概要

フォルッカの戦いとは、ザールック3325年5月、ビーストバリア国と、アトレティア国軍鬼龍軍との間で起きた戦いである。


戦闘に至るまでの背景


▲3325年前後の勢力図

アーズ国王クラウチルの病死は、同盟国であるビーストバリア国にとっても予想外の出来事であった。
モルコアの戦いに大勝を収めた状態で国王の座についたアルスレーナは、アーズ国こそが絶対の大国と自負しており、ビーストバリア国を同列の同盟国というより、格下の属国と見ていた。
このことから、それまで順調であった二国の間に、ほんの僅かなすれ違いが存在していたが、両国の硬い同盟関係そのものはいまだ持続されていた。

この頃ビーストバリア国は、同族でありながら、アトレティア国に寝返った鬼龍一派と、国内を二分する戦いを繰り広げていた。
ビーストバリア国は国力が豊かとは言えず、彼らの基本的姿勢は防御に徹し、損害を与えつつ好機を見て反撃に転じるというものであったが、現実としては防衛戦闘においても与えた損害とほぼ同数の被害を受けており、迎撃成功で満足するのが精一杯であり、次のステップに移ることができないまま長年の攻防戦を続けていた。

鬼龍部隊は、ビーストバリア国中央部への進軍を開始するが、これをいち早く察知したビーストバリア国軍は、すばやく部隊を展開した。
このあまりにも早い進軍察知は、民間企業のコルディアによる情報が大きかった。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

アトレティア国軍 鬼龍軍
軍勢
ビーストバリア国軍
総兵力48000 兵力 総兵力40000
鬼龍 総指揮 霊虎
軍師
主要参戦者

鬼龍

飛翔

翡翠

ウェンディ

ガイラ

霊虎

黒狼

火龍

青龍


戦闘経緯


コルディアから情報を買っていたビーストバリア国軍は、鬼龍部隊が国境を越えるより前に迎撃の布陣を終え、更に奇襲の準備にとりかかるが、これは察知され失敗に終わる。
それでも、有利な地形での戦いに持ち込めただけ、兵力で劣りながらビーストバリア国軍の方が優位ではあった。

相手を包囲することで兵数の少なさをカバーしたビーストバリア国軍は、この戦いでも守備に徹し、ついに国境を守りきることに成功する。
気勢を制され、戦意を喪失した鬼龍軍と、奇襲が失敗に終わったビーストバリア国軍は、共に勝つ戦いより、負けない戦いに徹したこともあり、双方共に軽傷の損害のみで撤退することとなった。


戦いの結末

ビーストバリア国軍は、国境防衛と、軽微な損害に意気揚々と帰還するが、アーズ国のアルスレーナから「そのまま鬼龍部隊を追撃せよ」との書状を受け取り愕然となった。
これは明らかな内政干渉、というよりもはや命令書であり、既にアーズ国は自分たちを配下として扱っているのではないか……そんな疑念が一気に国内で巨大化していくこととなる。
後に、この書状は、自分の商売のために常に各国の間に火種を用意しておきたいコルディアが、使者を買収して行ったこだということが発覚するが、この時代、アルスレーナならそれを言ってもおかしくない、という共通の認識があったことの裏づけでもある。

なお、同じ理由でコルディアは、ビーストバリア国に情報を売った直後に、鬼龍軍にビーストバリア軍が奇襲を仕掛けようとしているという情報を売り、どちらかの軍が一方的な勝利にならないように、戦果を調整していた。


最終更新:2024年08月10日 01:25