アルドさんが入室しました
アルド : （ココドバイの夜。ロジタワーの程近くにある裏路地
アルド : （彼にとっては、行き倒れていた僧――というか半分襲撃者だったが……を助けたのが記憶に新しい。
アルド : （此処もまた、現場とされる場所の1つ、だ。
アルド : （現場不明の事件。複数箇所での目撃証言。いかにもきな臭く、如何にも撹乱されている…が。調査しない事には何も進まない。
アルド : …（殆ど人通りの無い路地に屈み込む、フード付外套姿。
アルド : ……（予想通りと言うべきか、手掛かりらしい手掛かりは無い。
かすかさんが入室しました
かすか : （そんな大通りを通りかかるＪＫ
アルド : …（のそ、と緩慢な動作で立ち上がる
かすか : （道すがら何となく路地を見遣ると、いつだか見かけた後ろ姿
かすか : ――……、
アルド : ……（銀髪を留めたバレッタが僅かな明かりに照らされる。
…まだかすかには気付いていないようだ。
かすか : ……（彼も何かしらの調査だろうか。 件の調査か、はたまた新事件か。
かすか : （ＥＧに向かう途中。まだ深夜ではないが補導されそうになった経緯もある。 ここは穏便に……
かすか : 穏便に……（今のうちに、と言わんばかりにその場から離れる
アルド : ………
アルド : ………のインフルエンサー。（ぼそ、と
かすか : ――――
アルド : ……
なんて方だったんスね。（ゆるりとかすかに振り返り
かすか : ……。（目を細める
アルド : ……ども。こんばんは。（歩み寄って来る
アルド : ……そんな構えんで下さいよ。今日は補導しねェんで。
かすか : …こんばんは。
かすか : …………。 何か……？
アルド : …。そーですね、（訊きたいことはそれなりにあるが、重要なのは職務の部分だろう。
アルド : …市長襲撃の件スよ。…インフルエンサーの一人なら、アンタにも話は回ってるでしょうから。
かすか : ……。（その事か、と少し考えて
かすか : びっくりしましたね。急に、それも秘密裏に、だなんて。
アルド : …えぇ。警察の方で動けるのは数名。借りられる手は借りたい…っつー訳です。（表情は相変わらず薄く
かすか : ……そうなんですか。。
かすか : 、すみません。 でも全然知らなくて（ただの女子高生に、知る由もないだろうと
アルド : ……。一般の学生さんが、知ってるような事は無い、ですか。
かすか : （頷く
アルド : ……。
かすか : 辻褄の合わない証言が出てる、とかで……
かすか : それで、真相を突き止めて欲しい、と。 そう伝達されただけですね……
アルド : …そうですか。 …まー、大体、そんな感じになりますよね。
アルド : 突然調査指令なんて出されても。 …専門の何かしらでも無けりゃ、積極的に調べようとは思わない。
かすか : ……、すみません、力になれなくて
アルド : …アンタが「ただの高校生」なら、猶の事です。…いーえ、気にせず。
かすか : ……。
アルド : 市長の危機は、アンタの正義の琴線に掛かりませんでしたか。（突然に、不躾な程の唐突さで
かすか : ――。
かすか : （随分と、踏み込んだ言い回しだ。 思わず何かを言い返そうになる、が――
かすか : それは……（――いや、これは。
かすか : そりゃ、思う部分は思いますよ。 私だって市民ですし。市長の身に、って話なら
おおごとだと思ってます。
アルド : ……。
かすか : （両手を軽く広げて、水平にも満たない確度で
かすか : もちろん、協力しますよ。 調べるにも取り付く島もなくて、動けてはないですけど。
かすか : 私が届く正義の範囲は、こんぐらいですけど。
アルド : ……。えぇ、そんなら、助かります。（先程までと確かに違う反応を見て取って
アルド : …まー、雲を掴むぶりはコッチも現状似たようなモンですが。 …取り付く島、情報共有なら、できますが。（どーしますか、という感じで
かすか : ……共有してもらえるのはありがたいですけど、他の人にはどうするんですか？
かすか : あと、最新情報とかも。
アルド : ……。全員グループ繋がってるほどアットホームじゃないスよね。（真顔で 一応冗談なのか
アルド : …なんで、協力して頂ける所は、って事になりますかね。 …後まぁ、相手は選びます。
かすか : ……なるほど。 それで発破かけたんですか。
アルド : ……。 ま、そんな所です。（瞑目し …彼女の言った理由も確かにあり
かすか : ……。
アルド : …オレの捜査対象は「インフルエンサー10名」です。（ﾎﾞｿﾘと
アルド : …組織としては、他にあらゆる可能性を追っていますが。（…そう、協力だのなんだの言ってるが、そもそもの目的はそこだ
かすか : ――、
かすか : どうして、それを？
アルド : …そりゃ、協力要請の為、ですよ。 …ケーサツ相手じゃ警戒を解くにも限界がある。
アルド : …それとまー、人に物を頼むなら、コチラから腹見せるのが筋かとね。
かすか : ……それは私が潔白だと判断した、と受け取っていいと？
アルド : そこまでは言い切れねェですが（あっさりと） …只、そーですね。
アルド : （「
生憎と現場にはいない。その夜は本業… あんたらも知ってるだろ？“掃除屋”の仕事があった」「 が、結局――……」
アルド : ……まあ、諸々鑑みて。出ても良い賭けだと判断しました。
かすか : （――私が黒でも良いと見ている。あるいは、白だと考えている、か。 当然確信には至らないし、証明も出来ないけれど
かすか : （加えて私にような高校生に、こんな話を。 ……公僕なら考えづらい。
かすか : ……随分と買いますね。 ただの高校生にそこまで？
アルド : ヤクザやマフィアが近付いてきて気を許すかっつー話です。…アンタが「只の高校生」だからですよ。
アルド : （勿論、括弧付きではあるが。
かすか : ……（目を細める。 意図としては五分五分か。
かすか : ……最後に（質問を、と
アルド : …はい。何です？
かすか : ……何かあったら、私も、 貴方も……いえ、警察としても色々と拙いと思うんですけど。
かすか : （最悪のシナリオは、高校生がヤクザに攫われて翌日砂漠の海に浮かんで… それもけしかけたのは警察だ、なんて露呈したら
かすか : （それこそ炎上どころの騒ぎでは済まないだろう。勿論、”散々見てきた”とおり、誰も彼もうまく隠すんだろうけど。
アルド : ……責任取れるのかって？
かすか : ……そこまでの事件だという裏付けが知りたいだけです。
アルド : …裏付けスか。…無いですよ。 言ってる通り、取り付く島も無いくらい情報が無い。
アルド : クソほどしょうもないオチが付く可能性だって十分あります。
かすか : …………
アルド : …市長の危険も、犯人も、オレにとっちゃどうでも良い事です。 そこまでの事件、では無いかもしれないですね。
アルド : …ただ。都市のトップに何かあった時…最終的に影響を被るのは、住み暮らす人々ですから。
アルド : …それがどんな真実であれ、明らかにする必要があると考えています。
かすか : ………
かすか : ……なるほど。背景にあるのは貴方の骨子でしたか。
アルド : ……。（口元押さえて）…えぇ。 その為に、只の学生さんを巻き込もうと。
アルド : …（己の思う正しさを果たす為に、正しくない手段を用いようとしている。 …私感を抑えて話していた心算だったが、なるほど冷静じゃない
かすか : （少なくとも彼自身に裏があるとは考え辛いけど……危なっかしいな…… 人のこと言えた立場じゃないけど……
かすか : ……心の隅に留めておきます。
アルド : ……それはどうも。 …まー、何かあったら脅しにでも使ってください。
かすか : 全ては賛同できません。 それに――（思い起こす。集められた10人の者達。
かすか : （種族も、年齢も、性別も、まるでバラバラで、あの纏まりのない大騒ぎ。
かすか : 獅子身中の虫になりたいとは、思いませんから（意外と、悪い気はしなかった。
アルド : ……なるほどね。（ﾌ、と 不思議な部分で笑みが出る
アルド : …ソコは普通の高校生なんですね。 …解りました。
かすか : …。
アルド : 忘れてください。 …まあ忘れなくとも、言い触らさないで頂けると助かるには助かりますが。（かつ、とブーツ鳴らしてかすかから離れて
かすか : ……善処します。
アルド : そんじゃ、また。（背中越しに片手を挙げて） …えぇ、また会いますよ。残念ながら。
かすか : ……。（自らの腕を握り、去りゆく背を見送る
アルド : （大通りに出て、人混みに姿が消えて行く
アルドさんが退室しました
かすか : …………
かすか : （自らの信じた正義のために、火中の栗すら拾い続ける。 なるほど、大した信念だ。
かすか : （彼の言う”人々”に、私が勘定されていない……いや、優先度が低いのは分かったが。
かすか : （そして、自らは初めからカウントしてないのだろう。保身も、立場も。
かすか : （それ以上に優先すべきことを優先するのは当然だと言わんばかりの実直。
かすか : …………
かすか : （だけど、私は何者にも与しない。与できない。
かすか : ……。（ｷﾞｭ、と握る指先が白くなる
かすか : （私は”警察やヒーロー”＜正義の味方＞じゃない。
かすか : （――私は ”シャドウ・ダイバー”＜悪の敵＞だ。
かすか : ――――――――
かすかさんが退室しました
最終更新：2021年02月14日 04:12
