73系電車は、1974年に登場した新都環状鉄道の通勤形電車。1979年の新都環状鉄道などの合併に伴い、塔野高速鉄道に承継された。
| 塔野高速鉄道74系電車 | |
| 基本情報 | |
| 運用者 | 塔野高速鉄道 |
| 製造所 | 船橋重工業豊崎工場・赤穂工場 |
| 製造年 | 1969年(FX系として)〜75年 |
| 製造両数 | 300両 |
| 運用開始 | 1974年3月16日 |
| 運用終了 | 2015年11月21日 |
| 主要諸元 | |
| 軌間 | 1,067mm |
| 電気方式 | 直流1500V(架空電車線方式) |
| 最高運転速度 | 85km/h |
| 設計最高速度 | 85km/h |
| 起動加速度 | 3.3km/h/s |
| 減速度 | 4.2km/h/s(常用) 5.0km/h/s(非常) |
| 車両定員 | 本文参照 |
| 全長 | 20,000mm |
| 自重 | Mc1車,Mc2車:37.2t M1車:36.6t M2車:36.2t T車:30.0t |
| 全幅 | 2,800mm |
| 全高 | 4,050mm |
| 床面高さ | 1,150mm |
| 台車 | 軸ばね式インダイレクトマウント空気ばね台車 電動車:FHB-711系 付随車:FHB-710系 |
| 主電動機 | 直流直巻電動機 FEI-M71 |
| 主電動機出力 | 150kW |
| 駆動方式 | TD継手式中実軸平行カルダン方式 |
| 歯車比 | 87:16(5.44) |
| 制御装置 | 電機子チョッパ制御 |
| 制動装置 | 回生併用電気指令式空気ブレーキ(ATC連動) |
| 保安装置 | 本文参照 |
概要
ステンレス鋼製の無塗装車体、制御方式として電機子チョッパ制御による回生ブレーキの適用、電気指令式ブレーキといった当時の最新技術を積極的に採用し、「新技術の導入・車体の軽量化・保守の簡易化」「20世紀の終わりまでは通用する」設計コンセプトとした。1969年から1975年にかけて10両編成30本の合計300両が製造された。
車両概説
1次試作車(1969年)
- 車体など
1969年1月、世界初のサイリスタチョッパ制御の実用化を図るために試作車2両編成2本が製造された。製造は船橋重工業豊崎工場が行い、鉄道事業者への引き渡しはされず重工業からの貸与扱いとした。この時点では「FX系」(Funabashi-eXperimental)と呼ばれており、量産車での仕様検討のために2編成が異なる仕様で設計された。
| ◇ ◇ | ||
| FX000(Mc1) | FX000(Mc2) | |
| A-CHOP | SIV/CP | |
| 第1編成 | FX001 | FX002 |
| 第2編成 | FX011 | FX012 |
前面は63系の後期製造車から引き継いだ中央貫通扉・高運転台とし、灯具類は窓下の腰板部に配置した。前面中央部には行先表示機、左側には運行番号表示機を設置した。他系列への設計流用を視野に入れ、右側には種別表示機を準備工事している。表示機類はいずれも電動式で、側面のものと連動する。
正面にのみ識別帯を纏っている。当初は船橋重工業の社色である緑色の帯とした。
車体は63系と同様の20m級・4扉であるが、扉間隔を3,640mmに広げている。
台車は63系後期車と同様S形ミンデン式(片側板バネ式)のインダイレクトマウント台車で、新規形式のFHB-681X系が起こされた。基礎ブレーキ方式の違いにより第1編成ではディスクブレーキ式のFHB-681X1、第2編成は片押し踏面ブレーキ式のFHB-681X2を履く。
主電動機は第1編成に59・63系のものとほぼ同一の定格出力120kWのFEI-M58X5、第2編成には定格出力150kWの新規形式FEI-MX68を搭載。歯車比は双方とも87:16(5.44)としたが、第2編成には新たに開発したTD継手による中実軸平行カルダン駆動方式を採用。これにより電動機の枕木方向の寸法を大きく取り、高出力の電動機を搭載することを可能とした。
補助電源装置は第1編成に新開発の静止型インバータ(SIV)を搭載、第2編成は従来型の電動発電機(MG)とした。いずれも冷房装置の稼働を想定し、自車含め4両分の給電能力を持つ。
ブレーキ装置には回生ブレーキ併用の電気指令式空気ブレーキであるFBS-68Xを採用した。伝送形式は第1編成では伝送線3本+非常1本のデジタル7段制動、第2編成は制御段数こそ同じく7段であるが伝送線は1本+非常1本のみで、電流量によりブレーキ段数を調整するアナログ伝送方式とした。主幹制御器には各先頭車ごとに異なる方式を採用、新機軸のワンハンドルマスコンの比較検討用とした。
| 車号 | 主幹制御器方式 |
| FX001 | 横軸ワンハンドルマスコン(手前で力行、奥で制動) |
| FX002 | ツーハンドルマスコン(マスコンは横軸、ブレーキは縦軸) |
| FX011 | 横軸ワンハンドルマスコン(手前で力行、奥で制動) |
| FX012 | 縦軸ワンハンドルマスコン(左側で力行、右側で制動) |
- チョッパ制御装置
制御装置は逆阻止サイリスタを用いた電機子チョッパ制御で、FX001号には二相二重チョッパ装置(各相120Hz、合成周波数240Hz)、FX011号には二相二重二群チョッパ装置(各相200Hz、合成周波数800Hz)を搭載した。いずれの制御装置も電動機8基の制御が可能である。第1編成は電動機が定格速度の低い抵抗制御用のものであるため、第2編成の方が回生ブレーキの使用速度域は広い。試験中にチョッパ制御は高い粘着性能が発見され、量産車の編成である6M4Tで起動加速度を設計時の2.8km/h/sより3.3km/h/sに向上させることが可能であると判明した。
- 車内設備など
車内配色は天井を白色、側面は明るい緑色、床敷物は濃い灰色とした。座席モケットは青色で、扉間8人掛け・車端部3人掛けに区分するため当初は一部区画に区分柄付きのモケットを張っていた。また新しい試みとして座席横の袖仕切りを金属パイプから化粧板を貼った板状のものとした。
冷房装置は集中分散式のFEI-RCU68X形(冷房能力14,000kcal/h)を1両あたり3基搭載する。