戦国BASARA/エロパロ保管庫

炎の微笑4

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髪を梳き、幸村は紐を箱にしまった。箱は既に、小十郎がよこしたもので一杯になっている。

最初は飴玉だった。幸村はそれを、小十郎が見ている前で捨てた。頬を叩かれ、そのまま犯された。
それから、幸村が寝ている隙に小間物をよこすようになった。よくもまあこんなに、と
一杯になった箱を見て感心する。捨てれば酷く犯されるため、こうしてしまうようになった。
どれも一度も使った事はない。
何度も逃亡を図り、何度も小十郎を殺そうとした。
その度に捕らえられ、逃げるなと脅され、捕らわれて犯される。何かにつけて
犯されるため、陵辱に対して何も感じなくなった。

女を囲っているつもりなのか、処遇を決めかねているのか分からない。
裸でいる訳にもいかず与えられた着物を着ているが、美しい着物ばかりで戸惑ってしまう。
そのくせ与える小間物は安物で、紅は鉛が多く使われている粗悪品だった。

「お食事をお持ちしました」
女中が食事を運んでくる。幸村は頷き、膳の前に座った。
女中が給仕をする中、幸村は黙々と箸を動かした。互いにろくに言葉を交わしたことはないが、
ここに閉じ込められてから毎日顔を合わせている。腕の立つ女だということは、ふとした仕草からも十分見て取れた。
最初は食事を拒んだが、小十郎に圧し掛かられて無理やり食べさせられて以来、
おとなしく食べるようにしている。

いずれ、甲斐が幸村が捕らえられていることに気づくだろう。真田の忍びが
探っているかもしれない。痩せ細っていては、逃げられるものも逃げられない。
無言で野菜の浮いた汁を啜り、雑穀の混じった飯を食べる。食事はいつも質素だが、
肥えぬためにはこれくらいの方がいい。

白湯と漬物まで平らげ、幸村は箸を置いた。女中が膳を運んでいく。
一人座敷に残され、幸村は障子の向こうを見た。縁側には格子がはまり、
閉じ込められていることを思い知らされる。

上田は、甲斐はどうなっているのだろう。死んだと言われれば、そうかと納得するだろうか。
遺骸も首も帰ってこない状況で、信玄が素直に信じるとは思えない。

(お館様は、ご健勝だろうか)
格子に近づき、顔を寄せた。朝日が頬を撫でて気持ちいい。
囲い女のような身に落ちても、朝日というものは温かく清々しい。
幸村を見張るような気配をいくつか感じた。おそらく、小十郎の雇った監視役だろう。
逃げるたびに数が増えたが、最近は落ち着いている。

腰を下ろし、目を閉じた。水垢離で冷えた身体に、朝日の温かさは有難い。
冷水を使って体を冷やし、月のものを遠ざけていた。子を孕む可能性を、
少しでも遠ざけるためだった。
無理をしているのは分かっている。時々酷い熱を出すようになってしまった。
以前は風邪一つ引き込まず、頑丈そのものだった。

――解放されるとは思えない。気まぐれならば、とうに解放されるか殺されているだろう。
着物に小間物を与え、食事も風呂も厠も自由に行ける。望めば、恐らくもっと
上等のものをよこすだろう。

捕虜とは違う。表向き行方をくらました武将など、人質としての価値は持たない。
では、これはなんだ。
好きなときに抱ける女。思いつくものは一つしかない。


 ――慰み者。


幸村は笑った。明るさなど一つもない、暗い笑みだった。


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