うじまさは北条家四代目の当主だ。
北条家は家族が多くて、先代が亡くなったときもその弟やら、うじまさの兄弟やら
跡継ぎ候補には事欠かなかったのだが、何故か一族の絶大な支持を受けて
四代目に就任したのは、うじまさだった。
長女だから、とか、一番ご先祖様を大事にしているから、とか、曖昧な理由は
たくさんつけられていたが、客観的に見るところ一番の理由は、うじまさがとても
可愛いかったからだと、小太郎は思っている。
うじまさは確かに可愛い。
容姿も可愛いが行動も可愛い。その人気はすさまじく、一族の愛努瑠と呼ばれている。
わがままでいばりんぼ、加えてちょっぴりツンデレ気味なところもまたたまらないと、
城下や他国でも評判だ。
同盟を組んでいる上杉は会談のたびに「じょうしゅなどやめて、わたくしの
いもうとになりませんか」と微笑みかけるし、もう一方の同盟者、武田からは
もっと直接的に「わしの愛人にならんか」と誘われている。
豊臣の軍師は「関東が欲しいだけだよ」と小ばかにした態度をとりながらも、
積極的に声をかけるのをやめないし、前田の甥っ子は恋を語り、奥州筆頭などは
城ごと奪うといきまいている。
第六天魔王に誘拐されそうになったことも、一度や二度ではない。
他国の城主も狂わす傾国傾城。そんなあまりの可愛さに、北条の人々も一族の
一番上に据えずには、いられなかったのだろう。
北条家は家族が多くて、先代が亡くなったときもその弟やら、うじまさの兄弟やら
跡継ぎ候補には事欠かなかったのだが、何故か一族の絶大な支持を受けて
四代目に就任したのは、うじまさだった。
長女だから、とか、一番ご先祖様を大事にしているから、とか、曖昧な理由は
たくさんつけられていたが、客観的に見るところ一番の理由は、うじまさがとても
可愛いかったからだと、小太郎は思っている。
うじまさは確かに可愛い。
容姿も可愛いが行動も可愛い。その人気はすさまじく、一族の愛努瑠と呼ばれている。
わがままでいばりんぼ、加えてちょっぴりツンデレ気味なところもまたたまらないと、
城下や他国でも評判だ。
同盟を組んでいる上杉は会談のたびに「じょうしゅなどやめて、わたくしの
いもうとになりませんか」と微笑みかけるし、もう一方の同盟者、武田からは
もっと直接的に「わしの愛人にならんか」と誘われている。
豊臣の軍師は「関東が欲しいだけだよ」と小ばかにした態度をとりながらも、
積極的に声をかけるのをやめないし、前田の甥っ子は恋を語り、奥州筆頭などは
城ごと奪うといきまいている。
第六天魔王に誘拐されそうになったことも、一度や二度ではない。
他国の城主も狂わす傾国傾城。そんなあまりの可愛さに、北条の人々も一族の
一番上に据えずには、いられなかったのだろう。
うじまさは可愛いことで、北条の当主になった。
だが可愛いことで、ある意味、北条家を危機に追い込んでいるのではないかと、
小太郎はちょっぴり思っている。
可愛いだけじゃ、戦国大名はやっていけないのだ。
単なる雇われ人の身なので、口には出さないが。
どうせ雇われているだけで、小太郎に北条家への義理などはないのだ。
だが可愛いことで、ある意味、北条家を危機に追い込んでいるのではないかと、
小太郎はちょっぴり思っている。
可愛いだけじゃ、戦国大名はやっていけないのだ。
単なる雇われ人の身なので、口には出さないが。
どうせ雇われているだけで、小太郎に北条家への義理などはないのだ。