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熱いだけじゃ生き残れない ◆MoMtB45b5k
「――なっ?」
「――は!?」
「嘘だろ!?」
エドワードが、
ウェイブが、杏子が、驚きの声を上げる。
動き出した世界で、彼らを待っていた光景。
「グ……ゴ……ォ……」
それは、首から上を失い、仁王立ちする
DIO。
そしてその傍らでもがき苦しむ、見覚えのある化け物――後藤。
意味が、全く分からない。
美琴の超電磁砲は効いたということなのか?
なぜ後藤がここにいるのか?
「ガァァァァァァァ!!!!!!」
その疑問に、答えが出るより先に。
怪物は、この場の誰も眼中にないかのごとく、あらぬ方向に走り去った。
追えばよいのか。
留まるべきか。
誰かが、その場の判断を下すより早く。
DIOの体が、がくりと膝をつく前に。
ブラッドレイと戦っていたはずのイリヤの手が、さっと振り上げられた。
その手には、何かが握られていた。
――時計?
戦場には不釣り合いなそれに、誰もが一瞬、戸惑い――
「爆弾だ!」
戦闘で爆弾を用いる仲間がいる杏子が、真っ先に気付いた。
その声に、エドワードは壁を錬成し、他の面々も防御の姿勢をとった。
「くっ!」
すぐに、爆風が全員を襲う。
「みんな、無事――」
杏子は防御障壁を展開したまま、後ろへ視線を送り――
次にイリヤの方を見て、顔色を変えた。
そのステッキの先端には、凄まじい光が集約されつつあった。
爆弾は、フェイント。
本命は、特大の光弾――
次の瞬間、前の爆弾を遥かに上回る光と熱が、集団を包み込んだ。
∫
「おい! しっかりしろ! おい!」
「……
佐倉杏子、それと鎧は壊れたようだが、ウェイブは気絶しているだけだ。だが、こちらは――」
傷を負いながらも、あくまで冷静な
田村玲子が、子供のほうを見やる。
「――セリム……!」
「バカ、野郎……なんで……」
エドワードは、はっきりと見ていた。
光弾が発射された瞬間。
セリムは、光弾が作り出した影を、相殺せんとその光弾にぶつけていた。
だが、その影は、しょせんは一瞬でしかない。
光弾の熱量の全てを防ぎきることは、とうてい不可能だった。
「自分だけ、守ることだって、できただろ……」
エドワードが、声を絞り出す。
影の力を自分だけに纏わせれば、身を守ることは可能だった。
自分以外でも、『人柱』のエドワードだけならば、守ることも不可能ではなかっただろう。
――だがセリムは、そのどちらも選ばなかった。
その結果として、ダメージの蓄積された体に衝撃を浴び、今のこの光景がある。
「『人柱』のあなたは生きています。……まあ、それでよい、ということでしょう」
「よくねえ!」
エドワードが怒声を上げる。
「っ、大総統の、夫人に、何て言えばいいんだよ……」
「夫人ですか――」
エドワードの言葉に、セリムはかすかに考え込むそぶりを見せる。
「……あれに残す言葉などありません」
その言葉に、エドワードは顔を上げる。
「あれは私の弟が伴侶として、また私の母として、選んだ女です。
私たちの間に言葉は必要ありません。
……もっとも、この場では私たちは見捨てられたようですから、人造人間(ホムンクルス)としては、もう――」
セリムに明確な言葉が紡げたのは、そこまでだった。
エドワードが何か問いかけてくるが、その言葉も意識に入ってはこない。
あの時なぜとっさに、全員を守ることを選んだのだろうか。
考えてもその答えは出てこないし、考えている時間もない。
ただセリムの脳裏には、自分と同じように誰かを守って死んだ1人の少女と、1人の男の顔が浮かんでいた。
「ああ……」
曖昧になる意識の中で、
星空凛と
プロデューサーの顔が混ざり合った。
やがてその顔は、偽りであるはずの、母の顔を形作った。
「そうか……マ……マ……」
欲した答えは最後まで得られないまま。しかし何かの確信を最後に掴んで。
首輪のみを生きた証として残し、はじまりの人造人間(ホムンクルス)はその長い生涯に終止符を打った。
∫
『――申し訳ありません、エドワード様』
僅かな間の沈黙を破ったのは、サファイアの声だった。
「っ、サファイア!?」
倒れている杏子の手から、エドワードはサファイアをひったくる。
見ると、サファイアの先端の六芒星には亀裂が走り、持ち手の部分にも無数のヒビが見え、発するその光は弱弱しく点滅していた。
『私もどうやら、ここまでのようです』
殺し合いが始まってからの戦いに加え、DIO、そしてイリヤとの連戦。
それは使い手のみならず、サファイア自身にも確実にダメージを与えていた。
それが、先ほどのイリヤの攻撃を防御障壁で防いだ時に、ついに限界に達した。
「――くっ、そぉっ……」
『どうか自分をお責めにならないで下さい。
――このような場所で、良い仲間に恵まれ、わたしは幸運でした』
「――っ」
『佐倉様、ウェイブ様には、どうかそうお伝えください。
最後に……イリヤ様を、どう、か……』
そして、ゼルレッチの双子の片割れの魔術礼装が一つ、カレイドステッキ・マジカルサファイアは、光を消した。
∫
「――行くぜ」
セリムの首輪と壊れたサファイアを交互に見つめていたエドワードが、突然立ち上がった。
「どこに行く気だ?」
性急な様子に、田村玲子が呼び止める。
「決まってるだろ、御坂のやつを止めに行くんだよ」
ここで足を止めるわけにはいかない。
そうしなければ、セリムとサファイアの死が無駄になってしまう。
それに、セリムが最後に言っていた「自分たちが見捨てられた」という言葉も気にかかる。
「さっきは一緒に戦ったけど、あいつはまだ殺すのを止めてねえ。
それだけじゃねえ。大総統のやつも、後藤も止めなきゃならねえし、大佐だって――」
と、そこまで言ったところで、何かに躓いたかのようにエドワードは倒れ込んだ。
「あ、れ」
起き上がろうとするが、足に力が入らない。
エドワードの体に刻まれた激戦の代償が、前に進む力を奪っていた。
「ち、く、しょ……」
∫
「仲の良いことだ」
気絶し倒れたウェイブ、佐倉杏子、エドワードの3人を見つめながら、田村玲子は一人ごちる。
「……終わったのか」
そんな田村玲子に、どこからか声をかける者がいた。
「ほう、喋る猫とは」
隠れていたデイバッグから這い出てきた喋る猫――マオの登場にも、田村は全く動揺しない。
概ね短命に終わるようだが、寄生生物が人間以外の動物に寄生した例もあると聞く。
この黒猫もそうした例なのか、あるいはまったく別の何かか。
「……マオだ。あんた、何者だ?」
デイバッグからちらちらと戦局を覗いて、自在に変形する頭部を見るまでもなく。
人間の姿をしているが、人間ではないのは明らかだった。
「田村玲子だ。先ほどまでここにいた後藤の同類、と言っておこう」
人間でないのなら乗り移ることも可能か――と考えたが、制限のためなのか、もともと無理なのか、それはできない。
後藤のことは聞いていたが、目の前の彼女からは敵意は感じられない。
「ついていくしかなさそうだな……」
「好きにするといい」
言いながら、田村は倒れたエドワードの手から首輪を拾い上げる。
名乗り合う暇すらなかった。
自分と同じく人間ではなかったのは確かだが、セリム・ブラッドレイが何者なのかは、田村玲子には全く分からない。
『そうか……マ……マ……』
だが、その最後の言葉は、田村玲子にも届いていた。
母の名前。人間ではないこの少年にも母はいて、それを呼んだのだ。
それは田村に、我が子のことを思い出させずにはいられなかった。
死後、人間たちに託した息子。
彼は、どんな人間になっているのだろうか。
「さて――」
この後は、どうすべきか。
気絶した三人をデイバックに入れ、落ちていた鎧と、中身がこぼれ出たDIOのデイバックを拾い上げながら、田村はしばし考える。
キング・ブラッドレイや御坂美琴、
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。
そして吸血鬼を食い、恐らくは体に何らかの異変を来したのであろう後藤のことも、気にかかるところではあるが。
彼らを追えば、何らかの戦闘が起こるだろう。
3人を抱えた状態で、それは避けたいところだ。
「予定通り、市役所か――いや」
地図を見る。
殺し合いが始まってから、全く気付かなかった「それ」に、田村玲子は気付いた。
この隣の、山岳、というよりは小高い丘が連なっているエリア。
その中央に、紋様のようなものが記されている。
「こうして多くの味方がいるうちに調べておくのも、有益に違いない……」
初春飾利との合流も、果たしておきたいところではあるが。
いずれにせよ、あと1時間もしないうちに、自分たちのいる場所は禁止エリアに指定される。
それまでには、どちらに向かうかを決定しなければならない。
【B-4/一日目/夜中】
【田村玲子@寄生獣 セイの格率】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、卯月に対する怒り?
[装備]:なし
[道具]:デイバック、基本支給品 、錬成した剣、悪鬼纏身インクルシオ@アカメが斬る!、
園田海未の首輪、食蜂操祈の首輪、
ジョセフ・ジョースターの首輪、ウェイブ、佐倉杏子、
エドワード・エルリック(デイバッグ内)
[思考]
基本:基本的に人は殺さない。ただし攻撃を受けたときはこの限りではない。
0:市庁舎へ向かうか、紋様を調べるか……。いずれにせよ禁止エリアからは早急に離脱。
1:脱出の道を探る。
2:コンサートホール及び市役所を探索した後初春と合流する。
3:
島村卯月は殺す。マスタング達が説得に成功したら……?
4:ゲームに乗っていない人間を探す。
5:スタンド使いや超能力者という存在に興味。(ただしDIOは除く)
6:
エンヴィーには要警戒。もしも出会ったら……
[備考]
※アニメ第18話終了以降から参戦。
※μ's、魔法少女、スタンド使いについての知識を得ました。
※首輪と接触している部分は肉体を変形させることが出来ません。
※広川に協力者がいると考えています。協力者は時間遡行といった能力があるのではないかと考えています。
※剣の他にも、何かマスタングから錬成された武器を渡されたかもしれません。
【ウェイブ@アカメが斬る!】
[状態]:疲労(超絶大)、ダメージ(絶大)、精神的疲労(大)、気絶、左肩に裂傷、左腕に裂傷、全身に切り傷
[装備]:エリュシデータ@ソードアート・オンライン
[道具]:デイバック、基本支給品×2、グリーフシード×1@魔法少女まどか☆マギカ、不明支給品0~3(セリューが確認済み)、
南ことりの首輪、浦上の首輪
タツミの写真詰め合わせ@アカメが斬る!、雷神憤怒アドラメレク@アカメが斬る!(左腕部のみ 罅割れあり)
[思考・状況]
基本行動方針:ヒロカワの思惑通りには動かない。一度自分達の在り方について話し合い、考え直す。
1:
エスデスが誰かを害するのなら倒す。出来れば説得したいが。
2:地図に書かれた施設を回って情報収集。脱出の手がかりになるものもチェックしておきたい。
3:工具は移動の過程で手に入れておく。
4:盗聴には注意。大事なことは筆談で情報を共有。
5:セリューと合流し、一緒に今までの行いの償いをする。
6:
サリア……。
[備考]
※参戦時期はセリュー死亡前のどこかです。
※
クロメの状態に気付きました。
※ホムンクルスの存在を知りました。
※自分の甘さを受け入れつつあります。
【佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(超極大)、ダメージ(絶大)、精神的疲労(大)、気絶、流血(大)、骨が数本折れている、顔面打撲
[装備]:自前の槍@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品一式、医療品@現実、大量のりんご@現実、グリーフシード×4@魔法少女まどか☆マギカ、クラスカード・ライダー&アサシン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、不明支給品0~1
[思考・行動]
基本方針:殺し合いを壊す。
0:仲間を集める。
1:イリヤは――
2:御坂美琴は―――
4:ジョセフ……。
5:もしさやかが殺し合いに乗っていれば説得する。最悪、ケリはこの手でつける。
[備考]
※参戦時期は第7話終了直後からです。
※DARKER THAN BLACKの世界ついてある程度知りました。
※首輪に何かしらの仕掛けがあると睨んでいます。
※封印状態だった幻惑魔法(ロッソ・ファンタズマ)等が再び使用可能になりましたが、本人は気付いていません。
※
狡噛慎也、
タスクと軽く情報交換しました。
※DIOのスタンド能力を知りました。
【エドワード・エルリック@鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST】
[状態]:疲労(超絶大)、ダメージ(絶大)、精神的疲労(大)、気絶、全身に打撲、右の額のいつもの傷
[装備]:無し
[道具]:デイパック×2、基本支給品×2、ゼラニウムの花×3(現地調達)@現実、不明支給品0~2、ガラスの靴@アイドルマスターシンデレラガールズ、パイプ爆弾×2(ディパック内)@魔法少女まどか☆マギカ
[思考]
基本:主催の広川をぶっ飛ばす。
0:イリヤを止めて、御坂と大総統をを止めて――。
1:大佐を元の世界に連れ戻して中尉にブン殴らせる。
2:大佐や
アンジュ、前川みくの知り合いを探したい。
3:
エンブリヲ、DIO、御坂、エスデス、
槙島聖護、ホムンクルスを警戒。ただし、ホムンクルスとは一度話し合ってみる。
4:一段落ついたらみくを埋葬する。
5:首輪交換制度は後回し。
[備考]
※登場時期はプライド戦後、セントラル突入前。
※前川みくの知り合いについての知識を得ました。
※ホムンクルス達がこの殺し合いに関与しているのではと疑っています。関与していない可能性も考えています。
※仕組みさえわかれば首輪を外すこと自体は死に直結しないと考えています。
※狡噛慎也、タスクと軽く情報交換しました。
※エスデスに嫌悪感を抱いていますが、彼女の言葉は認めつつあります。
【マオ@DARKER THAN BLACK 黒の契約者】
[思考]
基本:この女、何者だ……?
0:ひとまず田村玲子と共に行動する。
∫
「ん……」
「目覚めたかね」
D-4、イェーガ―ズ本部の付近。
キング・ブラッドレイは、御坂美琴を背負い、そこを走っていた。
世界が動き出した、あの瞬間。
イリヤと対峙していたブラッドレイのみが、彼女の真の意図を見抜いていた。
最初の爆弾には目もくれず、気絶し吹き飛ばされていた美琴を迷いなく救出、光弾が来る前に離脱を図った。
「回復結晶とやら――便利なものだな。使わせてもらったぞ」
どうかね、私のアドバイスは的確だっただろう?」
背の美琴は、微かに身じろぎをする。
生身はあくまで中学生女子でしかない美琴が、なぜDIOのパンチを受けて生き残れたのか。
その理由は、服の下にあった。
電磁気を利用し、砂鉄を操る能力。
図書館で美琴と話し、それを見たブラッドレイは、一つのアドバイスをしていた。
それは、服の下を砂鉄で覆い、さらに電流を纏わせておくことで、一つの鎧とすること。
この鎖帷子が、DIOの攻撃から美琴を守ったのだ。
「あり、がと……、と、言っておく、べき……か、しら……」
僅かな声で感謝の声を上げると、再び美琴は眠りに落ちていった。
「休んでおくがいい」
それを見届けると、ブラッドレイは走る速度を上げた。
少々時間は前後したが、予定は変わらない。
目指すのは、アインクラッド。
そして、茅場明彦――ヒースクリフとの接触。
∫
イリヤが正気を取り戻し爆弾で攻撃を仕掛けた、あの瞬間。
ブラッドレイには、単に逃げるだけでなく、他人を救出している時間があった。
それならば、救い出す対象は、エドワード・エルリックであるべきだった。
なぜなら、彼はお父様の計画に必要な『人柱』であり、絶対に失ってはならない存在であるからだ。
しかし、彼は御坂美琴を選んだ。
なぜか。
それは、無意識のうちに確信していたからだ。
一瞬、己に課された使命を忘れさせるほど。
その傍にいた時により多くの闘争を経験できるのは、エドワードではなく御坂美琴であると。
――キング・ブラッドレイは、この事実に気付いていない。
そして、長兄たるプライドが逝ったことで、彼を繋いでいた鎖の一つが外れたということにも。
あるいは、気付いていながら、心の片隅に追いやっている――。
【D-4/一日目/夜中】
【キング・ブラッドレイ@鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST】
[状態]:疲労(中)、出血(小)、腕に刺傷(処置済)、両腕に火傷(処置済)、腹部に刺し傷(致命傷ではない、処置済)
[装備]:デスガンの刺剣(先端数センチ欠損)、カゲミツG4@ソードアート・オンライン
[道具]:新聞、ニュージェネレーションズ写真集、茅場明彦著『バーチャルリアリティシステム理論』(全て図書館で調達)
[思考]
基本:生き残り司令部へと帰還する。そのための手段は問わない。
1:橋を渡り御坂美琴と共にアインクラッドに向かう。
2:ヒースクリフ(茅場明彦)と接触し、情報を聞き出す。
3:自分の素性を無闇に隠すことはしない。
4:稀有な能力を持つ者は生かし、そうでなければ斬り捨てる。
5:プライド、エンヴィーは……?
6:人柱、有益な情報、技術、帰還手段の心得を持つ者は確保する……?
7:エンブリヲにもう一度会ったら…… ?
8:島村卯月は放置。
9:自分が不利だと判断した場合は殺し合いの優勝を狙うが……?
[備考]
※未央、タスク、黒子、狡噛、穂乃果と情報を交換しました。
※御坂と休戦を結びました。
※超能力に興味をいだきました。
※マスタングが人体錬成を行っていることを知りました。
※これまでの戦いを経て、「純粋に戦いたい」「強い者と戦いたい」という感情が無意識に大きくなりつつあります。
※糸(クローステール)が賢者の石で出来ていることを確認しました。
【御坂美琴@とある科学の超電磁砲】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(小)、深い悲しみ 、自己嫌悪、人殺しの覚悟
[装備]:コイン@とある科学の超電磁砲×2 、回復結晶@ソードアート・オンライン(3時間使用不可)、能力体結晶@とある科学の超電磁砲
[道具]:基本支給品一式、アヴドゥルの首輪、大量の鉄塊
[思考]
基本:優勝する。でも黒子たちと出会ったら……。
1:橋を渡りキング・ブラッドレイと共にアインクラッドに向かう。
2:もう、戻れない。戻るわけにはいかない。
3:戦力にならない奴は始末する。 ただし、いまは積極的に無力な者を探しにいくつもりはない。
4:ブラッドレイは殺さない。するとしたら最終局面。
5:殺しに慣れたい。
[備考]
※参戦時期は不明。
※槙島の姿に気付いたかは不明。
※ブラッドレイと休戦を結びました。
※アヴドゥルのディパックは超電磁砲により消滅しました。
※マハジオダインの雷撃を確認しました。
∫
夜の闇を、白い少女が切り裂く。
「――っ」
その証跡のように、光るものが落ちていく。
少女――イリヤは、泣いていた。
(ごめん……っ)
DIOが食われた瞬間。
全て思い出した。
2人の大切な友達のことを。
自分が、何をすべきかを。
(ごめんね……!)
自分は、何をしていたのだろう。
誰も殺せず、DIOにはいいように操られた。
最後だって、とっさにキンブリーからもらった爆弾を使うことを思いつかなければ、取り囲まれて死んでいたかもしれない。
「美遊、クロっ……!、ごめんなさい……!」
自分は弱い。
あまりにも弱すぎる。
もっと強くならなければ。
もっと殺さなければ。
2人にもう一度会うことは、できない。
『……』
そんなイリヤを、ルビーは黙って見つめていた。
戦いの中で、何度も呼びかけていた。
『美遊という少女。手にかけたのは、確かにこの私であるよ』
だが、イリヤの意識をたった一言でわずかに呼び戻したのは、美遊の仇の男だっだ。
そのことが、意味するところ。
それはつまり、イリヤをもとに戻すことは、もはや自分には叶わなくなった、ということだ。
(イリヤさん……)
無力だった。
自分では、主は、もう元に戻すことはできない。
どうしようもなく間違ってしまった、歪みを抱えながら。
主従は闇を駆けていった。
【E-4/上空/一日目/夜中】
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]:魔力消費(残り1割5分)、疲労(絶大)
[装備]:カレイドステッキ・マジカルルビー@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、クラスカード・アーチャー@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:デイパック×3、基本支給品×3、DIOのエキスが染みこんだイリヤのハンカチ、DIOのサークレット、キンブリーの錬成した爆弾(電気スタンド型)、死者行軍八房@アカメが斬る!、美少女聖騎士プリティ・サリアンセット@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞、クロエの首輪、
イギーの首輪、クロメの首輪、
空条承太郎の首輪、花京院の首輪、キンブリーの首輪、セリューの首輪、不明支給品0~1
[思考]
基本:美遊とクロの味方として殺し合いに乗って二人を蘇らせる。
0:アインクラッドへ向かい、武器交換をする。
[備考]
※参戦時期は2wei!の調理実習終了後。
※『カレイドルビー』の制限は、自立行動禁止、引き出せる魔力の絶対量低下。
※『カレイドルビー』には、誰でも使える改造が施されており、さらに吸血鬼の血を吸った事で何がしかの不具合が起きているようです。
※
アカメ達と参加者の情報を交換しました。
※黒達と情報交換しました。
※「心裡掌握」による洗脳は効果時間が終了したため解除されました。
※クロエに分かれた魔力を回収したため、イリヤ本来の魔力が復活しました。
∫
「ガァァ……!」
DIOの館。
頭を齧り取られた怪物の住処に、怪物はいた。
「グ、ォ……グォォォォォォ!」
後藤は、咆える。
血が沸騰する。
力が、どうしようもなく湧き上がってくる。
ウェイブを追って武器庫の付近までやって来た後藤は、田村玲子を含む何人もが、そこで戦闘を行っているのを見た。
戦うために、飛び込んでいこうとして――一瞬だけ、躊躇する。
自分は未だ、この体に慣れ切ってはいない。
自分以外にいるのは9人。この体で、この人数を相手にするのは危険だ。
だから、まずは力を補充する。
見覚えのある多くの者たちの中、狙うのは、DIO。
あの場で、最も自分の近くにいて、最も強い力を持ち、最も隙の大きかった人物。
田村玲子よりも手近な標的として、後藤は真っ先に彼を狙った。
その意図は、結果として成功した。
――が。
DIOの頭を食った直後、体に異変が起きた。
そのままでは滅茶苦茶に暴れ出してしまいそうな、力が溢れ出すような感覚が、全身を襲った。
これまでの経験から、この状態は極めて危険だということを、後藤は瞬時に理解した。
いかに力があろうとも、暴走状態というのは隙が大きすぎる。
特に眼帯の男。あれを相手にするのは絶対に危険だ。
後藤がとった手段は――逃走だった。
「首、輪……クビワァァァァァ」
口から、DIOの首輪を吐き出す。
それを掴み、デイバックに入れようとして――力を抑えられず、床に叩きつけた。
床には大きなへこみができる。
「ク、ァァァ……」
後藤は知らないが、DIOの種族――吸血鬼とは、そもそもは「柱の男」たちの食料だった。
では、その食料を「柱の男」以外の者が食らったらどうなるのか?
それは、わからない。
いずれにせよ後藤にとって、この状態は危険だった。
荒れ狂うこの力を、一刻も早くコントロールしなければならない。
力を、異能を持つ参加者は、まだまだ多く残っている。
彼らと戦うために。
まずはこの力を完全に自分の物とするのだ。
「グ、ォ、――」
が、荒れ狂う力は力はそう簡単には収まらない。
「■■■■■■■■■■■ーーー!」
怪物の咆哮が、再び夜闇に響き渡った。
【修羅化身グランシャリオ@アカメが斬る! 完全崩壊】
【カレイドステッキ・サファイア@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 破壊】
【DIO@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 死亡】
【セリム・ブラッドレイ@鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 死亡】
【B-6/DIOの館/一日目/夜中】
【後藤@寄生獣 セイの格率】
[状態]:寄生生物一体分を欠損、寄生生物三体が全身に散らばって融合、暴走寸前
[装備]:S&W M29(4/6)@現実、鎖鎌@現実
[道具]:基本支給品、首輪探知機、拡声器、スピーカー、デイパック×2、基本支給品×2、S&W M29の予備弾45@現実、一撃必殺村雨@アカメが斬る!(先端10センチあまり欠損)、アンジュの首輪、DIOの首輪、不明支給品0~1(アンジュ分、武器らしいものはなし)、不明支給品0~1(キリト分、武器らしいものはなし)
[思考]
基本:優勝する。
0:力を押さえ込む。
1:
泉新一、田村玲子に勝利し体の一部として取り込む。
2:異能者に対して強い関心と警戒(特に毒や炎、電撃)。
3:セリムを警戒しておく。
4:余裕があれば脱出の手掛かりを集める。首輪も回収する。ヒースクリフ(茅場晶彦)に興味。
5:田村怜子・泉新一を探し取り込む。
6:黒、黒子とはこの身体に慣れてからもう一度戦いたい。
7:武器を使用した戦闘も視野に入れるが、刀(村雨)はなるべく使用しない。
8:氷の女(エスデス)とも戦ってみたい。
9:足立とは後でリベンジしたい。
[備考]
※広川死亡以降からの参戦です。
※異能の能力差に対して興味を持っています。
※会場が浮かんでいることを知りました。
※探知機の範囲は狭いため同エリア内でも位置関係によっては捕捉できない場合があります。
※デバイスをレーダー状態にしておくとバッテリーを消費するので常時使用はできません。
※敵の意識に対応する異能対策を習得しました。
※首輪を硬質化のプロテクターで覆い、その上にダミーを作りました。
※首輪の内側と接触している部分は硬質化して変形しません。
※黒い銃(ドミネーター)を警戒しています。
※寄生生物三体が全身に散らばって融合した結果、生身の運動能力が著しく向上しました。
ただし村雨の呪毒によって削られ、130話「
新たな力を求めて」の状態を100%とすると現在は75%程度です。
※寄生生物が0体になった影響で刃は頭部から一つしか出せなくなりました。全身を包むプロテクターも使用できなくなりました。
※吸血鬼を食ったことで体に何らかの異変が生じました。
※DIOの首から下の肉体はイリヤの攻撃によって消滅しました。
最終更新:2016年04月03日 23:22