屈辱的な結末を迎える事となる。
また、半壊した彼の艦隊は、
ガザデルー直属の部下である
ガジャが引き継ぐ形となった。
最終更新:2024年08月10日 16:05