基本情報
- 名前 セルカティーナ・レドッソ
- 生没 ザールック (3306~3331)
- 出身 辺境の小国カウト
- 種族 魔族
- 性別 女
略歴
アーズ国付近に領土を持っていた小国(当時各地に存在していた、自治領レベルの規模)カウトの貧乏貴族の娘。
言葉使いは誰に対しても丁寧で、物静かな少女の風貌をしているが、胸に秘めた智謀と鎌を自在に操る剣術は天才的といってもよく、二物を兼ね備えた才女として知られた。
実質的な戦力をもたないセルカティーナは、
アトレティア国に流れ着き、
ジルダーに才能を認められて客将となる。
そこで、残された僅かな私財の全てを投げ打って兵を雇い
マドリアル攻略に参加を願い出ると、当時難攻不落と言われていた
マドリアル国を少数の兵士による奇襲をもって陥落させる。
この戦功によって、
ジルダーから領地と新造された
ダルスバード艦隊を授かることとなった。
アーズ国軍が
第二次リゼルバ攻略戦において、最重要拠点である
リゼルバを陥落させたという報告を聞いたセルカティーナは、動ずることなく自らの艦隊で
ソート、
イントス、
レイアルの三国を縦に割る電光石火の進軍を成し遂げる。
この作戦の意図は、
アーズ国が進軍の拠点となっていた
リゼルバを奪うことで、様々な進軍コースを手に入れたのを、
リゼルバ経由以外のルートを一瞬にして封じ込めることであり、相対的に
リゼルバを奪った事自体の重要性を下げてしまうという遠大な作戦であった。
ただし、この作戦はセルカティーナの独断であり、彼女の兵力では三国を制圧することはできない為、「後方に大部隊が控えている」と思わせるはったりでもあった。
ガザデルーを中心とした
アトレティア国の主力部隊が彼女に力を貸さなかったため、この戦略は時間経過と共に自然消滅していくが、それでもその効果が消えないうちに
ラッツヘルトの戦いを起こして大勝、更に共同作戦をとった
ロンドの兵力を吸収し、大勢力へと上り詰める。
地盤を更に強化するべくセルカティーナは進軍を続けるが、そこに
アーズ国から
サウラと
サルファーが使者として彼女の元を訪れる。
アーズ国に伝わる「紺碧の宝玉」を差し出す代わりに撤兵を求める
アーズ国だが、彼らの狙いは交渉と見せかけて、セルカティーナにナイフを突きつけ、強引に撤退の書状にサインをさせ、その上で当初の交渉にあった交「紺碧の宝玉」を置いて去っていくことであった。
脅されて結ばれた停戦など無視するべきという配下の声を制して、セルカティーナは「
アーズ国は約束した「紺碧の宝玉」を置いていった。私が停戦を破れば、世間には宝玉を受け取った上で一方的に約束を破ったと言われる」と、いかなる手段であっても交わされた約束は必ず守らなければならないと撤退した。
これは、彼女の性格を熟知した
サルファーの策略であったが、この時セルカティーナは初めて
サウラと至近距離で会話を交わし、彼に対して更なる興味を抱く事となる。
この
アトレティア内乱に関しては、どの勢力にも一切手を貸さなかったが、内乱を制した
ガザデルーは、自らの独裁政権を作る為に適当な理由を作りセルカティーナから艦隊と兵権を奪い、隠居を命じる。
結局、内乱に巻き込まれた形となった彼女は、
アーズ国軍との最大の決戦である
ルクフェルの戦い直前に戦力増強のため
ガザデルー呼び戻され、何の為に出陣するのかもわからないまま参陣。
サウラと最後の戦いを演じた後、
ガザデルー軍の敗走によって辺境の砦にまで撤退する。
降伏を促すため単身で説得にきた
サウラに、復讐からはじまり、恋慕に到達した自らの想いを告げると、兵と部下のみを託して、初恋の相手である
サウラの目の前で自害した。
人物
- サウラを父の仇と狙っていたが、停戦交渉時の直接対面から、その行動力と天真爛漫にも近い性格に魅せられ、敵対する陣営にいながら、サウラに惹かれ、尊敬すらする様になっていた。
- 自身を拾ってくれたとはいえ、アトレティア国に対して殉じるほどの義理はなかった。にも関わらずサウラから差し出された手を拒絶した理由についてはいくつかの説があるが、「父に溺愛されて育てられた彼女にとって、父の仇と今後仲良くすることは、父を裏切っているみたいで耐えられなかった」という説が最も支持されている。
- フレイミスト国を寝返らせた決め手となった言葉は、「アーズ国は、先日の神器衆処刑騒動でまさにいつ分裂してもおかしくない状態。これではいつ折れるか判らない切れ目だらけの木材で作られた椅子に座っている様なものです。アーズ国が折れれば、ビーストバリア、モルコアはアーズの支援なくして自力で勢力は保てません、リグライナ、ヴィッツは強国ですが、他国と連動することを嫌い孤立しています。ソート、イントス、レイアルに関しても圧倒的物量で降伏は時間の問題となりましょう。 そしてアーズ国は戦えば戦うほど疲弊しているのに対して、アトレティア国軍は戦うごとに新たな領土と戦力を増やしています。リゼルバ陥落も局地戦の出来事となり、視野を広げれば大局的には最終的にアトレティア国軍が勝利するのは自明の理なのです」であったが、これは、当時リョウが密かに考えていたことと一致している。
関連項目
最終更新:2024年07月03日 01:10