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  • せおわれたもの

アニメキャラ・バトルロワイアル @ Wiki

せおわれたもの

最終更新:2022年03月19日 10:52

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せおわれたもの ◆WwHdPG9VGI


 ――無意味に希望などを持とうとすること自体が間違いなのだからな!

(生憎だったな、ギガゾンビ……)
  先ほどの不愉快極まる放送を思い出しながら、ゲイン・ビジョウは皮肉気な笑みを唇の端に上らせた。
  この世界につれて来られた時からゲインは確信していた。
  死の恐怖に屈せず、人の尊厳を持って戦う人間の存在を。

  希望を失わない人間の存在を。

  どれほど強固な壁を築いて人を閉じ込めようとしても、恐怖でしばりつけても、人はその壁を壊し、恐怖を乗り越え、
 『エクソダス』を目指す。
  わずか2日の間に多くの人間達が倒れた。
  悲しみと絶望がこの狭いフィールドを覆いつくした。
  だがそれでも膝を屈しなかった人間達が、悲しみに耐えて歩き続けた人間達がいたということの証が、目の前にある。
  獅堂光、セラス・ヴィクトリア、野原みさえだけでなく、多くの者達が散っていった。
  しかし、その遺志は受け継がれ、運ばれた。
  そして――。

  ついに形となった。

  この『エクソダス計画書』に込められた意思は、昇る陽の光よりも明るい輝きで進むべき道を照らしてくれる。
(人の心から希望を奪うことなどできやしない。それが分からんようじゃ、所詮お前さんは愚か者ってことだ、ギガゾンビ)
  ゲインは、『エクソダス計画書』を手に取った。
  どうしようもなく安堵の気持ちが込み上げてくるのを感じ、ゲインは首を振った。
(いかんいかん……。やまはちぶんめ、というからな。安心するのは実際に首輪を外してからだ)
  キョンという少年達が持っているというエクソダスのための鍵が鍵穴に合うかどうかは、やってみなければ分からないのだから。
  計画書をめくり、ゲインは内容を読み返していく。
  議論にはずっと参加していたが各々が持ち寄った情報は膨大だ。うろ覚えの部分もある。
  読みすすめるうちに、ロックの仲間に関する情報が書いてあるページにさしかった。
  首輪のことで頭が一杯だったせいか、この部分は特に記憶が曖昧だ。ゲインは、一字一字を丹念に追っていく。
  ちなみにロックの仲間達のデーターだけではなく、計画書には病院に集ったメンバーの簡易データーも記されている。
  この簡易データーの記載は、他ならぬゲイン自身の提案によるものだった。
  提案した理由は二つ。
  一つは各々が各々の能力を把握することにより、首輪の解除や対亜空間破壊装置の方策を練ることができるようにするため。
  もう一つは。

  自分の能力を晒すことにより、決して敵対する意思がないことを互いに示し合うため。

  いくら共に死線を越えた者同士も集まっているとはいえ、やはり異世界の住人同士であり、過ごした時間だけを考えれば長いとはいえない。
(あんな光景をみるのは、一度でたくさんだ)
  いつの間にか、ゲインの眉間には深い苦悩の皺が刻まれていた。
  襲い来るゴレームの群れ。地面に転がったガエラの首。逃げ惑う人々の悲鳴と苦悶の叫び。
  忘れようとしても忘れられない。
  しかも惨劇はそれで終わらなかった。本当の地獄はそのあとやってきた。

  ピープル同士の仲間割れによる殺し合い。

  まさに最低最悪の事態だった。
  それまで手を携えてきた者同士が殺しあう。これほどの悲劇はあるまい。
  嘆息を一つ漏らし、ゲインは名前とデーターを目で追っていく。
  キョン……すずみやハルヒ、トウカ……。そのざきみおん……ほうじょうさとこ……のは――
  ゲインの光彩に驚愕の色が浮かび上がった。
  思い切り顔を近づけ、ゲインはその名前を何度も読み返す。

  のはらしんのすけ。

  ゲインの顔から血の気が引いた。
(俺としたことが……)
  こともあろうに襲撃された者達の中に野原しんのすけがいるという情報を、聞き逃していたとは。
  ほうじょうさとこ、そのざきみおん、という名前は呼ばれたが『のはらしんのすけ』の名前は呼ばれなかった。
  だが。だがしかし――。

 ――しんのすけ……を……よろし……く

  死に行く野原みさえの声が耳の奥に蘇った瞬間、ゲインの身体は勝手に動いていた。
  野原しんのすけ達を迎えに行くこと。言えた義理ではないが他の人間は病院にそのまま残っていて欲しいこと。
  その二点を紙に素早くしたため、ゲインはディパックを背負った。
  この病院に集ったメンバーの誰かを探し理由を伝える行為のために数分も必要ない。
  だがその数分すら。否。数秒すら惜しい。
  民家襲撃者の最有力候補として挙がっていた峰不二子は死んだ。自分よりも荒事に向いた二人が既に向かっている。
  カズマという男は分からないが、レヴィが強いことは知っている。

  どう考えても向かう必要はない。

  行き違いになれば面倒なだけ。計画書に沿って全員で動くと決めたにも関わらず単独行動をとるなどもっての他。
  分かる。それは十分すぎるほど分かっている。
(エクソダス請負人としちゃ失格だな……)
  だが、野原みさえは、自分を庇ったせいで死んだ。
  彼女は死ぬ間際まで息子のことを思い、その生還を願った。
  そして自分は野原みさえに託された思いを、託された願いを、決して踏みにじらないと誓った。
  野原しんのすけを守ることは、エクソダスを成功させることと同じく最優先事項。
  自分には彼女の息子に会い、彼女の生き様を伝え、守り抜く義務がある。
(それに……。ここで行かないってのは、男としてできん!)
  自分のために死んでいった女性の息子に危機が迫っている可能性があるのに、ノンビリ椅子に座っていることはできない。
  少年の母親の命を自分は背負っているのだから。
  どれほど不合理だろうが、非効率的と分かっていようが、男たるもの動かなくてはならない時がある。

  ――それは今だ。

  玄関に向かう手間すら惜しいとばかりに窓から飛び降り、ゲインは一散に駆け出した。


【D-3/病院付近/2日目-昼】

【ゲイン・ビジョウ@OVERMANキングゲイナー】
[状態]:右手に火傷(小)、全身各所に軽傷(擦り傷・打撲)、腹部に重度の損傷(外傷は塞がった)
[装備]:ウィンチェスターM1897(残弾数5/5、予備弾薬×25発)、NTW20対物ライフル(弾数3/3)、悟史のバット
[道具]:支給品一式、スパイセットの目玉と耳(×2セット)
    トラック組の知人宛てのメッセージを書いたメモ、エクソダス計画書
[思考]
 基本:ギガゾンビを打倒し、ここからエクソダス(脱出)する。
 1:野原しんのすけを保護する。
 2:皆を率いてエクソダス計画を進行させる。
[備考]
 ※仲間から聞き逃した第三放送の内容を得ました。
 ※首輪の盗聴器は、ホテル倒壊の轟音によって故障しています。
 ※モールダマから得た情報及び考察をメモに記しました。

※ゲインのメモは、エクソダス計画書が置いてあるテーブルに置かれています。


■


「くそっっ!!」
  カズマは拳を叩きつけた。
  放送で峰不二子の名前が呼ばれた。
  それは、八神太一と石田ヤマトの仇であり、アルルゥやのび太の死の一因となった女が既に死んだということ。
  そして放送の中には、北条沙都子、園崎魅音という名前もあった。
  ロックから押し付けるように渡されたメモで――ご丁寧に平仮名、漢字、英語で民家に残った人間達の名前が書いてあった――
  確かめたから間違いない。
  ロックの仲間達の命もまた既に失われてしまったのだ。
(またかよ……)
  昂ぶっていた気持ちがほんの少し静まっただけで体のあちこちが痛みを申告し、体が重さを増す。
  だが、そんなものは知ったことではない。疲れも傷の痛みもどうということはない。
  体の痛みなんかより、心の方が何倍も……。
(いてぇな、オイ)

  ――あたし、これ撃ったら消えっから。 だから、その二人頼む。
  ごめんな。

  ――カズマさん、ドラえもん、のび太、アルルゥ。 俺……もう仲間を失いたくない。
  わりぃ。

  ――ごめんなさい。それと、ありがとう。ええと――
  すまねえ。

  カズマの耳の奥に幼い声がいくつも蘇り、カズマは心の中で侘びを入れた。
  結局自分の手で守ることも、仇を討つこともできなかった。

  ――お願いだよ……太一くんの仇を討って、ヤマトくんを助け出して!
  許せ。

  自分のいない間に、あの金髪の騎士に殺されてしまったのび太。
  せめてのび太との約束は守りたかったのに出来なくなってしまった。
  カズマの瞳の中の炎がわずかにその火勢を弱めた。

  しかし、それは一瞬。

「だからなんだ……。それがどうした。立ち止まってる暇なんぞ、ありゃしねぇ!!」
  無力さを嘆く暇があるなら歩く。
  考える暇があるなら歩き続ける。

  ――人生は短い! 二の足踏んでるタイムロスなど無駄以外のなにでもない!!
  ああ。分かってるさ、兄貴。

  死んでいった仲間達の名を刻み、背負い、進み続けるだけだ。
  カズマの瞳の炎が再び燃え上がった。
  瞳に烈火を宿し、鉄の鎧を纏った拳を地面に叩きつけて跳躍しようとした刹那――。

「なぁに、突っ立ってんっだこのタコ! ご休憩かぁ!? いいご身分だなオイ!」

  気勢を削がれ、カズマは剣呑極まる視線を走ってくるレヴィに叩きつけた。
(てめぇの方が遅れてる癖して何を言ってやがんだよ!)
  もっとも、このカズマの思いは多少理不尽なものであった。
  アルター化させた拳を叩きつけることで大跳躍を繰り返して進むカズマと、入り組んだ路地を走るしかないレヴィ。
  二人の距離が開くのは当然である。
  とはいえ、レヴィの方が遅れているのだからレヴィの言葉も理不尽なものには違いない。
  つまり、この二人は自分の考えが理不尽だと思わないという点では共通していたのである。
  要は似た者同士というわけだが、互いにまったくそうは思っていないところまでそっくりであった。
  ケッと口の中で吐き捨て、カズマは再び拳を叩きつけようとする。
  その時、
「急ぎな! どうにもキナくせぇ匂いがしやがるぜ!」
  カズマは拳を叩きつける動作を中断し、レヴィに視線を送った。
「……何のこった?」
  キョンという少年達を襲撃した容疑者の最有力は峰不二子だ。
  あの狡猾な女が禁止エリアで爆死することなどありえないこと、先ほどの放送で名前が呼ばれたこと、
  この二つを考えると、民家を襲撃したのは不二子に間違いない。
  自分の速さが足りなかったせいで犠牲は出てしまったが、当面の危機は去ったはずだ。
「はぁ!? ったく、だからおめーはアホなんだよ!」
  カズマのこめかみに青筋が浮き上がった。
(いいねぇ……その言い草ぁ。かなりキレるぜ……)
  レヴィの横っ面に思い切り拳をぶち込んでやりたいという衝動が猛烈に込み上げてくる。
  だが、カズマはその衝動をなんとかねじ伏せた。
(落ち着け……。今は、んなことしてる場合じゃねぇ……)
  この糞女とケリをつけるのはいつでもできる。
  今はキョンとかいう少年と合流してきっちり病院に送り届けることが、この忌々しい首輪から自由になることが、先だ。
  首輪を外す方法を見つけ出すことは、昨夜、太一達と約束したことの一つ。
  これ以上彼らとの約束を破るわけにはいかない。
「アホでかまわねぇ……かまわねぇからさっさと話せよ」
  怒りを圧縮したようなカズマの声音に、レヴィの唇がつり上がった。
「オーライだ。ちゃんと、冷えるべきとこは冷えてんな」
  カズマは顔をしかめた。
「……試しやがったな。てめぇ」
  唸り声を上げるカズマに、レヴィは思い切り鼻を鳴らしてみせた。
「あったりめーだろ! 荒れんのも、屁をひるのもてめぇの自由だがよ、
 とりあえず! 今だけ! 一時的に! とはいえ、おめえとあたしは運命共同体ってヤツだ。
 てめぇがトチりゃあたしが死ぬ。あたしゃ、足引っ張られてくたばんのは真っ平だね」
  それに勢いとはいえ、自分は「仕事」と口にしてしまった。
  言ったからには『仕事』はこなす。きっちりとだ。
「分かったよっ!! 分かったから、さっさと――」
「オーケーオーケー。我慢したご褒美だ。ママがリコリス飴をくれてやる」
  レヴィの瞳に漆黒の光が宿った。
  顔にどこか冷笑的なものを浮かべ、
「カズマ……。おめぇ、あの不二子って糞袋がハートの8で勝負をかけるタマに見えたか?」
  しばし沈黙が満ち、アスファルトを蹴る二人の足音だけが無人の道路に響いた。
  ややあって、
「意味わかんねーよ!」
「ハッ! たとえ話も分からねぇのか。いやはや……。これだからお馬鹿なお子様ってヤツぁ困りもんだ」
「……うるせーよ、このおばさんが!」
  瞬時にレヴィの感情は沸騰した。
「んだとコ――」
  言い返そうとしてレヴィは言葉を飲み込む。
  ここで挑発に乗ってしまっては、言行不一致というものだ。
  総量の少ない忍耐力という代物をかき集めて無理矢理怒りを嚥下し――頬は多少痙攣していたが――レヴィは口を開いた。
「――要するにだ。あの糞袋は、絶対にてめぇが勝てる時じゃなけりゃコールと言わねえチキンだって話さ」
  あの時、いくら目をやられたとはいえ、適当に水か何かで洗い流した後、『何が何でもぶち殺す』という覚悟で再度挑んでこられたなら、
  かなり際どい勝負になっただろう。
  いや、4分6分くらいで不二子が有利だったかもしれない。
  何せレヴィは脇腹を撃ち抜かれていたし、ゲイナーの直接的な戦闘力は低い。
  どう考えてもこちらの方がノープロブレムな状態ではなかった。
  ところがあの女は、アッサリと引き下がってしまった。
  慎重といえば聞こえはいいが――。
(何のこたぁねえ、歩く死人の癖して生きようとしてるアホの類ってことじゃねえか)
  生きることに執着する奴は目に怯えが出る。行動が遅れる。それがレヴィの自論だ。
  自分の命を捨てようとせずに相手を殺そうとする、随分とまあムシのいい話ではないか。
  あの不二子という女からはそんな匂いがプンプンしていた。
「そのチキンがだ……。例えRPGがあったにせよ、敵が何人いるともしれねぇ家に向かって攻撃しかけるか?」
  100歩譲って3人しかいないことが分かったとして、あの女が単独で攻撃をしかけるタマだろうか?

  答えはノーだ。

  この糞ゲームの参加者の中には、可愛らしいナリをしてゴジラを吹っとばせる強さを持った人間もいる。
  ことこの場において見かけなんぞがアテにならないことぐらい、あの女なら分かるだろう。
  大体が、だ。
「何であの女は、ガキどもがお家に隠れてることが分かったんだ? こんなにたくさん家があんのによ。
 ……さて、ここでクエスチョンタイムだ。
 エスパーでも魔法使いのお婆さんでもねえあの糞袋が、どうやってガキどものねぐらを知ることができたかって問題だ」
  全て偶然で片付けるのは、少しばかりケツの収まりが悪すぎる。
  放送で名前を呼ばれたガキ共がどの程度頭が回ったかは分からない。
  だが、オツムの足りない考え無しの輩が今の今まで生き残れるはずはない。窓際に立たないというくらいの慎重さはあっただろう。
「……誰かがチクったってことか?」
「正解だぜ、カズマ」
  レヴィの眼光が鋭さを増した。
  低い声音でレヴィは言葉を紡いでいく。
「どっかの誰かが、お母さんの帰りを待つ小ヤギが三匹柱時計の中に隠れてるとあの糞アマに吹き込んだ……。そう考えて間違いねぇ」
  レヴィの推理は不二子という人間に対する独断と偏見に満ち満ちた根拠に基づいていたが、
  恐ろしいことに今回は独断の沼を泳ぎ渡り偏見の密林を走破して、真実の城門に手をかけていたのである。
  もっともこれは、レヴィが悪人の中で育ってきたことが大きいだろう。
  蛇の道は蛇。悪人の行動パターンは、悪人が一番良く分かる。
「チクリを入れた野郎は、ガキ3人ならあの糞アマ一人で十分だとふんだに違いねぇ。
 ところがどっこいあの糞アマは全員殺せずに返り討ちにあっちまった。となると、だ」
  レヴィの唇に禍々しい愉悦の笑みが浮かび上がった。
「まだ終わってねぇ、ってことになるだろうがよ」
「……誰だ」
  獣の唸り声にも似た声がカズマの唇から発せられた。
「遠くから人のこと操って、ほくそ笑んでやがるのは、誰だぁっ!!」
  紅蓮の炎を双眸にたぎらせカズマは怒声を上げた。
  対照的にレヴィは冷たい笑みを浮かべ、
「バーカ。ない頭使ってよく考えな! ロックのアホンダラが言ってやがっただろ?
 あたし等意外で残ってるのは、くたばった糞袋とナントカっつう……」
「セイバーだ! それぐらい覚えろ!」
  あまり人の名前を覚えないカズマだが、セイバーだけは別だ。
  あの女はヴィータとのび太の仇なのだから。
「てめーに言われる筋合いはねぇんだよ!! ったく……あ~と、何だ……。
 そのセイバーってのは、人の居所を探るなんて洒落た真似はできねぇ。そうだろ?」
  ほとんど聞き流していたが、リンとかいう黒髪の女はセイバーについてそう言っていた……はず。
「……そうだったか?」
「聞いてろよ、てめーは!! ああクソっ! つかえねー野郎だなぁ!」
  レヴィはチっと舌を打ち鳴らした。
(ロックとかゲイナーのヤツなら、ちゃんと覚えてんだろうによ……)
  知性派の相方の有用性を改めて思い知らされ、レヴィは頭を掻き毟った。
「とにかくっ! 使えねえってたら、使えねぇんだよ!」
  苛立たしげに吐き捨て、
「でよ……。セイバーとやらじゃねえとしたら、後は一人しかいねぇ。違うか?」
  カズマの眉が疑問の形を描いた。
(俺達以外で生き残ってるのは、くたばったあの女とセイバーだ。そのセイバーでもねぇだと? じゃあ誰――)
  突如カズマの髪が逆立ち、瞳の炎が凶暴な色を帯びた。
  カズマの獰猛な視線とレヴィの漆黒の視線が衝突。
「や~っと分かったみてえだな。三匹の子ヤギの居場所とその力、両方を完全に知ることができる野郎なんざぁ……」
「ああ……」
  カズマの奥歯がゴギリと異様な音を立てた。
「……いねぇよなぁ……。そんなヤツは……一人しかよぉ……」
  カズマは拳を握り締めた。
(覚悟しろよ。恨むんならてめぇの親玉を恨みやがれ。俺を激しくムカつかせた、てめぇの親玉をなぁ)
  まだ見ぬギガゾンビの手下にカズマは怒りを滾らせる。
(ぶっ飛ばしてやる……)
  一刻も早く行ってギガゾンビの手先をぶっ飛ばす。
  ギガゾンビの手下を完膚なきまでにボコって、キョンとかいうヤツとその仲間のハル……ヒとかいう女と――。

 ――待てよ?

  ハルヒ。その名前はどこかで聞いた事がある。
  胸がざわめくのをカズマは感じた。
  疑問の風が怒りの炎を吹き払い、カズマの心で激しく吹き荒れる。
  心が激しく叫ぶ。思い出せと。
(何処だ? どこで聞いた?)
  カズマは記憶の糸を猛烈な速さで引き寄せた。
  その時。

  ――ヤマト、アルルゥとハルヒおねーちゃんのこと守ってくれた。だから、きっと助かる。アルルゥもヤマト助ける。

  可愛らしい声が頭の中に響いた途端、いくつもの光景と声がカズマの頭の中に浮かび上がった。

  不二子に抱えられた意識のない少女。

  ――ハルヒおねーちゃん!

  叫びながら小さな体で不二子に飛び掛っていったアルルゥの姿。

  ――ハルヒさん! アルルゥ! 太一ぃ! 返事をしてくれー!!

  石田ヤマトの絶叫。

(ハルヒってのは……。あの時の、あいつか)
  思いはすぐに確信へと変化した。

  ――ごめんな、ワリィ、すまねぇ、許せ。

  カズマはアルルゥとヤマトに侘びを入れた。
  一瞬止まってしまったことを。 ほんの少しブレーキを踏んでしまったことを。
  石田ヤマトとアルルゥが命がけで守った仲間がこの先にいる。

  ――ならばどうする?

  そんなもん、決まってんだろうがっ!!

「レヴィっ!! 掴まれ!!」
「あぁ!?」
  何言ってんだ? とばかりにレヴィが目を剥く。
  それに一切頓着することなく、
「俺の身体に掴まれって言ってんだっ!! 一気にいくぜっ!! モタモタしてたら日が暮れちまうだろ!!」
  カズマは怒鳴った。
  一瞬の間があったが、
「……面白そうじゃねえか」
  カズマの声に込められたすさまじい決意と気迫に何かを感じ取ったのか、レヴィはカズマの体に手を伸ばした。
  レヴィの腕が自分の身体に回されたのを確認し、カズマは大きく息を吸い込んだ。

「シェルブリットォォォ――っ!!」

  カズマの胸に灼熱が生まれた。
  心の奥底から吹き上がる灼熱は瞬時に心と身体を埋め尽くした。
  今にも身体を突き破って天まで届いてしまいそうだ。
  吹き上がる灼熱ねじ伏せ、引き寄せ、全ての思いをカズマは拳に集め、地面に叩きつけた。
  轟音が天地を揺るがし、カズマとレヴィの身体は大空へと舞い上がった。
  地面が見る見るうちに遠ざかり、蒼天がカズマの瞳に大写しになる。
「YEAH!! こいつぁ、ご機嫌だ! ギターウルフよりKOOLだぜっ!!」
「馬鹿いってねぇで、しっかり掴まってろ!!」
  歓声を上げるレヴィに怒鳴り返し、カズマは前方を見据えた。

  刻むと決めた。彼らの名を。
  名を刻むとは全てを忘れないこと。
  彼らの思いを、意思を。
(ヤマト……。アルルゥ……安心していいぜ……)
  今度こそは守る。約束を、誓いを、守る。
  二人の守りたかったものを守り、昨夜誓った通りに首輪を外してギガゾンビをぶっとばす。
  そのためには速ければ速いほどいい。
  力はあればあるほどいい。
  癪だがレヴィは強い。頭もそこそこ回る。
  相方としては十分だ。

  ――今度こそ、必ず。

  ずっと失い続けてきた。何も守れなかった。
  守りたいと思った物は手の中からこぼれていってしまった。

  運命。

  今朝森の中でふと頭に浮かんだ言葉がまた浮かび上がってくる。
(知るかっ!!)
  仮にそれが自分の運命なら。

  ――今度こそ叩き壊してやる!

  落下速度が増し、地面がカズマの瞳の中で拡大していく。

「おおおおぉぉぉっ!!」

  咆哮を上げ、カズマは迫る壁に向かって鉄の拳を振り上げた。


【C-4/市街地/2日目-昼】
【カズマ@スクライド】
[状態]:少しの疲労、強い決意、全身に中程度の負傷(処置済)、西瓜臭い
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(食料-1)、翠星石の首輪、エンジェルモートの制服
[思考]
 基本:気にいらねぇモンは叩き潰す、欲しいモンは奪う。もう止まったりはしねぇ、あとは進むだけだ!
 1:キョン達、特に涼宮ハルヒを守り、病院へと送り届ける。
 2:首輪を外してギガゾンビをぶっとばす。
 3:そのためにはかなり不本意ではあるがレヴィとも協力する。

[備考]
 ※いろいろあったのでグリフィスのことは覚えていません。
 ※のび太のデイパックを回収しました。


【レヴィ@BLACK LAGOON】
[状態]:脇腹、及び右腕に銃創(処置済み)、背中に打撲、頭からバカルディを被ったため少々酒臭い。
[装備]:ソード・カトラス(残弾15/15、予備残弾×26発)、ベレッタM92F(残弾5/15、予備弾倉15発×1)
[道具]:デイバッグ×2、支給品一式×2、イングラムM10サブマシンガン(残弾13/30、予備弾倉30発×2)
    グルメテーブルかけ(使用回数:残り16品)、ぬけ穴ライト、テキオー灯
    バカルディ(ラム酒)×1本、割れた酒瓶(凶器として使える)、エクソダスと首輪解除に関して纏めたメモ
[思考]
 基本:バトルロワイアルからの脱出。物事なんでも速攻解決!! 銃で!!
 1:多分いるギガゾンビの手下相手に大暴れする。
 2:キョン達とやらを見つけて病院へと送り届ける。
 3:ゲイナーやゲインのエクソダスとやらに協力する。
 4:カズマはぶっ飛ばす。
 5:機会があればゲインともやり合いたい。
 6:バリアジャケットは絶対もう着ないし、ロックには秘密。秘密を洩らす者がいたら死の制裁を加える。

[備考]
 ※双子の名前は知りません。
 ※魔法などに対し、ある意味で悟りの境地に達しました。
 ※ゲイナー、レヴィ共にテキオー灯の効果は知りません。
 ※空を飛ぶのはなかなか爽快なので、カズマへの怒りは緩和傾向。



「ちぃっと乗り心地がワリィが、悪くねぇ新車だぜ! オイ、そこ右だっ!!」
「落とすぞてめぇ!!」



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