概要
戦闘に至るまでの背景
▲3325年前後の勢力図
アーズ国王
クラウチルの病死は、同盟国である
ビーストバリア国にとっても予想外の出来事であった。
モルコアの戦いに大勝を収めた状態で国王の座についた
アルスレーナは、
アーズ国こそが絶対の大国と自負しており、
ビーストバリア国を同列の同盟国というより、格下の属国と見ていた。
このことから、それまで順調であった二国の間に、ほんの僅かなすれ違いが存在していたが、両国の硬い同盟関係そのものはいまだ持続されていた。
この頃
ビーストバリア国は、同族でありながら、
アトレティア国に寝返った
鬼龍一派と、国内を二分する戦いを繰り広げていた。
ビーストバリア国は国力が豊かとは言えず、彼らの基本的姿勢は防御に徹し、損害を与えつつ好機を見て反撃に転じるというものであったが、現実としては防衛戦闘においても与えた損害とほぼ同数の被害を受けており、迎撃成功で満足するのが精一杯であり、次のステップに移ることができないまま長年の攻防戦を続けていた。
両軍の戦力
戦闘経緯
コルディアから情報を買っていた
ビーストバリア国軍は、
鬼龍部隊が国境を越えるより前に迎撃の布陣を終え、更に奇襲の準備にとりかかるが、これは察知され失敗に終わる。
それでも、有利な地形での戦いに持ち込めただけ、兵力で劣りながら
ビーストバリア国軍の方が優位ではあった。
相手を包囲することで兵数の少なさをカバーした
ビーストバリア国軍は、この戦いでも守備に徹し、ついに国境を守りきることに成功する。
気勢を制され、戦意を喪失した
鬼龍軍と、奇襲が失敗に終わった
ビーストバリア国軍は、共に勝つ戦いより、負けない戦いに徹したこともあり、双方共に軽傷の損害のみで撤退することとなった。
戦いの結末
ビーストバリア国軍は、国境防衛と、軽微な損害に意気揚々と帰還するが、
アーズ国の
アルスレーナから「そのまま
鬼龍部隊を追撃せよ」との書状を受け取り愕然となった。
これは明らかな内政干渉、というよりもはや命令書であり、既に
アーズ国は自分たちを配下として扱っているのではないか……そんな疑念が一気に国内で巨大化していくこととなる。
後に、この書状は、自分の商売のために常に各国の間に火種を用意しておきたい
コルディアが、使者を買収して行ったこだということが発覚するが、この時代、
アルスレーナならそれを言ってもおかしくない、という共通の認識があったことの裏づけでもある。
最終更新:2024年08月10日 01:25